有価証券報告書-第72期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善等により、緩やかな回復傾向が続いておりますが、消費税率の引き上げや自然災害による消費マインドの低下、中国経済の減速、新型コロナウイルス感染拡大などにより、先行き不透明な状況が続いております。出版業界におきましては、雑誌はコミックス(単行本)の伸長で減少幅が縮小しましたが、2019年の販売金額は対前年4.3%減の1兆2,360億円と、縮小傾向が依然続いております。
このような状況の中、当社グループは、2019年10月1日に日販グループホールディングス㈱を親会社とした持株会社体制に移行しました。中期経営計画「Build NIPPAN group 2.0」の基本方針である「本業の復活」に向け、持株会社体制への移行によって、本業である取次事業の改革に専念するとともに、もう一つの基本方針である「本業を支える事業を成長させる」ための諸施策に取り組んでまいりました。
当連結会計年度の売上高は5,159億円(前年同期比5.5%減)、298億円の減収となりました。売上原価は4,472億円(前年同期比5.9%減)、281億円減少し、売上総利益は686億円(前年同期比2.4%減)、16億円の減益という結果となりました。
販売費及び一般管理費は、661億円(前年同期比4.5%減)となりました。
この結果、営業利益は24億円(前年同期比141.0%増)、経常利益は24億円(前年同期比125.2%増)となりました。特別損益については、固定資産売却益1億円、関係会社株式評価損4億円、事業再編損3億円、減損損失2億円等を計上しております。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は7億円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失2億円)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
a.出版物等販売事業
当セグメントの売上高は5,103億円(前年同期比5.6%減)、営業利益は2億円(前年同期は営業損失5億円)と黒字転換しました。
卸売関連は雑誌、書籍の大幅減収や運賃効率の悪化に対し、文具雑貨の取引店舗数拡大による増収や、荷造費の圧縮、拠点再編等の固定費削減により営業赤字幅を大きく削減しました。しかしながら依然として営業赤字は続いております。
小売関連においても、全体で減収となりましたが、経費面では本部コスト削減を進めたほか、不採算店の撤退による赤字削減、家賃削減等の固定費圧縮により営業黒字へ転換しました。
b.不動産事業
当セグメントの売上高は26億円(前年同期比2.4%増)、営業利益は11億円(前年同期比8.0%増)となりました。新お茶の水ビルディングの外部テナント誘致の継続により、ほぼ満床を維持したことが奏功しました。
また、連結子会社の㈱蓮田ロジスティクスは倉庫事業から借地事業へ転換したことにより増収増益となりました。
c.コンテンツ事業
当セグメントの売上高は17億円(前年同期比24.0%増)、営業利益は5億円(前年同期比11.2%増)となりました。全てのレーベルが好調で売上を大きく伸ばしました。またアジアを中心とした海外販売の売上も伸長し、増収増益となりました。
d.その他事業
その他事業では情報システム事業等により、売上高48億円(前年同期比12.9%増)、営業損失は12百万円(前年同期は営業利益23百万円)となりました。
日販テクシード㈱は、外販事業において大手企業との取引や、医療機関の大型案件を獲得しました。
㈱ASHIKARIは、ブックホテル「箱根本箱」が順調に稼働しております。
日本緑化企画㈱は、商業施設やオフィス等を中心に造園の設計・施工、グリーンレンタル等のサービス展開拡大に取り組んでおります。
②生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 出版物等販売事業(百万円) | 510,342 | 94.4 |
| 不動産事業(百万円) | 2,251 | 105.4 |
| コンテンツ事業(百万円) | 1,715 | 123.2 |
| 報告セグメント計(百万円) | 514,310 | 94.5 |
| その他事業(百万円) | 1,753 | 119.4 |
| 調整額(百万円) | △140 | - |
| 合計(百万円) | 515,922 | 94.5 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による財政状態等の状況に関する認識及び分析・検討内容
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、これらの見積りは不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
尚、連結会計年度末日における新型コロナウイルス感染症の影響を減損や繰延税金資産の回収可能性等の見積もりにおいて勘案しております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は437億円となり、前連結会計年度末に比べて83億円減少いたしました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、使用した資金は57億円(前年同期は81億円の獲得)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益13億円に売上債権の減少等による資金の増加分と仕入債務の減少等による資金の減少分を加減した結果であります。また、前連結会計年度末日は金融機関の休日であったため、決済処理の一部が当連結会計年度に行われています。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は37億円(前年同期は55億円の使用)となりました。
これは主に、投資有価証券の取得や有形固定資産の取得による資金の減少によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は10億円(前年同期は1億円の獲得)となりました。
これは主に、長期借入れによる資金の増加と長期借入金の返済による資金の減少を加減した結果であります。
③資金需要
当社グループの事業活動において運転資金需要の主なものは、出版物等販売事業における商品仕入代金の他、輸
配送等に係る営業販売費や、各事業における一般管理費等であります。
また、設備資金需要としては、新規事業投資、物流拠点の維持管理や新規出店のための有形固定資産投資他、業
務効率化のためのシステム投資等であります。
④財務政策
当社グループの主要業務である出版物等販売事業に係る商品仕入代金や輸配送に係る支払資金に関しては、自己
資金または、金融機関からの借入を資金の流動性の源泉としております。
また、金融機関には十分な借入枠を有しており、当社グループの事業活動に必要な運転、設備資金の調達は今後
も十分可能であると考えております。