有価証券報告書-第78期(2025/04/01-2026/03/31)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
当事業年度における我が国の経済は、雇用環境の改善や賃金上昇を背景に、内需を中心として緩やかな回復基調を維持しました。一方で、米国の関税引き上げなどの通商政策の動向や海外経済の減速懸念については、引き続き経済の下押しリスクとして認識されています。また、物価上昇の長期化が実質賃金や個人消費に及ぼす影響に加え、金融市場における金利動向や為替変動を巡る不確実性も高まっております。
2025年の紙と電子を合算した出版市場(推定販売金額)は1兆5,462億円(前年比98.4%)となりました。内訳は、電子出版が5,815億円(前年比102.7%)なのに対し、紙の出版物は9,647億円(前年比95.9%)で4年連続のマイナスとなりました。書籍分野は話題作に支えられ、前年並みの水準を維持しましたが、雑誌分野は週刊誌が大幅減、コミックスもデジタルシフトの進行が影響し、厳しい状況が続きました。
こうした環境下において、当社グループは経営理念「人と文化のつながりを大切にして、すべての人の心に豊かさを届ける。」に基づき、ESGを重視した経営を推進するとともに、グループ各事業で定めた事業計画の達成に向け、挑戦を続けてまいりました。
当連結会計年度の売上高は3,427億円(前年同期比10.5%減)、400億円の減収となりました。売上原価は2,877億円(前年同期比10.1%減)、323億円減少し、売上総利益は549億円(前年同期比12.2%減)、76億円の減益という結果となりました。
販売費及び一般管理費は、565億円(前年同期比9.3%減)となりました。
この結果、営業損失は15億円(前年同期は営業利益2億円)、経常損失は13億円(前年同期は経常利益7億円)となりました。特別損益については、固定資産売却益19億円、減損損失13億円等を計上しております。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は24億円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益4億円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
a.出版物等販売事業
当セグメントの売上高は3,348億円(前年同期比10.6%減)、営業損失は36億円(前年同期は営業損失19億円)となりました。
卸売関連については、中核事業会社である日本出版販売㈱が、書店ルート取引における雑誌・コミックの売上減少などが影響し大幅減収となりました。そのような状況下でも、出版流通事業を持続可能なものとするために、商品供給の適正化、物流拠点再編、業界3者での流通コスト負担の見直しなどの事業構造改革を継続的に実施してまいりました。一方で運賃・下請費などの流通コストの上昇や業量減少に伴う配送効率の悪化による利益の減少をカバーするには至らず、日本出版販売㈱の経常損失は19億円となりました。カルチュア・エクスペリエンス㈱は、新たなTSUTAYA業態の企画、展開に取り組みました。
小売関連は、売上の約5割を占めるBOOKが前期比91%の減収となる中、グループ内外合わせて新たに18店舗を出店(2026年3月末時点累計59店舗)した「駿河屋」が前期比135%と大きく売上を牽引した他、トレーディングカード事業が前期比119%と好調に推移しました。収益面ではBOOKの構造改革として雑誌買切や㈱ブックセラーズ&カンパニーによる粗利改善スキームに取り組み、改善を進めた結果、営業利益が前期比242.5%増(内部取引考慮前)の増益となりました。
b.不動産事業
当セグメントの売上高は27億円(前年同期比0.6%減)、営業利益は12億円(前年同期比1.8%増)となりました。
新お茶の水ビルディングを含むオフィスビル4棟は堅調な利益創出でグループを下支えしています。
c.コンテンツ事業
当セグメントの売上高は32億円(前年同期比11.2%減)、営業利益は5億円(前年同期比5.4%増)となりました。
自社オリジナルコミックが伸長したことで利益構造が改善し利益率が向上、注力してきた少女・女性ジャンルが前期に引き続き好調だったのに加えて、当期は少年・青年ジャンルが大きく売上を伸ばしました。一方で、これまで売上を牽引してきた海外作品翻訳レーベル「Rush!」が、ヒット作品の完結影響等により売上大幅減となったことで、全体としては減収での着地となりました。
d.その他事業
その他事業は、売上高87億円(前年同期比12.6%増)、営業利益は2億円(前年同期比158.8%増)となりました。
グループ内外のIT事業を担う日販テクシード㈱は、グループ内におけるIT支援を通じて基盤機能の安定化および高度化を図るとともに、外販向けサービスおよびプロダクトの拡充に取り組み、事業の持続的な成長と競争力の強化に努めました。サービス事業では、営業コンサル支援の導入や金融機関とのビジネスマッチング等を活用し、外販拡大に取り組み、また出版社向けクラウド型販売管理システム「CONTEO」等のプロダクト事業でも順調に売り上げを伸ばした結果、両事業で計約2億円の増収となりました。
(2)生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(注)前連結会計年度については、総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。
(3)財政状態
流動資産は前年より126億円減少し、1,373億円となりました。これは主に現金及び預金の減少及び未収入金の減少によるものです。
固定資産は前年より64億円減少し、788億円となりました。これは主に土地・投資有価証券の減少によるものです。
流動負債は前年より136億円減少し、1,456億円となりました。これは主に買掛債務・返金負債の減少によるものです。
固定負債は前年より18億円減少し、200億円となりました。これは主に再評価に係る繰延税金負債・長期借入金の減少によるものです。
純資産は利益剰余金・土地再評価差額金の減少等により、35億円減少し504億円となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は158億円となり、前連結会計年度末に比べて98億円減少いたしました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、使用した資金は83億円(前年同期は102億円の使用)となりました。
これは主に、仕入債務の減少や売上債権の増加による資金の減少等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、獲得した資金は27億円(前年同期は15億円の使用)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による資金の減少分と有形固定資産の売却による資金の増加分を加減した結果であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は42億円(前年同期は17億円の使用)となりました。
これは、借入金の減少やリース債務の返済等による資金の減少によるものです。
(5)資本の財源及び資金の流動性
資金需要
当社グループの事業活動において運転資金需要の主なものは、出版物等販売事業における商品仕入代金の他、輸
配送等に係る営業販売費や、各事業における一般管理費等であります。
また、設備資金需要としては、新規事業投資、物流拠点の維持管理や新規出店のための有形固定資産投資の他、業
務効率化のためのシステム投資等であります。
財務政策
当社グループの主要業務である出版物等販売事業に係る商品仕入代金や輸配送に係る支払資金に関しては、自己資金または、金融機関からの借入を資金の流動性の源泉としております。
また、金融機関には十分な借入枠を有しており、当社グループの事業活動に必要な運転、設備資金の調達は今後も十分可能であると考えております。
(6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、これらの見積りは不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものにつきましては、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
当事業年度における我が国の経済は、雇用環境の改善や賃金上昇を背景に、内需を中心として緩やかな回復基調を維持しました。一方で、米国の関税引き上げなどの通商政策の動向や海外経済の減速懸念については、引き続き経済の下押しリスクとして認識されています。また、物価上昇の長期化が実質賃金や個人消費に及ぼす影響に加え、金融市場における金利動向や為替変動を巡る不確実性も高まっております。
2025年の紙と電子を合算した出版市場(推定販売金額)は1兆5,462億円(前年比98.4%)となりました。内訳は、電子出版が5,815億円(前年比102.7%)なのに対し、紙の出版物は9,647億円(前年比95.9%)で4年連続のマイナスとなりました。書籍分野は話題作に支えられ、前年並みの水準を維持しましたが、雑誌分野は週刊誌が大幅減、コミックスもデジタルシフトの進行が影響し、厳しい状況が続きました。
こうした環境下において、当社グループは経営理念「人と文化のつながりを大切にして、すべての人の心に豊かさを届ける。」に基づき、ESGを重視した経営を推進するとともに、グループ各事業で定めた事業計画の達成に向け、挑戦を続けてまいりました。
当連結会計年度の売上高は3,427億円(前年同期比10.5%減)、400億円の減収となりました。売上原価は2,877億円(前年同期比10.1%減)、323億円減少し、売上総利益は549億円(前年同期比12.2%減)、76億円の減益という結果となりました。
販売費及び一般管理費は、565億円(前年同期比9.3%減)となりました。
この結果、営業損失は15億円(前年同期は営業利益2億円)、経常損失は13億円(前年同期は経常利益7億円)となりました。特別損益については、固定資産売却益19億円、減損損失13億円等を計上しております。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は24億円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益4億円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
a.出版物等販売事業
当セグメントの売上高は3,348億円(前年同期比10.6%減)、営業損失は36億円(前年同期は営業損失19億円)となりました。
卸売関連については、中核事業会社である日本出版販売㈱が、書店ルート取引における雑誌・コミックの売上減少などが影響し大幅減収となりました。そのような状況下でも、出版流通事業を持続可能なものとするために、商品供給の適正化、物流拠点再編、業界3者での流通コスト負担の見直しなどの事業構造改革を継続的に実施してまいりました。一方で運賃・下請費などの流通コストの上昇や業量減少に伴う配送効率の悪化による利益の減少をカバーするには至らず、日本出版販売㈱の経常損失は19億円となりました。カルチュア・エクスペリエンス㈱は、新たなTSUTAYA業態の企画、展開に取り組みました。
小売関連は、売上の約5割を占めるBOOKが前期比91%の減収となる中、グループ内外合わせて新たに18店舗を出店(2026年3月末時点累計59店舗)した「駿河屋」が前期比135%と大きく売上を牽引した他、トレーディングカード事業が前期比119%と好調に推移しました。収益面ではBOOKの構造改革として雑誌買切や㈱ブックセラーズ&カンパニーによる粗利改善スキームに取り組み、改善を進めた結果、営業利益が前期比242.5%増(内部取引考慮前)の増益となりました。
b.不動産事業
当セグメントの売上高は27億円(前年同期比0.6%減)、営業利益は12億円(前年同期比1.8%増)となりました。
新お茶の水ビルディングを含むオフィスビル4棟は堅調な利益創出でグループを下支えしています。
c.コンテンツ事業
当セグメントの売上高は32億円(前年同期比11.2%減)、営業利益は5億円(前年同期比5.4%増)となりました。
自社オリジナルコミックが伸長したことで利益構造が改善し利益率が向上、注力してきた少女・女性ジャンルが前期に引き続き好調だったのに加えて、当期は少年・青年ジャンルが大きく売上を伸ばしました。一方で、これまで売上を牽引してきた海外作品翻訳レーベル「Rush!」が、ヒット作品の完結影響等により売上大幅減となったことで、全体としては減収での着地となりました。
d.その他事業
その他事業は、売上高87億円(前年同期比12.6%増)、営業利益は2億円(前年同期比158.8%増)となりました。
グループ内外のIT事業を担う日販テクシード㈱は、グループ内におけるIT支援を通じて基盤機能の安定化および高度化を図るとともに、外販向けサービスおよびプロダクトの拡充に取り組み、事業の持続的な成長と競争力の強化に努めました。サービス事業では、営業コンサル支援の導入や金融機関とのビジネスマッチング等を活用し、外販拡大に取り組み、また出版社向けクラウド型販売管理システム「CONTEO」等のプロダクト事業でも順調に売り上げを伸ばした結果、両事業で計約2億円の増収となりました。
(2)生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 出版物等販売事業(百万円) | 334,801 | 89.4 |
| 不動産事業(百万円) | 2,472 | 100.4 |
| コンテンツ事業(百万円) | 3,183 | 87.1 |
| 報告セグメント計(百万円) | 340,457 | 89.5 |
| その他事業(百万円) | 2,243 | 96.9 |
| 合計(百万円) | 342,700 | 89.5 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| アマゾンジャパン合同会社 | - | - | 38,675 | 11.29 |
(注)前連結会計年度については、総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。
(3)財政状態
流動資産は前年より126億円減少し、1,373億円となりました。これは主に現金及び預金の減少及び未収入金の減少によるものです。
固定資産は前年より64億円減少し、788億円となりました。これは主に土地・投資有価証券の減少によるものです。
流動負債は前年より136億円減少し、1,456億円となりました。これは主に買掛債務・返金負債の減少によるものです。
固定負債は前年より18億円減少し、200億円となりました。これは主に再評価に係る繰延税金負債・長期借入金の減少によるものです。
純資産は利益剰余金・土地再評価差額金の減少等により、35億円減少し504億円となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は158億円となり、前連結会計年度末に比べて98億円減少いたしました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、使用した資金は83億円(前年同期は102億円の使用)となりました。
これは主に、仕入債務の減少や売上債権の増加による資金の減少等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、獲得した資金は27億円(前年同期は15億円の使用)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による資金の減少分と有形固定資産の売却による資金の増加分を加減した結果であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は42億円(前年同期は17億円の使用)となりました。
これは、借入金の減少やリース債務の返済等による資金の減少によるものです。
(5)資本の財源及び資金の流動性
資金需要
当社グループの事業活動において運転資金需要の主なものは、出版物等販売事業における商品仕入代金の他、輸
配送等に係る営業販売費や、各事業における一般管理費等であります。
また、設備資金需要としては、新規事業投資、物流拠点の維持管理や新規出店のための有形固定資産投資の他、業
務効率化のためのシステム投資等であります。
財務政策
当社グループの主要業務である出版物等販売事業に係る商品仕入代金や輸配送に係る支払資金に関しては、自己資金または、金融機関からの借入を資金の流動性の源泉としております。
また、金融機関には十分な借入枠を有しており、当社グループの事業活動に必要な運転、設備資金の調達は今後も十分可能であると考えております。
(6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、これらの見積りは不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものにつきましては、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。