有価証券報告書-第64期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/16 14:01
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【項目】
176項目
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、アメリカの関税政策やそれに伴う各国への影響、地政学リスクの高まりなど先行き不透明な状況が継続しました。これにより主要顧客産業である自動車関連の稼働も膠着状態が続きました。一方、中国・アジアを中心に、通信関連や半導体関連向けの需要は堅調に推移しました。
こうした環境において、当社はメーカー事業と流通事業を併せ持つユニークな業態を活かしています。これを支える事業基盤をグローバルで進化させ、顧客の確実短納期ニーズに応えることで世界の製造業を中心とした自動化関連産業に貢献しています。
これまで当社が築いてきたIT、生産、物流の強固な事業基盤やグローバル拠点網を活用しながら、新商品・新サービスを含む新事業開発を継続し、顧客の需要を的確に捉えることに努めましたが、一部地域においてはアメリカの関税政策による需要低迷の影響を受けました。
この結果、連結売上高は441,383百万円(前年同期比9.8%増)となりました。利益面につきましては、独自施策による数量増等が、持続的成長に向けた施策に関わる支出および7月からFictiv Inc.の業績を連結範囲に含めた影響を吸収し、営業利益は47,613百万円(前年同期比2.4%増)、経常利益は49,095百万円(前年同期比1.6%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、米国における連結納税制度の導入に伴い、繰越欠損金に係る繰延税金資産を計上したこと等により法人税等調整額が減少したため、40,457百万円(前年同期比10.7%増)となりました。
セグメントの名称売上高営業利益
前連結会計年度
(百万円)
当連結会計年度
(百万円)
増減比
(%)
前連結会計年度
(百万円)
当連結会計年度
(百万円)
増減比
(%)
FA事業135,803160,49818.222,51020,283△9.9
金型部品事業86,45188,3682.29,5048,694△8.5
VONA事業179,732192,5167.114,46618,63528.8
合計401,987441,3839.846,48047,6132.4

FA事業は、日本の設備投資需要の低調が継続した一方、中国の通信関連需要の攻略をはじめ、meviy、エコノミーシリーズ、D-JIT等の独自施策による需要獲得により海外地域が総じて堅調に推移したことから、売上高は160,498百万円(前年同期比18.2%増)、営業利益は、M&A関連費用に加え、Fictiv Inc.の業績を連結対象とした影響もあり、20,283百万円(前年同期比9.9%減)となりました。
金型部品事業は、中国・アジアの堅調な成長が、需要低迷で弱含むその他地域をカバーし、売上高は88,368百万円(前年同期比2.2%増)、一方、営業利益においては、米州・欧州が自動車低迷の影響を受け、8,694百万円(前年同期比8.5%減)となりました。
VONA事業は、ミスミブランド以外の他社製品も含めた製造・自動化関連設備部品、MRO(消耗品)等間接材を販売するミスミグループの流通事業です。全地域で総じて堅調に推移し、売上高は192,516百万円(前年同期比7.1%増)、営業利益は18,635百万円(前年同期比28.8%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末と比べて24,056百万円減少し、104,202百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、52,190百万円の純収入となりました(前年同期は60,461百万円の純収入)。この主な内訳は、税金等調整前当期純利益が48,498百万円、減価償却費が17,939百万円、売上債権の増加額が11,598百万円、法人税等の支払額が12,733百万円であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、43,203百万円の純支出となりました(前年同期は32,452百万円の純支出)。この主な内訳は、固定資産の取得による支出が14,288百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が48,483百万円、定期預金の預入による支出が12,324百万円、定期預金の払戻による収入が36,070百万円であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、41,801百万円の純支出となりました(前年同期は31,759百万円の純支出)。この主な内訳は、自己株式の取得による支出が25,132百万円、配当金の支払額が11,322百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績を報告セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
FA事業42,7177.1
金型部品事業34,8456.8
VONA事業3595.4
合計77,9226.9

(注) 金額は販売価格によっております。
b. 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績を報告セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称仕入高(百万円)前年同期比(%)
FA事業54,02329.5
金型部品事業27,1581.3
VONA事業106,7455.3
合計187,92710.6

(注) 金額は仕入価格によっております。
c. 受注実績
当連結会計年度における受注実績を報告セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
FA事業200,96428.023,696141.8
金型部品事業89,4700.72,795△3.4
VONA事業188,5485.97,07423.6
合計478,98313.033,56682.2

(注) 上記の金額には、当社グループにおける外部顧客からの連結受注実績を記載しております。
d. 販売実績
当連結会計年度における販売実績を報告セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
FA事業160,49818.2
金型部品事業88,3682.2
VONA事業192,5167.1
合計441,3839.8

(注) 主な相手先の販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10に満たないため記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(財政状態)
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ45,394百万円(+10.8%)増加し、464,969百万円となりました。流動資産は22,150百万円(△7.0%)減少し、295,654百万円となりました。これは主に子会社株式の取得に伴う現金及び預金が46,354百万円(△29.1%)減少した一方で、受取手形及び売掛金が20,130百万円(+25.7%)増加、商品及び製品が2,985百万円(+5.2%)増加したことによるものであります。固定資産は67,545百万円(+66.4%)増加し、169,314百万円となりました。このうち有形固定資産は4,115百万円(+7.8%)増加し、56,638百万円となりましたが、これは主に建物及び構築物が1,468百万円(+6.8%)増加、使用権資産が1,123百万円(+17.9%)増加したことによるものであります。また、子会社株式の取得に伴うのれんの増加により無形固定資産は57,087百万円(+171.5%)増加し、90,370百万円となり、投資その他の資産は6,342百万円(+39.7%)増加し、22,306百万円となりました。
(負債)
負債合計は、前連結会計年度末と比べ14,949百万円(+22.1%)増加し、82,460百万円となりました。このうち流動負債は13,304百万円(+25.6%)増加し、65,180百万円となりましたが、これは主に支払手形及び買掛金が8,663百万円(+40.9%)増加したことによるものであります。また、固定負債は1,644百万円(+10.5%)増加し、17,279百万円となりましたが、これは主に、リース債務が695百万円(+12.4%)増加、繰延税金負債が665百万円(+63.8%)増加したことによるものであります。
これらの結果、流動比率は4.5倍となり、継続して高い安定性を維持しております。
(純資産)
純資産合計は前連結会計年度末と比べ30,444百万円(+8.6%)増加し、382,509百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金の増加及び自己株式の取得等により株主資本が5,474百万円(+1.8%)増加したこと、為替換算調整勘定等のその他の包括利益累計額が25,073百万円(+55.7%)増加したことによるものであります。
これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度の83.2%から81.7%となりました。
(経営成績)
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、441,383百万円、前年同期比で39,395百万円(+9.8%)の増収となりました。これは、FA事業、金型部品事業、VONA事業の全セグメントにおいて前年同期比で増収となったことによるものであります。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、235,367百万円、前年同期比で20,370百万円(+9.5%)増加しました。売上総利益は、206,015百万円、前年同期比で19,025百万円(+10.2%)の増益となりました。販売費及び一般管理費は、158,402百万円、前年同期比で17,892百万円(+12.7%)増加しました。売上高に占める販売費及び一般管理費の割合は前期の35.0%から35.9%となりました。これらの結果、営業利益は47,613百万円、前年同期比で1,132百万円(+2.4%)の増益となりました。営業利益率は前期の11.6%から10.8%となりました。
(営業外損益、特別損益)
営業外損益の純額は1,482百万円の収益となりました。この結果、経常利益は、49,095百万円、前年同期比で806百万円(△1.6%)の減益となり、経常利益率は前期の12.4%から11.1%となりました。また、特別損益の純額は、597百万円の損失となりました。これらの結果、税金等調整前当期純利益は、48,498百万円、前年同期比で1,441百万円(△2.9%)の減益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、40,457百万円、前年同期比で3,908百万円(+10.7%)の増益となり、売上高純利益率は前期の9.1%から9.2%となりました。また、1株当たり当期純利益は、前期の131.95円に対して149.30円となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの主な資金需要は、運転資金、設備投資資金及びM&A等の成長投資資金であります。これらの資金につきましては、営業活動により獲得した資金及び手元資金を主な財源としており、当連結会計年度に実施したM&Aに係る取得資金についても自己資金により充当しております。
当社グループでは、地政学リスクや経済危機等の不測の事態においても顧客への供給責任を果たすため、半年分の事業活動資金に相当する約700億円を必要な手元流動性の目安としております。そのうえで、手元資金及び将来創出されるキャッシュ・フローを活用し、必要に応じてレバレッジも活用しながら、M&Aを含む成長投資を優先的に実施する方針としております。具体的には、グローバル展開、デジタルモデルシフト、成長産業への参入及びAIを中心とした既存事業基盤の強化等を目的として、今後3年間を目途に最大1,500億円の投資を計画しております。
株主還元につきましては、更なる充実を図るため、配当性向35%を目安とした累進配当を導入することを決定いたしました。これにより、成長投資を優先しつつも、より安定的な株主還元を実施してまいります。また、自己株式取得については、成長投資実施後に資金余剰が生じる場合には、株価水準等を勘案しながら機動的に実施してまいります。
なお、キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に、設備投資の詳細につきましては、「第3 設備の状況」に記載のとおりであります。
③ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成において採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に記載しております。
また、連結財務諸表の作成にあたり、会計上の見積りを必要とするものにつきましては、過去の実績や当該事象の状況を勘案し、合理的と考えられる方法に基づき行っております。ただし、前提条件や事業環境等に変化が見られた場合には、見積と将来の実績が異なることがあります。
当社グループの財政状態又は経営成績に対し、重要な影響を与え得る会計上の見積りは以下のとおりです。
(a) 棚卸資産の評価
棚卸資産の評価基準として、主として移動平均法、総平均法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)により評価しております。従って、予期しない市場価格の下落や需要の減少等が生じた場合、棚卸資産の評価額に重要な影響を及ぼす可能性があります。なお、商品及び製品の評価に係る重要な会計上の内容に関する情報については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表
注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(b) 繰延税金資産
繰延税金資産の算定にあたり、将来の業績予測やタックス・プランニング等をもとに将来の課税所得を見積り、繰延税金資産の回収可能性を判断しております。従って、将来の課税所得の見積額に変更が生じた場合、繰延税金資産が増額又は減額され、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(c) 固定資産(のれんを含む)の減損
当社グループでは固定資産の減損について、独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位で資産をグルーピングし、減損の兆候の有無の判定を行っております。減損の兆候があった場合、将来キャッシュ・フロー等を見積り、減損の要否を判定し、その結果減損が必要と判断された資産については帳簿価額を回収可能価額まで減損処理しております。従って、経営環境の悪化や時価の著しい下落等が生じ、将来キャッシュ・フロー等の見積りが著しく減少した場合、減損損失計上により当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(d) 退職給付費用及び債務
当社の従業員退職給付費用および債務は、年金数理計算上で設定される前提条件に基づいて計上しております。この前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、死亡率が含まれており、退職給付債務を計算する際に用いる数理上の前提の変更、年金制度の変更による未認識の過去勤務費用の発生等により、退職給付費用および債務の算定に重要な影響を及ぼす可能性があります。

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