有価証券報告書-第52期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/03/31 15:15
【資料】
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【項目】
139項目
業績等の概要
(1)業績
当連結会計期間における我が国経済は、設備投資の増加や雇用・所得環境の改善が継続し、緩やかな回復基調で推移をしたものの、米中貿易摩擦や中国の景気減速など世界経済は不確実性を増しており、景気の先行きは不透明な状況が続いております。
また、当社グループが属する外食業界におきましても、物流費の増加、海産物の商材の価格上昇や人件費および人材採用費の上昇、消費税増税による消費量の減退などが利益を圧迫する要因となっており、楽観視できない状況が続いております。
このような環境下で、当社は「小僧寿しグループ」が持つブランド価値の最大化と、デリバリー事業への本格参入を成長戦略の基軸として、消費者のライフスタイルとニーズに即したリブランドの推進、子会社である株式会社デリズ(以下「デリズ」)による宅配事業の推進など、事業再編を進めてまいりました。
持ち帰り寿し事業等におきましては、競争激化に伴う売上高の減退を改善するための取組みを進めており、持ち帰り寿し事業の主力ブランドである「小僧寿し」において、「お寿司」に「からあげ」「天ぷら」「とんかつ」等のデリカ商材を加えた新機軸の店舗へと、リブランドを進めております。その第一段階として、直営店全店へ唐揚げブランドの併設を完了しており、当該直営店の前期比売上高は110%超となっております。また、更なるリブランドとして、「天ぷら」「とんかつ」のデリカ商材の追加併設を実施し、当該リブランド店は前期比200%超の売上高を創出しております。一方で、マーケティングの強化を進め、「小僧寿し」の特徴である、季節折々の商材を使用した「季節限定フェア」や、ハレの日に合わせた「イベントフェア」、集客力の減退する平日営業を中心に、商品クオリティや価格面のメリットを最大限に打ちだした「中トロフェア」や「たっぷりフェア」など、平日限定のプレミアムイベントを実施するなど、1年間通算52回のフェアを実施する「52週マーケティング」を実施し、より多くのお客様にご来店いただける機会の創出に努めております。
デリバリー事業におきましては、立地環境の問題から収益力が減退した持ち帰り寿し店舗において、デリズのデリバリーブランドを併設した複合店への転換や、「小僧寿し」とのシナジーを活用した、「宅配寿し」の開始など、新たな事業展開を進めてまいりました。一方で、デリズブランド内で提供する商品のクオリティ向上を図るため、著名なシェフやレストランとコラボレーションを行った商品の販売を実施するなど、商品力強化にも努めております。
以上の通り、上記を中心とした小僧寿しグループの主力事業の再編を進めた結果、当連結会計期間の売上高は58億4百万円(前期比5.2%増加)となりました。しかしながら、上記の施策による増益効果が生じたものの、例年のトレンドと同様、特需要因が減少する7月度、9月度の需要が相対的に減少した点、10月度に生じた記録的な台風の影響により、イベントに合わせた特需が大幅に減退した点、債務超過解消および当連結会計期間以降の事業再編を進めるために実施をいたしました「株式会社小僧寿し第5回新株予約権」および「株式会社小僧寿し第6回新株予約権」の発行諸費用などの発生による経費の増加等の問題により、当連結会計期間の営業損失は1億95百万円(前期は5億91百万円の営業損失)、経常損失は2億17百万円(前期は6億7百万円の経常損失)となりました。また、当連結累計期間において、債務整理益59百万円、店舗閉鎖損失引当金の戻入益17百万円、子会社株式譲渡益55百万円、投資有価証券の売却益9百万円など、特別利益として1億42百万円、特別損失として、固定資産の資産除去損11百万円、有形固定資産の減損損失10百万円など、23百万円を計上したため、親会社株主に帰属する当期純損失は1億16百万円(前期は16億78百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
各セグメントの業績は、次の通りであります。
(持ち帰り寿し事業等)
持ち帰り寿し事業等は、「持ち帰り寿し事業」「その他飲食店事業」「寿しFC事業」より構成されております。持ち帰り寿し事業におきましては、直営店として「小僧寿し」「茶月」を81店舗(前期比27店舗減少)、その他飲食店事業として10店舗(前期比2店舗増加)有しており、持ち帰り寿し事業等の直営店舗数は、合計91店舗(前期比25店舗減少)となりました。また、「寿しFC事業」におけるフランチャイズ加盟店数は131店舗(前期比4店舗減少)となっております。同セグメントの売上高は40億25百万円(前期比15.2%減少)、セグメント損失は83百万円(前期は4億61百万円のセグメント損失)となりました。
(デリバリー事業)
デリバリー事業におきましては、主として連結子会社である株式会社デリズが運営しております。当連結会計期間における同セグメントの売上高は、14億69百万円(前期比201.5%増加)の計上となりました。しかしながら、小僧寿しからの業態転換を実施した店舗の収益改善に一定の期間を要し、セグメント損失は46百万円(前期は60百万円のセグメント損失)となりました。
(介護・福祉事業)
介護・福祉事業につきましては、2019年12月26日付にて、株式会社けあらぶが保有する、介護サポートサービス株式会社の全株式を東洋商事株式会社に譲渡いたしました。同セグメントの業績は、売上高が3億9百万円、セグメント損失は65百万円となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度の現金及び現金同等物(以下「資金」という)の期末残高は、営業活動及び投資活動による資金は減少しましたが、財務活動による資金は増加し、前連結会計年度末に比べ62百万円増加し2億76百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の減少は4億73百万円(前期は4億32百万円の減少)となりました。これは主として、税金等調整前当期純損失の計上額98百万円、仕入債務および未払金の減少で220百万、その他流動資産の増加74百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は11百万円(前期は200百万円の減少)となりました。これは主として、敷金及び保証金、貸付金の回収で129百万円増加しましたが、有形固定資産の取得による77百万円、資産除去債務の履行による27百万円等の支出によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の増加は5億47百万円(前期は5億62百万円の増加)となりました。これは主として、新株の発行による7億70百万円の収入、短期借入金の返済による1億80百万円の支出によるものです。
生産、受注及び販売の実績
(1)商品仕入実績
当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ)は「生産」を行っておりませんので、「生産実績」に代えて「商品仕入実績」を記載いたします。
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと次の通りであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
持ち帰り寿し事業等持ち帰り寿し2,033,53187.6
デリバリー事業飲食デリバリー517,339359.3
介護・福祉事業生活支援サービス119,16937.1
合計2,670,03995.8

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注実績
該当事項はありません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと次の通りであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
持ち帰り寿し事業等商品販売3,142,33183.5
食材販売791,00790.3
ロイヤリティ収入等92,19780.2
デリバリー事業商品販売849,304396.3
宅配代行270,196265.6
ロイヤリティ収入等349,718204.2
介護・福祉事業介護福祉サービス309,861111.5
合計5,804,616105.2

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計基準は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 [注記事項] 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。この連結財務諸表の作成に当たり、決算日における資産、負債の報告数値並びに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に貸倒引当金、減損会計及び税効果会計等であり、その判断・評価につきましては、過去の実績や状況に応じてその時点で合理的と考えられる要因を考慮したうえで継続的な評価を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
(2)財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末より1百万円減少し、14億8百万円となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末より5百万円減少し、7億26百万円となりました。前連結会計年度より現金及び預金が1億8百万円増加した一方で、介護サポートサービス株式会社の売却により同社が保有していた売掛金、その他流動資産が減少したことに起因しております。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末より5百万円増加し、6億82百万円となりました。これは主に、建物及び構築物、工具、器具及び備品(純額)が39百万円の増加、投資その他の資産における、長期貸付金(その他)1億10百万円の増加、店舗撤退に伴い敷金及び保証金が1億28百万円が減少したことに起因しております。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、連結会計年度末より5億49百万円減少し、9億34百万円となりました。これは主に、短期借入金および1年内返済予定の長期借入金が2億7百万円減少、買掛金および未払金が2億39百万円減少したことに起因しております。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末より5億17百万円減少し、4億65百万円となりました。これは主に、転換社債型新株予約権付社債の現物出資(デッド・エクイティ・スワップ)の方法により4億円減少、資産除去債務が86百万円減少したことに起因しております。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末より10億67百万円増加し、9百万円となりました。これは主に、第5回新株予約権(行使価格修正条項付)、第6回新株予約権(行使確約条項付)および転換社債型新株予約権の現物出資(デッド・エクイティ・スワップ)により、資本金および資本剰余金が、それぞれ5億88百万円増加したことに起因しております。
(3)経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は58億4百万円(前期2億87百万円増加)となりました。これは主に、持ち帰り寿し事業の不採算店舗撤退による減収があったものの、株式会社デリズの連結期間が1年間になったことに起因しております。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は33億5百万円(前期比5億72百万円増加)となりました。これは主に、株式会社デリズの連結期間が1年間になったことに起因しております。
(営業損益)
当連結会計年度における営業損失は1億95百万円(前期は5億91百万円の営業損失)となりました。これは主に、本部機能の統合によるコスト削減、持ち帰り寿し事業におけるリブランド戦略により利益改善が寄与しております。
(経常損益)
当連結会計年度における経常損失は2億17百万円(前期は6億7百万円の経常損失)となりました。これは主に、営業損益の状況に起因しております。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純損失は1億16百万円(前期は16億78百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。これは主に、経常損益の状況および前期に計上されていたのれん償却費がなくなったことに起因しております。
(4)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、主に投資活動による資金の減少により、前連結会計年度末に比べ62百万円増加し2億76百万円となりました。
キャッシュ・フローの増減要因の分析は、「第2 事業の状況 3 業績等の概要」に記載しております。
(5)経営戦略の現状と見通し
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営肝要及び対処すべき課題等」に記載しております。