有価証券報告書-第53期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/03/31 15:49
【資料】
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【項目】
137項目
業績等の概要
(1)業績
当連結会計年度における我が国経済は、企業収益の改善諸兆候がみられたものの、世界的な新型コロナウィルス感染症の拡大により、世界経済の先行きが不透明になるなど、厳しい状況が続いております。
当社が属する外食業界においては、2019年10月の消費税増税の影響による個人消費の低迷が生じていた中で、新型コロナウィルス感染症拡大の防止策として、「密接」「密閉」「密着」の3密空間の回避、不要不急の外出自粛、イベント開催の中止や動員数縮小などの影響により、消費マインドが減退するなど厳しい状況が続いております。
このような環境下において、当社グループは、2020年1月より、中期経営計画(2020年12月期から2022年12月期)をスタートさせ、テイクアウトの寿司業態に依存しない、多角的かつ多機能を有する「小僧寿し」「茶月」へのリブランド推進、及び、デリバリーブランド「デリズ」の更なる出店展開を中期経営計画の骨子と定め、当該計画を推進しております。
当連結会計期間においては、前期に事業セグメントとしておりました介護・福祉事業につきまして、2019年12月に株式譲渡をしたことから、当社グループ連結の売上高に対して減収となる影響が生じたものの、前述の新型コロナウィルス感染症の拡大懸念に伴う影響により、3密空間の形成が生じにくい、テイクアウト需要、及びデリバリー需要が増加する社会的背景の影響や、持ち帰り寿し店「小僧寿し」において、お寿司の提供に留まらない、唐揚げ、かつ丼、天どんなどのブランドを併合する「小僧寿し」のリブランドを実施した点、デリバリーブランド「デリズ」の新規出店に伴う増収効果が生じた点、などが生じたため、持ち帰り寿し事業、デリバリー事業ともに、増収となりました。
以上により、当連結会計期間の売上高は61億30百万円(前年同期比5.6%増加)となりました。2020年4月以降の新型コロナウィルス感染症の拡大による外食産業全体への影響が生じる中において、テイクアウト需要、及びデリバリー需要が増加する社会的背景や、「小僧寿し」ブランドのリブランド推進による増収効果により、既存店の売上高は、前年比を超過しております。また、2020年8月19日付「当社連結子会社である株式会社デリズによる、株式会社JFLAホールディングスとのエリアフランチャイズ契約の締結に関するお知らせ」にてお知らせのとおり、エリアフランチャイズ契約の締結による加盟金収入の増加により、当連結会計期間の営業利益は57百万円(前期は195百万円の営業損失)となりました。経常利益は42百万円(前期は217百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は27百万円(前期は116百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
各セグメントの業績は、次の通りです。
(持ち帰り寿し事業等)
持ち帰り寿し事業等は、「持ち帰り寿し事業」「その他飲食店事業」「寿しFC事業」より構成されております。持ち帰り寿し事業におきましては、直営店として「小僧寿し」「茶月」を77店舗(前年同期比4店舗減少)、その他飲食店事業として連結子会社である株式会社スパイシークリエイト展開する飲食店を7店舗(前年同期比3店舗減少)有しており、持ち帰り寿し事業等の直営店舗数は、合計84店舗(前年同期比7店舗減少)となっております。同セグメントの売上高は42億22百万円(前年同期比4.8%増加)、セグメント損失39百万円(前年同期は83百万円のセグメント損失)となりました。
(デリバリー事業)
デリバリー事業は、主に、宅配ポータルサイトの「出前館」(2018年4月23日に業務提携を締結した株式会社出前館(旧社名 夢の街創造委員会株式会社)、UberEatsおよび株式会社デリズの自社WEBサイトを通じ受注した商品を調理、宅配する事業です。デリズは、「ニッポンに新たなデリバリー文化を作る!」のビジョンのもと、今までお店に行かなければ食べることができなかった料理を、自宅やオフィスにお届けする、新価値のデリバリーサービスを全国で展開し、日本全国の名店や人気店、著名シェフとのコラボレーションを実施しており「DELISでしか食べられない商品」の開発に力を入れております。また、2020年8月19日付「当社連結子会社である株式会社デリズによる、株式会社JFLAホールディングスとのエリアフランチャイズ契約の締結に関するお知らせ」にてお知らせのとおり、100店舗のエリアフランチャイズ権を付与しております(当連結会計期間において50店舗出店)。デリズでは、当該契約の推進および更なるフランチャイズ加盟店の開拓、直営店の出店推進を通して、2025年までに300店舗のデリバリーサービスの展開を目標としております。(当連結会計期間末における店舗数80店舗)
当連結会計期間におきましては、デリバリー需要の増加に伴う売上高増収、及び、エリアフランチャイズ契約の締結による加盟金収入の増加により、同セグメント売上高は19億7百万円(前年同期比28.8%増加)、セグメント利益は96百万円(前年同期は46百万円のセグメント損失)となりました。
(2)当期のキャッシュ・フローの概況
当連結会計年度の現金及び現金同等物(以下「資金」という)の期末残高は、新株予約権の行使による株式の発行による収入2億66百万円が発生したものの、設備投資及び新規出店にかかる支出、有利子負債の返済による支出が発生し、前連結会計年度末に比べ1億5百万円減少し、1億70百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の減少は60百万円(前期は4億73百万円の減少)となりました。これは、税金等調整前純利益を計上したものの、売上債権の増加1億29百万円、未払金の減少28百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は2億27百万円(前期は11百万円の減少)となりました。これ
は主として、有形固定資産の取得による支出2億58百万円よるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の増加は1億82百万円(前期は5億47百万円の増加)となりました。これは主として、新株予約権の行使による株式の発行による収入2億66百万円の発生によるものです。
生産、受注及び販売の実績
(1)商品仕入実績
当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ)は「生産」を行っておりませんので、「生産実績」に代えて「商品仕入実績」を記載いたします。
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと次の通りであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年1月1日
至 2020年12月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
持ち帰り寿し事業等持ち帰り寿し2,104,872103.5
デリバリー事業飲食デリバリー845,179163.4
合計2,950,052110.5

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注実績
該当事項はありません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと次の通りであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年1月1日
至 2020年12月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
持ち帰り寿し事業等商品販売3,152,970100.3
食材販売979,651123.8
ロイヤリティ収入等89,49697.1
デリバリー事業商品販売1,391,388163.8
ロイヤリティ収入等516,556147.7
合計6,130,063105.6

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計基準は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 [注記事項] 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。この連結財務諸表の作成に当たり、決算日における資産、負債の報告数値並びに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に貸倒引当金、減損会計及び税効果会計等であり、その判断・評価につきましては、過去の実績や状況に応じてその時点で合理的と考えられる要因を考慮したうえで継続的な評価を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
(2)財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末からの2億79百万円増加し、16億87百万円となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末より52百万円増加し、7億79百万円となりました。これは主に、現金及び預金が1億13百万円減少した一方で、売掛金が1億24百万円増加したことに起因しております。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末より2億26百万円増加し、9億8百万円となりました。これは主に、持ち帰り寿し事業等におけるリブランド推進およびデリバリー事業における新規出店に伴い、建物(純額)が1億69百万円増加、工具、器具及び備品(純額)が44百万円増加したことに起因しております。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、連結会計年度末より14百万円減少し、9億19百万円となりました。これは主に、未払消費税等95百万円が増加した一方で、短期借入金、一年内返済予定の長期借入金が108百万円減少したことに起因しております。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末より3百万円減少し、4億62百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末より2億97百万円増加し、3億6百万円となりました。これは主に、第7回及び第8回新株予約権の発行により、資本金および資本剰余金が、それぞれ1億33百万円増加したことに起因しております。
(3)経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は61億30百万円(前期3億25百万円増加)となりました。これは主に、テイクアウト需要およびデリバリー需要が増加したこと、デリバリー事業におけるエリアフランチャイズ契約金、ロイヤリティ収入が増加したことに起因しております。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は31億80百万円(前期比1億25百万円減少)となりました。これは主に、デリバリー事業における配達手数料が増加したことに起因しております。
(営業損益)
当連結会計年度における営業利益は57百万円(前期は1億95百万円の営業損失)となりました。これは主に、本部機能の統合によるコスト削減、店舗運営状態の適正化による人件費の圧縮、デリバリー事業における増収が寄与しております。
(経常損益)
当連結会計年度における経常利益は42百万円(前期は2億17百万円の経常損失)となりました。これは主に、営業損益の状況に起因しております。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は27百万円(前期は1億16百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。これは主に、経常損益の状況に起因しております。
(4)キャッシュ・フローの状況の分析並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度の現金及び現金同等物(以下「資金」という)の期末残高は、新株予約権の行使による株式の発行による収入2億66百万円が発生したものの、設備投資及び新規出店にかかる支出、有利子負債の返済による支出が発生し、前連結会計年度末に比べ1億5百万円減少し、1億70百万円となりました。
キャッシュ・フローの増減要因の分析は、「第2 事業の状況 3 業績等の概要」に記載しております。
当社の運転資金需要のうち主なものは、食材等仕入高、給与手当を含む販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に新規出店や店舗改装等に係る設備投資などであります。財務を目的とした資金需要は、主に有利子負債の返済であります。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保する事を基本方針としております。現状、事業運営上必要な運転資金は、主に自己資金及び第三者割当による新株発行等のエクイティファイナンスにより賄っております。
今後も、引き続き、安定した資金確保を努めてまいります。
(5)経営戦略の現状と見通し
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。