訂正有価証券報告書-第73期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
a 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ159億12百万円増加し1兆1,892億38百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。
流動資産は前連結会計年度末に比べ409億20百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が176億9百万円、受取手形及び売掛金が76億16百万円、有価証券が105億99百万円増加したことによるものであります。
固定資産は前連結会計年度末に比べ250億7百万円減少いたしました。これは主に有形固定資産が18億5百万円、無形固定資産が16億4百万円、投資その他の資産が保有株式の一部を売却したこと等により215億98百万円減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ207億13百万円増加し7,876億13百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。
流動負債は前連結会計年度末に比べ236億28百万円増加いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が243億62百万円増加したことによるものであります。
固定負債は前連結会計年度末に比べ29億15百万円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ48億0百万円減少し4,016億25百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。
株主資本は前連結会計年度末に比べ36億29百万円増加いたしました。これは主に剰余金の配当により60億60百万円、自己株式の取得等により205億25百万円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益を302億4百万円計上したことによるものであります。
その他の包括利益累計額は前連結会計年度末に比べ86億7百万円減少いたしました。これは主にその他有価証券評価差額金が75億24百万円減少したことによるものであります。
b 経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、雇用・所得環境の改善や政府の経済政策の効果もあり、景気は緩やかな回復基調が続いておりますが、海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響等、先行き不透明な状況であります。
当社グループは、2020年3月期を最終年度とする3ヵ年の中期成長戦略「One Suzuken 2019」の実現に向けて、お得意さまの真のニーズの追求と対応、多様な企業との協業による新たな機能やビジネスモデルの構築、さらに、低コスト経営の実現により更なる企業価値向上を目指しております。
当連結会計年度においては、スペシャリティ医薬品および再生医療等製品の流通モデル構築、ならびにMS(※1)の活動による新たな収益モデル構築に向け、多様な企業との協業を進め、「取引」から「取組」によるフィー獲得モデルへの転換を進めてまいりました。
具体的には、高度な温度管理が必要なスペシャリティ医薬品の新薬剤管理システムである「キュービックス」を全国の地域中核病院などへ導入を進めてまいりました。また、医療流通プラットフォームの機能拡充と強化を目指し、GDP(※2)に準拠した品質水準と効率的な医薬品共同配送を実現するために、子会社である中央運輸㈱が岩槻メディカルターミナルを構築し、さらにはアメリソースバーゲンの子会社である「ワールド・クウリアー」と再生医療等製品分野における協業がスタートしております。
また、2018年10月1日に設立したEPSホールディングス㈱との合弁会社「㈱ESリンク」において、製薬企業向けの新たなプロモーション事業および製薬企業が行う業務改革を支援するBPO(※3)サービス事業構築に向けて取組んでおります。
このような取組みを含め、東邦ホールディングス㈱と顧客支援システムの共同利用および新たな流通モデル(後発医薬品・スペシャリティ医薬品)の共同展開について合意し、両社で様々な検討を進めております。顧客支援システムの共同利用につきましては、10月より順次お得意さまへの導入を進めております。新たな流通モデルの共同展開につきましては、お得意さまの声を反映した患者視点での安全、安価で高品質な後発医薬品の安定供給を目指し、2019年4月1日に後発医薬品の合弁会社「㈱TSファーマ」を設立しております。
当連結会計年度の業績につきましては、売上高は2兆1,323億62百万円(前期比0.4%増)、営業利益は272億28百万円(前期比38.0%増)、経常利益は361億54百万円(前期比24.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は302億4百万円(前期比60.5%増)となりました。
※1 MS(Marketing Specialist)
:医薬品卸売業の営業担当者のこと。医療機関・保険薬局等を訪問し、医薬品の紹介、商談、情報の提供や
収集を行う
※2 GDP(Good Distribution Practice)
:医薬品の輸送・保管過程における品質管理基準
※3 BPO(Business Process Outsourcing)
:自社の業務プロセスの一部を継続的に外部の専門的な企業に委託すること
セグメント別の業績は次の通りであります。
(医薬品卸売事業)
医療用医薬品市場は、薬価改定および後発医薬品使用促進の影響があったものの、抗悪性腫瘍剤の市場拡大やスペシャリティ医薬品等の寄与により前期並みで推移したものと推測しております。
そのようななか、売上高は、主にスペシャリティ医薬品の販売増加等により増収となりました。
営業利益は、販売費及び一般管理費の抑制に加え、厚生労働省により策定された「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」を踏まえ、個々の医療用医薬品の価値に見合った価格交渉を徹底したことなどにより増益となりました。
これらの結果、売上高は2兆441億1百万円(前期比0.7%増)、営業利益は228億57百万円(前期比58.8%増)となりました。
(医薬品製造事業)
売上高は、2型糖尿病治療剤「メトアナ配合錠」および慢性便秘症治療剤「ラグノスNFゼリー分包12g」を新発売し、早期の売上最大化に向け取組むとともに、DPP-4阻害剤「スイニー錠」や高尿酸血症・痛風治療剤「ウリアデック錠」などを中心に販売促進に努めたものの、薬価改定および糖尿病食後過血糖改善剤「セイブル錠」の特許切れに伴う後発医薬品の上市の影響などにより減収となりました。
営業利益は、販売費及び一般管理費の抑制に努めたものの、減収の影響により減益となりました。
これらの結果、売上高は470億30百万円(前期比10.0%減)、営業利益は8億68百万円(前期比11.9%減)となりました。
そう痒症治療薬SK-1405については、第Ⅱ相試験で期待していた有効性に満たなかったため、開発を中止しました。
(保険薬局事業)
売上高は、M&Aおよび新規出店、薬局のかかりつけ機能強化の取組みを進めたものの、2018年4月の薬価改定および調剤報酬改定の影響により減収となりました。
営業利益は、減収の影響により減益となりました。
これらの結果、売上高は946億57百万円(前期比4.9%減)、営業利益は19億3百万円(前期比40.4%減)となりました。
(医療関連サービス等事業)
売上高は、主に、メーカー支援サービス事業(医薬品メーカー物流受託・希少疾病薬流通受託)の受託が増加したことにより増収となりました。
営業利益は、メーカー支援サービス事業における増収効果により増益となりました。
これらの結果、売上高は620億88百万円(前期比22.7%増)、営業利益は13億86百万円(前期比60.8%増)となりました。
(注)セグメントの売上高にはセグメント間の内部売上高を含んでおります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ164億16百万円増加し2,170億25百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は417億51百万円(前期比563億15百万円減)となりました。
この主な要因は、売上債権の増加75億29百万円、たな卸資産の増加52億30百万円、投資有価証券売却損益93億13百万円、法人税等の支払額130億92百万円があったものの、税金等調整前当期純利益454億79百万円、減価償却費107億72百万円、仕入債務の増加が242億31百万円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は19億38百万円(前期比10億44百万円増)となりました。
この主な要因は、定期預金の預入による支出163億26百万円、有価証券の取得による支出350億円、有形固定資産の取得による支出58億3百万円があったものの、定期預金の払戻による収入155億33百万円、有価証券の売却及び償還による収入333億円、投資有価証券の売却及び償還による収入が110億26百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は272億61百万円(前期比145億69百万円増)となりました。
この主な要因は、自己株式の取得による支出205億45百万円、配当金の支払が60億59百万円あったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、製造原価によっており、消費税等は含まれておりません。
b 商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、仕入価額によっており、消費税等は含まれておりません。
c 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
d 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されており、財政状態及び経営成績に関する以下の分析を行っております。
連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える事項について、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行い、それらについて継続して評価を行っております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
a 収益の認識
当社グループの中心である医薬品卸売事業の売上高は、通常お得意さまからの発注に基づき、倉庫より出荷した時点で計上されます。計上される売上高において販売価格が未決定のものが一部含まれており、決定予測価格を合理的に見積り売上計上しておりますが、価格決定時において売上高の修正を行う場合があります。
価格決定の早期化と合理的な予測価格による売上計上に努めておりますが、価格決定までの期間が長期化し、決定価格が予測価格を大幅に下回った場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
b 貸倒引当金
当社グループは、受取手形及び売掛金等の債権の貸倒れに備えるため、一般債権については過去の貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し回収不能見込額を計上しております。お得意さまの財務状況が悪化し、支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
c 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、回収可能性がないと考えられる金額は、評価性引当額を計上しております。将来の課税所得及び実現可能性の高い継続的なタックスプランニングにより評価性引当額の必要性を検討しております。
過去に計上した繰延税金資産の全部又は一部を将来回収できないと判断した場合、繰延税金資産を取崩しております。一方、計上額を上回る繰延税金資産を今後回収できると判断した場合は、繰延税金資産を計上しております。
d 退職給付
退職給付債務及び退職給付費用の見積りは、退職給付に関する会計基準等に準拠して行っております。また、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があり、将来認識される退職給付債務及び退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 経営成績等について
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
当社グループは、中期成長戦略「One Suzuken 2019」の実現に向けて、多様な企業との協業による新たな機能やビジネスモデルの構築を進めております。
当連結会計年度において、「キュービックス」の全国展開、EPSホールディングス㈱との合弁会社設立、「ワールド・クウリアー」および東邦ホールディングス㈱との協業などを推進しており、今後、これらの取組みの成果が着実に表れてくるものと考えております。
なお、東邦ホールディングス㈱との協業の推進として、お得意さまの声を反映した患者視点での安全、安価で高品質な後発医薬品の安定供給を目指し、2019年4月1日に後発医薬品の合弁会社「㈱TSファーマ」を設立しております。
そのようななか、医薬品卸売事業においては、引続き「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」に真摯に対応することに加え、さらなるコストの適正化への取組みが必要と考えております。
医薬品製造事業においては、既存製品の売上最大化に加え、新製品である2型糖尿病治療剤「メトアナ配合錠」および慢性便秘症治療剤「ラグノスNF経口ゼリー分包12g」の早期市場浸透、さらに導入を含むパイプラインの充実・強化が必要と考えております。
保険薬局事業においては、グループガバナンス体制を強化し、効率化を図るとともに、引続きかかりつけ機能の強化などによる技術料の充実が必要と考えております。
医療関連サービス等事業においては、メーカー支援サービス事業でスペシャリティ医薬品および再生医療等製品の市場拡大への対応を強化し、1社流通受託の拡大を目指していくこと、ならびに介護事業における稼働率の向上および介護職員の確保と定着が必要と考えております。
このような活動により、企業価値向上に向け取組んでまいります。
b 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、買掛金の支払や販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は、営業・物流・情報基盤の強化および新たな事業領域の拡大等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本としております。
運転資金は自己資金を基本としており、投資はフリーキャッシュフローの範囲内を基本としております。ただし、有事における緊急的な措置としてコミットメントラインも保持しております。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,170億25百万円となっております。
① 財政状態及び経営成績の状況
a 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ159億12百万円増加し1兆1,892億38百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。
流動資産は前連結会計年度末に比べ409億20百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が176億9百万円、受取手形及び売掛金が76億16百万円、有価証券が105億99百万円増加したことによるものであります。
固定資産は前連結会計年度末に比べ250億7百万円減少いたしました。これは主に有形固定資産が18億5百万円、無形固定資産が16億4百万円、投資その他の資産が保有株式の一部を売却したこと等により215億98百万円減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ207億13百万円増加し7,876億13百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。
流動負債は前連結会計年度末に比べ236億28百万円増加いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が243億62百万円増加したことによるものであります。
固定負債は前連結会計年度末に比べ29億15百万円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ48億0百万円減少し4,016億25百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。
株主資本は前連結会計年度末に比べ36億29百万円増加いたしました。これは主に剰余金の配当により60億60百万円、自己株式の取得等により205億25百万円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益を302億4百万円計上したことによるものであります。
その他の包括利益累計額は前連結会計年度末に比べ86億7百万円減少いたしました。これは主にその他有価証券評価差額金が75億24百万円減少したことによるものであります。
b 経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、雇用・所得環境の改善や政府の経済政策の効果もあり、景気は緩やかな回復基調が続いておりますが、海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響等、先行き不透明な状況であります。
当社グループは、2020年3月期を最終年度とする3ヵ年の中期成長戦略「One Suzuken 2019」の実現に向けて、お得意さまの真のニーズの追求と対応、多様な企業との協業による新たな機能やビジネスモデルの構築、さらに、低コスト経営の実現により更なる企業価値向上を目指しております。
当連結会計年度においては、スペシャリティ医薬品および再生医療等製品の流通モデル構築、ならびにMS(※1)の活動による新たな収益モデル構築に向け、多様な企業との協業を進め、「取引」から「取組」によるフィー獲得モデルへの転換を進めてまいりました。
具体的には、高度な温度管理が必要なスペシャリティ医薬品の新薬剤管理システムである「キュービックス」を全国の地域中核病院などへ導入を進めてまいりました。また、医療流通プラットフォームの機能拡充と強化を目指し、GDP(※2)に準拠した品質水準と効率的な医薬品共同配送を実現するために、子会社である中央運輸㈱が岩槻メディカルターミナルを構築し、さらにはアメリソースバーゲンの子会社である「ワールド・クウリアー」と再生医療等製品分野における協業がスタートしております。
また、2018年10月1日に設立したEPSホールディングス㈱との合弁会社「㈱ESリンク」において、製薬企業向けの新たなプロモーション事業および製薬企業が行う業務改革を支援するBPO(※3)サービス事業構築に向けて取組んでおります。
このような取組みを含め、東邦ホールディングス㈱と顧客支援システムの共同利用および新たな流通モデル(後発医薬品・スペシャリティ医薬品)の共同展開について合意し、両社で様々な検討を進めております。顧客支援システムの共同利用につきましては、10月より順次お得意さまへの導入を進めております。新たな流通モデルの共同展開につきましては、お得意さまの声を反映した患者視点での安全、安価で高品質な後発医薬品の安定供給を目指し、2019年4月1日に後発医薬品の合弁会社「㈱TSファーマ」を設立しております。
当連結会計年度の業績につきましては、売上高は2兆1,323億62百万円(前期比0.4%増)、営業利益は272億28百万円(前期比38.0%増)、経常利益は361億54百万円(前期比24.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は302億4百万円(前期比60.5%増)となりました。
※1 MS(Marketing Specialist)
:医薬品卸売業の営業担当者のこと。医療機関・保険薬局等を訪問し、医薬品の紹介、商談、情報の提供や
収集を行う
※2 GDP(Good Distribution Practice)
:医薬品の輸送・保管過程における品質管理基準
※3 BPO(Business Process Outsourcing)
:自社の業務プロセスの一部を継続的に外部の専門的な企業に委託すること
セグメント別の業績は次の通りであります。
(医薬品卸売事業)
医療用医薬品市場は、薬価改定および後発医薬品使用促進の影響があったものの、抗悪性腫瘍剤の市場拡大やスペシャリティ医薬品等の寄与により前期並みで推移したものと推測しております。
そのようななか、売上高は、主にスペシャリティ医薬品の販売増加等により増収となりました。
営業利益は、販売費及び一般管理費の抑制に加え、厚生労働省により策定された「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」を踏まえ、個々の医療用医薬品の価値に見合った価格交渉を徹底したことなどにより増益となりました。
これらの結果、売上高は2兆441億1百万円(前期比0.7%増)、営業利益は228億57百万円(前期比58.8%増)となりました。
(医薬品製造事業)
売上高は、2型糖尿病治療剤「メトアナ配合錠」および慢性便秘症治療剤「ラグノスNFゼリー分包12g」を新発売し、早期の売上最大化に向け取組むとともに、DPP-4阻害剤「スイニー錠」や高尿酸血症・痛風治療剤「ウリアデック錠」などを中心に販売促進に努めたものの、薬価改定および糖尿病食後過血糖改善剤「セイブル錠」の特許切れに伴う後発医薬品の上市の影響などにより減収となりました。
営業利益は、販売費及び一般管理費の抑制に努めたものの、減収の影響により減益となりました。
これらの結果、売上高は470億30百万円(前期比10.0%減)、営業利益は8億68百万円(前期比11.9%減)となりました。
そう痒症治療薬SK-1405については、第Ⅱ相試験で期待していた有効性に満たなかったため、開発を中止しました。
(保険薬局事業)
売上高は、M&Aおよび新規出店、薬局のかかりつけ機能強化の取組みを進めたものの、2018年4月の薬価改定および調剤報酬改定の影響により減収となりました。
営業利益は、減収の影響により減益となりました。
これらの結果、売上高は946億57百万円(前期比4.9%減)、営業利益は19億3百万円(前期比40.4%減)となりました。
(医療関連サービス等事業)
売上高は、主に、メーカー支援サービス事業(医薬品メーカー物流受託・希少疾病薬流通受託)の受託が増加したことにより増収となりました。
営業利益は、メーカー支援サービス事業における増収効果により増益となりました。
これらの結果、売上高は620億88百万円(前期比22.7%増)、営業利益は13億86百万円(前期比60.8%増)となりました。
(注)セグメントの売上高にはセグメント間の内部売上高を含んでおります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ164億16百万円増加し2,170億25百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は417億51百万円(前期比563億15百万円減)となりました。
この主な要因は、売上債権の増加75億29百万円、たな卸資産の増加52億30百万円、投資有価証券売却損益93億13百万円、法人税等の支払額130億92百万円があったものの、税金等調整前当期純利益454億79百万円、減価償却費107億72百万円、仕入債務の増加が242億31百万円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は19億38百万円(前期比10億44百万円増)となりました。
この主な要因は、定期預金の預入による支出163億26百万円、有価証券の取得による支出350億円、有形固定資産の取得による支出58億3百万円があったものの、定期預金の払戻による収入155億33百万円、有価証券の売却及び償還による収入333億円、投資有価証券の売却及び償還による収入が110億26百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は272億61百万円(前期比145億69百万円増)となりました。
この主な要因は、自己株式の取得による支出205億45百万円、配当金の支払が60億59百万円あったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 医薬品製造事業 | 15,884 | 92.9 |
| 医療関連サービス等事業 | 1,237 | 94.3 |
| 合計 | 17,122 | 93.0 |
(注) 金額は、製造原価によっており、消費税等は含まれておりません。
b 商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) | |
| 医薬品卸売事業 | 医療用医薬品 | 1,735,137 | 100.2 |
| 診断薬 | 82,477 | 114.1 | |
| 医療機器・材料 | 62,583 | 104.0 | |
| その他 | 34,294 | 103.9 | |
| 計 | 1,914,493 | 100.9 | |
| 医薬品製造事業 | 29,258 | 91.1 | |
| 保険薬局事業 | 60,165 | 97.5 | |
| 医療関連サービス等事業 | 57,917 | 123.1 | |
| 小計 | 2,061,834 | 101.2 | |
| セグメント間消去 | △113,155 | 106.4 | |
| 合計 | 1,948,678 | 100.9 | |
(注) 金額は、仕入価額によっており、消費税等は含まれておりません。
c 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前期比(%) | 受注残高(百万円) | 前期比(%) |
| 医薬品製造事業 | 1,764 | 115.2 | 513 | 125.2 |
| 医療関連サービス等事業 | 1,758 | 88.1 | 64 | 82.2 |
| セグメント間消去 | △750 | 88.6 | △11 | 105.0 |
| 合計 | 2,772 | 103.5 | 566 | 118.6 |
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
d 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) | |
| 医薬品卸売事業 | 医療用医薬品 | 1,850,467 | 100.1 |
| 診断薬 | 86,995 | 110.6 | |
| 医療機器・材料 | 69,381 | 103.6 | |
| その他 | 37,256 | 103.5 | |
| 計 | 2,044,101 | 100.7 | |
| 医薬品製造事業 | 47,030 | 90.0 | |
| 保険薬局事業 | 94,657 | 95.1 | |
| 医療関連サービス等事業 | 62,088 | 122.7 | |
| 小計 | 2,247,877 | 100.7 | |
| セグメント間消去 | △115,514 | 105.7 | |
| 合計 | 2,132,362 | 100.4 | |
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されており、財政状態及び経営成績に関する以下の分析を行っております。
連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える事項について、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行い、それらについて継続して評価を行っております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
a 収益の認識
当社グループの中心である医薬品卸売事業の売上高は、通常お得意さまからの発注に基づき、倉庫より出荷した時点で計上されます。計上される売上高において販売価格が未決定のものが一部含まれており、決定予測価格を合理的に見積り売上計上しておりますが、価格決定時において売上高の修正を行う場合があります。
価格決定の早期化と合理的な予測価格による売上計上に努めておりますが、価格決定までの期間が長期化し、決定価格が予測価格を大幅に下回った場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
b 貸倒引当金
当社グループは、受取手形及び売掛金等の債権の貸倒れに備えるため、一般債権については過去の貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し回収不能見込額を計上しております。お得意さまの財務状況が悪化し、支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
c 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、回収可能性がないと考えられる金額は、評価性引当額を計上しております。将来の課税所得及び実現可能性の高い継続的なタックスプランニングにより評価性引当額の必要性を検討しております。
過去に計上した繰延税金資産の全部又は一部を将来回収できないと判断した場合、繰延税金資産を取崩しております。一方、計上額を上回る繰延税金資産を今後回収できると判断した場合は、繰延税金資産を計上しております。
d 退職給付
退職給付債務及び退職給付費用の見積りは、退職給付に関する会計基準等に準拠して行っております。また、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があり、将来認識される退職給付債務及び退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 経営成績等について
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
当社グループは、中期成長戦略「One Suzuken 2019」の実現に向けて、多様な企業との協業による新たな機能やビジネスモデルの構築を進めております。
当連結会計年度において、「キュービックス」の全国展開、EPSホールディングス㈱との合弁会社設立、「ワールド・クウリアー」および東邦ホールディングス㈱との協業などを推進しており、今後、これらの取組みの成果が着実に表れてくるものと考えております。
なお、東邦ホールディングス㈱との協業の推進として、お得意さまの声を反映した患者視点での安全、安価で高品質な後発医薬品の安定供給を目指し、2019年4月1日に後発医薬品の合弁会社「㈱TSファーマ」を設立しております。
そのようななか、医薬品卸売事業においては、引続き「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」に真摯に対応することに加え、さらなるコストの適正化への取組みが必要と考えております。
医薬品製造事業においては、既存製品の売上最大化に加え、新製品である2型糖尿病治療剤「メトアナ配合錠」および慢性便秘症治療剤「ラグノスNF経口ゼリー分包12g」の早期市場浸透、さらに導入を含むパイプラインの充実・強化が必要と考えております。
保険薬局事業においては、グループガバナンス体制を強化し、効率化を図るとともに、引続きかかりつけ機能の強化などによる技術料の充実が必要と考えております。
医療関連サービス等事業においては、メーカー支援サービス事業でスペシャリティ医薬品および再生医療等製品の市場拡大への対応を強化し、1社流通受託の拡大を目指していくこと、ならびに介護事業における稼働率の向上および介護職員の確保と定着が必要と考えております。
このような活動により、企業価値向上に向け取組んでまいります。
b 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、買掛金の支払や販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は、営業・物流・情報基盤の強化および新たな事業領域の拡大等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本としております。
運転資金は自己資金を基本としており、投資はフリーキャッシュフローの範囲内を基本としております。ただし、有事における緊急的な措置としてコミットメントラインも保持しております。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,170億25百万円となっております。