有価証券報告書-第75期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/25 10:59
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当社および当社関係者は2020年12月9日、独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)の入札に関する独占禁止法違反容疑について、公正取引委員会から刑事告発を受け、同日、東京地方検察庁により起訴され、2021年4月27日に第一回公判が開催されました。今後、判決が下った際にはすみやかに開示いたします。
このような事態に至りましたことは誠に遺憾であり、株主をはじめとするステークホルダーの皆様には、ご迷惑と ご心配をお掛けしておりますことを深くお詫び申し上げます。今回の刑事告発に至る一連の事態を厳粛に受け止め、役員・従業員一同さらなるコンプライアンス遵守の徹底に取り組んでまいります。
なお、既に実施しております再発防止策等の詳細については、2020年12月9日適時開示「再発防止に向けたコンプライアンス遵守徹底の取り組みおよび取締役および執行役員報酬の減額に関するお知らせ」をご覧ください。
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
a 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ19億14百万円増加し1兆1,144億21百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。
流動資産は前連結会計年度末に比べ24億75百万円減少いたしました。これは主に、受取手形及び売掛金が35億78百万円、有価証券が168億88百万円増加したものの、現金及び預金が163億98百万円、商品及び製品が72億63百万円減少したことによるものであります。
固定資産は前連結会計年度末に比べ43億90百万円増加いたしました。これは主に、有形固定資産が10億65百万円、無形固定資産が19億86百万円減少したものの、投資その他の資産が74億42百万円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ32億89百万円減少し6,965億9百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。
流動負債は前連結会計年度末に比べ40億59百万円減少いたしました。これは主に、未払法人税等が53億15百万円減少したことによるものであります。
固定負債は前連結会計年度末に比べ7億70百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ52億4百万円増加し4,179億12百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。
株主資本は前連結会計年度末に比べ11億96百万円増加いたしました。これは主に、剰余金の配当の支払が67億78百万円あったものの、親会社株主に帰属する当期純利益を78億95百万円計上したことによるものであります。
その他の包括利益累計額は前連結会計年度末に比べ40億12百万円増加いたしました。これは主に、その他有価証券評価差額金が29億16百万円増加したことによるものであります。
b 経営成績の状況
当連結会計年度においては、世界的な新型コロナウイルス感染症の感染拡大が、各国の社会・経済に甚大な影響を与えました。
わが国経済においても、政府による緊急事態宣言の発出に伴い経済活動が大きく抑制されました。緊急事態宣言解除後は、段階的な経済活動の再開が進められていたものの、2021年1月から3月にかけて1都2府8県を対象として、再び緊急事態宣言が発出・解除され、更に4月には3回目の緊急事態宣言が1都2府1県に発出されるなど、依然として感染拡大の終息時期が見通せない情勢から、景気の先行きについては予断を許さない状況が続いております。
当社グループにおける新型コロナウイルス感染症対応については、お得意さまや当社グループ社員の健康に配慮したうえで、緊急事態宣言の拡大状況や感染者数の推移などを注視しつつ、感染予防対策に万全を期してまいりました。引き続き医薬品等の安定供給に取り組み、企業の社会的責任を果たしてまいります。
そのようななか、当社グループは、2023年3月期を最終年度とする3ヵ年の中期成長戦略「May I“health”you? 5.0」を策定し、健康創造領域で社会に貢献する企業として、より一層、既存事業を進化させていくと同時に、日本が目指す新たなデジタル社会である「Society 5.0」において、社会の課題を解決できる新たな事業展開を目指し、更なる企業価値向上に取組んでおります。
当連結会計年度においては、希少疾病薬や再生医療等製品を含むスペシャリティ医薬品の流通モデル構築、およびMS(※1)の活動による新たな収益モデル構築に向け、多様な企業との協業を進め、「取引」から「取組」によるフィー獲得モデルへの転換を進めてまいりました。
具体的には、医療流通プラットフォームの構築に向けて、スペシャリティ医薬品トレーサビリティシステムである「キュービックス」を全国の地域中核病院などへ導入し、医薬品の流通品質向上に取組んでまいりました。加えて、再生医療等製品の流通において、当社グループの持つ機能や医療流通プラットフォームを評価いただき、ノバルティスファーマ㈱の脊髄性筋萎縮症(SMA)に対する遺伝子治療用製品「ゾルゲンスマ®点滴静注」(※2)の日本国内における流通を受託いたしました。
また、新たに医療情報プラットフォームの構築に向け、2020年4月にUbie ㈱と資本業務提携を行うとともに、Ubie ㈱が開発した新型コロナウイルス感染症に対応した医療機関向け問診サービス「AI 問診Ubie」(※3)の共同展開を実施いたしました。5月にはサスメド㈱と資本業務提携を行い、データ改ざんやなりすまし防止といったブロックチェーン技術やAI自動分析システムなど同社のデジタル医療基盤を活用し、スズケングループが展開する治験薬物流やキュービックスCT(治験版キュービックス)の相互連携による新たな治験関連ビジネスの開発・展開を推進してまいりました。加えて11月には、現場の医療者目線で「医療DXプラットフォーム」の構築および推進を行うドクターズ㈱と資本業務提携を行いました。
更に、2021年3月には、2020年2月に資本業務提携を行いましたエンブレース㈱の子会社化(2021年4月1日付)を決議いたしました。エンブレース㈱は、医療介護専用SNSである「メディカルケアステーション(Medical Care Station)(※4)の運営と、メディカルケアステーションを活用したプラットフォーム事業などを展開し、これまで全国200以上の医師会をはじめ、約13万人の医療従事者にご利用いただいております。
今後、既に提携している企業とともに、コラボレーションによるDX事業構築を更に加速させ、革新的なサービスや情報ビジネスを推進し、製薬企業や医療機関、保険薬局、患者さまへの新たな価値の提供を目指してまいります。
当連結会計年度の業績につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う受診抑制の影響により売上高伸長が抑制されたこと、コロナ禍におけるお得意さまの経営状況が厳しさを増すなか、医薬品卸売事業においてお得意さまからの価格引下げ要求が厳しさを増したことなどにより売上総利益率が低下いたしました。
なお、コーポレートガバナンス・コードに基づき、当社グループの保有する政策保有株式の保有意義の検証・縮減に取り組み、当社グループ保有の投資有価証券27銘柄を売却した結果、投資有価証券売却益709百万円、投資有価証券売却損8百万円を2021年3月期第4四半期連結会計期間に特別損益として計上いたしました。
独占禁止法違反事件については、今後発生しうる損失額を見積り、独占禁止法関連損失として3,499百万円を特別損失に計上いたしました。また、当社連結子会社において事業再構築を実施した結果、事業再構築損失として2,363百万円を2021年3月期第4四半期連結会計期間に特別損失に計上いたしました。
それらの結果、売上高は2兆1,282億18百万円(前期比3.9%減)、営業利益は91億56百万円(前期比71.9%減)、経常利益は182億72百万円(前期比55.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は78億95百万円(前期比72.0%減)となりました。
※1 MS(Marketing Specialist)
:医薬品卸売業の営業担当者のこと。
医療機関・保険薬局等を訪問し、医薬品の紹介、商談、情報の提供や収集を行います。
※2 「ゾルゲンスマ®点滴静注」
:ゾルゲンスマは、脊髄性筋萎縮症(SMA)の原因遺伝子であるヒト運動神経細胞生存(Survival Motor
Neuron: SMN)タンパク質をコードする遺伝子を組み込んだ、野生型アデノ随伴ウイルス9型(AAV9)を
利用した遺伝子治療用ベクター製品です。2020年3月19日に、「SMA(臨床所見は発現していないが、遺
伝子検査によりSMAの発症が予測されるものも含む)ただし、抗AAV9抗体が陰性の患者に限る」を適応と
して、厚生労働省より製造販売承認を取得しています。
※3 「AI 問診Ubie」
:従来の医療機関が使用してきた紙の問診票のかわりにタブレットを活用した医療機関向け問診サービスで
す。約5万件の医学論文から抽出されたデータに基づき、約3,500種類の質問データからAIが最適な項目
を抽出し、タブレットで20個前後の質問を表示します。1,000近い病名から関連性のある複数の病名を病
名辞典より表示します。患者さまの入力データは即時に電子カルテに送信され、電子カルテに記載を行う
事務作業が大幅に削減されることから業務の効率化や医師の働き方改革にも繋がり、より患者さまに向き
合い、診療に集中できるようになります。
※4 医療介護専用SNS「メディカルケアステーション(MCS)」
:MCSは完全非公開型 医療介護専用SNSです。病院、クリニック、薬局、介護施設などで働く医療介護者の
多職種連携や患者・家族とのコミュニケーションツールとして、全国の医師会をはじめ、全国各地の医療
介護の現場でご利用いただいています。
・MCSのご紹介 : https://www.medical-care.net
・活用事例のご紹介: https://post.medicalcare-station.com
セグメント別の業績は次のとおりであります。
(医薬品卸売事業)
医療用医薬品市場は、抗悪性腫瘍剤の市場拡大やスペシャリティ医薬品等の新薬が寄与したものの、薬価改定および後発医薬品使用促進、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う受診抑制の影響などによりマイナス成長であったものと推測しております。
そのようななか、売上高は、スペシャリティ医薬品をはじめとする新薬の販売増加があったものの、市場縮小の影響などにより減収となりました。
営業利益は、販売費及び一般管理費の抑制に努めたものの、減収の影響およびコロナ禍におけるお得意さまの経営状況が厳しさを増すなか、お得意さまからの価格引下げ要求が厳しさを増したことなどにより売上総利益率が低下し、大幅な減益となりました。
これらの結果、売上高は2兆399億54百万円(前期比4.0%減)、営業利益は40億93百万円(前期比85.4%減)となりました。
(医薬品製造事業)
売上高は、2型糖尿病治療剤「メトアナ配合錠」の早期売上最大化に向け取組むとともに、DPP-4阻害剤「スイニー錠」や高尿酸血症・痛風治療剤「ウリアデック錠」などを中心にWebを活用した販売促進に努めたものの、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う受診抑制の影響、および糖尿病食後過血糖改善剤「セイブル錠」の後発医薬品の影響などにより減収となりました。
営業利益は、減収の影響があったものの、販売費及び一般管理費の抑制などにより増益となりました。
これらの結果、売上高は433億63百万円(前期比3.0%減)、営業利益は12億87百万円(前期比9.0%増)となりました。
なお、2020年8月25日、開発コードSK-1403について、血液透析下における二次性副甲状腺機能亢進症の治療薬として、厚生労働省に製造販売承認申請いたしました。
(保険薬局事業)
売上高は、調剤報酬改定や薬価改定の影響および新型コロナウイルス感染症拡大に伴う受診抑制による処方箋受付枚数の減少などにより減収となりました。
営業利益は、販売費及び一般管理費の抑制に努めたものの、減収の影響などにより減益となりました。
これらの結果、売上高は900億90百万円(前期比6.6%減)、営業利益は14億53百万円(前期比16.3%減)となりました。
(医療関連サービス等事業)
売上高は、主に、メーカー支援サービス事業(医薬品メーカー物流受託・希少疾病薬流通受託)の受託が増加したことなどにより増収となりました。
営業利益は、メーカー支援サービス事業における増収効果や介護事業の利用者増加などにより増益となりました。
これらの結果、売上高は1,425億99百万円(前期比41.6%増)、営業利益は21億84百万円(前期比60.2%増)となりました。
(注)セグメントの売上高にはセグメント間の内部売上高を含んでおります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ63億96百万円減少し1,688億18百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は156億2百万円(前期は258億17百万円の支出)となりました。
この主な要因は、売上債権の増加35億78百万円があったものの、税金等調整前当期純利益125億57百万円、たな卸資産の減少が71億7百万円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は145億86百万円(前期は11億99百万円の収入)となりました。
この主な要因は、有価証券の売却及び償還による収入430億89百万円があったものの、定期預金の預入による支出103億10百万円、有価証券の取得による支出が473億円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は73億93百万円(前期比97億74百万円増)となりました。
この主な要因は、配当金の支払が67億77百万円あったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
医薬品製造事業16,683105.9
医療関連サービス等事業1,250105.0
合計17,934105.9

(注) 金額は、製造原価によっており、消費税等は含まれておりません。
b 商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
医薬品卸売事業医療用医薬品1,744,53096.9
診断薬81,286101.6
医療機器・材料60,82696.6
その他38,162106.3
1,924,80697.3
医薬品製造事業30,197102.4
保険薬局事業55,85493.1
医療関連サービス等事業137,707142.8
小計2,148,56599.3
セグメント間消去△185,160122.9
合計1,963,40497.5

(注) 金額は、仕入価額によっており、消費税等は含まれておりません。
c 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)
医薬品製造事業2,00393.744577.7
医療関連サービス等事業2,309128.512798.3
セグメント間消去△1,063146.8△2999.1
合計3,248101.254480.8

(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
d 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
医薬品卸売事業医療用医薬品1,842,70995.5
診断薬87,497100.4
医療機器・材料68,09597.6
その他41,651104.4
2,039,95496.0
医薬品製造事業43,36397.0
保険薬局事業90,09093.4
医療関連サービス等事業142,599141.6
小計2,316,00997.8
セグメント間消去△187,790122.2
合計2,128,21896.1

(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度は新型コロナウイルス感染症拡大に伴う受診抑制の影響により売上高伸長が抑制されたこと、コロナ禍におけるお得意さまの経営状況が厳しさを増すなか、医薬品卸売事業においてお得意さまからの価格引下げ要求が厳しさを増したことなどにより、当社グループの業績や事業活動に影響が生じました。特に第1四半期においては全国に緊急事態宣言が発令されたことが受診抑制に繋がり、当社グループの売上高は前年同時期に比べ大きく減少しました。第2四半期以降は受診抑制が少しずつ解消するにつれて売上高は回復傾向にあったものの元の状態へ戻ることはなく、環境の変化に適応していくためにもコスト構造改革と「取引」から「取組」への収益モデルの転換を加速させる必要があると考えております。
医薬品卸売事業におきましてはスペシャリティ医薬品トレーサビリティシステム「キュービックス」を全国の地域中核病院へ導入するなど基盤強化に取組み、厳格な温度管理と確実なトレーサビリティを確保しながら、希少疾病薬や再生医療等製品を含むスペシャリティ医薬品を流通させるプラットフォームの構築を推進してまいりました。この結果、ノバルティスファーマ㈱の脊髄性筋萎縮症(SMA)に対する遺伝子治療用製品「ゾルゲンスマ®点滴静注」の日本国内における流通を受託するなど、国内新規参入や新製品の上市を目指す医薬品メーカーの要望や期待に応えることができ、当社グループによる国内一社流通受託へ繋がったものと考えております。また、新たに医療情報プラットフォームの構築に向け、Ubie ㈱、サスメド㈱、ドクターズ㈱と資本業務提携を行うとともに、2021年3月にはエンブレース㈱の子会社化(2021年4月1日付)を決議いたしました。お得意さまが抱える課題や社会問題を解決していくためには、当社グループが保有する様々な機能とこれまで提携してきた協業企業の機能やサービスをマッチングさせ、リアルとデジタルの融合による新たなソリューションを開発していく必要があると考えております。
医薬品製造事業におきましては、DPP-4阻害剤「スイニー錠」およびその配合剤である2型糖尿病治療剤「メトアナ配合錠」など主力製品の売上最大化に努めてまいりました。持続的成長には注力している糖尿病および腎疾患領域に加え、医療価値の高い新薬の開発パイプラインを充実させることが必要と考えております。
保険薬局事業におきましては、不採算店舗の閉局や業務の効率化に加え、ガバナンス体制の強化を図ることでグループ薬局の基盤強化に努めてまいりました。地域包括ケアシステムのなかで幅広く地域社会に貢献することが求められており、多職種連携や在宅対応、更にはオンライン化への対応など患者さまの利便性向上に向けた取組みを強化していくことが必要と考えております。
医療関連サービス等事業におきましては、メーカー支援サービス事業にて国内一社流通受託の更なる獲得に向け、グローバルに対応した品質管理や機能強化に取組んでまいりました。介護事業におきましては稼働率を上げて事業基盤を強化するとともに、グループシナジーの創出に向け、当社グループ薬局から医薬品を届けて服薬指導をするなど、地域における卸・薬局との連携モデルの確立が必要と考えております。
なお、株主還元方針につきましては新型コロナウイルス感染症拡大による影響を判断することが困難なことから未定とし、安定的な配当の継続を基本として株主還元に努めてまいりました。株主還元の充実を図るとともに、既存事業の強化や成長への事業投資を行うことで企業価値と資本効率の向上を目指していく必要があると考えております。
今後は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)中長期的な会社の経営戦略」に記載のとおり、引き続き中期成長戦略「May I “health” you? 5.0」における「第3の創業期」をキーワードに、中期ビジョンにおける3つの「One」の実践、そしてそれぞれの「One」を連動させることでシナジーを創出し、グループ一体となって2025年ビジョンの実現を目指してまいりたいと考えております。
② 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、買掛金の支払や販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は、営業・物流・情報基盤の強化および新たな事業領域の拡大等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本としております。
運転資金は自己資金を基本としており、投資はフリーキャッシュフローの範囲内を基本としております。ただし、有事における緊急的な措置としてコミットメントラインも保持しております。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,688億18百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されており、財政状態及び経営成績に関する以下の分析を行っております。
連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える事項について、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行い、それらについて継続して評価を行っております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、見積りを行うにあたっては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う影響等将来の不確実な経済状況の変動によって影響を受ける可能性があります。
当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
a 収益の認識
当社グループの中心である医薬品卸売事業の売上高は、通常お得意さまからの発注に基づき、倉庫より出荷した時点で計上されます。計上される売上高において販売価格が未決定のものが一部含まれており、決定予測価格を合理的に見積り売上計上しておりますが、価格決定時において売上高の修正を行う場合があります。
価格決定の早期化と合理的な予測価格による売上計上に努めておりますが、価格決定までの期間が長期化し、決定価格が予測価格を大幅に下回った場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
b 貸倒引当金
当社グループは、受取手形及び売掛金等の債権の貸倒れに備えるため、一般債権については過去の貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し回収不能見込額を計上しております。お得意さまの財務状況が悪化し、支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
c 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、回収可能性がないと考えられる金額は、評価性引当額を計上しております。将来の課税所得及び実現可能性の高い継続的なタックスプランニングにより評価性引当額の必要性を検討しております。
過去に計上した繰延税金資産の全部又は一部を将来回収できないと判断した場合、繰延税金資産を取崩しております。一方、計上額を上回る繰延税金資産を今後回収できると判断した場合は、繰延税金資産を計上しております。
d 退職給付
退職給付債務及び退職給付費用の見積りは、退職給付に関する会計基準等に準拠して行っております。また、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があり、将来認識される退職給付債務及び退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
e 独占禁止法関連損失引当金
独占禁止法関連損失引当金の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

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