四半期報告書-第74期第3四半期(令和1年10月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/02/14 15:26
【資料】
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【項目】
35項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社及び連結子会社が判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間末における資産、負債及び純資産の状況は次のとおりであります。
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ736億95百万円増加し1兆2,629億34百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。
流動資産は前連結会計年度末に比べ646億85百万円増加いたしました。これは主に、有価証券が95億15百万円減少したものの、現金及び預金が120億26百万円、受取手形及び売掛金が410億10百万円および商品及び製品が191億55百万円増加したことによるものであります。
固定資産は前連結会計年度末に比べ90億9百万円増加いたしました。これは主に、投資その他の資産が95億86百万円増加したことによるものであります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ556億7百万円増加し8,432億21百万円となりました。これは主に、未払法人税等が60億7百万円減少したものの、支払手形及び買掛金が624億23百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ180億87百万円増加し4,197億12百万円となりました。これは主に、剰余金の配当の支払が67億54百万円あったものの、その他有価証券評価差額金の増加が61億12百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益を203億7百万円計上したことによるものであります。
② 経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間のわが国経済は、雇用・所得環境の改善や政府の経済政策の効果もあり、景気は緩やかな回復基調が続いておりますが、海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響等、先行き不透明な状況であります。
当社グループは、2020年3月期を最終年度とする3ヵ年の中期成長戦略「One Suzuken 2019」の実現に向けて、お得意さまの真のニーズの追求と対応、多様な企業との協業による新たな機能やビジネスモデルの構築、さらに、低コスト経営の実現により更なる企業価値向上を目指しております。
当第3四半期連結累計期間においては、引続き、希少疾病薬や再生医療等製品を含むスペシャリティ医薬品の流通モデル構築、およびMS(※1)の活動による新たな収益モデル構築に向け、多様な企業との協業を進め、「取引」から「取組」によるフィー獲得モデルへの転換を進めております。
具体的には、スペシャリティ医薬品トレーサビリティシステムである「キュービックス」の流通品質の向上などを図り、全国の地域中核病院などへ導入を推進しております。加えて、再生医療等製品の流通モデルの構築においては、当社グループの持つ機能やインフラ整備をもとに、ノバルティスファーマ㈱のCAR-T細胞療法「キムリア」(※2)の日本国内における流通受託に続き、サンバイオ㈱の再生細胞薬の流通に関する基本契約を締結するとともに、患者サポートシステム「R-SATシステム」を共同開発することで合意しております。当社グループは、厳格な温度管理と確実なトレーサビリティを確保しつつ、再生医療等製品を流通させる医療流通プラットフォームの構築を推進しております。
また、新たな医療情報プラットフォームの構築や新たなソリューションを提供するために、Dr.JOY㈱および㈱Welbyと資本業務提携を行い、両社共同の取組みによって、革新的なサービスや情報ビジネスを推進し、製薬企業や医療機関、保険薬局、患者さまへの新たな価値の提供を目指してまいります。
さらに、一歩進んだ地域包括ケア等の一層の推進を目指し、愛知県大府市と「地域包括ケアの推進等に関する連携協定」を締結しております。当社グループの地域包括ケアに対する取り組みは、大府市の地域包括ケアに関する各種施策をさらに推進するとともに、三師会(※3)をはじめとする関係機関との連携を強化してまいります。
なお、当社グループは、安定的な配当の継続を基本に、連結配当性向30%を目処として配当を実施するとともに、2019年3月期から中期成長戦略「One Suzuken 2019」の最終年度である2020年3月期までの2年間平均総還元性向80%以上を目処として自己株式の取得を実施することにより、株主還元の充実を図るとともに、企業価値と資本効率の向上を目指しております。その一環として、2019年11月6日開催の取締役会において、100億円を上限とし自己株式を取得することについて決議しております。
当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、売上高は1兆6,866億40百万円(前年同期比5.1%増)、営業利益は231億47百万円(前年同期比23.6%増)、経常利益は300億93百万円(前年同期比17.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は203億7百万円(前年同期比16.2%減)となりました。
なお、当社は2019年11月27日に、独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)の入札に関して独占禁止法違反の疑いがあるとして、公正取引委員会の立ち入り検査を受けました。このことを厳粛に受け止め、その後の公正取引委員会の調査に全面的に協力しております。
※1 MS(Marketing Specialist)
:医薬品卸売業の営業担当者のこと。医療機関・保険薬局等を訪問し、医薬品の紹介、商談、情報の提供や
収集を行う
※2 CAR-T細胞療法「キムリア」
:CAR-T細胞療法は、患者の末梢血から採取したT細胞に、遺伝子導入により、CD19抗原を認識して
攻撃するCAR(キメラ抗原受容体)を発現させ、点滴で患者の体内に戻すことで投与される画期的な免
疫療法です。「キムリア」は、2019年3月26日に、「再発・難治性CD19陽性のB細胞性急性リンパ芽球
性白血病(B-ALL)」「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)」を適応として、国内でC
AR-T細胞療法として初めて、厚生労働省より製造販売承認を取得しております。
※3 三師会
:日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会、あるいは地域の医師会、歯科医師会、薬剤師会を指しま
す。



セグメント別の業績は次のとおりであります。
(医薬品卸売事業)
医療用医薬品市場は、C型肝炎治療剤の販売減少や後発医薬品使用促進および2019年10月の消費税増税に伴う薬価改定の影響があったものの、抗悪性腫瘍剤の市場拡大やスペシャリティ医薬品等の新薬の寄与などにより、伸長したものと推測しております。
そのようななか、売上高は、市場伸長に加えて、主にスペシャリティ医薬品をはじめとする新薬の販売増加や個々のお得意さまのニーズにお応えする活動に継続して取組んだことなどにより増収となりました。
営業利益は、増収効果および厚生労働省により策定された「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」を踏まえ、引続き個々の医療用医薬品の価値に見合った価格交渉を徹底したことなどにより増益となりました。
これらの結果、売上高は1兆6,217億25百万円(前年同期比5.4%増)、営業利益は193億55百万円(前年同期比27.0%増)となりました。
なお、2019年10月薬価改定に伴う現時点における販売価格の未決定先は、全体の8割弱であり、その先については、お得意さまがご要望されている価格水準などを踏まえ見積計上しております。今後、価格決定に向けての厳しい価格交渉が予想されますが、当社提示価格で妥結できるよう粘り強く価格交渉するとともに、引続き適正利益の確保に向けた活動を徹底してまいります。
(医薬品製造事業)
売上高は、新製品である2型糖尿病治療剤「メトアナ配合錠」の早期売上最大化に向け取組むとともに、DPP-4阻害剤「スイニー錠」や高尿酸血症・痛風治療剤「ウリアデック錠」などを中心に販売促進に努めたものの、前年同期に研究開発売上があったこと、および糖尿病食後過血糖改善剤「セイブル錠」の特許切れに伴う後発医薬品の影響などにより減収となりました。
営業利益は、販売費及び一般管理費の抑制に努め、増益となりました。
これらの結果、売上高は344億67百万円(前年同期比4.8%減)、営業利益は16億34百万円(前年同期比54.7%増)となりました。
なお、自社創薬により獲得したSK-1404を夜間頻尿治療薬として開発するため、杏林製薬㈱とライセンス契約を締結し、共同で後期第Ⅱ相試験を実施してきましたが、杏林製薬㈱の戦略上の理由によるライセンス契約解除の申し出があり、契約を終了(2020年2月5日)し、後期第Ⅱ相試験を中止しております。
(保険薬局事業)
売上高は、薬剤収入の増加や薬局のかかりつけ機能強化の取組みによる技術料収入の増加などにより、増収となりました。
営業利益は、薬剤の仕入れにかかる消費税の増加などにより減益となりました。
これらの結果、売上高は725億51百万円(前年同期比2.8%増)、営業利益は9億87百万円(前年同期比11.2%減)となりました。
(医療関連サービス等事業)
売上高は、主に、メーカー支援サービス事業(医薬品メーカー物流受託・希少疾病薬流通受託)の受託が増加したことや、介護事業において利用者が増加したことなどにより増収となりました。
営業利益は、介護事業における増収効果などにより増益となりました。
これらの結果、売上高は748億6百万円(前年同期比64.5%増)、営業利益は11億31百万円(前年同期比1.1%増)となりました。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
当社グループは、中期成長戦略「One Suzuken 2019」の実現に向けて、環境変化を見据えた既存事業の利益体質を強化するとともに、多様な企業との協業による新たな機能やビジネスモデルの構築を進めております。
当第3四半期連結累計期間においては、スペシャリティ医薬品トレーサビリティシステムである「キュービックス」の全国展開や、パートナー企業や外部企業との協業を推進しており、中期成長戦略「One Suzuken 2019」の最終年度として、各取組みを加速させているところであります。
このようななか、医薬品卸売事業においては、「取引」から「取組」への収益モデルの変革が必要であり、オープンイノベーションの発想で他社との協業によりスピード感をもって新しい価値を提供することが必要であると考えております。さらに「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」に真摯に対応することに加え、さらなるコストの適正化への取組みが必要と考えております。
医薬品製造事業においては、既存製品の売上最大化に加え、新製品である2型糖尿病治療剤「メトアナ配合錠」などの早期市場浸透、さらに導入を含むパイプラインの充実・強化が必要と考えております。
保険薬局事業においては、グループガバナンス体制を強化し、効率化を図るとともに、引続き、薬局のかかりつけ機能強化の取組みなどによる技術料収入の獲得が必要と考えております。
医療関連サービス等事業においては、メーカー支援サービス事業で希少疾病薬や再生医療等製品を含むスペシャリティ医薬品の市場拡大への対応を強化し、一社流通受託の拡大を目指していくこと、および介護事業における稼働率の向上や介護職員の確保と定着が必要と考えております。
このような活動により、持続的成長と企業価値向上に取組んでまいります。
(3) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、3,091百万円であります。
当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の状況の変更内容は、次のとおりであります。
当社の連結子会社である㈱三和化学研究所は、2018年9月に製造販売承認申請しておりました腎性貧血治療薬ダルベポエチンアルファのバイオ後続品SK-1401について、2019年9月に承認を取得し、2019年11月に販売を開始しました。
また、自社創薬により獲得したSK-1404を夜間頻尿治療薬として開発するため、杏林製薬㈱とライセンス契約を締結し、共同で後期第Ⅱ相試験を実施してきましたが、杏林製薬㈱の戦略上の理由によるライセンス契約解除の申し出があり、契約を終了(2020年2月5日)し、後期第Ⅱ相試験を中止しております。
(6) 主要な設備
前連結会計年度末において計画中でありました主要な設備の新設について、完了したものは次のとおりであります。
医薬品卸売事業における㈱翔薬本社(福岡市博多区)は2019年8月に完了しております。
(7) 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 1 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(8) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、買掛金の支払や販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は、営業・物流・情報基盤の強化および新たな事業領域の拡大等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本としております。
運転資金は自己資金を基本としており、投資はフリーキャッシュフローの範囲内を基本としております。ただし、有事における緊急的な措置としてコミットメントラインも保持しております。
なお、当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は2,318億0百万円となっております。

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