有価証券報告書-第82期(2023/06/01-2024/05/31)
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、地政学リスクの長期化、世界的なインフレ抑制に向けた各国の金融政策の引締め、為替動向の変化など先行きが不透明な状況が続いています。
このような環境の中、当連結会計年度の業績につきましては、次のとおりであります。
(イ)財政状態
総資産は、前連結会計年度末に比べて19億37百万円増加し、834億94百万円となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べて20億26百万円増加し、486億37百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べて89百万円減少し、348億56百万円となりました。
(ロ)経営成績
売上高はPC需要減に伴う電子部品の売上減少や調達マネジメント事業の減少はあったものの、SM Electronic Technologies Pvt. Ltd.(以下「SMET」という。)の子会社化による増加に加え、円安の影響等もあり、1,481億13百万円(前年度比1.2%増)となりました。利益面につきましては、営業利益はSMETの子会社化等に伴う売上総利益の増加に加え、円安の影響等により、47億55百万円(前年度比25.4%増)、経常利益は36億53百万円(前年度比27.4%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は主に法人税等の増加により21億56百万円(前年度比4.5%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、92億43百万円(前連結会計年度末は100億23百万円)となり、7億79百万円減少しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は53億25百万円(前連結会計年度は48億89百万円の使用)となりました。
これは主に売上債権の増加による資金の減少はあったものの、税金等調整前当期純利益の計上による増加、棚卸資産の減少により資金が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は20億57百万円(前連結会計年度は13百万円の使用)となりました。
これは主にMAGnetIC Holding B.V.の株式取得により資金が減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は45億19百万円(前連結会計年度は66億29百万円の獲得)となりました。
これは主に自己株式の取得による支出、配当金の支払により資金が減少したことによるものであります。
③生産、受注及び販売の状況
(生産実績)
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
(仕入実績)
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(受注状況)
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(販売実績)
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(イ)財政状態
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、834億94百万円(前連結会計年度末は815億56百万円)となり、19億37百万円増加いたしました。これは主に商品及び製品の減少(45億94百万円)はあったものの、受取手形及び売掛金の増加(42億6百万円)、MAGnetIC Holding B.V.の株式取得(子会社化)に伴うのれんの増加(19億5百万円)によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、486億37百万円(前連結会計年度末は466億11百万円)となり、20億26百万円増加いたしました。これは主に預り金の減少(16億79百万円)はあったものの、支払手形及び買掛金の増加(13億46百万円)、流動負債のその他の増加(11億47百万円)によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、348億56百万円(前連結会計年度末は349億45百万円)となり、89百万円減少いたしました。これは主に利益剰余金の増加(9億65百万円)、円安による為替換算調整勘定の増加(12億18百万円)はあったものの、自己株式の取得による減少(31億78百万円)によるものであります。なお、自己資本比率は、前連結会計年度の41.4%から40.1%となりました。
(ロ)経営成績
(売上高)
当連結会計年度は、PC需要減に伴う電子部品の売上減少や調達マネジメント事業の減少はあったものの、SMETの子会社化による増加に加え、円安の影響等もあり、1,481億13百万円(前年度比1.2%増)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度は、主に給与手当の増加(4億96百万円)や支払手数料の増加(2億63百万円)により、前連結会計年度と比べ12億23百万円増加の109億92百万円となりました。
(営業利益)
当連結会計年度は、主に販売費及び一般管理費の増加(12億23百万円)による減少はあったものの、売上高の増加に伴う売上総利益の増加(21億87百万円)により、前連結会計年度と比べ9億63百万円増加の47億55百万円となりました。
(経常利益)
当連結会計年度は、受取補償金の減少(1億20百万円)や支払利息の増加(1億95百万円)による減少はあったものの、為替差損の減少(1億43百万円)による増加、営業利益の増加(9億63百万円)により、前連結会計年度と比べ7億86百万円増加の36億53百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度は、主に経常利益の増加(7億86百万円)や減損損失の減少(5億15百万円)による増加はあったものの、投資有価証券売却益の減少(7億2百万円)、法人税等合計の増加(7億75百万円)による減少により、前連結会計年度と比べ1億1百万円減少の21億56百万円となりました。
これらの結果として、売上高営業利益率は前連結会計年度に比べ0.6ポイント増加し3.2%となりました。
産業インフラ事業では、成長するファクトリー市場/公共インフラ市場にてコアパートナーとの共創活動によりDX/ICTを活用した新しい価値創出への集中、ならびにセンサ、無線、絶縁監視技術の活用による自社製品を核としたソリューションの提供等により収益性の向上を図っております。エンタープライズ事業では、新たなコア商材の創出と育成、通信、エナジー等成長市場への注力、事業領域拡大を図っております。モビリティ事業では、EV向けを中心とした車載用半導体のインド市場を含む事業領域拡大を図っております。グローバル事業では、コアビジネスである日系顧客の移管ビジネスサポートと台湾EMS顧客へのビジネスを引き続き強化/拡充、ならびに急成長を続ける中国や韓国メーカーの商材を日本国内、海外の他拠点の顧客に提供することで事業領域拡大を図っております。
②経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社は、「コンプライアンス・リスク委員会」を半期に一度開催し、当社グループにとって重要なリスクについて、その影響度を踏まえ、対応策等の検討ならびに情報共有を図っております。また、企業活動に重大な影響を及ぼす恐れがある緊急事態が発生した場合には、「リスク管理規則」に則って対応しております。なお、自然災害等により生じる損害の拡大防止および損失の最小化を目的として当社が定めているBCP(事業継続計画)について、その実効性を高めるため、継続的に内容の見直しを実施しております。
③キャッシュ・フロー状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況)
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資金需要)
当社グループは、資金需要が生じる事象は主に商品の購入のほか、販売費及び一般管理費の営業費用によるものであります。販売費及び一般管理費の主なものは、人件費であります。
なお、重要な資本的支出の予定はありません。
(財務政策)
当社グループは、金融機関等からの借入れおよび売上債権流動化により資金調達を行うことを基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金、社債およびリース債務を含む有利子負債の残高は243億88百万円となっております。
また、資金調達の機動性と安定性を図るため、取引先金融機関3行とコミットメントライン契約を締結しております。契約極度額は90億円であり、当連結会計年度末現在において、本契約に基づく借入金残高は79億円であります。
④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2024年度の連結業績見通しにつきましては、売上高1,540億円(前年度比4.0%増)、営業利益43億円(前年度比9.6%減)、経常利益35億円(前年度比4.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益25億円(前年度比15.9%増)を見込んでおります。2023年度にあった円安効果を2024年度は見込まないことから営業利益は減益になりますが、円安効果を除くベースでは増益を見込んでおります。
⑤セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度において経営管理区分を見直し、「モビリティ事業」に区分されていたストレージ部門を「エンタープライズ事業」に区分変更しております。以下の前年度比較については、前年度の数値を変更後の区分により組替えた数値で比較しております。
(産業インフラ事業)
工作機械向け制御機器の需要減により、売上高は300億21百万円(前年度比4.0%減)、セグメント利益は15億94百万円(前年度比40.8%増)となりました。
(エンタープライズ事業)
調達マネジメント事業本部の売上減等により、売上高は491億81百万円(前年度比21.8%減)、セグメント利益は20億65百万円(前年度比13.0%減)となりました。
(モビリティ事業)
SMETの子会社化および車載向け半導体の好調により、売上高は320億3百万円(前年度比150.7%増)、セグメント利益は18億24百万円(前年度比75.1%増)となりました。
(グローバル事業)
PC需要減等に伴う電子部品の売上減により、売上高は439億66百万円(前年度比7.9%減)、セグメント利益は5億79百万円(前年度比19.4%増)となりました。
⑥重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額ならびに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、地政学リスクの長期化、世界的なインフレ抑制に向けた各国の金融政策の引締め、為替動向の変化など先行きが不透明な状況が続いています。
このような環境の中、当連結会計年度の業績につきましては、次のとおりであります。
(イ)財政状態
総資産は、前連結会計年度末に比べて19億37百万円増加し、834億94百万円となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べて20億26百万円増加し、486億37百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べて89百万円減少し、348億56百万円となりました。
(ロ)経営成績
売上高はPC需要減に伴う電子部品の売上減少や調達マネジメント事業の減少はあったものの、SM Electronic Technologies Pvt. Ltd.(以下「SMET」という。)の子会社化による増加に加え、円安の影響等もあり、1,481億13百万円(前年度比1.2%増)となりました。利益面につきましては、営業利益はSMETの子会社化等に伴う売上総利益の増加に加え、円安の影響等により、47億55百万円(前年度比25.4%増)、経常利益は36億53百万円(前年度比27.4%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は主に法人税等の増加により21億56百万円(前年度比4.5%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、92億43百万円(前連結会計年度末は100億23百万円)となり、7億79百万円減少しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は53億25百万円(前連結会計年度は48億89百万円の使用)となりました。
これは主に売上債権の増加による資金の減少はあったものの、税金等調整前当期純利益の計上による増加、棚卸資産の減少により資金が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は20億57百万円(前連結会計年度は13百万円の使用)となりました。
これは主にMAGnetIC Holding B.V.の株式取得により資金が減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は45億19百万円(前連結会計年度は66億29百万円の獲得)となりました。
これは主に自己株式の取得による支出、配当金の支払により資金が減少したことによるものであります。
③生産、受注及び販売の状況
(生産実績)
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前期比(%) |
産業インフラ事業 | 2,457 | 127.1 |
エンタープライズ事業 | 839 | 37.8 |
モビリティ事業 | - | - |
グローバル事業 | - | - |
合計 | 3,297 | 79.3 |
(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
(仕入実績)
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 仕入高(百万円) | 前期比(%) |
産業インフラ事業 | 23,216 | 90.3 |
エンタープライズ事業 | 39,548 | 72.0 |
モビリティ事業 | 15,343 | 151.5 |
グローバル事業 | 45,984 | 125.4 |
合計 | 124,093 | 97.4 |
(受注状況)
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前期比(%) | 受注残高(百万円) | 前期比(%) |
産業インフラ事業 | 28,482 | 95.4 | 7,103 | 85.6 |
エンタープライズ事業 | 28,293 | 74.0 | 19,351 | 56.3 |
モビリティ事業 | 32,409 | 94.8 | 21,169 | 106.0 |
グローバル事業 | 44,234 | 97.4 | 7,009 | 104.8 |
合計 | 133,419 | 90.3 | 54,634 | 78.8 |
(販売実績)
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前期比(%) |
産業インフラ事業 | 29,676 | 95.7 |
エンタープライズ事業 | 43,313 | 78.1 |
モビリティ事業 | 31,207 | 255.1 |
グローバル事業 | 43,915 | 92.2 |
合計 | 148,113 | 101.2 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(イ)財政状態
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、834億94百万円(前連結会計年度末は815億56百万円)となり、19億37百万円増加いたしました。これは主に商品及び製品の減少(45億94百万円)はあったものの、受取手形及び売掛金の増加(42億6百万円)、MAGnetIC Holding B.V.の株式取得(子会社化)に伴うのれんの増加(19億5百万円)によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、486億37百万円(前連結会計年度末は466億11百万円)となり、20億26百万円増加いたしました。これは主に預り金の減少(16億79百万円)はあったものの、支払手形及び買掛金の増加(13億46百万円)、流動負債のその他の増加(11億47百万円)によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、348億56百万円(前連結会計年度末は349億45百万円)となり、89百万円減少いたしました。これは主に利益剰余金の増加(9億65百万円)、円安による為替換算調整勘定の増加(12億18百万円)はあったものの、自己株式の取得による減少(31億78百万円)によるものであります。なお、自己資本比率は、前連結会計年度の41.4%から40.1%となりました。
(ロ)経営成績
(売上高)
当連結会計年度は、PC需要減に伴う電子部品の売上減少や調達マネジメント事業の減少はあったものの、SMETの子会社化による増加に加え、円安の影響等もあり、1,481億13百万円(前年度比1.2%増)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度は、主に給与手当の増加(4億96百万円)や支払手数料の増加(2億63百万円)により、前連結会計年度と比べ12億23百万円増加の109億92百万円となりました。
(営業利益)
当連結会計年度は、主に販売費及び一般管理費の増加(12億23百万円)による減少はあったものの、売上高の増加に伴う売上総利益の増加(21億87百万円)により、前連結会計年度と比べ9億63百万円増加の47億55百万円となりました。
(経常利益)
当連結会計年度は、受取補償金の減少(1億20百万円)や支払利息の増加(1億95百万円)による減少はあったものの、為替差損の減少(1億43百万円)による増加、営業利益の増加(9億63百万円)により、前連結会計年度と比べ7億86百万円増加の36億53百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度は、主に経常利益の増加(7億86百万円)や減損損失の減少(5億15百万円)による増加はあったものの、投資有価証券売却益の減少(7億2百万円)、法人税等合計の増加(7億75百万円)による減少により、前連結会計年度と比べ1億1百万円減少の21億56百万円となりました。
これらの結果として、売上高営業利益率は前連結会計年度に比べ0.6ポイント増加し3.2%となりました。
産業インフラ事業では、成長するファクトリー市場/公共インフラ市場にてコアパートナーとの共創活動によりDX/ICTを活用した新しい価値創出への集中、ならびにセンサ、無線、絶縁監視技術の活用による自社製品を核としたソリューションの提供等により収益性の向上を図っております。エンタープライズ事業では、新たなコア商材の創出と育成、通信、エナジー等成長市場への注力、事業領域拡大を図っております。モビリティ事業では、EV向けを中心とした車載用半導体のインド市場を含む事業領域拡大を図っております。グローバル事業では、コアビジネスである日系顧客の移管ビジネスサポートと台湾EMS顧客へのビジネスを引き続き強化/拡充、ならびに急成長を続ける中国や韓国メーカーの商材を日本国内、海外の他拠点の顧客に提供することで事業領域拡大を図っております。
②経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社は、「コンプライアンス・リスク委員会」を半期に一度開催し、当社グループにとって重要なリスクについて、その影響度を踏まえ、対応策等の検討ならびに情報共有を図っております。また、企業活動に重大な影響を及ぼす恐れがある緊急事態が発生した場合には、「リスク管理規則」に則って対応しております。なお、自然災害等により生じる損害の拡大防止および損失の最小化を目的として当社が定めているBCP(事業継続計画)について、その実効性を高めるため、継続的に内容の見直しを実施しております。
③キャッシュ・フロー状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況)
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資金需要)
当社グループは、資金需要が生じる事象は主に商品の購入のほか、販売費及び一般管理費の営業費用によるものであります。販売費及び一般管理費の主なものは、人件費であります。
なお、重要な資本的支出の予定はありません。
(財務政策)
当社グループは、金融機関等からの借入れおよび売上債権流動化により資金調達を行うことを基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金、社債およびリース債務を含む有利子負債の残高は243億88百万円となっております。
また、資金調達の機動性と安定性を図るため、取引先金融機関3行とコミットメントライン契約を締結しております。契約極度額は90億円であり、当連結会計年度末現在において、本契約に基づく借入金残高は79億円であります。
④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2024年度の連結業績見通しにつきましては、売上高1,540億円(前年度比4.0%増)、営業利益43億円(前年度比9.6%減)、経常利益35億円(前年度比4.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益25億円(前年度比15.9%増)を見込んでおります。2023年度にあった円安効果を2024年度は見込まないことから営業利益は減益になりますが、円安効果を除くベースでは増益を見込んでおります。
⑤セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度において経営管理区分を見直し、「モビリティ事業」に区分されていたストレージ部門を「エンタープライズ事業」に区分変更しております。以下の前年度比較については、前年度の数値を変更後の区分により組替えた数値で比較しております。
(産業インフラ事業)
工作機械向け制御機器の需要減により、売上高は300億21百万円(前年度比4.0%減)、セグメント利益は15億94百万円(前年度比40.8%増)となりました。
(エンタープライズ事業)
調達マネジメント事業本部の売上減等により、売上高は491億81百万円(前年度比21.8%減)、セグメント利益は20億65百万円(前年度比13.0%減)となりました。
(モビリティ事業)
SMETの子会社化および車載向け半導体の好調により、売上高は320億3百万円(前年度比150.7%増)、セグメント利益は18億24百万円(前年度比75.1%増)となりました。
(グローバル事業)
PC需要減等に伴う電子部品の売上減により、売上高は439億66百万円(前年度比7.9%減)、セグメント利益は5億79百万円(前年度比19.4%増)となりました。
⑥重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額ならびに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。