有価証券報告書-第90期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2025/06/24 13:10
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【項目】
150項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績の概要
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や良好な企業収益が続いたことで、景気は緩やかな持ち直し傾向となりました。しかしながら、アメリカの経済政策や地政学的リスクの高まりがわが国の景気を下押しする懸念材料となっており、先行きは不透明な状況であります。
当水産流通業界におきましては、漁獲量の減少や世界的な水産物需要の拡大といった需給状況にあります。また、人件費や物流費の増加、円安等によるコストの上昇の影響も加わり、水産物価格は上昇傾向にあります。消費動向は、好調なインバウンド需要により外食関係は引き続き堅調に推移しております。一方で、物価高騰による消費者の節約志向の高まりにより内食需要の伸びは鈍化するなど、厳しい業界環境となりました。
このような状況のもと、当社グループでは、水産物を安定供給するという社会的使命を果たすべく、産地出荷者とのネットワークの強化等に努めてまいりました。
当連結会計年度の経営成績は、売上高は993億2百万円(前期比0.9%増)となりました。市場営業部門においては、漁獲量の減少等により取扱量が減少しましたが、単価高の影響もあり、売上高は概ね前期並みとなりました。市場外営業部門においても、漁獲量の減少の影響により輸出取引が減少しましたが、冷凍スリミの国内での販売が順調に推移したことにより売上高は前期を上回りました。
損益面では、人件費・諸物価の高騰の影響により固定費が増加したことで、営業利益は6億80百万円(前期比18.0%減)、経常利益は8億24百万円(前期比17.4%減)と減益になりました。一方、税効果会計における今後の課税所得の見込額が増加したことから、法人税等調整額(益)を4億40百万円計上しました。そのため、親会社株主に帰属する当期純利益は、11億89百万円(前期比17.8%増)と増益となりました。
各セグメントの経営成績は次のとおりであります。
(水産物販売事業)
市場営業部門の鮮魚関係では、気候変動に伴う海水温の上昇などの影響が継続しており、漁獲量の減少が続いております。魚種別取扱金額では、マダイ、サンマ、タコが増加した一方で、マグロ、ブリ、イカは減少しました。塩冷関係については、鮭鱒、カニ、ウナギ、魚卵が堅調に推移したものの、不漁の影響によりチリメン、シラスの取扱いが大幅に減少しました。これらの結果、市場営業部門全体としては、売上高は概ね前期並みとなりました。
市場外営業部門では、量販店などの小売業態向けの販売や海外向け販売が減少しました。一方で、冷凍スリミは販売数量が順調に増加し、売上高が前期の実績を上回りました。この結果、市場外営業部門全体としては、売上高は前期の実績を上回りました。
損益面では、積極的な集荷・販売の取り組み及び適正な利益の確保に努めたものの、人件費などの固定費増加が影響し、セグメント利益は前期の実績を下回りました。
以上の結果、売上高は990億84百万円(前期比0.9%増)となり、セグメント利益は8億28百万円(前期比12.3%減)となりました。
(冷蔵倉庫等事業)
冷蔵倉庫等事業は、荷受作業収入が増加した一方で、保管料収入が減少したことから、売上高は2億63百万円(前期比4.7%減)となりました。利益面では、電気料金の上昇に伴う売上原価の増加や人件費の増加が影響し、セグメント利益は7百万円(前期比66.9%減)となりました。
b.財政状態の概要
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は179億12百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億60百万円減少しました。これは主に現金及び預金が13億38百万円、受取手形及び売掛金が3億29百万円減少した一方で、棚卸資産が12億3百万円増加したこと等によるものであります。固定資産は69億27百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億55百万円増加しました。これは主に有形固定資産が2億3百万円、投資有価証券が3億31百万円増加したこと等によるものです。
この結果、総資産は248億40百万円となり、前連結会計年度末に比べ94百万円増加しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は96億13百万円となり、前連結会計年度末に比べ18億23百万円減少しました。これは主に支払手形及び買掛金が10億89百万円、1年内償還予定の社債が6億円、短期借入金及び1年内返済予定の長期借入金が2億円減少したこと等によるものであります。固定負債は37億68百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億2百万円増加しました。これは主に繰延税金負債が2億47百万円減少した一方で、社債が8億円増加したこと等によるものであります。
この結果、負債合計は133億82百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億20百万円減少しました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は114億57百万円となり、前連結会計年度末に比べ14億15百万円増加しました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益を11億89百万円計上したこと等による利益剰余金が11億8百万円、その他有価証券評価差額金が1億90百万円増加したこと等によるものであります。
この結果、自己資本比率は46.1%(前連結会計年度末は40.6%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、30億1百万円(前連結会計年度末比13億38百万円減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果支出した資金は10億62百万円(前連結会計年度は26億51百万円の収入)となりました。支出となった主な要因は、前連結会計年度末が銀行休業日であったため、期末日が約定日の売上債権・仕入債務の決済が当連結会計年度の期首になったためであります。なお、当社の2024年4月1日付の売上債権の回収額は9億15百万円、仕入債務の支払額は14億68百万円であります。また、科目別の主な増減額は、増加要因として税金等調整前当期純利益を8億26百万円計上し、資産の部で売上債権が4億79百万円減少した一方で、減少要因として棚卸資産が12億3百万円増加し、負債の部で仕入債務が10億89百万円減少したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は2億96百万円(前連結会計年度は2億27百万円の収入)となりました。これは主に有形固定資産の取得により2億75百万円の支出があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は12百万円(前連結会計年度は12億72百万円の支出)となりました。これは主に社債の償還にともなう借り換え発行等によるものであります。
また、キャッシュ・フローの指標のトレンドは以下のとおりであります。
(キャッシュ・フローの指標)
2021年3月期2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期
自己資本比率(%)38.135.936.640.646.1
時価ベースの自己資本比率(%)16.315.415.217.717.3
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)9.4--1.1-
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)14.9--118.7-

(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※各指標はいずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
※2022年3月期、2023年3月期及び2025年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。
③仕入及び販売の実績
a.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
前年同期比(%)
水産物販売事業(百万円)92,614103.3
冷蔵倉庫等事業(百万円)--
合計(百万円)92,614103.3

b.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
前年同期比(%)
水産物販売事業(百万円)99,084100.9
冷蔵倉庫等事業(百万円)26395.3
合計(百万円)99,348100.9

(注)セグメント間の内部振替前の数値によっております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する記述は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績)
当連結会計年度の経営成績は、売上高については前連結会計年度から微増の993億2百万円(前期比0.9%増)となりました。水産物の漁獲・生産の状況については、天然魚の漁獲量は温暖化の影響もあり全般的に減少傾向にあります。養殖魚については、餌代の高騰に加えて、消費地への輸送コストも上昇しています。このため水産物価格は高止まりの状況にあります。販売環境については、インバウンド需要は堅調である一方で、内食関係は全般的な物価上昇による消費者の節約志向の影響もあり、量販店等への販売は伸び悩みました。当社の営業部門別の販売状況は、市場営業部門においては、鮮魚関係の売上高が減少する一方で、塩冷部門は単価上昇の効果もあり売上高は増加しました。その結果、市場営業部門の売上高は概ね前期並みとなりました。市場外営業部門においては、冷凍スリミの国内向け販売が牽引し売上高は増加しました。
利益面では営業利益6億80百万円(前期比18.0%減)、経常利益8億24百万円(前期比17.4%減)といずれも減益となりました。これは魚価高等による売上総利益率の低下に加え、人件費をはじめとする諸物価の高騰による販売費及び一般管理費の増加によるものです。
当社グループでは、経営方針・経営戦略または経営上の目標の達成状況を判断する客観的な指標として、中期経営計画(2023年度-2025年度)において2025年度の数値目標(連結ベース)を掲げております(≪第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財政上の課題≫に記載のとおり)。中期経営計画2年目となる当連結会計年度は、増収・減益(営業利益・経常利益)となりましたが、計画に対して順調に進捗しております。最終年度となる2025年度の計画達成に向けて、水産物資源の減少に対応するため調達力を強化し顧客ニーズに対応してまいります。そのため鮮魚部門、塩冷部門において全社的な集荷体制を強化してまいります。また、2025年4月に「物流企画部」を設置しました。物流体制の見直しや輸送業者との連携を強化し効率化を進めてまいります。
(財政状態)
当連結会計年度末の財政状態は、資産合計が248億40百万円(前年同期比94百万円増)となり、負債合計については、133億82百万円(前年同期比13億20百万円減)となりました。この負債の減少は、前連結会計年度末が銀行休業日であったことにより、「支払手形及び買掛金」が未決済のまま当連結会計年度期首に繰り越したことが原因であります。これにより、当連結会計年度期首に繰り越された「支払手形及び買掛金」の決済にともなって、「現金及び預金」が13億38百万円減少しました。また、「商品及び製品」の12億3百万円の増加は、仕入価格の高騰に備えた在庫の積み増しによるものであります。
(セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討の内容)
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討については、当社グループの報告セグメントにおける水産物販売事業の比率が極めて高いため、上記の事業全体に係る記載内容と概ね同一と考えられます。よって、セグメントごとの記載を省略しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは10億62百万円の支出(前期は26億51百万円の収入)となりました。これは棚卸資産の増加額が12億3百万円となったことに加え、≪①当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(財政状態)≫に記載したとおり、前連結会計年度末が銀行休業日であったことによるものであります。また、投資活動によるキャッシュ・フローの支出は、業務用パソコン、プリンタ等の全面入れ替えをしたことによるものです。
(資本の財源及び資金の流動性)
当連結会計年度末の資金調達の総額は30億円(前期比1億円増)となりました。これらの内訳は、短期借入金は13億50百万円(前期比1億円減)、長期資金(1年内返済予定として流動負債に計上分を含む)は16億50百万円(前期比2億円増)となっております。資金調達の総額に占める流動・固定の比率は資産のバランスに見合った長期資金を調達する方針としております。2026年3月期の資金支出については、サーバー更改を予定しており、約1億円の資金支出を見込んでおります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されており、重要な会計方針につきましては、≪第5経理の状況1連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)≫に記載しているとおりであります。この連結財務諸表の作成にあたっては、会計基準の範囲内で一定の見積りがなされ、引当金の計上等の数値に反映されております。これらの見積りについては、必要に応じて見直しを行っておりますが、不確実性があるため、実際の結果が見積りと異なる場合があります。
なお、この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、≪第5経理の状況1連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項(重要な会計上の見積り)≫に記載しているとおりであります。

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