有価証券報告書-第86期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/24 13:54
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138項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績の概要
当連結会計年度におけるわが国経済は、各種政策の効果もあり雇用や所得環境は改善が続いた一方、海外経済の不透明感から輸出や生産に弱さがみられるなど、力強さに欠ける状況となりました。さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で経済活動は急速に落ち込んでいくなど、先行きは不透明な状況となりました。
当水産流通業界におきましては、国際的な水産物需要が高まった影響もあり、仕入れコストは上昇が続くなか、漁獲量の減少や暖冬の影響などもあり国内での荷動きは伸び悩みました。また、第4四半期にかけて発生した新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で内食需要は伸びているものの、外食需要は大きく減少するなど、厳しい経営環境となりました。
このような状況のもと、当社グループでは、安全・安心な水産物を安定供給するという社会的使命を果たすべく、産地出荷者とのネットワークの強化や海外との取引強化等に努めてまいりました。
当連結会計年度の経営成績は、売上高は1,142億39百万円(前期比8.7%減)となりました。損益面では、貸倒引当金繰入額2億29百万円(当社の販売先の財政状態及び経営成績を勘案し、同社への営業債権に対する個別引当金1億73百万円、及び当該処理により貸倒実績率が上昇したことに伴う一般債権に対する引当金55百万円)が発生した結果、営業損失は81百万円(前期は2億72百万円の営業利益)、経常利益は46百万円(前期比88.3%減)、投資有価証券売却益6億16百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は6億53百万円(前期比288.5%増)となりました。
各セグメントの経営成績は次のとおりであります。
(水産物販売事業)
水産物販売事業は、当連結会計年度をとおして新型コロナウイルス感染症の影響により大変厳しい経営環境となりました。2020年4月7日に発出された1回目の緊急事態宣言により様々な経済活動が自粛を余儀なくされ、旅行・外食などの機会が大幅に減少しました。2020年5月25日の宣言解除後には政府による景気刺激策などにより回復傾向がみられましたが、飲食業などでは「新しい生活様式」への対応を求められるなど引き続き一定の制約が設けられ、従来の水準までの回復には至りませんでした。2021年1月13日には再び緊急事態宣言が発せられ、解除後も時短要請が継続されるなど、年末年始や期末の宴会需要が大きな影響を受け、養殖マダイや高価格帯の天然鮮魚などの商材は販売が伸び悩みました。
一方で、量販店への販売は外食需要減の反動による内食へのシフトに伴い順調な販売となりました。上期には主力商材として期待したサンマ等の青魚が不漁などの影響もありましたが、第3四半期には年末商材のカニなどを中心に好調に推移しました。しかしながら、外食需要の低下をカバーするには至らず、売上高は1,140億55百万円(前期比8.7%減)となり、セグメント利益は86百万円(前期比81.0%減)となりました。
(冷蔵倉庫等事業)
冷蔵倉庫等事業は、売上高が2億38百万円(前期比2.4%減)となり、セグメント利益は3百万円(前期比48.3%減)となりました。
b.財政状態の概要
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は145億59百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億28百万円減少しました。これは主に現金及び預金が6億29百万円増加した一方で、受取手形及び売掛金が2億7百万円、商品及び製品が6億69百万円減少したこと等によるものであります。固定資産は56億5百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億30百万円増加しました。これは主に投資有価証券が4億3百万円増加したこと等によるものであります。
この結果、総資産は201億65百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億1百万円増加しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は93億29百万円となり、前連結会計年度末に比べ45百万円減少しました。これは主に1年以内償還予定社債が5億円増加した一方で、支払手形及び買掛金が6億円減少したこと等によるものであります。固定負債は31億62百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億94百万円減少しました。これは主に社債が5億円減少したこと等によるものであります。
この結果、負債合計は124億91百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億40百万円減少しました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は76億73百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億41百万円増加しました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益を6億53百万円計上したこと等により利益剰余金が5億84百万円、その他有価証券評価差額金が2億96百万円増加した一方で、自己株式の取得により自己株式が1億19百万円増加(純資産合計に対しては減少)したこと等によるものであります。
この結果、自己資本比率は38.1%(前連結会計年度末は34.2%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、33億75百万円(前連結会計年度末比4億29百万円増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2億85百万円(前連結会計年度は2億70百万円の支出)となりました。これは主に、売上債権が4億31百万円、たな卸資産が6億76百万円それぞれ減少した一方で、負債の部で仕入債務が7億15百万円減少したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は3億38百万円(前連結会計年度は3億51百万円の支出)となりました。これは主に定期預金の預入に2億円支出した一方で、投資有価証券の売却により6億38百万円獲得したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は1億94百万円(前連結会計年度は90百万円の支出)となりました。これは主に自己株式の取得により1億19百万円、配当金の支払いにより68百万円支出したこと等によるものであります。
また、キャッシュ・フローの指標のトレンドは以下のとおりであります。
(キャッシュ・フローの指標)
2017年3月期2018年3月期2019年3月期2020年3月期2021年3月期
自己資本比率(%)31.231.432.134.238.1
時価ベースの自己資本比率(%)16.217.515.014.416.3
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)5.55.82.3-9.4
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)22.521.250.3-14.9

(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※各指標はいずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
※2020年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。
③仕入及び販売の実績
a.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
水産物販売事業(百万円)105,66690.0
冷蔵倉庫等事業(百万円)--
合計(百万円)105,66690.0

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
水産物販売事業(百万円)114,05591.3
冷蔵倉庫等事業(百万円)23897.6
合計(百万円)114,29391.4

(注)1.セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する記述は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績)
当連結会計年度の経営成績は、売上高については1,142億39百万円(前期比8.7%減)となりました。当年度は新型コロナウイルス感染症の影響による経済・社会活動の停滞で個人消費や企業収益が落ち込みました。特に緊急事態宣言下での外出・移動の自粛要請、飲食店への時短営業や休業要請により、飲食店・ホテル・旅館等の業務筋の需要が低迷しました。その為、当社グループでは高価格帯の生鮮水産品を中心に販売が苦戦いたしました。
業務筋での消費が低迷する一方、消費者の家庭内での飲食の機会は増加し量販店等での水産物の売上は増加しました。当社グループにおいても量販店向けへの売上は増加傾向となり、特に年末はカニなどの高級商材やおせち料理などが所謂「すごもり需要」により消費が進み、当社グループの売上にも寄与しました。
しかし、家庭内消費の伸長も業務筋への販売減少分を取り戻すには至らず、また、海外販売の減少、養殖魚の販売単価の低下などの要因もあり、全体的には大幅な売上減少となりました。
当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染の影響を大きく受けました。水産物消費の動向は急激に大きく変化しました。来期も水産物の消費動向については先の見通せない状況ですが、当社グループの主たる営業拠点である中央・地方卸売市場が、いかなる環境下でも食の安定供給を果たすべく食品流通の中核を担うという使命は変わりません。マーケットの変化に対応しつつ、当社グループの水産物の安定した調達と供給の使命を果たしてゆきたいと考えます。
利益面では営業損失81百万円(前期は2億72百万円の営業利益)、経常利益46百万円(前期比88.3%減)と大幅な減益となりました。大口債権に対する回収懸念に対する個別引当及びそれに伴う貸倒実績率の上昇による引当金の増加を合わせて2億29百万円の影響は大きく、2009年3月期以来の営業赤字という結果になりました。今後は同債権の回収及び同様の債権回収リスクの低減に向けた取り組みに努めてまいります。
当社グループでは、成長性と収益性を確保するという観点から、企業収益の基本的な指標となる「取扱高(注)」及び「経常利益」を収益性判断の重要な指標として位置づけております。
現在の3カ年中期経営計画の最終年度である2022年3月期の数値目標(連結ベース)は、取扱高(注)1,350億円、経常利益7億円であります。しかし、昨年年初からの新型コロナウイルス感染症拡大により社会・経済活動が停滞し、当社グループの2021年3月期の経営成績は大きく影響を受けました。加えて本年3月以降感染力の強い変異株の影響等により、感染の収束に向けては予測不可能な不透明な状況です。従って2022年3月期は、連結ベースで取扱高(注)1,200億円、経常利益3億円を業績予想(2021年5月11日付「2021年3月期決算短信」にて開示)といたしましたが、引き続き上記の中期経営計画の数値目標達成に向け取り組んでまいります。
(注)2021年3月期に適用した会計基準による売上高であります。2022年3月期には「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)を適用いたします。
(財政状態)
当連結会計年度末の財政状態は、資産合計が201億65百万円(前年同期比2億1百万円増)、負債合計については、124億91百万円(前年同期比6億40百万円減)となりました。「現金及び預金」が6億29百万円増加しておりますが、これは投資有価証券を売却したことによるものであります。
(セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討の内容)
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討については、当社グループの報告セグメントにおける水産物販売事業の比率が極めて高いため、上記の事業全体に係る記載内容と概ね同一と考えられます。よって、セグメントごとの記載を省略しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは2億85百万円の収入(前連結会計年度は2億70百万円の支出)となりました。当連結会計年度は営業赤字となりましたが、資金面では営業キャッシュ・フローを確保できております。
また、投資活動によるキャッシュ・フローの収入は主に投資有価証券の売却によるものであり、非経常的な資金の収入であります。
(資本の財源及び資金の流動性)
当連結会計年度末の資金調達の総額は27億円(前年同期比増減なし)となりました。前連結会計年度末には固定負債であった社債5億円は償還まで1年未満となりましたので、流動負債に計上しております。現時点での償還に係る資金手当てについては未定であります。
資金調達の総額に占める流動・固定の比率は資産のバランスに見合った長期資金を調達する方針としております。
2022年3月期の資金支出については、会計システム等への資本的支出を見込んでおりますが、自己資金での対応を予定しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されており、重要な会計方針につきましては、≪第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項≫ に記載しているとおりであります。この連結財務諸表の作成にあたっては、会計基準の範囲内で一定の見積りがなされ、引当金の計上等の数値に反映されております。これらの見積りについては、必要に応じて見直しを行っておりますが、不確実性があるため、実際の結果が見積りと異なる場合があります。
なお、当連結会計年度の繰延税金資産の計上(連結貸借対照表上では繰延税金負債に含む)における将来の課税所得の見積もりにつきましては、≪第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項≫ に記載しているとおりであります。
ただし、その前提については経済活動の回復ペースなど不確実性が高い内容を含んでおり、実際の結果が見積りと異なる場合があります。

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