訂正有価証券報告書-第40期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
1.業績等の概要
(1)業績
当連結会計年度における世界の経済環境は、新型コロナウイルス感染症の影響が残るものの、第2四半期連結累計期間以降には世界的に経済活動が再開したことにより景気が持ち直し、米国及び中国においては政府主導の景気刺激対策により好調に推移いたしました。一方、欧州においては新型コロナウイルスワクチン接種が進む英国で経済活動の回復が進みましたが、域内全体は依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。
我が国の経済は、世界的な経済活動の再開を受けて、個人消費、生産及び輸出が急速に回復いたしましたが、企業収益全般においては本格的な回復には至りませんでした。
当社グループを取巻く業界は、自動車関連においては電装化、軽量化、自動運転技術に関係する素材並びに部品需要の多様化が進み、また新型コロナウイルス感染症の影響により一時的に落ち込んだ自動車販売が第2四半期連結累計期間以降に急速に回復したことで自動車関連部材の需要が増加いたしました。一方、半導体・電子部品関連では、IoT、AI等におけるデータ通信量の増加や自動車の電装化進行、次世代通信規格(5G)の本格稼働により市場が拡大し、さらにオンラインでの経済活動の広がりやリモートワークの浸透を背景にIT機器、半導体関連部材の需要が高水準で推移いたしました。
このような経済環境のもと当社グループにおいては、半導体、情報通信関連向け需要の増加により半導体製造装置向け等の金属加工部品が収益に貢献した他、商社流通においてもスマートフォン等IT機器向け電子・電池材料の取扱いが前期に比べ増加いたしました。また国内外の自動車向け需要の急速な回復に伴い、金属精密プレス部品、及び小型モーター向けカーボンブラシは第2四半期連結累計期間以降、出荷が急増し収益が改善した一方、商社流通における非鉄原料、アルミ圧延品並びに伸銅品等の取扱いは、当連結会計年度前半の自動車関連需要の落ち込みをカバーできず前期水準には及びませんでした。利益面においては当社連結子会社における不適切な会計処理による損失があったものの、上記の収益改善の他、前期に計上した電子機能材におけるレアメタルのたな卸資産評価損が概ね解消されたこと等により営業利益、経常利益は前期に比べ増益となりました。なお、関連会社株式の売却に伴う関係会社株式売却損を計上したことにより親会社株主に帰属する当期純利益は前期に比べ減益となりました。
この結果、当連結会計年度における連結経営成績は、売上高214,987百万円(前期比7.4%減少)、営業利益5,621百万円(同8.6%増加)、経常利益5,718百万円(同5.6%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益2,860百万円(同20.9%減少)となりました。
当連結会計年度におけるセグメントの業績は次のとおりであります。また、各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高を含んでおります。
・商社流通-電子機能材事業
スマートフォン・タブレット端末向け部材は、新型コロナウイルス感染症の世界的影響による在庫調整が終了し、前期に比べ売上、利益は共に増加いたしました。また、二次電池関連部材及び環境関連部材の需要においても、新型コロナウイルス感染症の影響による一時的な落ち込みが、第1四半期連結累計期間以降は急速な回復をみせるとともに、リモート・テレワーク需要を取込み、売上・利益とも増加となりました。一方、チタン・ニッケル製品の欧州向け輸出取引は新型コロナウイルス感染症の影響が当連結会計年度末まで続いたことが響き、売上・利益とも減少いたしました。
レアメタル・レアアースについては磁性材向けレアアースの取引が増加いたしましたが、タングステン等のレアメタルは当連結会計年度開始当初の自動車関連需要の一時的な落ち込みの影響が残り、前期に比べ減少いたしました。なお、前述の取扱量の回復、及び前期に計上したレアメタルのたな卸資産評価損が概ね解消されたこと等により、セグメント利益は大きく改善いたしました。
この結果、当セグメントにおける売上高は63,195百万円(前年比11.9%減少)、セグメント利益は1,699百万円(同2006.3%増加)となりました。
・商社流通-アルミ銅事業
製品分野においては、新型コロナウイルス感染症の影響により大型ビル向け業務用エアコン等建築関連部材の荷動きは低調でありました。一方、電装化、軽量化が進む自動車関連では中国を中心に生産が回復し、更にEV用リチウムイオン電池の生産増加により一般用途の輸入アルミ箔の取扱いが前期に比べ増加いたしました。また、巣籠もり消費、リモートワークの増加や5Gの普及を背景としたパソコン、タブレット向け半導体需要も旺盛で関連部材の取扱いは前期水準に回復いたしました。
原料分野においては、第2四半期連結累計期間以降、新型コロナウイルス感染症拡大により一時的に落ち込んだ自動車関連需要が急速に回復し、主力のアルミスクラップ並びにアルミ再生塊の取扱いは増加いたしましたが前期水準には及びませんでした。一方、当連結会計年度は期を通じて銅相場の上昇が継続したことにより、銅スクラップの取扱いは前期に比べ増加いたしました。
なお、利益面においては上記の減収に加えて当社連結子会社における不適切な会計処理についての損失を計上したことにより、セグメント利益は前期に比べ減益となりました。
この結果、当セグメントにおける売上高は108,910百万円(同8.2%減少)、セグメント利益は530百万円(同23.6%減少)となりました。
・製造-装置材料事業
めっき材料は米国拠点で新型コロナウイルス感染症の影響により自動車向けを中心に出荷が落ち込みましたが、中国拠点においては新型コロナウイルス感染症の影響から早期に回復した中国経済の恩恵を受け、自動車並びに半導体関連向けの出荷が前期に比べ増加いたしました。また、非破壊検査及びマーキングはプラント、エネルギー関連向けで大型非破壊検査装置等の出荷が増加し売上に貢献、ブレーキ摩擦材向けカシュー樹脂製品、小型モーター向けカーボンブラシ、及び溶接材料は、当連結会計年度前半に落ち込んだ国内外の自動車需要が急速に回復し出荷は改善いたしました。
なお、利益面においては当連結会計年度前半の自動車向け需要の落ち込みによる減収等が響いたため、前期に比べ減益となりました。
この結果、当セグメントにおける売上高は24,919百万円(同3.6%減少)、セグメント利益は333百万円(同17.3%減少)となりました。
・製造-金属加工事業
半導体実装装置向け精密研削加工部品は半導体需要の拡大により実装装置需要自体は底堅く推移するものの当連結会計年度においては一部の部材における生産調整等の影響を受け、出荷は前期に比べ減少いたしました。また精密切削加工部品においては次世代通信規格(5G)の本格化やリモートワークの拡大に伴う情報通信関連機器並びに半導体需要の増加等により、半導体製造装置向け切削加工部品の出荷が前期に比べ増加いたしました。精密金属プレス部品は、新型コロナウイルス感染症の影響により一時的に落ち込んだ自動車需要が当連結会計年度において急速に回復し出荷が増加いたしましたが、前期水準には及びませんでした。また、メキシコ事業においても事業立上げフェーズに伴う支出が先行したため収益を圧迫いたしました。なお、2020年12月3日に株式を取得し、連結子会社化した株式会社富士根産業の空調機器関連向け金属加工部品において2021年1月から取り込んだ四半期分の業績が収益に貢献いたしました。
この結果、当セグメントにおける売上高は22,123百万円(同1.4%減少)、セグメント利益は3,159百万円(同25.1%減少)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4,407百万円増加し、26,002百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(3)仕入及び販売の実績
①仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.金額は実際仕入価格によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.最近2連結会計年度において総販売実績販売比率が10%を超過する販売先はありません。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
・財政状態
① 流動資産
当連結会計年度における流動資産は106,604百万円であり、前連結会計年度末比11,178百万円の増加となりました。主な内訳は受取手形及び売掛金の増加5,590百万円、現金及び預金の増加4,294百万円、並びにたな卸資産の増加168百万円であります。
② 固定資産
当連結会計年度における固定資産は41,313百万円であり、前連結会計年度末比2,276百万円の増加となりました。主な内訳は、有形固定資産の増加1,939百万円、投資その他の資産の増加1,362百万円、及び無形固定資産の償却による減少1,026百万円であります。
③ 流動負債
当連結会計年度における流動負債は78,011百万円であり、前連結会計年度末比12,478百万円の増加となりました。主な内訳は短期借入金の増加4,327百万円、支払手形及び買掛金の増加3,497百万円、コマーシャル・ペーパーの増加2,999百万円、及び1年内返済予定の長期借入金の増加1,850百万円であります。
④ 固定負債
当連結会計年度における固定負債は26,533百万円であり、前連結会計年度末比1,118百万円の減少となりました。主な内訳は長期借入金の減少1,803百万円、社債の増加100百万円であります。
⑤ 純資産
当連結会計年度における純資産は43,372百万円であり、前連結会計年度末比2,094百万円の増加となりました。主な内訳は利益剰余金の増加1,094百万円、その他有価証券評価差額金の増加2,569百万円、為替換算調整勘定の減少427百万円、及び自己株式の取得による減少800百万円であります。
・経営成績
① 売上高
売上高については、国内外の製造子会社が増収を確保した一方で、商社流通における電子材料、自動車関連部材を中心とした取扱いが落ち込み、減収となりました。取扱品別でみると、商社流通では、電子材料向けレアメタル・レアアース、アルミ圧延品、及びアルミニウム再生塊等の非鉄原料等の取扱いが前期に比べて減少いたしました。一方、製造では半導体実装装置向け研削加工部品、自動車向け金属精密プレス部品、及び当連結会計年度より加わった小型モーター用カーボンブラシの出荷が増加した一方で、めっき材料、精密切削加工部品、及び非破壊検査/マーキング関連の出荷が低迷いたしました。
この結果、当連結会計年度における売上高は、前期比7.4%減少の214,987百万円となりました。
② 売上総利益
商社流通における減収により、当連結会計年度における売上総利益は前期比0.3%減少の18,571百万円となりました。
③ 販売費及び一般管理費
新型コロナウイルス感染症の影響で主に営業費関連の費消が削減され、当連結会計年度における販売費及び一般管理費は前期比3.7%減少の12,949百万円となりました。
④ 営業利益
上記の結果、当連結会計年度における営業利益は前期比8.6%増加の5,621百万円となりました。
⑤ 営業外収益、営業外費用
為替差損の増加、屑売却益、持分法による投資利益及び支払利息の減少等により、営業外収支(営業外収益-営業外費用)は96百万円の収入超となりました。(前期は240百万円の収入超)。
⑥ 経常利益
上記の結果、当連結会計年度における経常利益は前期比5.6%増加の5,718百万円となりました。
⑦ 特別利益、特別損失
負ののれん発生益等による特別利益126百万円を計上する一方、関係会社株式売却損等の特別損失856百万円を計上いたしました。
⑧ 親会社株主に帰属する当期純利益
税金等調整前当期純利益4,989百万円から法人税等2,091百万円、連結子会社10社における非支配株主に帰属する当期純利益37百万円を差引き、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は前期比20.9%減少の2,860百万円となりました。
(3)経営戦略の現状と見通し
当社グループは中期経営計画に掲げる新ビジョン「商社機能と製造業を融合する総合企業」を目指し、連結ベースでの企業価値向上と持続的成長の実現に向けて以下の施策を推進しております。
(営業収益力の強化)
①グループ企業間のシナジー
従来型の商社の枠組みを越え、M&Aや事業投資により製造セグメントの事業拡充を図り、商社機能との融合、及び製造セグメント内の企業間シナジーにより営業収益力の飛躍的アップを目指します。
②成長事業の収益力強化
当社グループの飛躍的な成長の原動力となった電子部品関連分野、半導体関連分野、自動車関連分野という3つの事業を重点分野として引き続き強化いたします。
(電子部品関連)
結晶材料、金属粉末、液晶や電池用材料、半導体周辺素材、機能化学品等、次世代自動車や移動通信システム(5G)の普及、及びさらなるAIやIoTの深化に欠かせない電子材料と電子部品分野での取組を強化いたします。
(半導体関連)
IoTの深化に伴い、半導体実装装置を含む半導体製造装置の需要はさらに成長を続けるものと予測されます。この分野の素材調達は商社流通セグメントにおいて、また部品加工と供給は製造セグメントにおいて、セグメントを横断する連携を深めながら取組を強化いたします。
(自動車関連)
・自動車の電装化、Power Trainの多様化に伴い、素材、部品等の構成が変化をとげております。これら変化をキャッチアップし、それぞれのセグメントにおいて関連の商品への取組を強化いたします。
・自動車の素材については、燃料電池車(FCV)、電気自動車(EV)、ハイブリッドカー等の更なる開発やCASEの浸透に向けた各種素材の取扱いを拡大していきます。
③環境対応関連分野
環境対応に関連した分野において投融資を絡めて事業の強化を図ります。アルミ・銅スクラップの国内ヤードオペレーションに加え、ベースメタルからレアメタル・レアアースまでを含むリサイクル事業のグローバル展開を推進いたします。
④海外事業展開
当社の海外子会社を基点として、現地進出の日系企業及び現地企業との地場取引の拡大を図る他、三国間取引を拡大し、グローバル展開による連結経営での収益拡大を目指します。さらに海外ネットワーク充実のためインド、メキシコ等で海外拠点の設立を推進いたします。
(投資案件の推進)
①M&A
業容拡大の柱として、国内外におけるM&Aを積極的に推進しております。M&Aは短期間での連結利益獲得と当社グループとのシナジーによる新たな商流の創出を実現する当社グループの最重要施策であります。当社は現在、「商社機能と製造業を融合する総合企業」を目指すべく、製造業を中心としたM&Aを推進しており、ニッチでありながら優れた技術力を持つ製造業を連結子会社化するとともに当社グループ内にて再編を行い、当社の営業力とグローバルネットワークをフルに活用した新たな商流の開拓を進めてまいります。なお、当社は2020年12月3日に株式会社富士根産業の発行済株式のうち95%を取得し、連結子会社といたしました。同社は株式取得以前から当社の取引先でもあり、今般、当該連結子会社と当社共通の取引先である同業メーカーが資本参加をしております。これにより両社の技術交流等による新規製品分野への進出が可能になる他、原材料の調達、製品の販売を当社グループで流通を一手に手掛けることで製販一体の事業展開加速させる契機と見込んでおります。当社は引続き製造業を中心としたM&Aにより事業分野の拡充を進め、安定収益力の強化を目指してまいります。
②事業投資
新たな商流の創出、資源確保を目的として国内外事業への投融資を行っており、今後も金属・化学品分野を中心とする事業投資並びに合弁事業設立を推進いたします。
なお、2021年3月期の連結業績をふまえ、新たに数値目標を刷新した2024年3月期を最終年度とする中期経営計画を策定し、引き続き積極的にM&Aや事業投資を実施し業容拡大を図りつつ、経営環境の変化にすばやく対応でき、安定収益と持続的成長を可能とする事業基盤を確立してまいります。具体的な数値目標及びその施策につきましては「第2 事業の状況、1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、(3)当面の対処すべき課題の内容等」をご参照ください。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの主な運転資金需要は在庫の購入費用、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また投資を目的とした資金需要は、M&A並びに事業投資に係る株式取得関連費用、及び連結子会社化後の製造子会社による設備投資費用等であります。当社グループの資金調達手段はこれらの資金需要に応じて金融機関からの短期及び長期の借入を行う他、2020年には格付を取得しコマーシャル・ペーパー(CP)を発行する等、資金調達手段の多様化を進め、流動性の確保と資金コストの低減を図っております。
なお、当社グループでは財務体質の強化を図るべく、資金調達手段の多様化、及び運転資金の適正化によるフリーキャッシュ・フローの黒字化定着を基本方針としております。具体的な資金の流動性については「第2 事業の状況、3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析、(2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(5)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、当社グループを取り巻く事業環境を鑑みますと、メーカー間での事業統合を含めた合従連衡、国内生産拠点の海外移転に伴う製造業の空洞化並びに輸出の低迷、中国をはじめとする資源ナショナリズムの進行、非鉄金属の中で代替商品の開発等が予想を超えるスピードで進むこと等の要因により当社グループが収益機会を逸することが懸念されます。これらの問題に対応するため、当社グループは高い専門性を持つ人材の育成に努めるとともに常にアンテナを高くして顧客ニーズを先取りし「新たな素材へ」「新たな市場へ」「新たなサービスへ」「新たな分野へ」をモットーに挑戦し続けることで、当社グループのプレゼンスを向上できるものと確信しております。
(1)業績
当連結会計年度における世界の経済環境は、新型コロナウイルス感染症の影響が残るものの、第2四半期連結累計期間以降には世界的に経済活動が再開したことにより景気が持ち直し、米国及び中国においては政府主導の景気刺激対策により好調に推移いたしました。一方、欧州においては新型コロナウイルスワクチン接種が進む英国で経済活動の回復が進みましたが、域内全体は依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。
我が国の経済は、世界的な経済活動の再開を受けて、個人消費、生産及び輸出が急速に回復いたしましたが、企業収益全般においては本格的な回復には至りませんでした。
当社グループを取巻く業界は、自動車関連においては電装化、軽量化、自動運転技術に関係する素材並びに部品需要の多様化が進み、また新型コロナウイルス感染症の影響により一時的に落ち込んだ自動車販売が第2四半期連結累計期間以降に急速に回復したことで自動車関連部材の需要が増加いたしました。一方、半導体・電子部品関連では、IoT、AI等におけるデータ通信量の増加や自動車の電装化進行、次世代通信規格(5G)の本格稼働により市場が拡大し、さらにオンラインでの経済活動の広がりやリモートワークの浸透を背景にIT機器、半導体関連部材の需要が高水準で推移いたしました。
このような経済環境のもと当社グループにおいては、半導体、情報通信関連向け需要の増加により半導体製造装置向け等の金属加工部品が収益に貢献した他、商社流通においてもスマートフォン等IT機器向け電子・電池材料の取扱いが前期に比べ増加いたしました。また国内外の自動車向け需要の急速な回復に伴い、金属精密プレス部品、及び小型モーター向けカーボンブラシは第2四半期連結累計期間以降、出荷が急増し収益が改善した一方、商社流通における非鉄原料、アルミ圧延品並びに伸銅品等の取扱いは、当連結会計年度前半の自動車関連需要の落ち込みをカバーできず前期水準には及びませんでした。利益面においては当社連結子会社における不適切な会計処理による損失があったものの、上記の収益改善の他、前期に計上した電子機能材におけるレアメタルのたな卸資産評価損が概ね解消されたこと等により営業利益、経常利益は前期に比べ増益となりました。なお、関連会社株式の売却に伴う関係会社株式売却損を計上したことにより親会社株主に帰属する当期純利益は前期に比べ減益となりました。
この結果、当連結会計年度における連結経営成績は、売上高214,987百万円(前期比7.4%減少)、営業利益5,621百万円(同8.6%増加)、経常利益5,718百万円(同5.6%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益2,860百万円(同20.9%減少)となりました。
当連結会計年度におけるセグメントの業績は次のとおりであります。また、各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高を含んでおります。
・商社流通-電子機能材事業
スマートフォン・タブレット端末向け部材は、新型コロナウイルス感染症の世界的影響による在庫調整が終了し、前期に比べ売上、利益は共に増加いたしました。また、二次電池関連部材及び環境関連部材の需要においても、新型コロナウイルス感染症の影響による一時的な落ち込みが、第1四半期連結累計期間以降は急速な回復をみせるとともに、リモート・テレワーク需要を取込み、売上・利益とも増加となりました。一方、チタン・ニッケル製品の欧州向け輸出取引は新型コロナウイルス感染症の影響が当連結会計年度末まで続いたことが響き、売上・利益とも減少いたしました。
レアメタル・レアアースについては磁性材向けレアアースの取引が増加いたしましたが、タングステン等のレアメタルは当連結会計年度開始当初の自動車関連需要の一時的な落ち込みの影響が残り、前期に比べ減少いたしました。なお、前述の取扱量の回復、及び前期に計上したレアメタルのたな卸資産評価損が概ね解消されたこと等により、セグメント利益は大きく改善いたしました。
この結果、当セグメントにおける売上高は63,195百万円(前年比11.9%減少)、セグメント利益は1,699百万円(同2006.3%増加)となりました。
・商社流通-アルミ銅事業
製品分野においては、新型コロナウイルス感染症の影響により大型ビル向け業務用エアコン等建築関連部材の荷動きは低調でありました。一方、電装化、軽量化が進む自動車関連では中国を中心に生産が回復し、更にEV用リチウムイオン電池の生産増加により一般用途の輸入アルミ箔の取扱いが前期に比べ増加いたしました。また、巣籠もり消費、リモートワークの増加や5Gの普及を背景としたパソコン、タブレット向け半導体需要も旺盛で関連部材の取扱いは前期水準に回復いたしました。
原料分野においては、第2四半期連結累計期間以降、新型コロナウイルス感染症拡大により一時的に落ち込んだ自動車関連需要が急速に回復し、主力のアルミスクラップ並びにアルミ再生塊の取扱いは増加いたしましたが前期水準には及びませんでした。一方、当連結会計年度は期を通じて銅相場の上昇が継続したことにより、銅スクラップの取扱いは前期に比べ増加いたしました。
なお、利益面においては上記の減収に加えて当社連結子会社における不適切な会計処理についての損失を計上したことにより、セグメント利益は前期に比べ減益となりました。
この結果、当セグメントにおける売上高は108,910百万円(同8.2%減少)、セグメント利益は530百万円(同23.6%減少)となりました。
・製造-装置材料事業
めっき材料は米国拠点で新型コロナウイルス感染症の影響により自動車向けを中心に出荷が落ち込みましたが、中国拠点においては新型コロナウイルス感染症の影響から早期に回復した中国経済の恩恵を受け、自動車並びに半導体関連向けの出荷が前期に比べ増加いたしました。また、非破壊検査及びマーキングはプラント、エネルギー関連向けで大型非破壊検査装置等の出荷が増加し売上に貢献、ブレーキ摩擦材向けカシュー樹脂製品、小型モーター向けカーボンブラシ、及び溶接材料は、当連結会計年度前半に落ち込んだ国内外の自動車需要が急速に回復し出荷は改善いたしました。
なお、利益面においては当連結会計年度前半の自動車向け需要の落ち込みによる減収等が響いたため、前期に比べ減益となりました。
この結果、当セグメントにおける売上高は24,919百万円(同3.6%減少)、セグメント利益は333百万円(同17.3%減少)となりました。
・製造-金属加工事業
半導体実装装置向け精密研削加工部品は半導体需要の拡大により実装装置需要自体は底堅く推移するものの当連結会計年度においては一部の部材における生産調整等の影響を受け、出荷は前期に比べ減少いたしました。また精密切削加工部品においては次世代通信規格(5G)の本格化やリモートワークの拡大に伴う情報通信関連機器並びに半導体需要の増加等により、半導体製造装置向け切削加工部品の出荷が前期に比べ増加いたしました。精密金属プレス部品は、新型コロナウイルス感染症の影響により一時的に落ち込んだ自動車需要が当連結会計年度において急速に回復し出荷が増加いたしましたが、前期水準には及びませんでした。また、メキシコ事業においても事業立上げフェーズに伴う支出が先行したため収益を圧迫いたしました。なお、2020年12月3日に株式を取得し、連結子会社化した株式会社富士根産業の空調機器関連向け金属加工部品において2021年1月から取り込んだ四半期分の業績が収益に貢献いたしました。
この結果、当セグメントにおける売上高は22,123百万円(同1.4%減少)、セグメント利益は3,159百万円(同25.1%減少)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4,407百万円増加し、26,002百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
| キャッシュ・フローの状況 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 営業活動によるキャッシュ・フローは4,098百万円の増加(前期比4,992百万円の減少)となりました。主な増加要因は税金等調整前当期純利益4,989百万円、のれん償却を含む減価償却費等3,915百万円、仕入債務の増加額3,062百万円、たな卸資産の減少額204百万円であります。また主な減少要因は売上債権の増加額5,088百万円、及び法人税等の支払額2,371百万円であります。 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | 投資活動によるキャッシュ・フローは2,472百万円の減少(前期比699百万円の増加)となりました。主な増加要因は関係会社株式の売却等に伴う投資有価証券の売却による収入665百万円であります。また主な減少要因は当連結会計年度に株式会社富士根産業を連結子会社化、及びその他製造子会社を中心とした設備増強に伴う有形固定資産の取得による支出2,836百万円、子会社株式取得による支出374百万円、及び投資有価証券の取得による支出250百万円であります。 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | 財務活動によるキャッシュ・フローは2,849百万円の増加(前期比10,842百万円の増加)となりました。主な増加要因は短期借入金の純増加額3,948百万円、及びコマーシャル・ペーパーの発行による増加額2,999百万円であります。また主な減少要因は長期借入金の純減少額1,735百万円、配当金の支払額1,067百万円、自己株式の取得による支出800百万円、及び社債の償還による支出149百万円であります。 |
(3)仕入及び販売の実績
①仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | |
| 仕入高(百万円) | 前年同期比(%) | |
| 電子機能材事業 | 58,292 | 94.0 |
| アルミ銅事業 | 100,861 | 91.6 |
| 装置材料事業 | 13,489 | 93.5 |
| 金属加工事業 | 9,903 | 94.5 |
| 合計 | 182,546 | 92.6 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.金額は実際仕入価格によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | |
| 販売高(百万円) | 前年同期比(%) | |
| 電子機能材事業 | 60,315 | 87.5 |
| アルミ銅事業 | 108,007 | 93.7 |
| 装置材料事業 | 24,664 | 95.9 |
| 金属加工事業 | 22,000 | 98.7 |
| 合計 | 214,987 | 92.6 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.最近2連結会計年度において総販売実績販売比率が10%を超過する販売先はありません。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
・財政状態
① 流動資産
当連結会計年度における流動資産は106,604百万円であり、前連結会計年度末比11,178百万円の増加となりました。主な内訳は受取手形及び売掛金の増加5,590百万円、現金及び預金の増加4,294百万円、並びにたな卸資産の増加168百万円であります。
② 固定資産
当連結会計年度における固定資産は41,313百万円であり、前連結会計年度末比2,276百万円の増加となりました。主な内訳は、有形固定資産の増加1,939百万円、投資その他の資産の増加1,362百万円、及び無形固定資産の償却による減少1,026百万円であります。
③ 流動負債
当連結会計年度における流動負債は78,011百万円であり、前連結会計年度末比12,478百万円の増加となりました。主な内訳は短期借入金の増加4,327百万円、支払手形及び買掛金の増加3,497百万円、コマーシャル・ペーパーの増加2,999百万円、及び1年内返済予定の長期借入金の増加1,850百万円であります。
④ 固定負債
当連結会計年度における固定負債は26,533百万円であり、前連結会計年度末比1,118百万円の減少となりました。主な内訳は長期借入金の減少1,803百万円、社債の増加100百万円であります。
⑤ 純資産
当連結会計年度における純資産は43,372百万円であり、前連結会計年度末比2,094百万円の増加となりました。主な内訳は利益剰余金の増加1,094百万円、その他有価証券評価差額金の増加2,569百万円、為替換算調整勘定の減少427百万円、及び自己株式の取得による減少800百万円であります。
・経営成績
① 売上高
売上高については、国内外の製造子会社が増収を確保した一方で、商社流通における電子材料、自動車関連部材を中心とした取扱いが落ち込み、減収となりました。取扱品別でみると、商社流通では、電子材料向けレアメタル・レアアース、アルミ圧延品、及びアルミニウム再生塊等の非鉄原料等の取扱いが前期に比べて減少いたしました。一方、製造では半導体実装装置向け研削加工部品、自動車向け金属精密プレス部品、及び当連結会計年度より加わった小型モーター用カーボンブラシの出荷が増加した一方で、めっき材料、精密切削加工部品、及び非破壊検査/マーキング関連の出荷が低迷いたしました。
この結果、当連結会計年度における売上高は、前期比7.4%減少の214,987百万円となりました。
② 売上総利益
商社流通における減収により、当連結会計年度における売上総利益は前期比0.3%減少の18,571百万円となりました。
③ 販売費及び一般管理費
新型コロナウイルス感染症の影響で主に営業費関連の費消が削減され、当連結会計年度における販売費及び一般管理費は前期比3.7%減少の12,949百万円となりました。
④ 営業利益
上記の結果、当連結会計年度における営業利益は前期比8.6%増加の5,621百万円となりました。
⑤ 営業外収益、営業外費用
為替差損の増加、屑売却益、持分法による投資利益及び支払利息の減少等により、営業外収支(営業外収益-営業外費用)は96百万円の収入超となりました。(前期は240百万円の収入超)。
⑥ 経常利益
上記の結果、当連結会計年度における経常利益は前期比5.6%増加の5,718百万円となりました。
⑦ 特別利益、特別損失
負ののれん発生益等による特別利益126百万円を計上する一方、関係会社株式売却損等の特別損失856百万円を計上いたしました。
⑧ 親会社株主に帰属する当期純利益
税金等調整前当期純利益4,989百万円から法人税等2,091百万円、連結子会社10社における非支配株主に帰属する当期純利益37百万円を差引き、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は前期比20.9%減少の2,860百万円となりました。
(3)経営戦略の現状と見通し
当社グループは中期経営計画に掲げる新ビジョン「商社機能と製造業を融合する総合企業」を目指し、連結ベースでの企業価値向上と持続的成長の実現に向けて以下の施策を推進しております。
(営業収益力の強化)
①グループ企業間のシナジー
従来型の商社の枠組みを越え、M&Aや事業投資により製造セグメントの事業拡充を図り、商社機能との融合、及び製造セグメント内の企業間シナジーにより営業収益力の飛躍的アップを目指します。
②成長事業の収益力強化
当社グループの飛躍的な成長の原動力となった電子部品関連分野、半導体関連分野、自動車関連分野という3つの事業を重点分野として引き続き強化いたします。
(電子部品関連)
結晶材料、金属粉末、液晶や電池用材料、半導体周辺素材、機能化学品等、次世代自動車や移動通信システム(5G)の普及、及びさらなるAIやIoTの深化に欠かせない電子材料と電子部品分野での取組を強化いたします。
(半導体関連)
IoTの深化に伴い、半導体実装装置を含む半導体製造装置の需要はさらに成長を続けるものと予測されます。この分野の素材調達は商社流通セグメントにおいて、また部品加工と供給は製造セグメントにおいて、セグメントを横断する連携を深めながら取組を強化いたします。
(自動車関連)
・自動車の電装化、Power Trainの多様化に伴い、素材、部品等の構成が変化をとげております。これら変化をキャッチアップし、それぞれのセグメントにおいて関連の商品への取組を強化いたします。
・自動車の素材については、燃料電池車(FCV)、電気自動車(EV)、ハイブリッドカー等の更なる開発やCASEの浸透に向けた各種素材の取扱いを拡大していきます。
③環境対応関連分野
環境対応に関連した分野において投融資を絡めて事業の強化を図ります。アルミ・銅スクラップの国内ヤードオペレーションに加え、ベースメタルからレアメタル・レアアースまでを含むリサイクル事業のグローバル展開を推進いたします。
④海外事業展開
当社の海外子会社を基点として、現地進出の日系企業及び現地企業との地場取引の拡大を図る他、三国間取引を拡大し、グローバル展開による連結経営での収益拡大を目指します。さらに海外ネットワーク充実のためインド、メキシコ等で海外拠点の設立を推進いたします。
(投資案件の推進)
①M&A
業容拡大の柱として、国内外におけるM&Aを積極的に推進しております。M&Aは短期間での連結利益獲得と当社グループとのシナジーによる新たな商流の創出を実現する当社グループの最重要施策であります。当社は現在、「商社機能と製造業を融合する総合企業」を目指すべく、製造業を中心としたM&Aを推進しており、ニッチでありながら優れた技術力を持つ製造業を連結子会社化するとともに当社グループ内にて再編を行い、当社の営業力とグローバルネットワークをフルに活用した新たな商流の開拓を進めてまいります。なお、当社は2020年12月3日に株式会社富士根産業の発行済株式のうち95%を取得し、連結子会社といたしました。同社は株式取得以前から当社の取引先でもあり、今般、当該連結子会社と当社共通の取引先である同業メーカーが資本参加をしております。これにより両社の技術交流等による新規製品分野への進出が可能になる他、原材料の調達、製品の販売を当社グループで流通を一手に手掛けることで製販一体の事業展開加速させる契機と見込んでおります。当社は引続き製造業を中心としたM&Aにより事業分野の拡充を進め、安定収益力の強化を目指してまいります。
②事業投資
新たな商流の創出、資源確保を目的として国内外事業への投融資を行っており、今後も金属・化学品分野を中心とする事業投資並びに合弁事業設立を推進いたします。
なお、2021年3月期の連結業績をふまえ、新たに数値目標を刷新した2024年3月期を最終年度とする中期経営計画を策定し、引き続き積極的にM&Aや事業投資を実施し業容拡大を図りつつ、経営環境の変化にすばやく対応でき、安定収益と持続的成長を可能とする事業基盤を確立してまいります。具体的な数値目標及びその施策につきましては「第2 事業の状況、1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、(3)当面の対処すべき課題の内容等」をご参照ください。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの主な運転資金需要は在庫の購入費用、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また投資を目的とした資金需要は、M&A並びに事業投資に係る株式取得関連費用、及び連結子会社化後の製造子会社による設備投資費用等であります。当社グループの資金調達手段はこれらの資金需要に応じて金融機関からの短期及び長期の借入を行う他、2020年には格付を取得しコマーシャル・ペーパー(CP)を発行する等、資金調達手段の多様化を進め、流動性の確保と資金コストの低減を図っております。
なお、当社グループでは財務体質の強化を図るべく、資金調達手段の多様化、及び運転資金の適正化によるフリーキャッシュ・フローの黒字化定着を基本方針としております。具体的な資金の流動性については「第2 事業の状況、3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析、(2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(5)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、当社グループを取り巻く事業環境を鑑みますと、メーカー間での事業統合を含めた合従連衡、国内生産拠点の海外移転に伴う製造業の空洞化並びに輸出の低迷、中国をはじめとする資源ナショナリズムの進行、非鉄金属の中で代替商品の開発等が予想を超えるスピードで進むこと等の要因により当社グループが収益機会を逸することが懸念されます。これらの問題に対応するため、当社グループは高い専門性を持つ人材の育成に努めるとともに常にアンテナを高くして顧客ニーズを先取りし「新たな素材へ」「新たな市場へ」「新たなサービスへ」「新たな分野へ」をモットーに挑戦し続けることで、当社グループのプレゼンスを向上できるものと確信しております。