有価証券報告書-第68期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
当連結会計年度末における資産合計は164,101百万円であり、前連結会計年度末に比べ6,774百万円減少しております。流動資産は100,591百万円と前連結会計年度末に比べ2,916百万円増加しました。固定資産は63,509百万円と前連結会計年度末に比べ9,691百万円減少しました。これは主に海外事業におけるのれん等の減損及び償却による無形固定資産の減少によるものです。
負債合計は69,883百万円であり、前連結会計年度末に比べ848百万円減少しております。これは主に繰延税金負債の減少によるものです。
純資産合計は94,217百万円であり、前連結会計年度末に比べ5,926百万円減少しております。
これらにより当社グループの流動比率は198.4%、自己資本比率は56.8%となり、その他の要素も含め、健全な財政状態を維持しております。
(海外セグメントにおけるのれん及び無形資産の状況)
当社は2016年11月に米国における壁装材製造販売会社であるKoroseal Interior Products Holdings,Inc.の全株式を取得、また2017年12月にシンガポールにおける内装材料販売会社であるGoodrich Global Holdings Pte., Ltd.の株式の70%を取得し、それぞれ連結子会社としました。株式取得に伴う企業結合日時点において、取得原価の配分(Purchase Price Allocation)を実施し、個別に識別可能なのれん及び無形資産を計上しました。
当連結会計年度末の海外セグメントにおけるのれん及び無形資産の状況は、以下のとおりであります。
1.Koroseal Interior Products Holdings,Inc.株式取得関連
(単位:百万円)
| 連結貸借対照表 科目 | 償却年数 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |||
| 連結貸借対照表計上額 | 償却額 | 減損損失額 | 連結貸借対照表計上額 | 残存 償却年数 | ||
| のれん | 10年 | 4,621 | 567 | 3,972 | - | 償却済 |
| 商標権 | 非償却 | 5,871 | - | - | 5,794 | 非償却 |
| 無形固定資産 その他 (顧客関連資産) | 21年 | 2,109 | 109 | 1,962 | - | 償却済 |
| 無形固定資産 その他 (技術資産) | 13年 | 720 | 64 | 14 | 632 | 10年 |
| 計 | - | 13,322 | 740 | 5,948 | 6,427 | - |
(注)1.上記以外に、為替レート変動による増減が発生しております。
2.当連結会計年度末において、商標権に対する繰延税金負債1,495百万円、無形固定資産その他(技術資産)に対する繰延税金負債163百万円を計上しております。
2.Goodrich Global Holdings Pte., Ltd.株式取得関連
(単位:百万円)
| 連結貸借対照表 科目 | 償却年数 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |||
| 連結貸借対照表計上額 | 償却額 | 減損損失額 | 連結貸借対照表計上額 | 残存 償却年数 | ||
| のれん | 10年 | 45 | 4 | - | 40 | 8年 |
| 計 | - | 45 | 4 | - | 40 | - |
(注)上記以外に、為替レート変動による増減が発生しております。
②経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、当初は企業収支や雇用・所得環境の改善が継続し、穏やかな回復基調で推移しました。しかし、2020年1月以降は新型コロナウイルスの影響により、インバウンド需要の急速な減退や消費マインドの冷え込み、感染拡大による社会的不安の増大等が深刻化し、経済活動の世界的な減速が懸念される状況となりました。当社事業に関連の深い建設市場におきましては、非住宅分野では都市再開発案件やインフラ整備等の需要は底堅く推移したものの、住宅分野では新設住宅着工戸数が前年比減少で推移し、リニューアル市場も消費税増税後に落ち込みを見せるなど、全体として厳しい市場環境が継続しました。
このような状況のもと、当社グループは中期経営計画(2017-2019)「PLG 2019」に基づく成長戦略の実行を進めました。国内インテリアセグメントにおいては、ビニル床タイル見本帳「フロアタイル」や不燃認定壁紙見本帳「FAITH」、ガラスフィルム見本帳「CLEAS」、椅子生地見本帳「UP」といった見本帳を相次いで発刊し、商業施設やオフィス、宿泊施設等に幅広く使用いただけるラインアップを拡充しました。また海外セグメントにおいては、2020年3月4日にベトナム現地法人Sangetsu Goodrich Vietnam Co., Ltd.を設立し、東南アジア・インドシナ地域における事業強化を進めています。この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高161,265百万円(前年同期比0.5%増)、営業利益9,268百万円(同57.2%増)、経常利益9,844百万円(同46.9%増)となりましたが、米国の子会社であるKoroseal Interior Products Holdings,Inc.関連ののれん及び無形資産の減損を行ったことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は1,432百万円(同60.0%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度期首をみなし売却日として、当社の連結子会社である山田照明株式会社の全株式を譲渡し、照明器具セグメントを担っていた同社を連結の範囲から除外したことに伴い、当連結会計年度より照明器具セグメントを報告セグメントから除外しております。
(インテリアセグメント)
壁装事業では、市場のデフレ化や下期における住宅・リフォーム市場の縮小など、厳しい市場環境となる中、2019年6月に発刊した量産壁紙見本帳「SP」における機能性商品を中心としたラインアップの拡充が奏功し、売上が伸長しました。また、2020年1月に発刊した不燃認定壁紙見本帳「FAITH」とガラスフィルム見本帳「CLEAS」においては、働き方改革の推進等によるオフィスリニューアル需要も追い風となり、市場への浸透が進みました。この結果、壁装材の売上高は60,194百万円(前年同期比5.3%増)となりました。
床材事業では、2019年10月に発刊したビニル床タイル見本帳「フロアタイル」が売上を牽引し、特に多種多様な木材や石材を再現した商品シリーズの納品が進みました。また、オフィスリニューアル市場や商業・宿泊施設では、質の高いカーペットタイル「DTシリーズ」や、求めやすい価格帯ながらデザイン性の高いカーペットタイル「NT-700シリーズ」などが市場の評価を得て、売上が伸長しました。この結果、床材の売上高は44,694百万円(同3.7%増)となりました。
ファブリック事業では、2019年5月に発刊したカーテン見本帳「AC」における北欧調やモダンといったトレンドを押さえた商品ラインアップが奏功し、売上が伸長しました。また、2020年1月に発刊した椅子生地見本帳「UP」では、水だけで簡単にお手入れができる「アクアクリーン」の市場認知が進むとともに、デザイン性の高い織物、素材感にこだわった無地や機能性商品を拡充したビニルレザーも好評を得ました。この結果、カーテンと椅子生地をあわせたファブリックの売上高は8,463百万円(同1.8%増)となりました。
これらのほか、施工費や接着剤などを含むその他の売上12,336百万円(同12.9%増)を加え、インテリアセグメントにおける売上高は125,688百万円(同5.2%増)、営業利益は9,518百万円(同54.2%増)となりました。
(エクステリアセグメント)
エクステリアセグメントを担う株式会社サングリーンにおいては、好調であった上期と比較して下期は自然災害に伴う補修・復旧工事の一巡に加え、消費税増税後にガーデンルームやウッドデッキといった高付加価値商品の売上が落ち込むなど、厳しい市場環境となりました。このような状況下で、拠点を新設したエリアのシェアアップと大型物件の獲得、高付加価値商品の販売促進や重量物に対する運賃の見直しといった収益率の向上に取り組みました。この結果、エクステリアセグメントの売上高は16,082百万円(前年同期比0.2%減)、営業利益は642百万円(同8.2%増)となりました。
(海外セグメント)
北米市場を担うKoroseal Interior Products Holdings,Inc.においては、2019年7月に一新した経営体制のもと、新規壁紙生産設備の稼働開始や、商品カラーバリエーションの見直し、新規デザイナーの登用等、自社ブランド商品の強化に努めました。
中国市場を担う山月堂(上海)装飾有限公司においては、前年度に納品した大型物件の反動減等の厳しい状況となる中で、上海市を中心としたローカルマーケットでの営業基盤の強化・安定化を目指し、よりきめ細やかな営業活動による新規顧客獲得や販路開拓に努めました。
東南アジア市場を担うGoodrich Global Holdings Pte., Ltd.では、競合先の多様化や商品の低価格指向等の市場の変化に対応するために、各エリアの在庫力強化や商品ラインアップ拡充に努めました。
しかしながら、北米における主要ターゲットであるホテル市場の低迷や、中国・東南アジア市場でのデフレによる価格競争激化など、経営環境は厳しさを増しており、海外セグメントにおける売上高は19,804百万円(前年同期比5.3%減)、営業損失は932百万円(前年同期は営業損失960百万円)となりました。
なお、Koroseal Interior Products Holdings,Inc.の業績が想定した計画を下回って推移していることから、事業計画を見直した結果、株式取得時に発生したのれん及び無形資産につき、減損損失5,948百万円を特別損失として計上しました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,308百万円増加し、29,922百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は13,804百万円(前年同期は10,370百万円の獲得)となりました。これは主に、減損損失5,948百万円、税金等調整前当期純利益3,974百万円の収入等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は5,016百万円(前年同期は3,649百万円の獲得)となりました。これは主に、有価証券の取得による支出8,125百万円及び償還による収入4,378百万円、有形固定資産の取得による支出1,873百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は5,476百万円(前年同期は7,196百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払額3,482百万円、自己株式の取得による支出1,981百万円等によるものです。
④仕入及び販売の状況
a.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| インテリア | (百万円) | 83,355 | 102.7 |
| エクステリア | (百万円) | 13,810 | 99.4 |
| 海外 | (百万円) | 12,343 | 98.9 |
| 調整額 | (百万円) | △342 | - |
| 合計 | (百万円) | 109,167 | 99.1 |
(注)1.セグメント間の取引については調整額欄で相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| インテリア | (百万円) | 125,688 | 105.2 |
| エクステリア | (百万円) | 16,082 | 99.8 |
| 海外 | (百万円) | 19,804 | 94.7 |
| 調整額 | (百万円) | △310 | - |
| 合計 | (百万円) | 161,265 | 100.5 |
(注)1.セグメント間の取引については調整額欄で相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3.総販売実績の10%以上の割合を占める主要な取引先はありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(インテリアセグメント)
インテリアセグメントにおいては、仕入コストや輸送費の上昇、物流設備更新等に係るコスト上昇の対策として、2018年10月から実行した値上げが更に市場に浸透し、総利益率の改善に繋がりました。
壁装事業では、量産壁紙指向の強まりにより、量産壁紙の品数の拡充が市場に受け入れられ、シェアを挽回し売上が大きく伸長しました。床材事業では、タイル類の売上好調等により、シェア拡大とともに10期連続で売上高が増加しております。また、ファブリック事業でも、消費税増税後の反動減により需要減少の影響が見られるものの、商品力及び販売力の強化により、売上高は前期比で微増となりました。3事業とも増収となったものの、個別商品によっては売上増は価格改定効果による改善にとどまるものもあり、市場シェアや販売数量増加に向けた施策を継続強化する必要があると認識しております。
販売費及び一般管理費においては、引き続き中期経営計画(2017-2019)「PLG 2019」に基づく構造改善・機能強化のための施策を着実に実施する一方、配送体制の改善などコスト削減に向けた取り組みを一層強化しました。インテリアセグメント全体では、子会社の業容拡大により販売費及び一般管理費は微増したものの、当社単体では減少に転じました。
インテリアセグメントの課題は、基幹事業としての収益拡大であります。商品デザイン力、スペースデザイン力の強化を図るとともに、2020年度はサービス持続性確保とリードタイムの更なる短縮のための省人化設備を新たに導入した関西ロジスティクスセンターを新設・統合するなどの施策を実行し、質的成長を通じた収益力強化を進めてまいります。
(エクステリアセグメント)
エクステリアセグメントを担うサングリーン株式会社においては、上期は自然災害に伴う補修・復旧工事の増加や消費税増税前の需要増加により好調に推移しました。下期は需要の一巡により売上が低迷するも、高付加価値商品の販売促進や収益率の高い施工受注への注力により、減収増益という結果となりました。今後はエクステリア事業の質的・地理的拡大を目指して、現在の商流における事業領域を広げるとともに、首都圏での事業拡大や景観工事の事業化といった体制強化を進めてまいります。
(海外セグメント)
北米市場においては、主力とするホテル市場の低迷及び自社製造壁紙の販売不振により、米国のKoroseal Interior Products Holdings,Inc.の売上高が計画及び前連結会計年度を下回りました。Luisville工場の新壁紙生産設備が昨夏稼働開始したものの、本格稼働による生産性改善には期間を要し、当連結会計年度における利益面への影響は限定的でありました。なお、同社の業績が計画見込を下回って推移していることから、株式取得時に計上したのれん及び無形資産の減損処理を行いました。減損に至った要因として、米国ホテル市場の減速といった外部環境変化、新商品及び新デザインの市場投入遅れによる販売機会逸失、デザイン力不足及び高クオリティデザインの生産能力欠如、壁紙生産設備の老朽化による高スクラップ率等の問題が挙げられます。しかしながら当連結会計年度に経営トップの交代を行い、壁紙の新規生産設備を導入するなど抜本的な施策を実行しております。
中国・東南アジア市場においては、中国の山月堂(上海)装飾有限公司で、前連結会計年度に納入した大型物件からの反動により売上が減少したものの、高収益商品の取扱いが拡大しました。一方、シンガポールのGoodrich Global Holdings Pte., Ltd.では、低価格指向による同業他社との競争激化により売上高が前年を大きく下回った結果、利益面は赤字となりました。なお、2020年3月4日にベトナム現地法人Sangetsu Goodrich Vietnam Co., Ltd.を設立し、東南アジア・インドシナ地域におけるさらなる事業強化を進めています。
なお、海外子会社は12月決算であるため、新型コロナウイルス感染症拡大による当連結会計年度の海外セグメント業績への影響はありません。
海外セグメントは、セグメント利益のマイナスが続いております。各国市場における強固な経営基盤の構築とプロダクトポートフォリオの強化を図り、次世代事業として収益化実現に取り組んでまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは13,804百万円となりました。中期経営計画(2017-2019)「PLG 2019」以前となる2017年3月期に比べて、営業キャッシュ・フローは3,732百万円増加しており、特にインテリアセグメントにおける各施策を通じた収益力の強化による成果と認識しています。また、中期経営計画(2017-2019)「PLG 2019」で掲げたCCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)75~60日の目標に対して、実績72.4日まで短縮したことにより、運転資金が減少したことも寄与しています。
当社グループは、連結キャッシュ・フロー計算書における現金及び現金同等物に換金性の高い金融資産を加えた資金を、現金及び現金同等物として認識しております。現金及び現金同等物をベースに、営業キャッシュ・フローの獲得による資金創出及び借入による外部資金調達で得られた資金を財源とし、様々な成長投資及び資本政策を通じた株主還元に使用しております。また、手許資金と有利子負債のバランスを維持するため、ネットキャッシュ残高にも留意しております。当連結会計年度末における現金及び現金同等物、ネットキャッシュの状況は次のとおりであります。
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 (2019年3月31日) | 当連結会計年度 (2020年3月31日) | |
| (1)連結キャッシュ・フロー計算書における現金及び現金同等物 | 26,613 | 29,922 |
| (2)預入期間が3ヶ月を超える定期預金 | 607 | 834 |
| (3)有価証券 | 300 | 4,125 |
| (4)投資有価証券(株式除く) | 1,923 | 1,934 |
| 現金及び現金同等物 残高 | 29,444 | 36,816 |
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 (2019年3月31日) | 当連結会計年度 (2020年3月31日) | |
| (1)現金及び現金同等物 | 29,444 | 36,816 |
| (2)短期借入金 | △1,298 | △1,457 |
| (3)1年内返済予定の長期借入金 | △500 | △11,383 |
| (4)長期借入金 | △18,925 | △7,638 |
| ネットキャッシュ 残高 | 8,720 | 16,337 |
中期経営計画(2017-2019)「PLG 2019」における3年間の資本配分の計画及び実績は以下のとおりであります。資金創出及び調達は計画に近い水準であったものの、資金配分の成長投資が施策実行時期の見直し等により6,118百万円に留まり、計画を下回る実績となりました。株主還元は、株式市場の状況に応じた機動的な自己株式取得及び長期安定的な増配の基本方針に基づいた株主還元政策の結果、自己株式取得14,235百万円、配当総額10,578百万円となりました。3年間トータルの連結総還元性向を100%超とする目標に対し、実績は大きく上回り、3年間平均の連結総還元性向は260.5%に達しております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物36,816百万円については安全性並びに流動性を確保しつつ、当社グループが緊急時の必要資金として想定する金額25,000百万円を十分維持しております。
中期経営計画(2017-2019)「PLG 2019」期間中の資金配分計画
| 資金創出・調達 | 資金配分 | |||
| 2017年3月末保有現金同等物 ※ | 300億円 | 成長投資 ※ | 100~250億円 | |
| + | + | |||
| 中計期間中の営業キャッシュ・フロー | 310~380億円 | = | 株主還元 | 250~330億円 |
| + | + | |||
| 中計期間中の借入金 | 0~220億円 | 2020年3月末期末現金 | 250~300億円 | |
| ※現預金と株式以外の有価証券 | ※成長投資:M&A、マイナー出資(アライアンス強化)、設備投資(物流・ITなど) | |||
中期経営計画(2017-2019)「PLG 2019」期間中の資金配分実績
| 資金創出・調達 | 資金配分 | |||
| 2017年3月末保有現金同等物 | 297億円 | 成長投資 ※ | 62億円 | |
| + | + | |||
| 中計期間中の営業キャッシュ・フロー | 314億円 | = | 株主還元 | 248億円 |
| + | + | |||
| 中計期間中の借入金 | 67億円 | 2020年3月末期末現金 | 368億円 | |
中期経営計画(2020-2022)[ D.C.2022 ]における資本配分については、現時点では未定としております。新型コロナウイルスの影響を踏まえた3年間の業績見通しが明確になり次第決定する方針であります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成には、経営者による会計基準の選択及び適用、資産及び負債並びに収益及び費用の見積りを必要とします。経営者は、見積りについて過去の実績や状況を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果や将来の見込みは見積り特有の不確実性により、見積りと差異が生じる可能性があります。
当連結会計年度において、当社グループが重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定として認識しているものは次のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
(有形固定資産、のれん及び無形資産の評価)
米国の子会社であるKoroseal Interior Products Holdings,Inc.及びSangetsu USA,Inc.は米国会計基準に準拠して財務諸表を作成しており、実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い」により、当社グループの連結決算手続上、当該財務諸表を利用しております。当社グループは、有形固定資産、のれん、非償却無形資産及び償却無形資産について、減損の兆候の有無の判定を行い、その帳簿価額が回収不能となる兆候がある場合、減損テストを行っております。
a.有形固定資産
有形固定資産については、減損の兆候が生じるような状況の変化が生じた場合、減損の兆候判定を行います。減損の兆候判定は、資産の価格や使用方法、会社の経営成績等の定性的な要素を総合的に評価した結果、減損の兆候があると判断された場合、減損テストを実施します。減損テストでは有形固定資産の公正価値と帳簿価額を比較することになります。当社グループが想定する今後の事業計画に基づき、主に営業キャッシュ・フローからDCF法を用いて、公正価値を見積っております。営業キャッシュ・フローの見積期間は、対象資産の償却残存期間を加重平均した年数を採用しております。
b.のれん
のれんについては、最低年1回及び減損の兆候が生じるような状況の変化が生じた場合、減損の兆候判定を行います。減損の兆候判定は、経済状況や市場環境、会社の経営成績や財務状況等の定性的な要素を総合的に評価した結果、減損の兆候があると判断された場合、減損テストを実施します。減損テストではのれんの公正価値と帳簿価額を比較することになります。公正価値の算定は企業結合時に採用した評価モデルを継続適用しております。当社グループが想定する今後の事業計画に基づき、主にEBITDA及びその成長率からDCF法を用いて、公正価値を見積っております。
c.非償却無形資産
評価の対象となる非償却無形資産は、商標権であります。商標権については、最低年1回及び減損の兆候が生じるような状況の変化が生じた場合、減損の兆候判定を行います。減損の兆候判定は、経済状況や市場環境、会社の経営成績や財務状況等の定性的な要素及び公正価値決定のための重要な情報を総合的に評価した結果、減損の兆候があると判断された場合、減損テストを実施します。減損テストでは商標権の公正価値と帳簿価額を比較することになります。公正価値の算定は企業結合時に採用した評価モデルを継続適用しております。当社グループが想定する今後の事業計画に基づき、主に売上高及び商標権のロイヤリティ料率からロイヤリティ免除法を用いて、公正価値を見積っております。
d.償却無形資産
評価の対象となる償却無形資産は、顧客関連資産及び技術資産であります。顧客関連資産及び技術資産については、減損の兆候が生じるような状況の変化が生じた場合、減損の兆候判定を行います。減損の兆候判定は、資産の価格や使用方法、会社の経営成績等の定性的な要素を総合的に評価した結果、減損の兆候があると判断された場合、減損テストを実施します。減損テストでは顧客関連資産及び技術資産の公正価値と帳簿価額を比較することになります。公正価値の算定は企業結合時に採用した評価モデルを継続適用しております。当社グループが想定する今後の事業計画に基づき、顧客関連資産は主に顧客関連資産が寄与する売上高及び営業利益率から超過収益法を用いて、技術資産は主に技術資産が寄与する売上高及び技術資産のロイヤリティ料率からロイヤリティ免除法を用いて、公正価値を見積っております。
公正価値計算のための割引率には、加重平均資本コスト(WACC)を使用しております。WACCは決算日現在の米国における実効税率、国債や社債利回り等を勘案して算定しています。米国内外の経済状況や金融・資本市場、国際情勢に予期せぬ変化が生じた場合、WACCが著しく変動し、減損処理に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度の減損処理については、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。
(3) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、自己資本当期純利益率(ROE)を重要な経営指標と位置付けております。中期経営計画(2017-2019)「PLG 2019」においては、成長のための事業推進及び収益管理体制の強化を図り、最終年度となる2019年度の定量目標としてROE8%~10%の達成を目指し、企業価値の向上に取り組みました。
当連結会計年度におけるROEは1.5%であり、定量目標達成には至りませんでした。中期経営計画(2017-2019)「PLG 2019」に掲げる資本政策に基づき、安定的な増配と機動的な自己株式取得を実行し、当連結会計年度末の自己資本は93,244百万円となりました。よって、中期経営計画(2017-2019)「PLG 2019」の付随目標とした自己資本1,050億円~1,000億円を下回ることとなりました。一方で、海外セグメントにおいて、米国の子会社Koroseal Interior Products Holdings,Inc.関連ののれん及び無形資産の減損を行ったことにより、親会社株主に帰属する当期純利益が1,432百万円(前年同期比60.0%減)となり、ROEは前年同期比2.0ポイント低下しました。中期経営計画(2017-2019)「PLG 2019」における当期純利益80億円~100億円の付随目標においては、国内事業の成長に加え、海外セグメントの利益が加わる計画を当初見込みました。国内のインテリアセグメント及びエクステリアセグメントは概ね計画通りに進捗しましたが、海外セグメントは利益面がマイナスとなり、目標未達の大きな要因となりました。
また、中期経営計画(2017-2019)「PLG 2019」の付随目標としてCCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)75日~60日の達成を目指しました。当連結会計年度末におけるCCCは72.4日(前年同期比3.6日改善)となり、目標を達成しました。CCCの内訳は売上債権回転期間106.5日(同8.4日改善)、棚卸資産回転期間52.4日(同2.5日悪化)、仕入債務回転期間86.5日(同2.3日悪化)であります。CCCの改善により運転資金が減少し、資金効率の向上に繋がっております。
当社グループは、中期経営計画(2020-2022)[ D.C.2022 ]における定量目標(KPI)として、2023年3月期の連結売上高1,720億円、連結営業利益120億円、連結純利益85億円、ROE9.0%、ROIC9.0%、CCC65日の達成を目指します。基幹事業の質的成長による収益の拡大と基幹事業のリソースに基づく次世代事業の収益化により成長を実現することを基本方針とし、更なる企業価値向上に努めてまいります。