有価証券報告書-第69期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/24 17:06
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
当連結会計年度末における資産合計は158,826百万円であり、前連結会計年度末に比べ5,274百万円減少しております。流動資産は89,469百万円と前連結会計年度末に比べ11,121百万円減少しましたが、これは主に借入金の返済による現金及び預金の減少、売上減少による売上債権の減少によるものです。固定資産は69,356百万円と前連結会計年度末に比べ5,847百万円増加しましたが、これは主に関西ロジスティクスセンター移転による有形固定資産の増加によるものです。
負債合計は65,165百万円であり、前連結会計年度末に比べ4,717百万円減少しております。これは主に借入金の減少によるものです。
純資産合計は93,660百万円であり、前連結会計年度末に比べ556百万円減少しております。
これらにより当社グループの流動比率は204.3%、自己資本比率は58.8%となり、その他の要素も含め、健全な財政状態を維持しております。
②経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大と長期化、これに伴う経済活動の停滞により、厳しい状況が継続しました。2020年5月末の緊急事態宣言解除後には、経済活動の再開により、輸出や生産の一部に持ち直しの動きが見られたものの、年末から感染症が再拡大したことにより、1月には再度緊急事態宣言が発出されるなど、先行きの不透明感が高まっています。
当社事業に関連の深い建設市場におきましては、テレワークの普及や在宅時間の増加による郊外戸建て住宅への転居需要や巣ごもり需要、ウィズコロナもふまえた働き方改革に伴う需要が一部で見られたものの、消費マインドの低下や経済停滞の懸念から総じて市場は縮小し、特に非住宅分野では厳しい環境となりました。
このような市場環境のもと、当社グループは、お客様及び従業員の安全を第一とした感染症防止策を講じつつ、商品の安定供給を維持するとともに、オンラインによる商品セミナーの開催やインテリアコーディネートに関するコンサルテーションを行うなど、積極的な営業活動に努めました。さらに、抗ウイルス商品の拡充といった、新たな需要に応える事業活動にも取り組みました。また、厳しい状況下でも持続的な成長を図るべく、2020年5月に発表した中期経営計画(2020-2022)[ D.C.2022 ]に基づく施策の実行を進めました。2021年1月には省人化・省力化を実現した新たな物流拠点「関西ロジスティクスセンター」を移転・開設したほか、3月に社会的価値の実現に向けた取組みとして「sangetsu 見本帳リサイクルセンター」を開設し、環境負荷低減を推進しております。また、同月に長期安定的な商品調達力強化として、国内最大手のビニル壁紙メーカーである株式会社ウェーブロックインテリアの株式を取得しました。さらに、海外事業においては東南アジアにおける経営体制と営業拠点の再構築を進めました。これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高145,316百万円(前年同期比9.9%減)、営業利益6,701百万円(同27.7%減)、経常利益7,042百万円(同28.5%減)となりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期には米国の子会社であるKoroseal Interior Products Holdings,Inc.関連ののれん及び無形資産の減損を行っていたことにより、4,780百万円(同233.8%増)と大幅な増加となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
なお、第1四半期連結会計期間より報告セグメントを以下のとおり4区分に変更し、前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
(インテリアセグメント)
壁装事業では、新型コロナウイルス感染症の影響により市場動向が低調に推移する中、第4四半期連結会計期間には、一部で賃貸住宅や住宅リフォーム市場の需要の高まりが見られたことから、住宅向け壁紙の見本帳「リザーブ1000」と「リフォームセレクション」が売上を牽引しました。また、ガラスフィルム見本帳「CLEAS」の売上が引き続き好調に推移したほか、安心・安全へのニーズの高まりから、抗ウイルス商品も堅調に売上を伸ばしました。しかしながら全体としては、新設住宅着工戸数の減少や、ホテルや商業施設を中心とした市場の縮小も影響し、壁装材の売上高は55,814百万円(前年同期比7.3%減)となりました。
床材事業では、住宅・非住宅分野で幅広く使用できる「フロアタイル」の売上が堅調に推移したほか、2020年9月に発刊したクッションフロア見本帳「Hフロア」の市場浸透が進みました。また、2020年11月に発刊した各種施設用フロア見本帳「Sフロア」は抗ウイルス商品を中心とした一部の商品で力強い動きを見せ、厳しい市場環境の中でも評価を得ました。また、オフィス改修市場においては、求めやすい価格帯ながらデザイン性の高いカーペットタイル「NT-350シリーズ」や「NT-700シリーズ」の採用が進みました。しかしながら、依然として市場環境は十分な回復に至っておらず、床材の売上高は41,271百万円(同7.8%減)となりました。
ファブリック事業では、住宅市場においては、カーテン見本帳「AC」が売上を牽引したほか、椅子生地見本帳「UP」や9月に発刊した各種施設向けカーテン見本帳「コントラクトカーテン」が市場に浸透し、好調に推移しました。特に、抗ウイルス・抗菌機能を持つカーテンにおいては、従来の医療・福祉施設だけでなく公共・教育施設にも使用されるなど、採用の幅が広がりました。しかしながら、市場のデフレ化や販促イベントを含む営業活動の自粛・縮小の影響により、カーテンと椅子生地をあわせたファブリックの売上高は7,816百万円(同7.7%減)となりました。
これらのほか、施工費や接着剤等を含むその他の売上6,892百万円(同20.2%減)を加え、インテリアセグメントにおける売上高は111,794百万円(同8.4%減)、営業利益は7,082百万円(同24.1%減)となりました。
(エクステリアセグメント)
エクステリアセグメントを担う株式会社サングリーンにおいては、市場全体の低迷が続く中、公共工事をはじめとする非住宅物件の減少に加え、フェンス、門扉、カーポートといった住宅関連の主力商材の売上が低迷しました。その一方、巣ごもり需要の拡大により、ポストや物置、ウッドデッキ等の販売が堅調に推移したほか、ホームセンターやEC販売店を通じた売上が大きく伸長しました。また、中期経営計画に基づく施策である施工力強化の一環として、既存分野の工事能力強化に加えて、外構や土木工事といったより幅広い工事が対応可能なアライアンス先の開拓に努めました。
この結果、エクステリアセグメントの売上高は14,626百万円(前年同期比9.1%減)、営業利益は417百万円(同35.1%減)となりました。
(海外セグメント)
海外セグメントでは、海外関係会社の2020年1月から12月までの実績を、当連結会計年度の業績に算入しております。
北米市場を担うKoroseal Interior Products Holdings,Inc.においては、新型コロナウイルス感染症の拡大やそれに伴うロックダウンの影響により、厳しい状況が継続しました。こうした中、感染防止に配慮した屋外での営業PR活動等を実施し、営業機会の損失の低減に努めたほか、新規壁紙生産設備の稼働による生産性の向上や人員体制の見直しによるコスト低減にも努めました。また、サンゲツの粘着剤付化粧フィルム「リアテック」においては、従来からの営業活動が奏功し、工期の短縮化やコスト削減、環境への配慮といったニーズを捉えたことから、売上が伸長しました。
中国市場を担う山月堂(上海)装飾有限公司においては、中国経済や建設市場全体が回復傾向にある中で、営業活動の再開・積極化に努めました。この結果、特に10月以降においては、オフィス物件等への壁装材・床材の納品が順調に進み、売上が伸長しました。また、Goodrich Global Holdings Pte., Ltd.との中国における協業を行い、中国事業再編及び新組織体制構築に向けた準備を進めました。
東南アジア市場を担うGoodrich Global Holdings Pte., Ltd.においては、各国で状況が異なるものの、経済活動の停滞により、主要マーケットであるホスピタリティ市場への影響が大きく、建設工事の中止や延期等が多く発生しました。このような状況下で、2020年に新設したベトナム、タイの現地法人における営業体制の整備を進めたほか、各国のニーズに合わせた見本帳の開発を行うなど、各国の市場に合わせた拠点・経営体制の構築を進めました。
これらの結果、海外セグメントにおける売上高は15,034百万円(前年同期比24.1%減)、営業損失は985百万円(前年同期は営業損失932百万円)となりました。
(スペースクリエーションセグメント)
第1四半期連結会計期間より新たなセグメントに加わったスペースクリエーションセグメントは、内装仕上工事業を担うフェアトーン株式会社と、当社のスペースクリエーション事業部で構成しています。
フェアトーン株式会社においては、非住宅の新築内装仕上事業への新型コロナウイルス感染症の影響が限定的であったほか、顧客との関係強化やサンゲツとの連携した営業活動も奏功し、ほぼ計画通りの進捗となりました。一方、今回の新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けたホテル・オフィス案件を中心とした改修工事事業においては、特に2度目の緊急事態宣言の発出以降、工事量が減少し厳しい状況となる中、サンゲツとの連携による新規顧客及び受注工事の獲得に努めました。当社のスペースクリエーション事業部においてもこの影響を受け、オフィス改修工事の中止、延期等が発生しました。その一方、ホテルからオフィスへのコンバージョン物件の発生や、働き方改革を踏まえたテナント改修工事といった新しいニーズも発生しており、こうした需要に対応し得る人材やアライアンスの強化に努めました。
これらの結果、スペースクリエーションセグメントの売上高は5,239百万円(前年同期比25.9%増)、営業利益は201百万円(同8.8%増)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4,798百万円減少し、25,124百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は9,694百万円(前年同期は13,804百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益による収入6,963百万円及び売上債権の減少による収入3,102百万円などによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2,599百万円(前年同期は5,016百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出4,149百万円、有価証券の新規取得と償還との差額収入3,827百万円及び連結範囲の変更を伴う株式取得による支出2,157百万円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は11,836百万円(前年同期は5,476百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入れと返済との差額支出6,545百万円及び配当金の支払額3,471百万円などによるものです。
④仕入及び販売の状況
a.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
インテリア(百万円)72,52490.2
エクステリア(百万円)12,54490.8
海外(百万円)8,75170.9
スペースクリエーション(百万円)4,277122.7
調整額(百万円)△1,374-
合計(百万円)96,72488.6

(注)1.セグメント間の取引については調整額欄で相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
インテリア(百万円)111,79491.6
エクステリア(百万円)14,62690.9
海外(百万円)15,03475.9
スペースクリエーション(百万円)5,239125.9
調整額(百万円)△1,378-
合計(百万円)145,31690.1

(注)1.セグメント間の取引については調整額欄で相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3.総販売実績の10%以上の割合を占める主要な取引先はありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績につきましては、「⑴経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(インテリアセグメント)
インテリアセグメントにおいては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、国内市場は金額ベースで9.5%から10%程度縮小したと推定しております。当連結会計年度におけるインテリアセグメントの売上高は前年同期と比較して8.4%の減少であり、市場に比べて減少幅を抑えることができたと捉えています。3事業とも減収となったものの、壁装事業及び床材事業では数量シェアが上昇、一方でファブリック事業では主力の新見本帳の発刊が無かったことも影響し、シェアが低下したと見込んでおります。
販売費及び一般管理費においても、新型コロナウイルス感染症の拡大が大きく影響しました。活動制限に伴う営業費用の減少、配送費用など売上高に連動する変動費の減少に加え、その他のコスト削減にも取り組みました。一方で、新関西ロジスティクスセンターの稼働開始など、中期経営計画(2020-2022)[ D.C.2022 ]に基づいた基幹事業の体制強化のための施策は着実に実施しており、販売費及び一般管理費の減少幅は、売上高に比べて小さいものとなりました。
インテリアセグメントの課題は、基幹事業としての収益拡大であります。国内外の建築家やデザイン会社との共同開発によるデザイン力の強化、量産壁紙における競争力強化を中心とした戦略的調達の推進、配送等のサービス機能の拡充と高度化を図り、質的成長を通じた収益力強化を進めてまいります。また、壁装材や床材に使用される塩ビ・可塑剤・ナイロン等の原材料価格上昇による仕入価格への影響、近年のさまざまな成長投資による物流関連費用などの増加が発生しており、収益改善のための販売価格戦略も検討してまいります。
(エクステリアセグメント)
エクステリアセグメントを担う株式会社サングリーンにおいては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、特に公共工事をはじめとする非住宅の需要が大幅に減少し、減収減益という結果になりました。一方で、巣ごもり需要によるEC販売店やホームセンター向けの売上は好調を維持しており、今後も伸長する分野と見込んでおります。中期経営計画(2020-2022)[ D.C.2022 ]に基づく施策は着実に実施しており、引き続き既存事業の基盤強化と事業領域の拡大に取り組み、事業の質的・地理的拡大を進めてまいります。また、エクステリアとインテリアをあわせた空間提案や営業活動を進めるなど、グループ内での協業をより一層強化してまいります。
(海外セグメント)
北米市場においては、2020年4月以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け米国のKoroseal Interior Products Holdings,Inc.の売上高が大きく落ち込んだものの、新しい壁紙製造設備稼働によるスクラップ率の改善や人員削減等によるコストダウンを図り、大幅な営業損失の拡大を阻止しております。米国経済の回復により、主力とする米国の非住宅市場は今後大幅に改善すると予想されておりますが、内装工事の需要に至るまでには時間を要すると見込んでおります。同社の重要な課題は、損益分岐点を下げることと認識しております。商品力及びデザイン力の向上による自社製造壁紙の販売数量増加、販売と商品開発が有効に機能する営業体制の強化などに取り組み、収益の改善を進めてまいります。
中国・東南アジア市場においては、山月堂(上海)装飾有限公司の売上高が新型コロナウイルス感染症の影響で大きく落ち込んだものの、中国経済の急速な回復により、第4四半期連結会計期間には売上高が前年度を上回るまで伸長しました。一方、Goodrich Global Holdings Pte., Ltd.では、東南アジア各国で新型コロナウイルス感染症の影響差はあるものの、東南アジア地域全体として経済活動の停滞の影響を大きく受けた結果、営業損失が大幅に拡大しました。特に主力とするホスピタリティ市場の回復は見通せず、厳しい状況が続いております。一方で、中国・東南アジア市場においては、資本関係や事業体制の見直しによる事業基盤の強化を進めております。2021年1月にGoodrich Global Holdings Pte., Ltd.の株式の追加取得により同社を完全子会社化し、2月に同じく同社の子会社である香港の星暉材料有限公司を当社直接の子会社に変更しており、2021年度も引き続き事業体制の再編に取り組む方針です。
海外セグメントは、セグメント利益のマイナスが続いております。各国市場に応じた事業体制の構築とプロダクトポートフォリオの強化を図り、次世代事業として収益化実現に取り組んでまいります。
(スペースクリエーションセグメント)
フェアトーン株式会社では、ホテル・オフィスをはじめとする総合内装改修工事の減少はあったものの、当社の施工関連業務を移行したこと、また事業領域を拡大したことで、売上高・利益面ともに前年度を上回る結果となりました。当社のスペースクリエーション事業部では、将来の事業拡大に向けて、デザイン力・施工力の強化や専門人員の採用等、事業基盤の整備を優先しており、現時点ではコストが先行しております。
スペースクリエーションセグメントは、当社グループがスペースクリエーション企業を目指す上で重要な位置付けであります。今後、専門能力拡充による事業の展開を進めるべく、専門人材の採用、アライアンス強化による体制整備を行い、積極的にグループ内協業を行うことで、次世代事業としての成長を目指してまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは9,694百万円となり、前年同期から4,109百万円減少しました。新型コロナウイルス感染症拡大による業績への影響は避けられなかったものの、過去及び現中期経営計画(2020-2022)[ D.C.2022 ]における各施策を通じた収益力の強化により、著しいキャッシュ・フローの落ち込みを回避する体制を構築できていたと認識しております。また、新型コロナウイルス感染症による一時的な要因も含まれているものの、中期経営計画(2020-2022)[ D.C.2022 ]の定量目標として掲げるCCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)の短縮により、運転資金が減少したことも寄与しています。
投資活動によるキャッシュ・フローにおいては、新型コロナウイルス感染症による各市場への影響はあるものの、中期経営計画(2020-2022)[ D.C.2022 ]で掲げた基本方針に基づく施策は着実に実行することとしており、将来の収益拡大に向けて必要な投資を実施しました。インテリアセグメントにおける重要な投資として、戦略的調達の推進を目的に国内最大手のビニル壁紙メーカーである株式会社ウェーブロックインテリアの株式を取得し、連結子会社としました。また、従来の2拠点を統合した関西ロジスティクスセンターを新設し、最新設備による自動化・省人化・省力化を実現するとともに、配送サービスの機能向上に繋げました。
財務活動によるキャッシュ・フローにおいては、資本政策に基づく安定増配及び自己株式取得を概ね計画通り実施しました。
当社グループは、連結キャッシュ・フロー計算書における現金及び現金同等物に換金性の高い金融資産を加えた資金を、現金及び現金同等物として認識しております。現金及び現金同等物をベースに、営業キャッシュ・フローの獲得による資金創出及び借入による外部資金調達で得られた資金を財源とし、様々な成長投資及び資本政策を通じた株主還元に使用しております。また、手許資金と有利子負債のバランスを維持するため、ネットキャッシュ残高にも留意しております。当連結会計年度末における現金及び現金同等物、ネットキャッシュの状況は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度
(2020年3月31日)
当連結会計年度
(2021年3月31日)
(1)連結キャッシュ・フロー計算書における現金及び現金同等物29,92225,124
(2)預入期間が3ヶ月を超える定期預金834595
(3)有価証券4,125300
(4)投資有価証券(株式除く)1,9341,921
現金及び現金同等物 残高36,81627,941

(単位:百万円)
前連結会計年度
(2020年3月31日)
当連結会計年度
(2021年3月31日)
(1)現金及び現金同等物36,81627,941
(2)短期借入金△1,457△1,169
(3)1年内返済予定の長期借入金△11,383△6,092
(4)長期借入金△7,638△8,660
ネットキャッシュ 残高16,33712,018

中期経営計画(2020-2022)[ D.C.2022 ]における3年間の資本配分の計画は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 ⑵経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。Sangetsu Group長期ビジョン[ DESIGN 2030 ]を見据え、将来の事業拡大に向け必要な成長投資及び資本政策に基づく株主還元は着実に実施する方針であります。原資となる資金については収益拡大による営業キャッシュ・フローの最大化を図るとともに、成長投資における資金需要に応じて外部借入を柔軟に活用します。
新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた見直しにより、当社グループは、緊急時の必要資金として想定する現金及び現金同等物を25,000~30,000百万円の金額内で当面維持する方針としました。当連結会計年度末における現金及び現金同等物27,941百万円については、安全性並びに流動性を確保しつつ、想定する必要資金の金額内で維持しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成には、経営者による会計基準の選択及び適用、資産及び負債並びに収益及び費用の見積りを必要とします。経営者は、見積りについて過去の実績や状況を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果や将来の見込みは見積り特有の不確実性により、見積りと差異が生じる可能性があります。
当連結会計年度において、当社グループが重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定として認識しているものは次のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 ⑴連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 ⑴財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(固定資産の減損に係る見積り)
米国の子会社であるKoroseal Interior Products Holdings,Inc.及びSangetsu USA,Inc.は米国会計基準に準拠して財務諸表を作成しており、実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い」により、当社グループの連結決算手続上、当該財務諸表を利用しております。当社グループは、固定資産について減損の兆候の有無の判定を行い、その帳簿価額が回収不能となる兆候がある場合、減損テストを行っております。
a.有形固定資産及び償却無形資産
有形固定資産については、減損の兆候が生じるような状況の変化が生じた場合、減損の兆候判定を行っております。減損の兆候判定において、資産の価格や使用方法、会社の経営成績等の定性的な要素を総合的に評価した結果、減損の兆候があると判断された場合、減損テストを実施しております。減損テストでは有形固定資産及び償却無形資産の公正価値と帳簿価額を比較しております。当社グループが想定する今後の事業計画に基づき、主に営業キャッシュ・フローからDCF法を用いて、公正価値を見積っております。営業キャッシュ・フローの見積期間は、主要な資産の償却残存期間を加重平均した年数を採用しております。
b.非償却無形資産
非償却無形資産に関する会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 ⑴連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
公正価値計算のための割引率には、税引後の加重平均資本コスト(WACC)の水準を考慮して設定しております。WACCは決算日現在の米国における実効税率、国債や社債利回り等を勘案して算定しております。米国内外の経済状況や金融・資本市場、国際情勢に予期せぬ変化が生じた場合、割引率が著しく変動する可能性があります。
(3) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、自己資本利益率(ROE)を重要な経営指標と位置付けております。中期経営計画(2020-2022)[ D.C.2022 ]における定量目標(KPI)として、2023年3月期のROE9.0%とともに、連結売上高1,720億円、連結営業利益120億円、連結純利益85億円、ROIC9.0%、CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)65日の達成を目指します。基幹事業の質的成長による収益の拡大と基幹事業のリソースに基づく次世代事業の収益化により成長を実現することを基本方針とし、更なる企業価値向上に取り組んでまいります。
当連結会計年度におけるROEは5.1%となりました(前年同期比3.6ポイント上昇)。前連結会計年度における一時的な減損処理の解消により、親会社株主に帰属する当期純利益が前年同期と比較して233.8%増加し、ROEは大幅に回復しました。しかしながら、中期経営計画(2020-2022)[ D.C.2022 ]の定量目標9.0%とは依然として差があり、売上高当期純利益率及び総資産回転率の更なる改善が重要な課題であると認識しております。

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