有価証券報告書-第42期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
イ.経営成績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境改善の好影響を受けた個人消費、また、人手不足などを背景とした企業による設備投資を起点に緩やかに回復いたしました。一方で、2026年2月に勃発したイランにおける軍事衝突による原油高、また、じわじわと進む円安などに起因する物価上昇の継続、イランを含む世界的な情勢不安の長期化など景気下振れ要因が多く見られます。
水産業界におきましては、地球的規模で地上からの供給に代わるタンパク質の供給源として、また、国内外において拡がる健康志向などから、養殖業を含む水産業、また、水産物に対する注目度は高まっております。しかしながら、海外で高まる水産物需要・わが国では地球温暖化が原因とも言われる不漁による魚価高騰、物流をはじめとする諸コスト増大など、当社を取り巻く経営環境は大変厳しい状況にあります。
このような経営環境の中、当社グループにおきましては、中期経営計画(2024-2026年度)の下、国内事業の着実な成長と海外事業の拡大をめざし、仕入、販売、海外、人材、財務、地球環境といった分野における基本戦略に取り組んでまいりました。
また、2025年3月、持分法適用関連会社であった株式会社最上鮮魚に対する出資比率を引き上げ連結子会社といたしました。
こうした体制強化に加え、主力の小売事業における重要指標である通期の既存店売上高が前連結会計年度を上回りましたが、これは消費者の消費マインド、購買力が相応に高まったことを踏まえ、商品の付加価値を高めつつ諸コストの上昇を適時適切に売価に反映したこと、経営資源を効率的に活用できる最適な店舗ポートフォリオ(筋肉体質の店舗網)の構築を念頭に戦略的に出退店を行ってきた効果が表れたものと考えております。
当連結会計年度の店舗展開については、当社において小売事業で1店舗を出店する一方、3店舗を退店し、飲食事業で1店舗を出店する一方、1店舗を退店したことから営業店舗数は90店舗となりました。また、2025年3月に連結子会社化した株式会社最上鮮魚では小売事業で2店舗を出店する一方、1店舗を退店し、飲食事業で1店舗を出店したことから営業店舗数は51店舗となりました。これらのことから、当社グループにおける当連結会計年度末の営業店舗数は141店舗となりました。
この結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は436億円(前年同期比19.0%増)、営業利益は15億54百万円(前年同期比4.0%増)、経常利益は22億72百万円(前年同期比10.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は13億2百万円(前年同期比8.8%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
<小売事業>小売事業では、既存店の売上増加に加え、新たに連結子会社とした株式会社最上鮮魚の売上が大きく寄与し、前年同期比で大幅な増収となりました。増収に伴い売上総利益が増加し、店舗において水光熱費や消耗品などのコスト抑制を徹底するなど販売費及び一般管理費を削減することにより、営業利益が増加いたしました。
なお、従来どおり豊洲市場を仕入の拠点としつつ、物流コストの増加に対応するため一部商品の集荷場を埼玉県魚市場(さいたま市北区)に移すなどの物流改革に取り組んでおります。
新店及び退店の状況は、当社では2025年9月に相鉄本線二俣川駅に隣接する「ジョイナステラス二俣川1」内に「魚力海鮮寿司二俣川店」(神奈川県横浜市)を開店しております。一方、限られた経営資源の効率的な活用を図るため2025年7月に「魚力海鮮寿司武蔵小金井店」(東京都小金井市)、2026年3月に「海鮮寿司築地魚力溝口店」(神奈川県川崎市)、2026年2月に「名鉄百貨店本店」の営業終了に伴い「名古屋名鉄店」(愛知県名古屋市)を退店しております。また、株式会社最上鮮魚では2025年7月にJR鹿児島本線スペースワールド駅に隣接する「ジアウトレット北九州」内に「とと市場ジアウトレット北九州店(小売店及び飲食店併設店舗)」(福岡県北九州市)、11月にJR久大本線筑後吉井駅より徒歩8分「Aコープよしい店」内に「とと市場よしい店」(福岡県うきは市)を開店しております。一方、出店先である「Aコープあらき店」の閉店に伴い2026年3月に「Aコープあらき店」(福岡県久留米市)を退店しております。
この結果、売上高は382億28百万円(前年同期比21.3%増)、営業利益は19億54百万円(前年同期比11.1%増)となりました。
<飲食事業>飲食事業では、近隣の当社鮮魚店との連携強化により特に天然の生ネタ寿司のラインナップを充実させるとともに、原材料費などの調達コストの上昇を受け適時適切にメニューや価格設定の見直しを行うなどした結果、売上高が前期を上回りました。また、店舗オペレーションの見直しや物流の合理化を含む構造改革に取り組んでおりますところ、一定の効果を上げており収益性が向上しております。
新店及び退店の状況は、当社では2025年12月にJR五日市線秋川駅より徒歩5分「あきるのプレイス」内に丼や定食を提供する新業態の「海鮮食堂とと市場あきる野店」(東京都あきる野市)を開店しております。一方、限られた経営資源の効率的な活用を図るため、2025年6月に「魚力海鮮寿司花小金井店」(東京都小平市)を退店しております。また、株式会社最上鮮魚では2025年7月にJR鹿児島本線スペースワールド駅に隣接する「ジアウトレット北九州」内に「とと市場ジアウトレット北九州店(小売店及び飲食店併設店舗)」(福岡県北九州市)を開店しております。
この結果、売上高は16億67百万円(前年同期比9.5%増)、営業利益は12百万円(前年同期比1372.9%増)となりました。
<卸売事業>卸売事業では、子会社の魚力商事株式会社が国内外取引先への販売を行っております。国内向け取引は、スーパーマーケットや地方荷受向けの販売が苦戦した一方、加工業者向けの原料販売は大きく増加いたしました。また、飲食店舗向けなどの販売も引き続き好調に推移した結果、前期を上回る売上を上げております。海外向け取引は、特にドバイ向けの輸出が伸びております。2026年2月にドバイ(アラブ首長国連邦)の食品輸入卸・小売企業(Country Hill International LLC(以下、CHI))と業務提携契約を締結するなど取組を強化しておりますところCHI向けの売上高が前年同期比で3倍超となりました。また、2023年5月に設立した合弁会社のCP-Uoriki Co.,Ltd.(以下、CP-Uoriki)向けの輸出が伸びていることなどから、海外向け取引全体では前期を上回る売上を上げております。なお、CP-Uorikiがタイ国内各地の大型ショッピングモールなどにおいて運営する鮮魚と寿司の小売店舗数は2026年3月時点で32店舗となり順調に店舗網を広げております。また、タイ国内の大手コンビニエンスストアチェーンの一部店舗に対しテイクアウト寿司などの供給を開始しております。
この結果、グループ全体の卸売事業の売上高は36億32百万円(前年同期比2.9%増)、営業利益は29百万円(前年同期比11.5%減)となりました。
ロ.財政状態
当連結会計年度末の当社グループの財政状態は次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は152億57百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億48百万円増加いたしました。これは主に売掛金が2億43百万円、商品及び製品が1億83百万円、現金及び預金が1億71百万円増加したことによるものであります。固定資産は91億74百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億21百万円増加いたしました。これは主に投資有価証券が10億22百万円減少した一方、出資金が15億98百万円、退職給付に係る資産が2億66百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、244億32百万円となり、前連結会計年度末に比べ14億69百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は46億81百万円となり、前連結会計年度末に比べ15百万円減少いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が3億81百万円増加したものの、未払法人税等が2億8百万円、「その他」に含まれる未払費用が1億53百万円、賞与引当金が36百万円減少したことによるものであります。固定負債は7億48百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億28百万円増加いたしました。これは主に資産除去債務が2億96百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、54億29百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億13百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は190億3百万円となり、前連結会計年度末に比べ12億55百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が5億77百万円、その他有価証券評価差額金が4億55百万円、退職給付に係る調整累計額が2億28百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は76.9%(前連結会計年度末は76.3%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ1億75百万円増加(前年同期比1.6%増)し、当連結会計年度末には112億61百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、8億7百万円の収入(前年同期は21億68百万円の収入)となりました。主なプラス要因は、税金等調整前当期純利益19億17百万円及び減損損失4億17百万円であり、主なマイナス要因は、法人税等の支払額8億5百万円及び投資有価証券売却益4億95百万円であります。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、1億7百万円の収入(前年同期は5億89百万円の収入)となりました。主なプラス要因は、投資有価証券の売却による収入72億68百万円であり、主なマイナス要因は、投資有価証券の取得による支出51億33百万円、出資金の払込による支出15億49百万円、有形固定資産の取得による支出3億40百万円であります。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、7億44百万円の支出(前年同期は7億64百万円の支出)となりました。主なマイナス要因は、配当金の支払額7億25百万円であります。
③仕入及び販売の実績
イ.商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
ロ.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度の経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容
イ.経営成績
当連結会計年度の連結売上高は、当社及び魚力商事株式会社における売上増加に加え、2025年3月に連結子会社とした株式会社最上鮮魚の売上が大きく寄与したため、2025年11月に公表した通期業績予想には若干届かなかったものの前年度実績を大きく上回りました。増収に伴い売上総利益が増加し、更に、コスト削減を徹底したことなどにより営業利益は前年度実績及び2025年11月に公表した通期業績予想を上回る結果となりました。なお、株式会社最上鮮魚を連結子会社としたことにより売上総利益率が若干改善しました。
セグメントごとの分析・検討内容は次のとおりであります。
<小売事業>小売事業では、鮮魚や持ち帰り寿司等の売上高、営業利益が重要な部分を占めておりますが、各店舗への集客が経営成績に重要な影響を与えます。供給量の減少、代替品(肉類)へのシフト、嗜好の変化などによる魚食の減少、魚資源の枯渇化の進行、海外における魚食普及に伴う魚価の高騰、物流をはじめとする諸コストの増大など、経営環境は厳しさを増しております。このような中、食品スーパー、コンビニエンスストア、ネット販売など異業態を含む競争に打ち勝つため、これまで培った鮮魚専門店ならではのノウハウや知見を活かし、今まで以上に顧客のニーズに対応した商品開発や品揃えに注力し、季節感や活気のある売り場を提供するとともに、サービスレベルの向上を図ることが重要であります。また、売上原価の削減も重要な課題でありますが、当社は豊洲市場を仕入の拠点としつつ、一部商品の集荷場を埼玉県魚市場(さいたま市北区)に移すなど物流改革に取り組んでおりますところ、バイイングパワーに裏打ちされた仕入力、効率的な物流力がこの課題に対応するための力となっております。また、株式会社最上鮮魚において長浜市場(福岡市中央区)を軸とする物流の強化に取り組んでおります。
出店戦略について、2025年2月から3月にかけて福岡県福岡市に2店舗を出店するとともに、株式会社最上鮮魚を連結子会社といたしましたので、今後はこれら以外の有力な地域への出店も視野に入れてまいります。一方、パートナー社員はじめ人手不足の深刻化から際限なく出店を行える環境ではないため、出店先との交渉、既存店舗からの退店を含め、限られた経営資源を効率的に活用できる最適な店舗ポートフォリオ(筋肉体質の店舗網)の構築が重要であります。当連結会計年度において退店した5店舗のうち3店舗は、このような観点から退店したものです。近年不振店を退店することが利益の底上げにつながっておりますところ、次期においても引き続き筋肉体質の店舗網の構築に取り組んでまいります。
また、長年に亘り培ってきた各メーカーや生産者、豊洲市場の卸売業者、配送業者との強いリレーションを活かしサプライチェーンの維持、商品の調達に万全を期してまいります。そのうえで、バイイングパワー・情報力を活かした有利な仕入条件の獲得、物流拠点の変更や配送ルートの組み換えなどの物流改革に取り組み原価低減のための努力を行ってまいります。
また、併せてグループ情報システムのレベルアップを図ってまいります。
<飲食事業>飲食事業では、近隣の当社鮮魚店との連携強化により特に天然の生ネタ寿司のラインナップを充実させるとともに、原材料費などの調達コストの上昇を受け適時適切にメニューや価格設定の見直しを行うなどした結果、売上高及び売上総利益が前期を上回りました。また、売上高販管費率が下がりました。これは、水道光熱費をはじめ店舗運営コストの増加やタイトな人材需給の状況に対応するため、作業効率の向上、幹部・スタッフ含め人員配置の見直しなどにより労働生産性を追求し販管費を削減したこと、また、隣接する当社鮮魚店との連携も取りながら仕入・配送の合理化を進めてきたことの効果が表れたものです。これらの結果、営業利益は前期を大きく上回りました。
引き続きメニューや価格設定、店舗オペレーションの見直しに取り組むとともに「魚力鮨」「魚力寿司」といった寿司ブランドの浸透、確立をめざし、品質での差別化にも取り組んでまいります。
また、丼や定食を提供する新業態「海鮮食堂とと市場」において新たな顧客層の取り込みをめざします。
<卸売事業>卸売事業では、魚力商事株式会社に集約し国内外における販路の拡大に取り組んでおります。海外向け取引は、2026年2月にドバイ(アラブ首長国連邦)の食品輸入卸・小売企業と業務提携契約を締結するなど取組を強化しておりますところ取引が拡大しております。また、CP-Uorikiの店舗網が順調に拡大していることなどからタイ向け取引も拡大しております。国内向け取引は、特に加工業者向けの原料販売は大きく増加しました。これらのことから、売上高が前期を上回りました。一方、物流コストや仕入・出荷に附帯するコストなどの増加額が増収による売上総利益の増加額を上回ったため、営業利益は前期を下回りました。次期につきましては、国内外の既存取引先への営業活動を強化してまいります。その上で、特に海外で高まる水産物需要に応え、国内外の有力企業とのパートナーシップにより北米やタイをはじめとするアジアを中心に新たな販売先の開拓に注力してまいります。
なお、CP-Uorikiにおいてタイ国内における日本式の魚屋の店舗網構築が進められていること、また、タイ国内の大手コンビニエンスストアチェーンの一部店舗に対しテイクアウト寿司などの供給を開始しておりますところ、これらの店舗への商品供給が売上の伸長に貢献するものと期待しております。
こうした中、足元では当社の輸出先であるドバイがイランにおける軍事衝突に巻き込まれておりその情勢を注視しておりますが、海外においては地域特有の地政学リスクが存在することから、販売先の開拓を慎重に進めてまいります。
ロ.財政状態
当連結会計年度末における当社グループの財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 ロ.財政状態」に記載のとおりであります。
当社グループにおける資産及び負債のうち主なものは以下のとおりであります。
(資産)
主として小売事業におきまして、商業施設にテナントとして出店する際に必要となる預け金等を敷金及び保証金に、店舗に関わる内装・空調・衛生厨房設備等を有形固定資産に、店舗において販売された当社の商品代金(売上返還金)を売掛金に計上しております。
このほか、報告セグメントに属さない資産として、余資運用資金(預金及び投資有価証券)、出資金を保有しております。
(負債)
主として小売事業におきまして、商品の購入費用を支払手形及び買掛金に、店舗の運営経費・設備投資に係る費用を未払金に計上しております。
当連結会計年度末における当社グループの流動比率(流動負債に対する流動資産の割合)は325.9%となっております。売上返還金を含む現金による収入がその多くを占める当社グループの業種特性と照らした場合、流動比率100%を超える一定の健全な水準を維持しているものと判断しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループにおける資金需要は、運転資金需要及び設備投資資金需要であります。
・運転資金需要のうち主なものは、販売商品の購入費用、人件費、店舗賃借料及び店舗運営に関わる費用(テナント経費・水道光熱費・販売促進費等)であります。
・設備投資資金需要のうち主なものは、小売事業、飲食事業の新規店舗、改装店舗に関わる店舗内装・空調・衛生厨房設備等の販売拠点の拡充・整備のための資本的支出と、全社的なIT活用推進を図るための、本社・店舗間のネットワーク構築やセキュリティ対策等のシステム投資であります。
当社グループは、現在運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金でまかなう事を基本方針としております。
当社グループの出店は主にターミナル駅近隣の商業施設や郊外型ショッピングセンターなどへのテナント出店であるため、設備投資資金需要においても、通常、営業キャッシュ・フローにより対応することが可能であります。また、更なる成長力獲得のためのM&Aや資本提携を行う場合などにおいても、同様に内部資金を活用する考えであります。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は112億61百万円である一方、有利子負債残高は21百万円であり、強固な財務体質を維持しております。
資金の手元流動性は十分に確保している状況であり、財務状況は健全であると認識しておりますが、不測の事態に備えるため、借入枠につきましては、金融機関2行との間に合計6億円の当座貸越契約を締結しております。
当社グループは健全な財政状態を維持しつつ、営業活動により得られるキャッシュ・フローから、成長を維持するための将来必要な資金を調達することが可能と考えております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に際し、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。
(固定資産の減損)
当社は、各店舗を独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位とし、本社経費配賦後の店舗別営業損益等に基づき、営業損益等が継続してマイナスとなる場合等に減損の兆候があると判断しており、該当する各店舗の将来営業キャッシュ・フローを見積り、その合計額が固定資産の帳簿価額を下回る場合に、帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。
当該見積り及び当該仮定の不確実性の内容やその変動により経営成績等に与える影響につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に、また、当期において計上した減損損失につきましては、「第5経理の状況 1連結財務諸表 注記事項(連結損益計算書関係)」にそれぞれ記載しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
イ.経営成績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境改善の好影響を受けた個人消費、また、人手不足などを背景とした企業による設備投資を起点に緩やかに回復いたしました。一方で、2026年2月に勃発したイランにおける軍事衝突による原油高、また、じわじわと進む円安などに起因する物価上昇の継続、イランを含む世界的な情勢不安の長期化など景気下振れ要因が多く見られます。
水産業界におきましては、地球的規模で地上からの供給に代わるタンパク質の供給源として、また、国内外において拡がる健康志向などから、養殖業を含む水産業、また、水産物に対する注目度は高まっております。しかしながら、海外で高まる水産物需要・わが国では地球温暖化が原因とも言われる不漁による魚価高騰、物流をはじめとする諸コスト増大など、当社を取り巻く経営環境は大変厳しい状況にあります。
このような経営環境の中、当社グループにおきましては、中期経営計画(2024-2026年度)の下、国内事業の着実な成長と海外事業の拡大をめざし、仕入、販売、海外、人材、財務、地球環境といった分野における基本戦略に取り組んでまいりました。
また、2025年3月、持分法適用関連会社であった株式会社最上鮮魚に対する出資比率を引き上げ連結子会社といたしました。
こうした体制強化に加え、主力の小売事業における重要指標である通期の既存店売上高が前連結会計年度を上回りましたが、これは消費者の消費マインド、購買力が相応に高まったことを踏まえ、商品の付加価値を高めつつ諸コストの上昇を適時適切に売価に反映したこと、経営資源を効率的に活用できる最適な店舗ポートフォリオ(筋肉体質の店舗網)の構築を念頭に戦略的に出退店を行ってきた効果が表れたものと考えております。
当連結会計年度の店舗展開については、当社において小売事業で1店舗を出店する一方、3店舗を退店し、飲食事業で1店舗を出店する一方、1店舗を退店したことから営業店舗数は90店舗となりました。また、2025年3月に連結子会社化した株式会社最上鮮魚では小売事業で2店舗を出店する一方、1店舗を退店し、飲食事業で1店舗を出店したことから営業店舗数は51店舗となりました。これらのことから、当社グループにおける当連結会計年度末の営業店舗数は141店舗となりました。
この結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は436億円(前年同期比19.0%増)、営業利益は15億54百万円(前年同期比4.0%増)、経常利益は22億72百万円(前年同期比10.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は13億2百万円(前年同期比8.8%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
<小売事業>小売事業では、既存店の売上増加に加え、新たに連結子会社とした株式会社最上鮮魚の売上が大きく寄与し、前年同期比で大幅な増収となりました。増収に伴い売上総利益が増加し、店舗において水光熱費や消耗品などのコスト抑制を徹底するなど販売費及び一般管理費を削減することにより、営業利益が増加いたしました。
なお、従来どおり豊洲市場を仕入の拠点としつつ、物流コストの増加に対応するため一部商品の集荷場を埼玉県魚市場(さいたま市北区)に移すなどの物流改革に取り組んでおります。
新店及び退店の状況は、当社では2025年9月に相鉄本線二俣川駅に隣接する「ジョイナステラス二俣川1」内に「魚力海鮮寿司二俣川店」(神奈川県横浜市)を開店しております。一方、限られた経営資源の効率的な活用を図るため2025年7月に「魚力海鮮寿司武蔵小金井店」(東京都小金井市)、2026年3月に「海鮮寿司築地魚力溝口店」(神奈川県川崎市)、2026年2月に「名鉄百貨店本店」の営業終了に伴い「名古屋名鉄店」(愛知県名古屋市)を退店しております。また、株式会社最上鮮魚では2025年7月にJR鹿児島本線スペースワールド駅に隣接する「ジアウトレット北九州」内に「とと市場ジアウトレット北九州店(小売店及び飲食店併設店舗)」(福岡県北九州市)、11月にJR久大本線筑後吉井駅より徒歩8分「Aコープよしい店」内に「とと市場よしい店」(福岡県うきは市)を開店しております。一方、出店先である「Aコープあらき店」の閉店に伴い2026年3月に「Aコープあらき店」(福岡県久留米市)を退店しております。
この結果、売上高は382億28百万円(前年同期比21.3%増)、営業利益は19億54百万円(前年同期比11.1%増)となりました。
<飲食事業>飲食事業では、近隣の当社鮮魚店との連携強化により特に天然の生ネタ寿司のラインナップを充実させるとともに、原材料費などの調達コストの上昇を受け適時適切にメニューや価格設定の見直しを行うなどした結果、売上高が前期を上回りました。また、店舗オペレーションの見直しや物流の合理化を含む構造改革に取り組んでおりますところ、一定の効果を上げており収益性が向上しております。
新店及び退店の状況は、当社では2025年12月にJR五日市線秋川駅より徒歩5分「あきるのプレイス」内に丼や定食を提供する新業態の「海鮮食堂とと市場あきる野店」(東京都あきる野市)を開店しております。一方、限られた経営資源の効率的な活用を図るため、2025年6月に「魚力海鮮寿司花小金井店」(東京都小平市)を退店しております。また、株式会社最上鮮魚では2025年7月にJR鹿児島本線スペースワールド駅に隣接する「ジアウトレット北九州」内に「とと市場ジアウトレット北九州店(小売店及び飲食店併設店舗)」(福岡県北九州市)を開店しております。
この結果、売上高は16億67百万円(前年同期比9.5%増)、営業利益は12百万円(前年同期比1372.9%増)となりました。
<卸売事業>卸売事業では、子会社の魚力商事株式会社が国内外取引先への販売を行っております。国内向け取引は、スーパーマーケットや地方荷受向けの販売が苦戦した一方、加工業者向けの原料販売は大きく増加いたしました。また、飲食店舗向けなどの販売も引き続き好調に推移した結果、前期を上回る売上を上げております。海外向け取引は、特にドバイ向けの輸出が伸びております。2026年2月にドバイ(アラブ首長国連邦)の食品輸入卸・小売企業(Country Hill International LLC(以下、CHI))と業務提携契約を締結するなど取組を強化しておりますところCHI向けの売上高が前年同期比で3倍超となりました。また、2023年5月に設立した合弁会社のCP-Uoriki Co.,Ltd.(以下、CP-Uoriki)向けの輸出が伸びていることなどから、海外向け取引全体では前期を上回る売上を上げております。なお、CP-Uorikiがタイ国内各地の大型ショッピングモールなどにおいて運営する鮮魚と寿司の小売店舗数は2026年3月時点で32店舗となり順調に店舗網を広げております。また、タイ国内の大手コンビニエンスストアチェーンの一部店舗に対しテイクアウト寿司などの供給を開始しております。
この結果、グループ全体の卸売事業の売上高は36億32百万円(前年同期比2.9%増)、営業利益は29百万円(前年同期比11.5%減)となりました。
ロ.財政状態
当連結会計年度末の当社グループの財政状態は次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は152億57百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億48百万円増加いたしました。これは主に売掛金が2億43百万円、商品及び製品が1億83百万円、現金及び預金が1億71百万円増加したことによるものであります。固定資産は91億74百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億21百万円増加いたしました。これは主に投資有価証券が10億22百万円減少した一方、出資金が15億98百万円、退職給付に係る資産が2億66百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、244億32百万円となり、前連結会計年度末に比べ14億69百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は46億81百万円となり、前連結会計年度末に比べ15百万円減少いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が3億81百万円増加したものの、未払法人税等が2億8百万円、「その他」に含まれる未払費用が1億53百万円、賞与引当金が36百万円減少したことによるものであります。固定負債は7億48百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億28百万円増加いたしました。これは主に資産除去債務が2億96百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、54億29百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億13百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は190億3百万円となり、前連結会計年度末に比べ12億55百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が5億77百万円、その他有価証券評価差額金が4億55百万円、退職給付に係る調整累計額が2億28百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は76.9%(前連結会計年度末は76.3%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ1億75百万円増加(前年同期比1.6%増)し、当連結会計年度末には112億61百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、8億7百万円の収入(前年同期は21億68百万円の収入)となりました。主なプラス要因は、税金等調整前当期純利益19億17百万円及び減損損失4億17百万円であり、主なマイナス要因は、法人税等の支払額8億5百万円及び投資有価証券売却益4億95百万円であります。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、1億7百万円の収入(前年同期は5億89百万円の収入)となりました。主なプラス要因は、投資有価証券の売却による収入72億68百万円であり、主なマイナス要因は、投資有価証券の取得による支出51億33百万円、出資金の払込による支出15億49百万円、有形固定資産の取得による支出3億40百万円であります。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、7億44百万円の支出(前年同期は7億64百万円の支出)となりました。主なマイナス要因は、配当金の支払額7億25百万円であります。
③仕入及び販売の実績
イ.商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 小売事業(千円) | 21,810,868 | 120.5 |
| 飲食事業(千円) | 580,180 | 112.6 |
| 卸売事業(千円) | 3,551,445 | 108.7 |
| 報告セグメント計(千円) | 25,942,494 | 118.6 |
| その他(千円) | - | - |
| 合計(千円) | 25,942,494 | 118.6 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
ロ.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 小売事業(千円) | 38,228,737 | 121.3 |
| 飲食事業(千円) | 1,667,680 | 109.5 |
| 卸売事業(千円) | 3,632,218 | 102.9 |
| 報告セグメント計(千円) | 43,528,636 | 119.1 |
| その他(千円) | 71,732 | 105.6 |
| 合計(千円) | 43,600,368 | 119.0 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度の経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容
イ.経営成績
当連結会計年度の連結売上高は、当社及び魚力商事株式会社における売上増加に加え、2025年3月に連結子会社とした株式会社最上鮮魚の売上が大きく寄与したため、2025年11月に公表した通期業績予想には若干届かなかったものの前年度実績を大きく上回りました。増収に伴い売上総利益が増加し、更に、コスト削減を徹底したことなどにより営業利益は前年度実績及び2025年11月に公表した通期業績予想を上回る結果となりました。なお、株式会社最上鮮魚を連結子会社としたことにより売上総利益率が若干改善しました。
セグメントごとの分析・検討内容は次のとおりであります。
<小売事業>小売事業では、鮮魚や持ち帰り寿司等の売上高、営業利益が重要な部分を占めておりますが、各店舗への集客が経営成績に重要な影響を与えます。供給量の減少、代替品(肉類)へのシフト、嗜好の変化などによる魚食の減少、魚資源の枯渇化の進行、海外における魚食普及に伴う魚価の高騰、物流をはじめとする諸コストの増大など、経営環境は厳しさを増しております。このような中、食品スーパー、コンビニエンスストア、ネット販売など異業態を含む競争に打ち勝つため、これまで培った鮮魚専門店ならではのノウハウや知見を活かし、今まで以上に顧客のニーズに対応した商品開発や品揃えに注力し、季節感や活気のある売り場を提供するとともに、サービスレベルの向上を図ることが重要であります。また、売上原価の削減も重要な課題でありますが、当社は豊洲市場を仕入の拠点としつつ、一部商品の集荷場を埼玉県魚市場(さいたま市北区)に移すなど物流改革に取り組んでおりますところ、バイイングパワーに裏打ちされた仕入力、効率的な物流力がこの課題に対応するための力となっております。また、株式会社最上鮮魚において長浜市場(福岡市中央区)を軸とする物流の強化に取り組んでおります。
出店戦略について、2025年2月から3月にかけて福岡県福岡市に2店舗を出店するとともに、株式会社最上鮮魚を連結子会社といたしましたので、今後はこれら以外の有力な地域への出店も視野に入れてまいります。一方、パートナー社員はじめ人手不足の深刻化から際限なく出店を行える環境ではないため、出店先との交渉、既存店舗からの退店を含め、限られた経営資源を効率的に活用できる最適な店舗ポートフォリオ(筋肉体質の店舗網)の構築が重要であります。当連結会計年度において退店した5店舗のうち3店舗は、このような観点から退店したものです。近年不振店を退店することが利益の底上げにつながっておりますところ、次期においても引き続き筋肉体質の店舗網の構築に取り組んでまいります。
また、長年に亘り培ってきた各メーカーや生産者、豊洲市場の卸売業者、配送業者との強いリレーションを活かしサプライチェーンの維持、商品の調達に万全を期してまいります。そのうえで、バイイングパワー・情報力を活かした有利な仕入条件の獲得、物流拠点の変更や配送ルートの組み換えなどの物流改革に取り組み原価低減のための努力を行ってまいります。
また、併せてグループ情報システムのレベルアップを図ってまいります。
<飲食事業>飲食事業では、近隣の当社鮮魚店との連携強化により特に天然の生ネタ寿司のラインナップを充実させるとともに、原材料費などの調達コストの上昇を受け適時適切にメニューや価格設定の見直しを行うなどした結果、売上高及び売上総利益が前期を上回りました。また、売上高販管費率が下がりました。これは、水道光熱費をはじめ店舗運営コストの増加やタイトな人材需給の状況に対応するため、作業効率の向上、幹部・スタッフ含め人員配置の見直しなどにより労働生産性を追求し販管費を削減したこと、また、隣接する当社鮮魚店との連携も取りながら仕入・配送の合理化を進めてきたことの効果が表れたものです。これらの結果、営業利益は前期を大きく上回りました。
引き続きメニューや価格設定、店舗オペレーションの見直しに取り組むとともに「魚力鮨」「魚力寿司」といった寿司ブランドの浸透、確立をめざし、品質での差別化にも取り組んでまいります。
また、丼や定食を提供する新業態「海鮮食堂とと市場」において新たな顧客層の取り込みをめざします。
<卸売事業>卸売事業では、魚力商事株式会社に集約し国内外における販路の拡大に取り組んでおります。海外向け取引は、2026年2月にドバイ(アラブ首長国連邦)の食品輸入卸・小売企業と業務提携契約を締結するなど取組を強化しておりますところ取引が拡大しております。また、CP-Uorikiの店舗網が順調に拡大していることなどからタイ向け取引も拡大しております。国内向け取引は、特に加工業者向けの原料販売は大きく増加しました。これらのことから、売上高が前期を上回りました。一方、物流コストや仕入・出荷に附帯するコストなどの増加額が増収による売上総利益の増加額を上回ったため、営業利益は前期を下回りました。次期につきましては、国内外の既存取引先への営業活動を強化してまいります。その上で、特に海外で高まる水産物需要に応え、国内外の有力企業とのパートナーシップにより北米やタイをはじめとするアジアを中心に新たな販売先の開拓に注力してまいります。
なお、CP-Uorikiにおいてタイ国内における日本式の魚屋の店舗網構築が進められていること、また、タイ国内の大手コンビニエンスストアチェーンの一部店舗に対しテイクアウト寿司などの供給を開始しておりますところ、これらの店舗への商品供給が売上の伸長に貢献するものと期待しております。
こうした中、足元では当社の輸出先であるドバイがイランにおける軍事衝突に巻き込まれておりその情勢を注視しておりますが、海外においては地域特有の地政学リスクが存在することから、販売先の開拓を慎重に進めてまいります。
ロ.財政状態
当連結会計年度末における当社グループの財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 ロ.財政状態」に記載のとおりであります。
当社グループにおける資産及び負債のうち主なものは以下のとおりであります。
(資産)
主として小売事業におきまして、商業施設にテナントとして出店する際に必要となる預け金等を敷金及び保証金に、店舗に関わる内装・空調・衛生厨房設備等を有形固定資産に、店舗において販売された当社の商品代金(売上返還金)を売掛金に計上しております。
このほか、報告セグメントに属さない資産として、余資運用資金(預金及び投資有価証券)、出資金を保有しております。
(負債)
主として小売事業におきまして、商品の購入費用を支払手形及び買掛金に、店舗の運営経費・設備投資に係る費用を未払金に計上しております。
当連結会計年度末における当社グループの流動比率(流動負債に対する流動資産の割合)は325.9%となっております。売上返還金を含む現金による収入がその多くを占める当社グループの業種特性と照らした場合、流動比率100%を超える一定の健全な水準を維持しているものと判断しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループにおける資金需要は、運転資金需要及び設備投資資金需要であります。
・運転資金需要のうち主なものは、販売商品の購入費用、人件費、店舗賃借料及び店舗運営に関わる費用(テナント経費・水道光熱費・販売促進費等)であります。
・設備投資資金需要のうち主なものは、小売事業、飲食事業の新規店舗、改装店舗に関わる店舗内装・空調・衛生厨房設備等の販売拠点の拡充・整備のための資本的支出と、全社的なIT活用推進を図るための、本社・店舗間のネットワーク構築やセキュリティ対策等のシステム投資であります。
当社グループは、現在運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金でまかなう事を基本方針としております。
当社グループの出店は主にターミナル駅近隣の商業施設や郊外型ショッピングセンターなどへのテナント出店であるため、設備投資資金需要においても、通常、営業キャッシュ・フローにより対応することが可能であります。また、更なる成長力獲得のためのM&Aや資本提携を行う場合などにおいても、同様に内部資金を活用する考えであります。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は112億61百万円である一方、有利子負債残高は21百万円であり、強固な財務体質を維持しております。
資金の手元流動性は十分に確保している状況であり、財務状況は健全であると認識しておりますが、不測の事態に備えるため、借入枠につきましては、金融機関2行との間に合計6億円の当座貸越契約を締結しております。
当社グループは健全な財政状態を維持しつつ、営業活動により得られるキャッシュ・フローから、成長を維持するための将来必要な資金を調達することが可能と考えております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に際し、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。
(固定資産の減損)
当社は、各店舗を独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位とし、本社経費配賦後の店舗別営業損益等に基づき、営業損益等が継続してマイナスとなる場合等に減損の兆候があると判断しており、該当する各店舗の将来営業キャッシュ・フローを見積り、その合計額が固定資産の帳簿価額を下回る場合に、帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。
当該見積り及び当該仮定の不確実性の内容やその変動により経営成績等に与える影響につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に、また、当期において計上した減損損失につきましては、「第5経理の状況 1連結財務諸表 注記事項(連結損益計算書関係)」にそれぞれ記載しております。