四半期報告書-第32期第1四半期(令和1年6月1日-令和1年8月31日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、雇用情勢や所得環境の改善が続き、緩やかな回復基調で推移しました。一方で米中貿易摩擦等、海外経済の不確実性の高まり、金融資本市場の変動等により、先行きは不透明な状況で推移いたしました。
国内の2019年1月から6月のビジネス向け新品パソコン出荷台数は、前年同期比でプラス40.7%(※1)となり、2020年1月に予定されているWindows 7サポート終了に対応した入れ替え需要が顕在化しております。
(※1)出典:MM総研
また、ITサービス市場においては、今後、労働力人口の減少を背景とした働き方改革・生産性向上に資するIT投資は高い成長が見込まれる一方(※2)、これを担うべきIT技術者の不足感は強く、需給ギャップは今後さらに拡大すると予想されております(※3)。
(※2)出典:IDC Japan (※3)出典:経済産業省
一方、IT機器の排出市場においても、企業の入れ替え需要の拡大により回復傾向にあります。しかしながら、バーゼル条約の規制強化等によりリサイクル品等の輸出禁止が厳格運用され、特に、世界的な廃プラ問題や一昨年の中国等の廃プラ輸入禁止により、プラスチックを多く含むIT機器の海外輸出が難しい状況となっております。この流れを受け、使用済み機器全般を有価物として売買する既存事業者のビジネスモデルは存続が難しくなり、近い将来、国内リサイクルを基本とする適正処分へ転換する必要性が高いと想定しております。(当社は、これまでもリサイクル品については、当社の監査基準を満たす国内リサイクル企業との取引による適正処分を推進しております。)
このような事業環境の変化に対応するため、2019年5月期を初年度とする中期経営計画「SHIFT 2021」に基づき、収益の変動が大きなフロー中心から、持続的成長が可能なストック中心の収益・事業構造へ転換を引き続き進めております。具体的には、使用済みIT機器のリユース販売(フロー収益)に依拠していた収益構造を見直し、中長期レンタルとITサービス等により、新規導入、運用管理、適正処分までのライフサイクル全般をワンストップで支援するLCMサービス(※4)(ストック中心の収益)を中心とする事業構造への転換であります。
(※4)LCM:ライフサイクルマネジメント
IT機器の導入、運用・管理、使用後の機器の適正処分を管理する仕組み
この事業構造改革に向けて、サブスクリプション(※5)で提供するITサービス・レンタルを中心としたLCM事業への「選択と集中」をさらに進めました。技術人材拡充、設備、RPA導入や基幹システムへの先行投資、人材シフトをさらに進めるとともに、クラウドサービス強化のため、2018年12月に完全子会社化した株式会社テクノアライアンスとの協業を強化いたしました。また、案件ごとの収益管理、前期以前に実施した「小売りからサービスへ」を目的とした諸施策(東京テクニカルセンターによる付加価値・生産性の向上、全店舗・一部支店の廃止、2019年5月末のEC事業譲渡等)の効果により収益性が向上いたしました。
(※5)サブスクリプション:製品やサービスを購入するのではなく、利用期間や利用量に応じて月額や年額等で
代金を支払う方式。利用者(顧客)は高額な初期費用の負担が軽減され、サービス提供者は利用者(顧客)との継続的な関係構築、持続的な収益確保(ストック収益)が可能となる。
一方、使用済みIT機器については、回収・データ消去の品質強化、当社販売先の定期監査強化・選別を進め、バーゼル条約や世界的な環境問題に対応した適正処分の価値をより一層高めるとともに、案件の選別や効率化により、収益性の向上を図りました。
以上の諸施策により、最重要課題であるLCM事業(ストック中心の収益)は、増収・増益となり、受注契約高(将来収益)も順調に拡大いたしました。また、リマーケティング事業(フロー収益)は、売上高は減少しましたが、収益性は大幅に向上いたしました。一方、コミュニケーション・デバイス事業は、新規顧客からの受注が好調で、さらには予定案件の一部の前倒し受注と大型化により、大幅な増収増益となりました。
この結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高1,139,151千円(前年同四半期比21.1%増)、営業利益129,390千円(前年同四半期比224.8%増)、経常利益129,255千円(前年同四半期比226.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益82,248千円(前年同四半期比246.3%増)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
①LCM事業
IT機器のLCMサービスを提供しております。
IT機器の導入・運用フェーズにおいては、IT機器レンタル・関連ITサービス(運用・管理、クラウドサービス、通信サービス、セキュリティ、ネットワークインフラ構築等)を提供し、使用済みIT機器の処分フェーズにおいては、引取回収・データ消去サービスを提供しております。
このLCMサービスは、「SHIFT 2021」の最重要施策と位置付け、積極投資を行っております。
2020年1月のWindows 7サポート終了を控え、ビジネス向け市場でWindows 10への入れ替え需要が拡大しております。また、働き方改革や人材確保難等の社会・経済情勢、通信・ネットワーク等の技術進化を背景としたモバイルワーク拡大の動きや、日進月歩で進化するIT技術、増大するセキュリティ脅威への対応等により、企業の情報システム部門が担うべき運用管理業務はさらに複雑化・高度化する一方、IT人材不足はますます深刻化しております。 このような市場変化をキャッチアップし、情報システム部門の課題解決や負担の軽減に対応するべく、IT機器の導入については、中長期レンタル、運用・保守等の役務系ITサービス、通信サービスに加え、子会社であるテクノアライアンス社との協業によるクラウドサービスの積極的な提案営業を実施するとともに、サブスクリプションモデルの推進により、受注高・売上高ともに拡大いたしました。また、使用済みIT機器の引取回収・データ消去については、収益性重視での案件受注、東京テクニカルセンターの高いセキュリティに対する顧客評価、継続した生産性の向上効果等により、入荷台数は減少するも、収益性は向上いたしました。
一方、コスト面では、IT人材の積極採用、社内人材のLCM部門への異動・再配置によるさらなる増員、生産性向上とセキュリティ強化に資する設備投資、レンタル資産の積極取得等、計画を上回る積極投資を行いましたが、増加したコストは収益拡大でカバーいたしました。
この結果、売上高695,027千円(前年同四半期比21.2%増)、セグメント利益98,632千円(前年同四半期比34.4%増)となりました。
②リマーケティング事業
主にLCMサービスにより回収した使用済み機器を、高価値品はテクニカルセンターで製品化し、リユース品として販売しております。また、再利用困難な機器については分解して素材化し、当社の監査基準を満たすリサイクル業者へ販売することで企業等の廃棄物削減と適正処分を推進しております。
業績面では、使用済みIT機器の入荷台数の減少や2019年5月末のEC事業譲渡により、売上高は前年比で減少いたしましたが、テクニカルセンターでの生産性向上策、徹底した効率化、在庫回転率の向上などの諸施策の効果により、利益率は大幅に向上いたしました。また、当社販売先の定期監査・選別を強化し、バーゼル条約や世界的な環境問題に対応した適正処分の価値のさらなる向上を図りました。
この結果、売上高402,972千円(前年同四半期比5.9%減)、セグメント利益89,763千円(前年同四半期比42.1%増)となりました。
③コミュニケーション・デバイス事業
2017年12月に完全子会社化した株式会社ケンネットが該当します。株式会社ケンネットは、観光業界を中心にイヤホンガイド®(※6)の製造販売・保守サービスを展開しております。国際的な観光需要の高まりや 2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え、旅行関連の市場は活況を見せています。この需要を取り込むべく、継続的なPR活動や利用者の口コミによるマーケティングにより、販売及びレンタル数量が拡大いたしました。また、第2四半期以降の見込みであった一部案件が、当初予定より大型化して当第1四半期に前倒し受注となりました。
(※6)イヤホンガイド®:送信機と複数の受信機からなる、手のひらサイズの音声ガイド用機器。観光地ガイド
を中心に、国際会議での通訳、騒音の多い工場見学、大きな声を出せない美術館や博物館等、各種ガイド用途で利用されており、旅行関連市場では株式会社ケンネットが90%以上の国内シェアを有しております。
この結果、売上高134,774千円(前年同四半期比92.3%増)、セグメント利益55,201千円(前年同四半期比2,466.0%増)となりました。
④その他事業
その他事業は、M&A仲介・アドバイザリ事業を行う株式会社エムエーピーが該当します。当第1四半期連結累計期間においては、代理店網の拡充、案件ストックの拡大及び人材紹介事業の強化を図りました。
この結果、売上高800千円(前年同四半期において当該事業の売上高はありませんでした。)、セグメント損失7,831千円(前年同四半期はセグメント損失8,943千円)となりました。
(2) 財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、3,614,499千円(前連結会計年度末比111,602千円増)となりました。
この内、流動資産は1,215,677千円(前連結会計年度末比74,966千円減)となり、主に売掛金が81,313千円増加し、現金及び預金が108,648千円減少したことによります。
固定資産は2,398,822千円(前連結会計年度末比186,569千円増)となり、主にレンタル資産(純額)が211,168千円増加し、のれんが10,315千円減少したことによります。
負債は1,781,267千円(前連結会計年度末比256,493千円増)となりました。この内、流動負債は1,381,255千円(前連結会計年度末比343,854千円増)となり、主に短期借入金が400,000千円、賞与引当金が30,382千円それぞれ増加し、未払法人税等が66,822千円減少したことによります。
固定負債は400,011千円(前連結会計年度末比87,361千円減)となり、主に長期借入金が85,380千円減少したことによります。
純資産は1,833,232千円(前連結会計年度末比144,890千円減)となり、主に親会社株主に帰属する四半期純利益82,248千円の計上による増加と剰余金の配当108,670千円、自己株式の取得118,468千円による減少であります。
また、当第1四半期連結会計期間末における自己資本比率は50.7%(前連結会計年度末は56.4%)で、1株当たり純資産額は363円68銭(前連結会計年度末は382円06銭)であります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。