有価証券報告書-第31期(平成30年6月1日-令和1年5月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用情勢や所得環境の改善が続き、緩やかな回復基調で推移しました。一方で米中貿易摩擦等、海外経済の不確実性の高まり、金融資本市場の変動などの懸念に加え、自然災害が相次いだ影響等により、先行きは不透明な状況で推移いたしました。
国内の2018年4月から2019年3月のビジネス向け新品パソコン出荷台数は、前年同期比でプラス26.3%(※1)となり、2020年1月に予定されているWindows 7 サポート終了に対応した入れ替え需要が顕在化しております。ただし、半導体メーカーから供給されるCPUの不足・需給ギャップの影響により、一部の顧客企業ではWindows 10 の導入が未だ遅延しております。
(※1)出典:MM総研
また、ITサービス市場においては、今後、労働力人口の減少を背景とした働き方改革・生産性向上に資するIT投資は高い成長が見込まれる一方(※2)、これを担うべきIT技術者の不足感は強く、需給ギャップは今後さらに拡大すると予想されております(※3)。
(※2)出典:IDC Japan (※3)出典:経済産業省
一方、IT機器の排出市場においては、新たなIT機器が導入されてから使用済み機器が排出されるまでにはタイムラグがあるため、本格的な回復には至っておりません。また、バーゼル条約の規制強化等によりリサイクル品等の輸出禁止が厳格運用され、特に、世界的は廃プラ問題、一昨年の中国等の廃プラ輸入禁止により、プラスチックを多く含むIT機器の海外輸出が難しい状況となっております。この流れを受け、使用済み機器全般を有価物として売買する既存事業者のビジネスモデルは存続が難しくなり、近い将来、国内リサイクルを基本とする適正処分へ転換する必要性が高いと想定しております。(当社は、これまでもリサイクル品については、当社の監査基準を満たす国内リサイクル企業との取引による適正処分を推進しております。)
このような事業環境の変化に対応するため、当期を初年度とする中期経営計画「SHIFT 2021」に基づき、収益の収益の変動が大きなフロー中心から、持続的成長が可能なストック中心の収益・事業構造へ転換を引き続き進めております。具体的には、使用済みIT機器の引取回収・リユース販売(フロー収益に該当)に依拠していた収益構造を見直し、中長期レンタルとITサービス等により、新規導入、運用管理、排出・適正処分までのライフサイクル全般をワンストップで支援するLCMサービス(※4)(ストック収益に該当)を中心とする事業構造への転換です。
(※4)LCM:ライフサイクルマネジメント
IT機器の導入、運用・管理、使用後の機器の排出・適正処分を管理する仕組み
この事業構造改革に向けて、IT・レンタルを中心としたLCM事業への「選択と集中」をさらに進めました。技術人材拡充、設備、RPA導入や基幹システムへの先行投資、ITレンタル部門への人員再配置と育成、各種プロモーション等を積極的に実施いたしました。また、案件ごとの収益管理、前年度以前に実施した「小売りからサービスへ」「フローからストックへ」を目的とした諸施策(新・東京テクニカルセンターによる付加価値・生産性の向上、全店舗・一部支店の廃止等)の効果により収益性が向上いたしました。さらに、今後の拡大が見込まれる「サブスクリプション」(※5)及び「クラウド」のサービス強化のため、業界初のパッケージ「Marutto 365」(※6)を発売するとともに、Microsoft社のクラウドサービス分野で高い技術力を有する株式会社テクノアライアンスを買収し完全子会社化を実施いたしました。また、2019年5月末にEC事業を譲渡して経営資源の再配分を行い、BtoB、及びLCM事業への集中をさらに進めました。
(※5)サブスクリプション:月額利用料モデル
(※6)Marutto 365:パソコン・通信・クラウド・運用・管理・セキュリティから、使用後のデータ消去等まで、全てを「まるっと」月額利用料にて提供するサービス。2018年11月発売。
一方、使用済みIT機器については、回収・データ消去の品質強化、当社販売先の定期監査強化・選別を進め、バーゼル条約や世界的な環境問題に対応したセキュアで適正な処分の訴求価値をより一層高めるとともに、案件の選別や生産性向上により、収益性の向上を図りました。
以上の諸施策により、最重要課題であるLCM事業(ストック収益に該当)は、増収・増益となり、受注残高(将来収益)も拡大いたしました。また、リマーケティング事業(フロー収益に該当)についても、前期の全店舗廃止等の影響から売上高は減少しましたが、収益性は向上いたしました。なお、単年度の売上高は、フロー収益の影響が大きいことから連結売上高は減収となりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高4,177,089千円(前年同期比5.7%減)、営業利益310,784千円(前年同期比30.4%増)、経常利益315,998千円(前年同期比32.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益192,186千円(前年同期比21.1%増)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
なお、当連結会計期間より、報告セグメントの区分方法、売上高及び利益又は損失の算定方法を変更しており、以下の前年同期比較につきましては、前年同期の数値を変更後のセグメントの区分方法及び算定方法により作成した数値で比較しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
IT機器のLCMサービスを提供しております。
IT機器の導入・運用フェーズにおいては、IT機器レンタル・関連ITサービス(運用・管理、クラウドサービス、通信サービス、セキュリティ、ネットワークインフラ構築等)を提供し、使用済みIT機器の処分フェーズにおいては、引取回収・データ消去サービスを提供しております。
このLCMサービスは、「SHIFT 2021」の最重要施策と位置付け、積極投資を行っております。
2020年1月のWindows 7 サポート終了を控え、ビジネス向け市場でWindows 10 への入れ替え需要が拡大しております。また、働き方改革や人材確保難等の社会・経済情勢、通信・ネットワーク等の技術進化を背景としたモバイルワーク拡大の動きや、日進月歩で進化するIT技術、増大するセキュリティ脅威への対応等により、企業の情報システム部門が担うべき運用管理業務はさらに複雑化・高度化する一方、IT人材不足はますます深刻化しております。 こういった市場変化をキャッチアップし、情報システム部門の課題解決や負担の軽減に対応するべく、IT機器の導入については、中長期レンタル、キッティングや、保守運用・管理等の役務系ITサービス、通信、クラウドサービスの積極的な提案営業を実施するとともに、IT機器の「所有から利用へ」を推進する「サブスクリプションモデル」(月額利用料モデル)を展開した結果、CPU不足の影響を受けながらも、受注高・売上高ともに拡大いたしました。また、使用済みIT機器の引取回収・データ消去については、収益性重視での案件受注、新・東京テクニカルセンターの高いセキュリティに対する顧客評価、継続した生産性の向上効果等により、使用済みIT機器の入荷台数は減少するも、収益性は向上いたしました。
一方、コスト面では、ITエンジニア人材の積極採用、社内人材のLCM部門への異動・再配置によるさらなる増員、生産性向上とセキュリティ強化に資する設備投資、レンタル資産の積極取得等、計画を上回る積極投資を行いましたが、増加したコストは収益拡大でカバーいたしました。
この結果、売上高2,467,159千円(前年同期比18.2%増)、セグメント利益323,256千円(前年同期比121.7%増)となりました。
<リマーケティング事業>主にLCMサービスにより回収した使用済みIT機器を、高価値品はテクニカルセンターで製品化し、リユース品として販売しております。また、再利用不可の機器については分解して素材化し、当社の監査基準を満たすリサイクル業者へ販売することで、企業等の廃棄物削減と適正処分を推進しております。
業績面では、使用済みIT機器の入荷台数の減少、店舗の閉鎖等により売上高・セグメント利益は前年比で減少いたしましたが、テクニカルセンターによる継続した生産性向上策、店舗の閉鎖等による効率化、在庫の圧縮による回転率の向上などの諸施策の効果により、利益率は向上いたしました。また、当社販売先の定期監査・選別を強化し、バーゼル条約や世界的な環境問題に対応したセキュアで適正な処分の訴求価値のさらなる向上を図りました。
この結果、売上高1,776,811千円(前年同期比30.6%減)、セグメント利益303,958千円(前年同期比26.8%減)となりました。
<コミュニケーション・デバイス事業>前連結会計年度に買収・完全子会社化し2018年2月末から連結の範囲に含めている株式会社ケンネットが該当します。株式会社ケンネットは、観光業界を中心にイヤホンガイドⓇ(※7)の製造販売・保守サービスを展開しており、観光需要の高まりを受けて前年同期比で販売及びレンタル数量が拡大いたしました。また、日本各地の名所や観光スポットでの採用(豊洲市場、成田空港など)、外国人技能実習の現場や、大手製造業の基幹工場見学での活用など、新たなマーケット開拓が進みました。
(※7)イヤホンガイドⓇ
送信機と複数の受信機からなる、手のひらサイズの音声ガイド用機器。観光地ガイドを中心に、国際会議での通訳、騒音の多い工場見学、大きな声を出せない美術館や博物館等、各種ガイド用途で利用されており、株式会社ケンネットが90%以上の国内シェアを有しております。
この結果、売上高364,061千円(前年同期比260.5%増)、セグメント利益53,012千円(前年同期比252.9%増)となりました。
なお、観光需要には季節的変動があり、株式会社ケンネットの業績もその影響を受けるため、売上高は、当社グループの第2四半期・第4四半期会計期間に大きくなり、第1四半期・第3四半期会計期間は比較的小さくなる傾向にあります。
<その他事業>その他事業は、2017年6月に当社の完全子会社として設立したM&A仲介・アドバイザリ、人材紹介事業を行う株式会社エムエーピーが該当します。当連結会計年度においては、代理店網の拡充、案件ストックの拡大により交渉中の案件が増加するとともに、人材紹介の強化を図りました。
この結果、売上高11,648千円(前年同期比59.1%減)、セグメント損失23,523千円(前年同期はセグメント利益4,226千円)となりました。
(資産)
流動資産は前連結会計年度末に比べ31.2%減少の1,290,644千円となり、主な内訳は現金及び預金674,136千円、売掛金337,881千円、商品124,118千円であります。
固定資産は前連結会計年度末に比べ35.2%増加の2,212,253千円となり、主な内訳はレンタル資産(純額)1,685,529千円、のれん159,119千円であります。
この結果、総資産は前連結会計年度末に比べ0.2%減少の3,502,897千円となりました。
(負債)
流動負債は前連結会計年度末に比べ1.1%増加の1,037,401千円となり、主な内訳は1年内返済予定の長期借入金409,970千円、未払金201,972千円、未払費用112,340千円であります。
固定負債は前連結会計年度末に比べ18.2%減少の487,372千円となり、主な内訳は長期借入金433,450千円であります。
この結果、負債は前連結会計年度末に比べ6.0%減少の1,524,774千円となりました。
(純資産)
純資産は前連結会計年度末に比べ4.7%増加の1,978,122千円となり、主な内訳は資本金432,750千円、資本剰余金525,783千円、利益剰余金1,019,435千円であります。
なお、当連結会計年度末における自己資本比率は56.4%、1株当たり純資産額は382円06銭となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ583,763千円減少し、674,136千円となりました。
また、当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果、得られた資金は779,519千円(前連結会計年度比40.3%減)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益308,589千円、減価償却費636,653千円であり、支出の主な内訳は、売上債権の増加額103,669千円、法人税等の支払額122,936千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果、使用した資金は1,175,442千円(前連結会計年度比94.4%増)となりました。支出の主な内訳は、レンタル資産を始めとする有形固定資産の取得による支出1,128,418千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果、使用した資金は187,839千円(前連結会計年度比72.8%増)となりました。収入の主な内訳は、短期借入れによる収入150,000千円、長期借入れによる収入350,000千円であり、支出の主な内訳は、短期借入金の返済による支出110,000千円、長期借入金の返済による支出447,797千円、配当金の支払額103,438千円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループは、生産活動をしておりませんので記載しておりません。
b. 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 仕入高には他勘定受入高が含まれております。
3 コミュニケーション・デバイス事業の仕入実績は、生産委託品等の仕入実績を示しております。
なお、当連結会計年度において仕入高が著しく増加している要因は、「(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
c. 受注実績
当社グループは、受注生産活動をしておりませんので記載しておりません。
d. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 コミュニケーション・デバイス事業の販売実績は、生産委託品等の販売実績を示しております。
なお、当連結会計年度において販売高が著しく増加している要因は、「(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表」の「注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
この連結財務諸表の作成にあたりましては、当社グループ経営陣による会計方針の選択・適用、決算日における財政状態や経営成績に影響を与える見積りを必要といたします。当社グループ経営陣は、これらの見積りについては過去の実績や現状等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なることがあります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等
「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
b. キャッシュ・フローの分析
「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用情勢や所得環境の改善が続き、緩やかな回復基調で推移しました。一方で米中貿易摩擦等、海外経済の不確実性の高まり、金融資本市場の変動などの懸念に加え、自然災害が相次いだ影響等により、先行きは不透明な状況で推移いたしました。
国内の2018年4月から2019年3月のビジネス向け新品パソコン出荷台数は、前年同期比でプラス26.3%(※1)となり、2020年1月に予定されているWindows 7 サポート終了に対応した入れ替え需要が顕在化しております。ただし、半導体メーカーから供給されるCPUの不足・需給ギャップの影響により、一部の顧客企業ではWindows 10 の導入が未だ遅延しております。
(※1)出典:MM総研
また、ITサービス市場においては、今後、労働力人口の減少を背景とした働き方改革・生産性向上に資するIT投資は高い成長が見込まれる一方(※2)、これを担うべきIT技術者の不足感は強く、需給ギャップは今後さらに拡大すると予想されております(※3)。
(※2)出典:IDC Japan (※3)出典:経済産業省
一方、IT機器の排出市場においては、新たなIT機器が導入されてから使用済み機器が排出されるまでにはタイムラグがあるため、本格的な回復には至っておりません。また、バーゼル条約の規制強化等によりリサイクル品等の輸出禁止が厳格運用され、特に、世界的は廃プラ問題、一昨年の中国等の廃プラ輸入禁止により、プラスチックを多く含むIT機器の海外輸出が難しい状況となっております。この流れを受け、使用済み機器全般を有価物として売買する既存事業者のビジネスモデルは存続が難しくなり、近い将来、国内リサイクルを基本とする適正処分へ転換する必要性が高いと想定しております。(当社は、これまでもリサイクル品については、当社の監査基準を満たす国内リサイクル企業との取引による適正処分を推進しております。)
このような事業環境の変化に対応するため、当期を初年度とする中期経営計画「SHIFT 2021」に基づき、収益の収益の変動が大きなフロー中心から、持続的成長が可能なストック中心の収益・事業構造へ転換を引き続き進めております。具体的には、使用済みIT機器の引取回収・リユース販売(フロー収益に該当)に依拠していた収益構造を見直し、中長期レンタルとITサービス等により、新規導入、運用管理、排出・適正処分までのライフサイクル全般をワンストップで支援するLCMサービス(※4)(ストック収益に該当)を中心とする事業構造への転換です。
(※4)LCM:ライフサイクルマネジメント
IT機器の導入、運用・管理、使用後の機器の排出・適正処分を管理する仕組み
この事業構造改革に向けて、IT・レンタルを中心としたLCM事業への「選択と集中」をさらに進めました。技術人材拡充、設備、RPA導入や基幹システムへの先行投資、ITレンタル部門への人員再配置と育成、各種プロモーション等を積極的に実施いたしました。また、案件ごとの収益管理、前年度以前に実施した「小売りからサービスへ」「フローからストックへ」を目的とした諸施策(新・東京テクニカルセンターによる付加価値・生産性の向上、全店舗・一部支店の廃止等)の効果により収益性が向上いたしました。さらに、今後の拡大が見込まれる「サブスクリプション」(※5)及び「クラウド」のサービス強化のため、業界初のパッケージ「Marutto 365」(※6)を発売するとともに、Microsoft社のクラウドサービス分野で高い技術力を有する株式会社テクノアライアンスを買収し完全子会社化を実施いたしました。また、2019年5月末にEC事業を譲渡して経営資源の再配分を行い、BtoB、及びLCM事業への集中をさらに進めました。
(※5)サブスクリプション:月額利用料モデル
(※6)Marutto 365:パソコン・通信・クラウド・運用・管理・セキュリティから、使用後のデータ消去等まで、全てを「まるっと」月額利用料にて提供するサービス。2018年11月発売。
一方、使用済みIT機器については、回収・データ消去の品質強化、当社販売先の定期監査強化・選別を進め、バーゼル条約や世界的な環境問題に対応したセキュアで適正な処分の訴求価値をより一層高めるとともに、案件の選別や生産性向上により、収益性の向上を図りました。
以上の諸施策により、最重要課題であるLCM事業(ストック収益に該当)は、増収・増益となり、受注残高(将来収益)も拡大いたしました。また、リマーケティング事業(フロー収益に該当)についても、前期の全店舗廃止等の影響から売上高は減少しましたが、収益性は向上いたしました。なお、単年度の売上高は、フロー収益の影響が大きいことから連結売上高は減収となりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高4,177,089千円(前年同期比5.7%減)、営業利益310,784千円(前年同期比30.4%増)、経常利益315,998千円(前年同期比32.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益192,186千円(前年同期比21.1%増)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
なお、当連結会計期間より、報告セグメントの区分方法、売上高及び利益又は損失の算定方法を変更しており、以下の前年同期比較につきましては、前年同期の数値を変更後のセグメントの区分方法及び算定方法により作成した数値で比較しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
IT機器の導入・運用フェーズにおいては、IT機器レンタル・関連ITサービス(運用・管理、クラウドサービス、通信サービス、セキュリティ、ネットワークインフラ構築等)を提供し、使用済みIT機器の処分フェーズにおいては、引取回収・データ消去サービスを提供しております。
このLCMサービスは、「SHIFT 2021」の最重要施策と位置付け、積極投資を行っております。
2020年1月のWindows 7 サポート終了を控え、ビジネス向け市場でWindows 10 への入れ替え需要が拡大しております。また、働き方改革や人材確保難等の社会・経済情勢、通信・ネットワーク等の技術進化を背景としたモバイルワーク拡大の動きや、日進月歩で進化するIT技術、増大するセキュリティ脅威への対応等により、企業の情報システム部門が担うべき運用管理業務はさらに複雑化・高度化する一方、IT人材不足はますます深刻化しております。 こういった市場変化をキャッチアップし、情報システム部門の課題解決や負担の軽減に対応するべく、IT機器の導入については、中長期レンタル、キッティングや、保守運用・管理等の役務系ITサービス、通信、クラウドサービスの積極的な提案営業を実施するとともに、IT機器の「所有から利用へ」を推進する「サブスクリプションモデル」(月額利用料モデル)を展開した結果、CPU不足の影響を受けながらも、受注高・売上高ともに拡大いたしました。また、使用済みIT機器の引取回収・データ消去については、収益性重視での案件受注、新・東京テクニカルセンターの高いセキュリティに対する顧客評価、継続した生産性の向上効果等により、使用済みIT機器の入荷台数は減少するも、収益性は向上いたしました。
一方、コスト面では、ITエンジニア人材の積極採用、社内人材のLCM部門への異動・再配置によるさらなる増員、生産性向上とセキュリティ強化に資する設備投資、レンタル資産の積極取得等、計画を上回る積極投資を行いましたが、増加したコストは収益拡大でカバーいたしました。
この結果、売上高2,467,159千円(前年同期比18.2%増)、セグメント利益323,256千円(前年同期比121.7%増)となりました。
<リマーケティング事業>主にLCMサービスにより回収した使用済みIT機器を、高価値品はテクニカルセンターで製品化し、リユース品として販売しております。また、再利用不可の機器については分解して素材化し、当社の監査基準を満たすリサイクル業者へ販売することで、企業等の廃棄物削減と適正処分を推進しております。
業績面では、使用済みIT機器の入荷台数の減少、店舗の閉鎖等により売上高・セグメント利益は前年比で減少いたしましたが、テクニカルセンターによる継続した生産性向上策、店舗の閉鎖等による効率化、在庫の圧縮による回転率の向上などの諸施策の効果により、利益率は向上いたしました。また、当社販売先の定期監査・選別を強化し、バーゼル条約や世界的な環境問題に対応したセキュアで適正な処分の訴求価値のさらなる向上を図りました。
この結果、売上高1,776,811千円(前年同期比30.6%減)、セグメント利益303,958千円(前年同期比26.8%減)となりました。
<コミュニケーション・デバイス事業>前連結会計年度に買収・完全子会社化し2018年2月末から連結の範囲に含めている株式会社ケンネットが該当します。株式会社ケンネットは、観光業界を中心にイヤホンガイドⓇ(※7)の製造販売・保守サービスを展開しており、観光需要の高まりを受けて前年同期比で販売及びレンタル数量が拡大いたしました。また、日本各地の名所や観光スポットでの採用(豊洲市場、成田空港など)、外国人技能実習の現場や、大手製造業の基幹工場見学での活用など、新たなマーケット開拓が進みました。
(※7)イヤホンガイドⓇ
送信機と複数の受信機からなる、手のひらサイズの音声ガイド用機器。観光地ガイドを中心に、国際会議での通訳、騒音の多い工場見学、大きな声を出せない美術館や博物館等、各種ガイド用途で利用されており、株式会社ケンネットが90%以上の国内シェアを有しております。
この結果、売上高364,061千円(前年同期比260.5%増)、セグメント利益53,012千円(前年同期比252.9%増)となりました。
なお、観光需要には季節的変動があり、株式会社ケンネットの業績もその影響を受けるため、売上高は、当社グループの第2四半期・第4四半期会計期間に大きくなり、第1四半期・第3四半期会計期間は比較的小さくなる傾向にあります。
<その他事業>その他事業は、2017年6月に当社の完全子会社として設立したM&A仲介・アドバイザリ、人材紹介事業を行う株式会社エムエーピーが該当します。当連結会計年度においては、代理店網の拡充、案件ストックの拡大により交渉中の案件が増加するとともに、人材紹介の強化を図りました。
この結果、売上高11,648千円(前年同期比59.1%減)、セグメント損失23,523千円(前年同期はセグメント利益4,226千円)となりました。
(資産)
流動資産は前連結会計年度末に比べ31.2%減少の1,290,644千円となり、主な内訳は現金及び預金674,136千円、売掛金337,881千円、商品124,118千円であります。
固定資産は前連結会計年度末に比べ35.2%増加の2,212,253千円となり、主な内訳はレンタル資産(純額)1,685,529千円、のれん159,119千円であります。
この結果、総資産は前連結会計年度末に比べ0.2%減少の3,502,897千円となりました。
(負債)
流動負債は前連結会計年度末に比べ1.1%増加の1,037,401千円となり、主な内訳は1年内返済予定の長期借入金409,970千円、未払金201,972千円、未払費用112,340千円であります。
固定負債は前連結会計年度末に比べ18.2%減少の487,372千円となり、主な内訳は長期借入金433,450千円であります。
この結果、負債は前連結会計年度末に比べ6.0%減少の1,524,774千円となりました。
(純資産)
純資産は前連結会計年度末に比べ4.7%増加の1,978,122千円となり、主な内訳は資本金432,750千円、資本剰余金525,783千円、利益剰余金1,019,435千円であります。
なお、当連結会計年度末における自己資本比率は56.4%、1株当たり純資産額は382円06銭となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ583,763千円減少し、674,136千円となりました。
また、当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果、得られた資金は779,519千円(前連結会計年度比40.3%減)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益308,589千円、減価償却費636,653千円であり、支出の主な内訳は、売上債権の増加額103,669千円、法人税等の支払額122,936千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果、使用した資金は1,175,442千円(前連結会計年度比94.4%増)となりました。支出の主な内訳は、レンタル資産を始めとする有形固定資産の取得による支出1,128,418千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果、使用した資金は187,839千円(前連結会計年度比72.8%増)となりました。収入の主な内訳は、短期借入れによる収入150,000千円、長期借入れによる収入350,000千円であり、支出の主な内訳は、短期借入金の返済による支出110,000千円、長期借入金の返済による支出447,797千円、配当金の支払額103,438千円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループは、生産活動をしておりませんので記載しておりません。
b. 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 仕入高(千円) | 前年同期比(%) |
| LCM事業 | 1,124 | △72.5 |
| リマーケティング事業 | 639,950 | △30.5 |
| コミュニケーション・デバイス事業 | 155,222 | 196.3 |
| その他事業 | - | - |
| 合計 | 796,297 | △18.5 |
(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 仕入高には他勘定受入高が含まれております。
3 コミュニケーション・デバイス事業の仕入実績は、生産委託品等の仕入実績を示しております。
なお、当連結会計年度において仕入高が著しく増加している要因は、「(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
c. 受注実績
当社グループは、受注生産活動をしておりませんので記載しておりません。
d. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
| LCM事業 | 2,029,601 | 15.8 |
| リマーケティング事業 | 1,776,811 | △30.6 |
| コミュニケーション・デバイス事業 | 363,747 | 260.2 |
| その他事業 | 6,928 | △58.0 |
| 合計 | 4,177,089 | △5.7 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 コミュニケーション・デバイス事業の販売実績は、生産委託品等の販売実績を示しております。
なお、当連結会計年度において販売高が著しく増加している要因は、「(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表」の「注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
この連結財務諸表の作成にあたりましては、当社グループ経営陣による会計方針の選択・適用、決算日における財政状態や経営成績に影響を与える見積りを必要といたします。当社グループ経営陣は、これらの見積りについては過去の実績や現状等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なることがあります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等
「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
b. キャッシュ・フローの分析
「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。