四半期報告書-第34期第1四半期(令和3年6月1日-令和3年8月31日)

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2021/10/15 15:00
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36項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
まず、当社事業の市場環境についてです。
ビジネス向け新品PC市場については、2021年上期実績(2021年1月~6月)は、世界的な半導体不足の影響、コロナ禍による投資抑制、Windows 10 更新需要の反動減等から、GIGAスクール需要を除く出荷台数は前年同期比△12%(※1)となりました。
(※1)出典:MM総研
2021年下期(2021年7月~12月)以降は、国内法人の投資回復は見込まれますが、半導体不足の影響は続くと想定しております。
2022年以降は、前半は半導体不足の影響は残るものの、2017年頃からWindows 10 対応で導入された多くのPCが更新時期を迎え、再び拡大基調となる見込みです。
2023年以降は、Windows 11 への入れ替え需要が顕在化しはじめ出荷台数の増加が鮮明になると想定されます。
出荷台数の予測は以上のとおりですが、求められるPC等は、コロナ前と比べて大きく変化しており、ITサブスクリプションの事業機会となっています。具体的には、ハイブリッドワークのための高機能デバイスへのシフト、アプリケーション・クラウド基盤の整備、セキュリティ対策、Windows 11 対応等です。
IT機器サブスクリプションの市場については、ビジネス向け新品PCの出荷台数は前述の通り変動が予想されますが、法人の調達手段としてのサブスクリプションは安定的に成長し、「所有」から「サービス利用」が拡大すると想定しています。理由は以下の通りです。
(a)潜在市場の大きさ
国内法人等が所有するPC約3,600万台のうち、サブスクリプションでの利用台数は未だ10%弱と想定され、検討する法人の割合も増加しており、成長が期待できる大きな潜在市場が存在しております。
(b)情報システム部門の負担軽減の必要性
デジタル化やセキュリティ脅威等で情報システム部門の業務量が増大する中、既存業務の負担軽減となるサブスクリプションのニーズは拡大しています。主な調達手段であった購入やリースは、新規導入時には機器設定やデリバリー、運用時には故障対応・代替品保管・出荷前のPC再設定、使用後のデータ消去等をすべて自社で行わなければなりませんが、IT機器のサブスクリプションではサービスに含まれるためです。
(c)求められるPCの変化と、新品PCの平均単価の上昇
生産性重視、ハイブリッドワーク等の整備、デジタル対応の必要性等から、PCに対するニーズが大きく変化し単価が上昇していることもサブスクリプションの拡大要因のひとつです。新規導入に際しては、事務用端末でもノートPCが圧倒的となり、さらに付加価値の高いノートPC(※2)への需要も拡大して単価上昇の一因となっております。さらに、Windows 11 によりこの傾向は加速することが想定されます。そして、付加価値の高いノートPCは入れ替えサイクルが比較的短いため、コスト平準化と情シス業務負荷の軽減ができるサブスクリプションを利用する動きが拡大しています。
また、デスクトップ仮想化等の技術を利用したデータレスPCにおいても、高い処理能力・操作性・付加価値が求められております。
(※2)付加価値の高いノートPCの例
オンライン商談・会議に適した高解像度カメラ・マイク・スピーカーを搭載、高速ストレージ・起動や処理が速い、薄型軽量、高い操作性。
(d)会社資産を増やさず利用できる(オフバランス)
経営の先行き不透明感やリスク管理の重要性から、会社の資産を増やさず利用でき、コスト平準化ができることもサブスクリプションのニーズ拡大の一因となっております。
以上の4点以外に、短期的には、半導体不足によるPC納期遅延も、サブスクリプションの拡大要因となります。(当社は、対応可能な在庫は順調に確保しております)
ITサービス市場(運用保守、IT環境構築、クラウド)については、コロナ禍を契機に、デジタル化はますます必須となり、IT環境整備、セキュリティ脅威への対策、データの共有・活用の重要性が飛躍的に拡大し、それを実現するクラウドの利用(※3)が一層進むと想定しております。
(※3)クラウド市場について
2020年~2025年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は19.4%で推移し、2025年の市場規模は2020年比2.4倍の2兆5,866億円になると予測されています。
(出典:IDC Japan 2021年4月8日付「国内パブリッククラウドサービス市場予測」)
また、少子化やデジタル化の必要性等から、IT人材不足はさらに深刻化し、当社のサービス分野であるPC等の運用保守サービス等、情報システム部門の負担軽減につながるITサービスへのニーズも拡大すると想定しております。
次に、ITAD市場(使用済みIT機器の回収・データ消去、リユース・リサイクル販売)についてです。まず、使用済みIT機器の排出・データ消去市場の排出については、コロナ禍の影響、GIGAスクールを除いた法人向け新品PC出荷台数が減少しており、回復は2022年以降と想定しています。使用済みIT機器の排出台数は減少しております。一方、データ消去は、企業や官公庁などの情報漏えい対策への取り組み強化による需要は引き続き拡大が予想されます。また、データレスPCにおいても、ファームウェアやアプリケーション等何らかのデータが残存しているケースがあるため、データ消去サービスのニーズは高く、今後もこの傾向は続くと想定しております。
IT機器のリユース・リサイクル市場については、使用済みIT機器の排出台数の減少によりリユース・リサイクルPCが品薄となり、今期に入って相場価格が高止まり傾向となっております。しかしながら、元来、高い価値のリユース品は安定した国内流通市場が存在しますが、低い価値のリサイクル品については、バーゼル条約の規制強化等により電子ゴミと呼ばれる使用済みの電子機器類の輸出入規制が厳格運用されるとともに、世界的な廃プラ問題により、リサイクルを目的とするプラスチックの海外流通も難しい状況となっております。この結果、近い将来、使用済みIT機器のリサイクル品は国内での適正処理に転換していく必要性が非常に高いものと想定しております。
なお、当社は、以前から、データ消去サービスを強化するとともに、リサイクル品については、販売先に対し、厳格な事前審査や定期監査を行う等により適正処理を推進しております。
コミュニケーション・デバイス事業のガイドレシーバー市場(イヤホンガイド®の販売・レンタル・保守メンテナンス)については、ガイドレシーバーの主な顧客は観光業界のため、コロナ禍の甚大な影響を受けております。特に当期の第1四半期は変異株による急激な感染者数増加と緊急事態宣言の適用拡大により、大きな影響を受けました。一方、足元では、9月末の緊急事態宣言解除により、10月はイヤホンガイド®受注が急回復の見込みです。
さらに、政府において観光への継続的な支援を重点課題としてワクチン接種・検査パッケージの検証や Go Toトラベル事業再開の検討が進んでいます。これに先駆けて、大手旅行代理店ではワクチン・検査パッケージ導入ツアーが販売開始されるなど、観光需要の回復に向けた動きが顕著となっており、状況は改善に向かうと考えております。
2022年5月期は、持続的成長の基盤を作る期間と位置づけ、中長期視点に基づき積極投資を行う方針としております。
第1四半期業績については、ストック収益(※4)はコロナ禍拡大にも関わらずサブスクリプションの受注は好調であり増収となりましたが、フロー収益(※5)は、感染力の強い変異株による感染者数の急増と緊急事態宣言の適用拡大により、期初の想定を超える影響を受けました。
成長への戦略投資(※6)は、コスト先行となりますが、前述の事業環境にかかわらず逡巡なく実施し、サブスクリプション資産の先行取得、IT人材拡充、DX化が進展いたしました。この結果、前年比では増収・減益となりました。
(※4)ストック収益・・・ITサブスクリプション事業(一部フロー含む)
(※5)フロー収益 ・・・ITAD事業、コミュニケーション・デバイス事業
(※6)戦略投資
サブスクリプション資産の先行取得(減価償却費が売上に先行)、人材確保(採用経費・人件費増)、DX(基幹システム、情報系システム等への投資)、セキュリティ投資(テクニカルセンター設備、ITインフラ等)
この結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高1,228,885千円(前年同四半期比5.5%増)、営業利益100,419千円(前年同四半期比33.1%減)、経常利益97,856千円(前年同四半期比35.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益58,765千円(前年同四半期比41.8%減)となりました。
セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。
ストック収益が大部分を占めるITサブスクリプション事業は、最重要施策と位置付け、積極投資を行っております。
当第1四半期は、感染者急増の影響は限定的で、受注は好調に推移いたしました。また、コスト先行となる戦略投資も、中長期視点を重視し積極的に実施いたしました。具体的には、サブスクリプション資産への投資拡大(減価償却費が売上に先行して増加、※7)、IT人材の拡充(採用経費・人件費増加)、基幹システムや生産性向上のDX投資であり、前期と比べて相当なコスト先行となりましたが、規模拡大に不可欠かつ将来収益の蓋然性が高い投資でであります。この結果、前年同期比では増収・減益となりました。
(※7)貸借対照表上のサブスクリプション資産(勘定科目はレンタル資産、減価償却前)は、前期末残と比べ当第1四半期に8億円増加
(前期の第1四半期末47億円・前期末52億円に対し、当第1四半期末は60億円)
なお、新品PCは半導体不足を背景とした世界的な供給難の状態にあります。当社は、個別案件によっては納期遅延も発生していますが、サブスクリプション用の新品PC在庫は積極的かつ順調に確保しており(前述の※7)、規模拡大に対応できる体制は整えております。
この結果、売上高786,415千円(前年同四半期比13.7%増)、セグメント利益105,261千円(前年同四半期比13.6%減)となりました。
前述の新品PC出荷台数の減少に加え、変異株による感染者急増・緊急事態宣言の適用拡大の影響から、企業や官公庁などで使用済みIT機器の排出の動きが鈍化し、当社の回収台数も前期比で減少いたしました。
売上高は、薄利ながら纏まった台数の入札案件の受注などもあり、わずかに増収となりました。一方、セグメント利益は減益となりましたが、回収台数の減少率に比べて減益率は最小限にとどまっており、DX等による収益性向上の効果は前期比でさらに向上したと評価しております。
この結果、売上高434,478千円(前年同四半期比1.0%増)、セグメント利益136,896千円(前年同四半期比2.1%減)となりました。
<コミュニケーション・デバイス事業>第1四半期は、感染者急増により観光業界は甚大な影響を受け、極めて厳しい状況が続きましたが、2020年5月14日に日本旅行業協会が発表した「旅行業における新型コロナウイルスガイドライン(第1版)」で、団体旅行での三密を避ける施策として「ガイドレシーバーを利用したガイディング等を行うこと」との推奨がされた結果、旅行代理店や観光名所からのイヤホンガイド®への問い合わせは続いております。
この結果、売上高8,480千円(前年同四半期比80.1%減)、セグメント損失22,716千円(前年同四半期は、セグメント利益875千円)となりました。
(2) 財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、5,093,306千円(前連結会計年度末比698,605千円減)となりました。
この内、流動資産は1,147,128千円(前連結会計年度末比1,209,736千円減)となり、主に売掛金が34,143千円、商品が34,982千円それぞれ増加し、現金及び預金が1,267,339千円減少したことによります。
固定資産は3,946,178千円(前連結会計年度末比511,131千円増)となり、主にサブスクリプション資産(勘定科目はレンタル資産(純額))が541,422千円増加し、のれんが10,315千円減少したことによります。
負債は2,759,821千円(前連結会計年度末比606,171千円減)となりました。
この内、流動負債は1,580,474千円(前連結会計年度末比412,348千円減)となり、主に1年内返済予定の長期借入金が60,380千円、未払法人税等が240,549千円、賞与引当金が52,345千円がそれぞれ減少したことによります。
固定負債は1,179,347千円(前連結会計年度末比193,822千円減)となり、主に長期借入金が196,487千円減少したことによります。
純資産は2,333,485千円(前連結会計年度末比92,433千円減)となり、主に親会社株主に帰属する四半期純利益58,765千円の計上による増加と剰余金の配当151,135千円による減少であります。
また、当第1四半期連結会計期間末における自己資本比率は45.8%(前連結会計年度末は41.9%)で、1株当たり純資産額は463円00銭(前連結会計年度末は481円34銭)であります。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。
(5) 研究開発活動
該当事項はありません。

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