四半期報告書-第32期第3四半期(令和1年12月1日-令和2年2月29日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、雇用情勢や所得環境の改善が続き、緩やかな回復基調となりましたが、米中貿易摩擦の影響等による海外情勢の不確実性や、新型コロナウイルス感染拡大による経済活動の停滞等により、先行きが非常に不透明な状況となっております。
国内の2019年1月から12月のビジネス向け新品パソコン出荷台数は、前年同期比でプラス52.6%(※1)となり、2020年1月のWindows 7サポート終了に対応した入れ替えが進みました。また、「所有から利用へ」の流れが加速し、Windows 10 への入れ替えを機にサブスクリプション方式(※5※6)(3~5年の故障対応付き中長期レンタル)での調達を検討する企業が増加いたしました。
(※1)出典:MM総研
また、ITサービス市場においては、今後、労働力人口の減少を背景とした働き方改革・生産性向上に資するIT投資は高い成長が見込まれる一方(※2)、これを担うべきIT技術者の不足感は強く、需給ギャップは今後さらに拡大すると予想されております(※3)。
(※2)出典:IDC Japan (※3)出典:経済産業省
さらに、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、法人等でのテレワークや大学等教育機関での遠隔教育の需要により、テレワーク用PCやモバイル機器、関連アプリケーションのニーズが急拡大しております。
次に、使用済みIT機器の排出市場です。企業でWindows 10 への入れ替えが進み、使用済みIT機器の排出台数は回復傾向にあります。しかしながら、バーゼル条約の規制強化等によりリサイクル品等の輸出禁止が厳格運用され、特に、世界的な廃プラ問題や中国等の廃プラ輸入禁止により、プラスチックを多く含むIT機器の海外輸出が難しい状況となっております。この流れを受け、使用済み機器全般を有価物として売買する既存事業者のビジネスモデルは存続が難しくなり、近い将来、国内リサイクルを基本とする適正処理へ転換する必要性が高いと想定しております(当社は、これまでもリサイクル品については、当社の監査基準を満たす国内リサイクル企業との取引による適正処理を推進しております。)。
一方、2019年12月、他社で発生したハードディスク転売事件を契機として、法人・官公庁・自治体等で使用済み機器の処理方法を再考する機運が急速に高まり、委託事業者の選別やデータ消去方法の見直し、データ消去証明書発行依頼が急増しております。
このような事業環境の変化に対応するため、2019年5月期を初年度とする中期経営計画「SHIFT 2021」に基づき、収益の変動が大きなフロー中心から、持続的成長が可能なストック中心の収益・事業構造へ転換を引き続き進めております。具体的には、使用済みIT機器のリユース販売(フロー収益)に依拠していた収益構造を見直し、ITサブスクリプション(PC中長期レンタル、ITサービス、通信、クラウドソリューション等)等により、新規導入、運用管理、データ消去・適正処理までのライフサイクル全般をワンストップで支援するLCMサービス(※4)(ストック中心の収益)を中心とする事業構造への転換であります。
なお、当第3四半期連結会計期間より組織と経営管理区分の変更を行ったことに伴い、事業セグメントの変更をしております。また、今後、PCレンタルは、「PCサブスクリプション」と呼称いたします。理由は、株主・投資家の皆様から、レンタルという言葉のイメージと実際の契約実態が異なりわかりづらいとのご指摘を受けたことによります。具体的には、当社のIT機器レンタルは、法人等が業務で使用する基幹PCを、故障対応サービスを付加した3~5年の中長期(サブスクリプション)でご利用いただく契約形態が大部分を占めるため、自動車やスーツケース等の一般的な短期レンタルとは異なります。中長期以外に短期契約も一部ありますが、すべて数か月~1年契約であり、これも一般的なレンタルとは異なります。これが、「PCサブスクリプション」の呼称とさせていただいた理由となります。
変更後の事業セグメントは以下の通りです。
≪ 第2四半期まで ≫ ≪ 第3四半期から ≫

(※4)LCM
ライフサイクルマネジメント
IT機器の導入、運用・管理、使用後のデータ消去・適正処理を管理する仕組み
(※5)サブスクリプション
製品やサービスを購入するのではなく、利用期間や利用量に応じて月額や年額等で代金を支払う方式。
利用者(顧客)は高額な初期費用の負担が軽減され、サービス提供者は利用者(顧客)との継続的な関係構築、持続的な収益確保(ストック収益)が可能となります。
(※6)PCサブスクリプション
法人・官公庁等が業務で使用する基幹PCを、故障対応サービスを付加した3~5年の中長期(サブスクリプション)で利用いただく契約が大部分を占め、一部は数か月~1年程度のPC・Wi-Fi等のIT機器レンタルとなります。
(※7)ITサブスクリプション事業
サブスクリプション型サービスの売上が大部分を占めるため、ITサブスクリプション事業と呼称いたします。
(※8)ITAD
IT Asset Dispositionの略、情報機器資産の適正処分の意味。
情報セキュリティ上安全、かつ適法(環境法、国際条約、資源有効利用等)な処分は、コンプライアンス・ガバナンスにおいて経営上の重要事項と位置付けられ、欧米で一般化しています。
(※9)ITAD事業
欧米と同様に、セキュアな回収、データ消去、リユース・リサイクル販売といった一連の適正処理をサービスとしています。
以下、事業セグメントに基づきご説明いたします。
中期経営計画の目的であるストック中心への収益構造改革に向けて、ITサブスクリプション事業への選択と集中、戦略的投資をさらに進めました。
ITサブスクリプション事業については、Windows 10 への入れ替え需要やIT人材不足の深刻化等から、PCサブスクリプション、保守・運用・クラウド等のITサービスのいずれも受注が拡大いたしました。また、ITAD事業においては、使用済みIT機器の回収・データ消去サービスについて、Windows 10 への入れ替えに伴う排出増、当社セキュリティレベルへの顧客評価等により、好調に推移いたしました。さらに、2019年12月の他社でのハードディスク転売事件を契機として、当第3四半期連結累計期間のデータ消去・証明書発行サービス受注台数は前年同四半期比で2倍超となりました。
コスト面では、中期経営計画に基づき、ITサブスクリプション事業の強化に向けたITエンジニア拡充、レンタル資産、セキュリティ強化への設備投資、基幹システム等について、計画を上回る積極投資を行いました。レンタル資産については調達からお客様への提供までのタイムラグによる減価償却費の先行が継続的に発生いたしましたが、増加コストは収益拡大でカバーいたしました。
以上の諸施策により、最重要課題であるITサブスクリプション事業(ストック中心)は増収・増益となり、受注契約残高(将来収益のストック)も大幅に拡大いたしました。また、ITAD事業は、好調な受注により回収・データ消去売上高は拡大いたしましたが、2019年5月のEC事業売却等の影響により事業セグメントでは減収となりました。しかしながら、生産性向上等の諸施策の効果から、収益性は向上いたしました。一方、コミュニケーション・デバイス事業についても、観光需要の拡大や観光以外の用途開発の効果等から増収・増益となりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高3,390,057千円(前年同四半期比14.3%増)、営業利益326,216千円(前年同四半期比78.8%増)、経常利益323,041千円(前年同四半期比80.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益224,331千円(前年同四半期比118.9%増)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
なお、当第3四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較につきましては、前年同期の数値を変更後のセグメントの区分により作成した数値で比較しております。「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
①ITサブスクリプション事業
PCをはじめとするIT機器の導入、保守・運用管理等のITサービスが該当します。
具体的には、PCサブスクリプション(新品PCの中長期レンタル)、ITサービス(運用・管理、クラウドソリューション、通信、セキュリティ、ネットワークインフラ構築等)を提供しています。
このITサブスクリプション事業は、「SHIFT 2021」の最重要施策と位置付け、積極投資を行っております。
2020年1月のWindows 7サポート終了により、ビジネス向け市場でWindows 10 への入れ替えが進みました。また、働き方改革や人材確保難等の社会・経済情勢、通信・ネットワーク等の技術進化を背景としたテレワーク拡大の動きや、日進月歩で進化するIT技術、増大するセキュリティ脅威への対応等により、企業の情報システム部門が担うべき運用管理業務はさらに複雑化・高度化する一方、IT人材不足はますます深刻化しております。このような市場変化をキャッチアップし、情報システム部門の課題解決や負担の軽減に対応するべく、IT機器の導入については、サブスクリプション(中長期レンタル)、運用・保守等の役務系ITサービス、通信サービスに加え、子会社であるテクノアライアンス社との協業によるクラウドサービスの積極的な提案営業を実施するとともに、サブスクリプション型の推進により、受注高・売上高ともに拡大いたしました。
また、新型コロナウイルス感染拡大の影響から、イベントや研修等の短期レンタル需要が減少いたしましたが、テレワーク需要が高まり、ノートPC、通信SIM、Wi-Fi等のPCサブスクリプション及び数か月~1年のレンタルが急拡大いたしました。
一方、コスト面では、IT人材の積極採用、社内人材のITサブスクリプション事業への再配置によるさらなる増員、生産性向上とセキュリティ強化に資する設備投資、レンタル資産の積極取得等、計画を上回る投資を行いました。
レンタル開始に先行して取得したレンタル資産の減価償却費(原価)が一時的に増加いたしましたが、ITサービスの拡大が寄与し、戦略投資のコストもカバーした結果、全体の収益性も向上いたしました。
この結果、将来収益のストック及び四半期業績とも好調に推移し、売上高1,598,899千円(前年同四半期比42.7%増)、セグメント利益206,914千円(前年同四半期比43.5%増)となりました。
②ITAD事業
PCをはじめとするIT機器の、使用後の適正処理サービスが該当します。具体的には、使用済みIT機器のセキュアな引取回収、データ消去及び証明書発行サービス、リユース・リサイクル販売となります。リユース・リサイクル販売については、主に回収後データ消去を行った使用済み機器を、高価値品はテクニカルセンターで製品化し、リユース品として販売しております。また、再利用困難な機器については分解して素材化し、当社の監査基準を満たすリサイクル業者へ販売することで企業等の廃棄物削減と適正処理を推進しております。
使用済みIT機器の引取回収・データ消去は、Windows 10 への入れ替え拡大に伴う排出増、収益性重視での案件受注、当社の高いセキュリティレベルに対する顧客評価、継続した生産性向上策等に加え、2019年12月のハードディスク転売事件を契機としたデータ消去依頼の急増により、売上高・利益とも増加いたしました。リユース・リサイクル販売については、前述の中古品販売価格の下落、及び2019年5月末のEC事業譲渡等により、売上高は前年比で減少いたしましたが、テクニカルセンターの生産性及び在庫回転率の向上などの諸施策の効果により、利益率は向上いたしました。また、当社販売先の定期監査・選別を強化し、バーゼル条約や世界的な環境問題に対応した適正処理をさらに推進しました。
この結果、売上高1,507,535千円(前年同四半期比7.4%減)、セグメント利益363,523千円(前年同四半期比22.4%増)となりました。
③コミュニケーション・デバイス事業
2017年12月に完全子会社化した株式会社ケンネットが該当します。株式会社ケンネットは、観光業界を中心にイヤホンガイド®(※10)の製造販売・保守サービスを展開しております。国際的な観光需要の高まりにより、旅行関連の市場は活況を見せています。この需要を取り込むべく、継続的なPR活動や利用者の口コミによるマーケティングにより、販売及びレンタル数量が拡大いたしました。
(※10)イヤホンガイド®
送信機と複数の受信機からなる、手のひらサイズの音声ガイド用機器。観光地ガイドを中心に、国際会議での通訳、騒音の多い工場見学、大きな声を出せない美術館や博物館等、各種ガイド用途で利用されており、旅行関連市場では株式会社ケンネットが90%以上の国内シェアを有しております。
この結果、売上高287,321千円(前年同四半期比25.1%増)、セグメント利益74,944千円(前年同四半期比222.6%増)となりました。
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、3,996,014千円(前連結会計年度末比493,117千円増)となりました。
この内、流動資産は1,213,068千円(前連結会計年度末比77,575千円減)となり、主に売掛金が64,723千円増加し、現金及び預金が115,837千円減少したことによります。
固定資産は2,782,945千円(前連結会計年度末比570,692千円増)となり、主にレンタル資産(純額)が599,761千円増加し、のれんが30,947千円減少したことによります。
負債は2,020,811千円(前連結会計年度末比496,036千円増)となりました。この内、流動負債は1,178,435千円(前連結会計年度末比141,034千円増)となり、主に短期借入金が350,000千円増加し、1年内返済予定の長期借入金が85,126千円、未払法人税等が56,594千円それぞれ減少したことによります。
固定負債は842,375千円(前連結会計年度末比355,002千円増)となり、主に長期借入金が360,536千円増加したことによります。
純資産は1,975,203千円(前連結会計年度末比2,919千円減)となり、主に親会社株主に帰属する四半期純利益224,331千円の計上による増加と剰余金の配当108,670千円、自己株式の取得118,580千円による減少であります。
また、当第3四半期連結会計期間末における自己資本比率は49.4%(前連結会計年度末は56.4%)で、1株当たり純資産額は391円86銭(前連結会計年度末は382円06銭)であります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。