四半期報告書-第35期第1四半期(令和4年6月1日-令和4年8月31日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
2023年から始まる大きな成長機会を踏まえて、当期は、前期に引き続きサービス提供インフラの先行整備のため、積極投資を行う方針としております。
業績面では、ストック収益(※1)は順調に拡大しましたが、フロー収益(※2)は、オミクロン株による影響等を受け、この環境下でも先行投資を拡大した結果、増収・減益となりました。
(※1)ストック収益:ITサブスクリプション事業(一部フロー含む)
(※2)フロー収益 :ITAD事業、コミュニケーション・デバイス事業
積極投資を拡大しているのは、2023年度以降に大きな成長機会が存在しており、現在の投資が今後の成長ペースを決定すると判断していることによります。戦略方針と投資の概要は以下の通りです。
半導体不足の影響やウクライナ問題・インフレ進行による世界経済の減速懸念はあるものの、ビジネス向け新規PC出荷台数は、2023年から拡大期に入ると予想されています(※3)。その背景は、2017~19年にWindows 10 対応で大量導入されたPCが更新時期を迎えること、Windows 11 対応が本格化すること等です。
(※3)出典:MM総研
これは、ITサブスクリプション事業、ITAD事業ともに重要な成長機会です。
以下、セグメント別に説明します。
次の4点から、ITサブスクリプション事業の成長性は高いと判断し、積極投資を行っております。
(a)2023年からIT機器サブスクリプションの成長ペースが加速する可能性
DXやセキュリティ脅威への対応等で情報システム部門の業務は増加の一途であり、自社でIT機器導入時の作業・管理が必要な購入やリースから、それら業務負荷の軽減が可能なサブスクリプションへの切り替えが着実に増加しています。
2023年からPC更新拡大期に入ると、情報システム部門の業務負荷はさらに拡大するとともに、PC更新のタイミングはサブスクリプションの新規採用を検討する機会でもあるため、その利用が進む可能性が高いと想定しています。
2023~25年の3年間で、国内法人の保有PC約3,600万台の7割以上に相当する約2,800万台が更新または新規導入となると予想されており、2025年には、サブスクリプションを利用する法人数・PC台数が現在の2倍以上(※4)に達する可能性が想定され、高い成長を見込んでおります。
また、高機能化と為替要因等によりPC価格が上昇傾向にありますが、これも購入に比べてコスト平準化が可能なサブスクリプション拡大の一因となると想定しています。
(※4)当社推計:
国内の法人保有PC約3,600万台に対し、サブスクリプション利用は現在300万台強(利用率約9%)だが、サブスクリプション利用が進み、2025年には700万台超(同20%以上)に到達すると推計。
(b)IT機器サブスクリプションと、運用保守・クラウド等ITサービスとの相乗効果
IT機器サブスクリプションの採用拡大は、ITサービス・LCMサービスにも波及しており、その商談・受注が増加しています。また、クラウド市場やITインフラ関連市場も当然ながら成長市場であり、IT機器サブスクリプションとの親和性も高く、同様に商談・受注が増加しています。さらに、クラウドPCやChrome OS、ウェアラブル等の多様な技術への対応も事業機会です。
このように、ITサービスの提供は、ITサブスクリプション顧客との取引拡大、離脱防止につながり、当事業の規模拡大に大きく寄与します。
(c)規模の利益が効く事業特性
ITサブスクリプション事業は「規模の利益が効く」事業特性を有します。事業規模の拡大により、サブスクリプション資産(勘定科目はレンタル資産)の調達力、販管費効率、設備投資やDXの投資対効果も拡大し収益性が向上します。また、ストック収益中心であるため、外部環境の影響を受けにくい収益構造への転換をさらに進めることが可能となります。
(d)IT機器サブスクリプリョン終了後は優良なリユース商材に
IT機器サブスクリプションの終了品は使用年数が比較的短く(平均4年)、高スペック品が多いため、再販価値の高いリユース品となります。国内で売買される高スペックのリユースPCは、新品PCのようにOSのサポート終了や景気動向に左右されず、長期にわたり安定した売り手市場を形成しております。
IT機器サブスクリプションの事業拡大により、再販価値の高いサブスクリプション終了品が増加し、将来収益に貢献することとなります。
なお、サブスクリプション終了品も、ITADでの回収品と同様に、業界最高のセキュリティを有するテクニカルセンターにて、当社独自の2つのシステム「データ消去管理システム『Secure Trace』」、「再生PC用OS自動インストールシステム『MARgic(マージック)』」により、高い生産効率で高品質のリユースPCを生産いたします。
以上がITサブスクリプション事業に積極投資を行っている理由であり、その投資内容は、サブスクリプション資産(勘定科目はレンタル資産)の先行取得、IT人材の積極採用・育成、業務デジタル化やCRMシステム(※5)等への投資、並びにテクニカルセンター等の設備投資です。
(※5)CRMシステム:
Customer Relationship Managementの略。顧客情報を一元管理し、関係強化のための最適な対応を図る仕組み。サブスクリプション型ビジネスでは特に重要性が高い。
次に、ITAD事業の成長機会と投資についてです。外部環境の影響を受けにくいITサブスクリプション事業と比較して、ITAD事業はWindows OS 更新に伴う新規PC出荷台数の変動や近年ではコロナ禍など、外部環境の影響を受けやすい構造にあります。当第1四半期には、使用済み・排出IT機器の大部分を占める低スペック品について、その大口受け入れ先である中国のロックダウンにより日本国内でも在庫が滞留し市場価格が下落したことから、輸出を行っていない当社の業績も影響を受ける状況となっております。
2023年からは新規PC出荷台数が拡大期に入り使用済みIT機器の回収・データ消去等のニーズも増加する見込みであり、これを機にサービスの更なる拡大を図り外部環境の影響を受けにくい収益構造へ転換することを重要課題とし、次の3点に取組んでおります。
まずは、全国のテクニカルセンターの設備強化とDXによる生産性向上・効率化です。2021年11月に名古屋テクニカルセンターを移転し生産能力を増強しましたが、他エリアのセンター・支店についても生産性を高めるとともに、業務のDXをさらに進め、効率化とサービス力強化を図っていく予定です。
次に、IT機器専門ネットオークションのさらなる強化です。現在は当社が顧客から回収した使用済み機器の一部を対象にしていますが、今後増加するサブスクリプション終了後の機器の出品拡大、及び出品代行サービスの新たな提供を行います。これにより利用顧客並びに出品台数を増加させるとともに健全なオークション市場の形成、プラットフォーム化を図る方針です。
さらに、SDGs支援サービスの強化です。当社のテクニカルセンターは、従来から使用済みIT機器を100%まで国内リユース・リサイクルすることでゼロエミッションの実現を目指し、脱CO2・廃プラ等の環境課題、電子ごみの不正輸出抑止等に大きく寄与してきました。今後は、当社ITADサービスを利用いただく多数の法人へ、CO2の削減効果等を数値化した報告書を提供するなどSDGsへの取組みを支援しております。
コミュニケーション・デバイス事業(イヤホンガイド®の販売・レンタル・保守メンテナンス)については、イヤホンガイド®は、旅行業界で圧倒的シェアを有していますが、コロナ禍で主力の海外旅行市場が甚大な影響を受けており、本格的な回復には至っておりません。
一方、コロナ禍以前には限定的だった国内旅行市場については、新規顧客開拓と利用拡大が進んでおり「withコロナの支援ツール」としてイヤホンガイド®を高く評価していただいております。また、2022年10月から始まった観光支援策は、旅行需要回復の追い風となる大きな事業機会として見込んでおります。
第1四半期業績については、最も重要な経営課題であるストック収益は順調に拡大いたしました。一方、前期に大きく影響を受けたオミクロン株の感染再拡大等もあり、フロー収益であるITAD事業は本格的な回復に至りませんでした。このような事業環境下でも、戦略投資(※6)を前期より拡大いたしました。この結果、前年比では増収・減益となりました。
(※6)戦略投資:
サブスクリプション資産(勘定科目はレンタル資産)の取得、人材育成・拡充(採用経費・人的資本投資)、DX(基幹システム、情報系システム等)、セキュリティ・生産性向上(テクニカルセンター設備、ITインフラ等)
この結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高1,554,142千円(前年同四半期比26.5%増)、営業利益64,102千円(前年同四半期比36.2%減)、経常利益63,729千円(前年同四半期比34.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益38,111千円(前年同四半期比35.1%減)となりました。
セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。
当第1四半期は、前期の好調な受注が売上高に順次計上された結果、サブスクリプション売上高が拡大いたしました。また、当期からサブスクリプション終了品が増加するとともに、一部在庫を売却してサブスクリプション資産(勘定科目はレンタル資産)の世代交代と効率化を図った結果、売上高は40%を超える増収となりました。
コスト面では、2023年以降の重要な成長機会に向けて投資を行い先行コストは増加いたしました。具体的にはサブスクリプション資産の継続取得、東京テクニカルセンターへの設備投資、IT人材の積極採用、デジタル化投資等です。また、当第1四半期からサブスクリプション資産の耐用年数を変更いたしました。これは、新基幹システム稼働により分析能力が向上し、長期サブスクリプションの拡大による経済的使用可能期間が長期化傾向にあることが確認されたことによります。
今後については、国内の新品PC出荷台数は前期比で大幅減少している中でも、サブスクリプション商談・受注は好調であり、第2四半期以降も拡大すると想定しております。また、投資については前述の成長機会に向けたサービス提供インフラの整備を引き続き行うためコストの先行が続くと想定しております。
新品PCの市場は、半導体不足を背景とした世界的な供給難は解消傾向にあり、中国ロックダウンによるPC調達への影響も比較的軽微な状況です。また、昨今の為替状況に伴い、PC本体の価格は上昇傾向にありますが、サブスクリプション受注への影響は表れておりません。
この結果、売上高1,105,692千円(前年同四半期比40.6%増)、セグメント利益135,474千円(前年同四半期比28.7%増)となりました。
当第1四半期は、オミクロン株の感染再拡大、国内の新規PC出荷台数の減少の影響により、法人・官公庁からの使用済みPCの排出は本格回復には至らず、入荷台数は前年同四半期比で減少いたしました。また、大部分を占める低スペック品について、その大口受け入れ先である中国のロックダウンの影響で日本国内の在庫が滞留し、国内の市場価格も下落いたしました。
一方、高スペック品である当社サブスクリプション終了品が今期から増加し、国内用の優良リユース品として当社オークション中心に販売を行い増収となりましたが、売上高に占める割合は未だ限定的であり、価格下落の影響が大きく前年同四半期比で減益となりました。
尚、現状では入荷台数の本格的な回復は下期以降と予想しておりますが、これは、国内の新規PC導入及び使用済み機器の排出が、2023年には活発化するとの見込みによるものです。
この結果、売上高459,642千円(前年同四半期比5.8%増)、セグメント利益98,026千円(前年同四半期比28.4%減)となりました。
<コミュニケーション・デバイス事業>当第1四半期は、オミクロン株の感染再拡大と閑散期が重なったものの、政府による行動制限もなく観光需要は回復傾向となりました。主力の海外旅行市場の回復が遅れる中、国内市場の新規開拓が進んだ結果、売上高は前年比で伸長し、セグメント損失も前年比で改善いたしました。
今後については、2022年10月11日から水際対策緩和と「全国旅行支援」「イベント割」が開始されたことを受け、需要がさらに活性化すると想定しております。日本旅行業協会の「旅行業における新型コロナウイルスガイドライン」では、引き続き感染症対策として「ガイドレシーバーを利用したガイディングを行うこと」を推奨しており、各方面からのイヤホンガイド®の問い合わせが続いております。
この結果、売上高35,695千円(前年同四半期比320.9%増)、セグメント損失8,185千円(前年同四半期は、セグメント損失22,716千円)となりました。
(2) 財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、6,544,576千円(前連結会計年度末比290,710千円減)となりました。
この内、流動資産は1,303,781千円(前連結会計年度末比431,955千円減)となり、主に売掛金が39,350千円、商品が33,721千円それぞれ増加し、現金及び預金が476,390千円減少したことによります。
固定資産は5,240,794千円(前連結会計年度末比141,244千円増)となり、主にサブスクリプション資産(勘定科目はレンタル資産(純額))が151,078千円増加し、のれんが10,315千円減少したことによります。
負債は4,154,011千円(前連結会計年度末比145,461千円減)となりました。
この内、流動負債は2,578,729千円(前連結会計年度末比213,334千円増)となり、主に短期借入金が500,000千円増加し、未払法人税等が29,830千円減少したことによります。
固定負債は1,575,281千円(前連結会計年度末比358,796千円減)となり、主に長期借入金が353,979千円減少したことによります。
純資産は2,390,564千円(前連結会計年度末比145,249千円減)となり、主に親会社株主に帰属する四半期純利益38,111千円の計上による増加と剰余金の配当183,360千円による減少であります。
また、当第1四半期連結会計期間末における自己資本比率は36.5%(前連結会計年度末は37.1%)で、1株当たり純資産額は469円18銭(前連結会計年度末は497円70銭)であります。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。
(5) 研究開発活動
該当事項はありません。
(1) 経営成績の状況
2023年から始まる大きな成長機会を踏まえて、当期は、前期に引き続きサービス提供インフラの先行整備のため、積極投資を行う方針としております。
業績面では、ストック収益(※1)は順調に拡大しましたが、フロー収益(※2)は、オミクロン株による影響等を受け、この環境下でも先行投資を拡大した結果、増収・減益となりました。
(※1)ストック収益:ITサブスクリプション事業(一部フロー含む)
(※2)フロー収益 :ITAD事業、コミュニケーション・デバイス事業
積極投資を拡大しているのは、2023年度以降に大きな成長機会が存在しており、現在の投資が今後の成長ペースを決定すると判断していることによります。戦略方針と投資の概要は以下の通りです。
半導体不足の影響やウクライナ問題・インフレ進行による世界経済の減速懸念はあるものの、ビジネス向け新規PC出荷台数は、2023年から拡大期に入ると予想されています(※3)。その背景は、2017~19年にWindows 10 対応で大量導入されたPCが更新時期を迎えること、Windows 11 対応が本格化すること等です。
(※3)出典:MM総研
これは、ITサブスクリプション事業、ITAD事業ともに重要な成長機会です。
以下、セグメント別に説明します。
次の4点から、ITサブスクリプション事業の成長性は高いと判断し、積極投資を行っております。
(a)2023年からIT機器サブスクリプションの成長ペースが加速する可能性
DXやセキュリティ脅威への対応等で情報システム部門の業務は増加の一途であり、自社でIT機器導入時の作業・管理が必要な購入やリースから、それら業務負荷の軽減が可能なサブスクリプションへの切り替えが着実に増加しています。
2023年からPC更新拡大期に入ると、情報システム部門の業務負荷はさらに拡大するとともに、PC更新のタイミングはサブスクリプションの新規採用を検討する機会でもあるため、その利用が進む可能性が高いと想定しています。
2023~25年の3年間で、国内法人の保有PC約3,600万台の7割以上に相当する約2,800万台が更新または新規導入となると予想されており、2025年には、サブスクリプションを利用する法人数・PC台数が現在の2倍以上(※4)に達する可能性が想定され、高い成長を見込んでおります。
また、高機能化と為替要因等によりPC価格が上昇傾向にありますが、これも購入に比べてコスト平準化が可能なサブスクリプション拡大の一因となると想定しています。
(※4)当社推計:
国内の法人保有PC約3,600万台に対し、サブスクリプション利用は現在300万台強(利用率約9%)だが、サブスクリプション利用が進み、2025年には700万台超(同20%以上)に到達すると推計。
(b)IT機器サブスクリプションと、運用保守・クラウド等ITサービスとの相乗効果
IT機器サブスクリプションの採用拡大は、ITサービス・LCMサービスにも波及しており、その商談・受注が増加しています。また、クラウド市場やITインフラ関連市場も当然ながら成長市場であり、IT機器サブスクリプションとの親和性も高く、同様に商談・受注が増加しています。さらに、クラウドPCやChrome OS、ウェアラブル等の多様な技術への対応も事業機会です。
このように、ITサービスの提供は、ITサブスクリプション顧客との取引拡大、離脱防止につながり、当事業の規模拡大に大きく寄与します。
(c)規模の利益が効く事業特性
ITサブスクリプション事業は「規模の利益が効く」事業特性を有します。事業規模の拡大により、サブスクリプション資産(勘定科目はレンタル資産)の調達力、販管費効率、設備投資やDXの投資対効果も拡大し収益性が向上します。また、ストック収益中心であるため、外部環境の影響を受けにくい収益構造への転換をさらに進めることが可能となります。
(d)IT機器サブスクリプリョン終了後は優良なリユース商材に
IT機器サブスクリプションの終了品は使用年数が比較的短く(平均4年)、高スペック品が多いため、再販価値の高いリユース品となります。国内で売買される高スペックのリユースPCは、新品PCのようにOSのサポート終了や景気動向に左右されず、長期にわたり安定した売り手市場を形成しております。
IT機器サブスクリプションの事業拡大により、再販価値の高いサブスクリプション終了品が増加し、将来収益に貢献することとなります。
なお、サブスクリプション終了品も、ITADでの回収品と同様に、業界最高のセキュリティを有するテクニカルセンターにて、当社独自の2つのシステム「データ消去管理システム『Secure Trace』」、「再生PC用OS自動インストールシステム『MARgic(マージック)』」により、高い生産効率で高品質のリユースPCを生産いたします。
以上がITサブスクリプション事業に積極投資を行っている理由であり、その投資内容は、サブスクリプション資産(勘定科目はレンタル資産)の先行取得、IT人材の積極採用・育成、業務デジタル化やCRMシステム(※5)等への投資、並びにテクニカルセンター等の設備投資です。
(※5)CRMシステム:
Customer Relationship Managementの略。顧客情報を一元管理し、関係強化のための最適な対応を図る仕組み。サブスクリプション型ビジネスでは特に重要性が高い。
次に、ITAD事業の成長機会と投資についてです。外部環境の影響を受けにくいITサブスクリプション事業と比較して、ITAD事業はWindows OS 更新に伴う新規PC出荷台数の変動や近年ではコロナ禍など、外部環境の影響を受けやすい構造にあります。当第1四半期には、使用済み・排出IT機器の大部分を占める低スペック品について、その大口受け入れ先である中国のロックダウンにより日本国内でも在庫が滞留し市場価格が下落したことから、輸出を行っていない当社の業績も影響を受ける状況となっております。
2023年からは新規PC出荷台数が拡大期に入り使用済みIT機器の回収・データ消去等のニーズも増加する見込みであり、これを機にサービスの更なる拡大を図り外部環境の影響を受けにくい収益構造へ転換することを重要課題とし、次の3点に取組んでおります。
まずは、全国のテクニカルセンターの設備強化とDXによる生産性向上・効率化です。2021年11月に名古屋テクニカルセンターを移転し生産能力を増強しましたが、他エリアのセンター・支店についても生産性を高めるとともに、業務のDXをさらに進め、効率化とサービス力強化を図っていく予定です。
次に、IT機器専門ネットオークションのさらなる強化です。現在は当社が顧客から回収した使用済み機器の一部を対象にしていますが、今後増加するサブスクリプション終了後の機器の出品拡大、及び出品代行サービスの新たな提供を行います。これにより利用顧客並びに出品台数を増加させるとともに健全なオークション市場の形成、プラットフォーム化を図る方針です。
さらに、SDGs支援サービスの強化です。当社のテクニカルセンターは、従来から使用済みIT機器を100%まで国内リユース・リサイクルすることでゼロエミッションの実現を目指し、脱CO2・廃プラ等の環境課題、電子ごみの不正輸出抑止等に大きく寄与してきました。今後は、当社ITADサービスを利用いただく多数の法人へ、CO2の削減効果等を数値化した報告書を提供するなどSDGsへの取組みを支援しております。
コミュニケーション・デバイス事業(イヤホンガイド®の販売・レンタル・保守メンテナンス)については、イヤホンガイド®は、旅行業界で圧倒的シェアを有していますが、コロナ禍で主力の海外旅行市場が甚大な影響を受けており、本格的な回復には至っておりません。
一方、コロナ禍以前には限定的だった国内旅行市場については、新規顧客開拓と利用拡大が進んでおり「withコロナの支援ツール」としてイヤホンガイド®を高く評価していただいております。また、2022年10月から始まった観光支援策は、旅行需要回復の追い風となる大きな事業機会として見込んでおります。
第1四半期業績については、最も重要な経営課題であるストック収益は順調に拡大いたしました。一方、前期に大きく影響を受けたオミクロン株の感染再拡大等もあり、フロー収益であるITAD事業は本格的な回復に至りませんでした。このような事業環境下でも、戦略投資(※6)を前期より拡大いたしました。この結果、前年比では増収・減益となりました。
(※6)戦略投資:
サブスクリプション資産(勘定科目はレンタル資産)の取得、人材育成・拡充(採用経費・人的資本投資)、DX(基幹システム、情報系システム等)、セキュリティ・生産性向上(テクニカルセンター設備、ITインフラ等)
この結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高1,554,142千円(前年同四半期比26.5%増)、営業利益64,102千円(前年同四半期比36.2%減)、経常利益63,729千円(前年同四半期比34.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益38,111千円(前年同四半期比35.1%減)となりました。
セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。
コスト面では、2023年以降の重要な成長機会に向けて投資を行い先行コストは増加いたしました。具体的にはサブスクリプション資産の継続取得、東京テクニカルセンターへの設備投資、IT人材の積極採用、デジタル化投資等です。また、当第1四半期からサブスクリプション資産の耐用年数を変更いたしました。これは、新基幹システム稼働により分析能力が向上し、長期サブスクリプションの拡大による経済的使用可能期間が長期化傾向にあることが確認されたことによります。
今後については、国内の新品PC出荷台数は前期比で大幅減少している中でも、サブスクリプション商談・受注は好調であり、第2四半期以降も拡大すると想定しております。また、投資については前述の成長機会に向けたサービス提供インフラの整備を引き続き行うためコストの先行が続くと想定しております。
新品PCの市場は、半導体不足を背景とした世界的な供給難は解消傾向にあり、中国ロックダウンによるPC調達への影響も比較的軽微な状況です。また、昨今の為替状況に伴い、PC本体の価格は上昇傾向にありますが、サブスクリプション受注への影響は表れておりません。
この結果、売上高1,105,692千円(前年同四半期比40.6%増)、セグメント利益135,474千円(前年同四半期比28.7%増)となりました。
一方、高スペック品である当社サブスクリプション終了品が今期から増加し、国内用の優良リユース品として当社オークション中心に販売を行い増収となりましたが、売上高に占める割合は未だ限定的であり、価格下落の影響が大きく前年同四半期比で減益となりました。
尚、現状では入荷台数の本格的な回復は下期以降と予想しておりますが、これは、国内の新規PC導入及び使用済み機器の排出が、2023年には活発化するとの見込みによるものです。
この結果、売上高459,642千円(前年同四半期比5.8%増)、セグメント利益98,026千円(前年同四半期比28.4%減)となりました。
<コミュニケーション・デバイス事業>当第1四半期は、オミクロン株の感染再拡大と閑散期が重なったものの、政府による行動制限もなく観光需要は回復傾向となりました。主力の海外旅行市場の回復が遅れる中、国内市場の新規開拓が進んだ結果、売上高は前年比で伸長し、セグメント損失も前年比で改善いたしました。
今後については、2022年10月11日から水際対策緩和と「全国旅行支援」「イベント割」が開始されたことを受け、需要がさらに活性化すると想定しております。日本旅行業協会の「旅行業における新型コロナウイルスガイドライン」では、引き続き感染症対策として「ガイドレシーバーを利用したガイディングを行うこと」を推奨しており、各方面からのイヤホンガイド®の問い合わせが続いております。
この結果、売上高35,695千円(前年同四半期比320.9%増)、セグメント損失8,185千円(前年同四半期は、セグメント損失22,716千円)となりました。
(2) 財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、6,544,576千円(前連結会計年度末比290,710千円減)となりました。
この内、流動資産は1,303,781千円(前連結会計年度末比431,955千円減)となり、主に売掛金が39,350千円、商品が33,721千円それぞれ増加し、現金及び預金が476,390千円減少したことによります。
固定資産は5,240,794千円(前連結会計年度末比141,244千円増)となり、主にサブスクリプション資産(勘定科目はレンタル資産(純額))が151,078千円増加し、のれんが10,315千円減少したことによります。
負債は4,154,011千円(前連結会計年度末比145,461千円減)となりました。
この内、流動負債は2,578,729千円(前連結会計年度末比213,334千円増)となり、主に短期借入金が500,000千円増加し、未払法人税等が29,830千円減少したことによります。
固定負債は1,575,281千円(前連結会計年度末比358,796千円減)となり、主に長期借入金が353,979千円減少したことによります。
純資産は2,390,564千円(前連結会計年度末比145,249千円減)となり、主に親会社株主に帰属する四半期純利益38,111千円の計上による増加と剰余金の配当183,360千円による減少であります。
また、当第1四半期連結会計期間末における自己資本比率は36.5%(前連結会計年度末は37.1%)で、1株当たり純資産額は469円18銭(前連結会計年度末は497円70銭)であります。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。
(5) 研究開発活動
該当事項はありません。