訂正有価証券報告書-第14期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、年度途中までは堅調な企業業績や雇用環境を背景に景気は底堅く推移しておりましたが、米中による通商問題や当年度終盤に発生した新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の世界的な感染拡大により、極めて不確実な状況が続いております。外食及び食品生産業界においては、消費税率引き上げや新型コロナウイルス感染拡大が与える影響から消費者心理の冷え込みが強まる中、原材料価格の上昇や物流コスト及び人件費の高騰など、引き続き厳しい経営環境が続いております。
このような環境の下で、当社グループは「食のバリューチェーンのグローバルリーディングカンパニー」を目指し、「既存ブランドの競争力強化と成長」、「ブランド・ポートフォリオの多様化」、「海外市場への進出」、「食品生産事業と六次産業化」の各課題へ積極的に取り組み、販売・流通・生産の3機能が相互に価値を発揮する事業ポートフォリオの構築に努めてまいりました。
その結果、当連結会計年度の業績につきましては、売上高は、前期子会社化したジャパン・フード&リカー・アライアンス株式会社(以下「JFLA」と言います。)が通期貢献したことや乳業各社の増収が主要因となり、80,871百万円(前年同期比25.7%増)となりました。営業利益は、販売事業及び流通事業において新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大に伴い減益となった一方で、乳業を中心とした生産事業において製品の価格改定による利益率の上昇及び余剰乳の受託加工事業が堅調に推移したことや、JFLAの通期貢献並びに海外事業において不採算事業の整理を進めたことなどが主要因となり、515百万円(前年同期比91.0%増)となりました。
経常利益は、前期と比較して持分法による投資損失454百万円や貸倒引当金265百万円の減少があった一方で、今期は貸倒引当金戻入額173百万円を計上したことなどにより、217百万円(前年同期は経常損失967百万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、焼肉業態牛角の事業譲渡益等5,596百万円及び負ののれん発生益302百万円を計上した一方で、新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の影響により今後の事業計画を保守的に見積もったため減損損失3,255百万円を計上したことや投資有価証券評価損583百万円を計上したことなどにより、1,689百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失2,931百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります
(販売事業)
当連結会計年度末の店舗数は830店舗(前年同期比18店舗の減少)となりました。内訳は、直営店211店舗(前年同期比14店舗の減少)、フランチャイズ店619店舗(前年同期比4店舗の減少)となります。国内事業における第3四半期までの業績は、全体としては前年並に推移しておりましたが、第4四半期においては、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大に伴う外出自粛や営業自粛の影響により、通期では減収減益となりました。なお、2020年3月の既存店売上高(直営店とフランチャイズ店合計)は、前年比75.9%となっております(参考:日本フードサービス協会発表の3月度外食産業市場動向調査(パブレストラン/居酒屋)前年比56.7%)。一方で、海外事業においては、不採算事業の整理を進めたこともあり、当連結会計年度における売上高は23,686百万円(前年同期比6.7%減)、営業利益は186百万円(前年同期比63.4%減)となりました。
(流通事業)
株式会社アルカンは、業務用食材のフランス産フォアグラ・家禽類、冷凍パン「ブリドール」及びシャンパーニュ「ボランジェ」の売上増とユーロ安及び関税軽減による利益率の上昇が主要因により増収増益となりました。一方で、英国子会社は、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大や英国のEU離脱問題の影響などにより減収減益となりました。また、業務用総合食品商社の東洋商事株式会社、中華食材等卸売のアンキッキ協栄株式会社などJFLAの子会社が加わったことにより、当連結会計年度における売上高は22,180百万円(前年同期比83.2%増)、営業利益は303百万円(前年同期比109.6%増)となりました。
(生産事業)
九州乳業株式会社及び茨城乳業株式会社においては、価格改定が寄与したことや、主要な問屋・量販店・ドラッグストア向け牛乳類、ヨーグルト、豆乳などの販売が引き続き好調であったため、増収増益となりました。株式会社弘乳舎は、余剰乳をバターや脱脂粉乳といった製品に加工する受託加工事業が好調であったため、増収増益となりました。また、JFLAの子会社である食品類酒類メーカーの盛田株式会社などの通期貢献により、当連結会計年度における売上高は34,854百万円(前年同期比30.0%増)、営業利益は1,229百万円(前年同期比89.4%増)となりました。
(その他)
その他事業の内容といたしましては、店舗開発事業や介護施設運営事業等による売上があり、当連結会計年度における売上高は150百万円(前年同期比367.6%増)、営業利益は27百万円(前年同期比55.8%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ309百万円増加し7,882百万円となりました。当連結会計年度末の各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりとなりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は、1,405百万円となりました。これは主に、事業譲渡益5,596百万円、税金等調整前当期純利益2,129百万円、減損損失3,255百万円、減価償却費及びその他の償却1,429百万円、のれん償却額769百万円、仕入債務の減少814百万円などによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果得られた資金は、1,120百万円となりました。これは、主に事業譲渡による収入2,893百万円や貸付けよる支出1,288百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出885百万円によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は、2,147百万円となりました。これは、主に長期借入れによる収入2,794百万円と長期借入金の返済による支出5,809百万円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 販売(千円) | 2,023,499 | 96.5 |
| 流通(千円) | ― | ― |
| 生産(千円) | 25,923,663 | 125.6 |
| 報告セグメント(千円) | 27,947,163 | 122.9 |
| その他(千円) | ― | ― |
| 合計(千円) | 27,947,163 | 122.9 |
(注) 1.金額は製造原価によっております。
2.流通及びその他については、生産を行っておりませんので、記載しておりません。
3.生産実績には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| 販売 | ― | ― | ― | ― |
| 流通 | ― | ― | ― | ― |
| 生産 | 22,459,002 | 108.4 | 223,546 | 92.9 |
| その他 | ― | ― | ― | ― |
| 合計 | 22,459,002 | 108.4 | 223,546 | 92.9 |
(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.販売、流通及びその他については、受注活動を行っておりませんので、記載しておりません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 販売(千円) | 23,686,765 | 93.3 |
| 流通(千円) | 22,180,155 | 183.2 |
| 生産(千円) | 34,854,221 | 130.0 |
| 報告セグメント(千円) | 80,721,142 | 125.5 |
| その他(千円) | 150,219 | 467.6 |
| 合計(千円) | 80,871,361 | 125.7 |
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.販売セグメントにおける販売実績とは、当社グループ直営店における飲食販売実績、フランチャイジーより加盟契約時に受け取る加盟金、ロイヤリティ及び食材備品等の販売による実績等であります。
3.流通セグメントにおける販売実績とは、輸入食品類酒類販売や業務用国内食品類酒類卸売、英国等における食材の卸し、製造加工及び流通による販売実績等であります。
4.生産セグメントにおける販売実績とは、株式会社弘乳舎における生産余剰乳の加工受託及び各種乳製品の製造販売及び茨城乳業株式会社、九州乳業株式会社における乳製品等の製造販売、盛田株式会社における調味料や酒類の製造販売による実績等であります。
5.その他販売実績とは、店舗開発事業等の売上等に係る実績であります。
6.販売実績には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
なお、新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の影響等については、不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検討を行っております。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づき課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額される可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績の分析
a.売上高
売上高は80,871百万円(前年同期比25.7%増)となりました。
b.営業利益
営業利益は515百万円(同91.0%増)となりました。
d.経常利益
経常利益は217百万円(前年同期は経常損失967百万円)となりました。
e.親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は1,689百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失2,931百万円)となりました。
③ 当連結会計年度の財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は57,843百万円となり、前連結会計年度末に比べ56百万円増加いたしました。これは主に、流動資産が2,952百万円の増加に対して、有形固定資産が608百万円、のれんが2,489百万円それぞれ減少したことによるものであります。
負債合計は、45,567百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,583百万円減少いたしました。これは主に、短期借入金及び長期借入金が1,007百万円、支払手形及び買掛金が670百万円、減少したことによるものであります。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益等の計上により、前連結会計年度末に比べ1,639百万円増加し、12,276百万円となっております。
④ 財務及び資金の流動性について
当事業年度のキャッシュ・フローの状況については、「1.経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資や中長期的な成長に必要な子会社株式の取得等によるものであります。また、株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。運転資金及び投資資金並びに株主還元等については、主として営業活動から得られるキャッシュ・フローを源泉とする内部資金又は金融機関からの借入や社債を基本としております。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、様々な要因の変化による影響を受ける可能性があります。このため、事業環境を注視するとともに、組織体制の整備などこれらのリスク要因を全社挙げて取り組んでまいります。
⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について
前連結会計年度においては、JFLAの完全子会社や海外展開等により、国内外で生産・流通・販売の各事業の拡充が図られた一方で、事業ポートフォリオの拡大に伴うグループ会社の急速且つ大幅な増加によりグループ経営のガバナンス体制が事業拡大に対して十分に機能できない状態が生じました。海外事業の会社は、大幅な赤字決算を余儀なくされ、更なる経営改善もしくは抜本的な改革が必要な状況であったため、2019年11月にフランスのケータリング事業を行う「Riem Becker SAS」株式の一部を譲渡するなど事業ポートフォリオの整理を行いました。併せて、間接部門の効率的配置や拠点の集約、管理機能を移管・最適配置することで、各事業セグメントのコスト構造を最適化し、グループ全体の資産効率の向上と収益力の強化を図ってまいりました。
当連結会計年度においては、米中による通商問題や当年度終盤に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な感染拡大により、極めて不確実な状況が続いております。外食及び食品生産業界においては、消費税率引き上げや新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大が与える影響から消費者心理の冷え込みが強まる中、原材料価格の上昇や物流コスト及び人件費の高騰など、引き続き厳しい経営環境が続いております。
このような認識の下、競争が激化する厳しい環境を打破し更なる成長のためには、当社グループは国内外市場における「食のバリューチェーン」の更なる拡充と高付加価値化の実現のため、販売・流通・生産の各機能が相互に価値を生み出す事業ポートフォリオの構築や海外市場における「食のバリューチェーン」事業の構築及び六次産業への本格参入と事業モデルの実現が必須であると考えております。販売事業においては、高い成長性と収益性を兼ね備えたブランド・ポートフォリオの戦略的構築を進めると共に、高付加価値業態とカジュアル業態の強化を目的とした新規業態への参入も積極的に図ってまいります。流通事業におきましては、国内外の店舗網を有機的に結び付けるサプライチェーンの構築を行い、収益性の高い事業モデルの構築を図ってまいります。生産事業におきましては、乳製品分野の商品開発並びマーケティング強化による付加価値化の実現や日本の伝統的な食材、消費財の国内外における製造・販売体制の構築などを着実に実行していきます。以上のような取り組みを図ることにより「食のバリューチェーンのグローバルリーディングカンパニー」を目指してまいります。