有価証券報告書-第82期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、前半は世界的に蔓延した新型コロナウイルス感染症の影響により、人と物の動きが大幅に制限され経済活動が停滞する等、深刻な影響を受けました。しかしながら徐々に、テレワークの推進や在宅での生活を充実させるための消費が増える等、その状況にも一部に持ち直しの動きがみられるようになりましたが、繰り返す感染者数の拡大や新たな変異ウイルスへの感染が懸念される等、依然として収束時期の見通しはたたず、先行きは全く不透明な状況が続いております。
当社グループの主要な事業であります物流関連業界におきましては、コロナ禍での経済環境の変化により生活様式が大きく変わったことや、度重なる緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置に基づく協力要請による経済活動の制限により、消費者が自宅等に居ながらにしてインターネットを介してショッピングを行い、直接消費者に物を届けるEC物流は増加したものの、商業物流については以前のような堅調な物の動きには戻らず大変厳しい状況となっております。加えて、労働時間への規制が昨年の4月から適用開始になったこと、作業時間の減少に伴う雇用環境の変化への対応やコロナ禍での感染防止対策等の課題も多く、当社グループを取り巻く経営環境は非常に厳しい状況が続いております。
このような状況のなか、当社グループでは、2年目となります中期経営計画(スローガン:「エスラインブランドの価値向上“Think next Value”」)の経営目標達成と企業価値の向上に向けて、グループ一丸となって取り組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、営業収益477億82百万円(前年同期比2.5%減)、営業利益15億3百万円(前年同期比54.4%増)、経常利益16億29百万円(前年同期比54.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年に㈱エスラインギフにて固定資産の譲渡に伴う固定資産売却益を特別利益として計上したこともあり、9億71百万円(前年同期比68.9%減)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
[物流関連事業]
物流関連事業の主な事業収益は、貨物自動車運送事業、倉庫業、自動車整備事業、情報処理サービス業、損害保険代理業等があります。また、主なサービス部門として「輸送サービス」「物流サービス」「ホームサービス」があります。
トラックによる企業間輸送を主とする「輸送サービス部門」では、人の往来を制限する行動自粛による経済活動の停滞や消費活動の低迷が続いたことで国内の貨物輸送量が減少し、また、海外からの航空貨物の減少もあって、特積みの貨物輸送量は大幅な減少となりました。反面、一部では新型コロナウイルス感染症対策に関連する商品や、巣篭もり関連商品の輸送受注はありましたが、特積み全体の貨物輸送量の減少を補うまでには至りませんでした。また、輸送単価の改善のための適正運賃収受交渉や新規案件獲得のための営業活動にも継続して取り組みましたが、コロナ禍における外出制限の影響等により十分な活動が進められず、輸送サービス全体では減収となりました。
商品保管や物流加工を行う「物流サービス部門」では、緊急事態宣言の発出による生活様式の変化等によって消費形態が大きく変わったことにより、飲料の販売量が大きく減少したことや、贈答品やギフト商品の需要も減少し、当社グループで扱っている商品の保管業務や流通加工業務が大幅に減少いたしました。一方で、テレワークの普及や外出制限により在宅時間が長くなったことで、大手衣料品量販店が取り扱う部屋着や寝具といった衣料品や、菓子類等の食料品、日用雑貨品等の巣篭もり関連商品、消毒液やマスクといった新型コロナウイルス感染症対策品の保管・加工業務が増加いたしました。また、今期は新たに2か所の保管・物流センターを新築いたしました。一つ目は、昨年10月に愛知県一宮市で稼働を開始した㈱スリーエス物流の第3物流センターであります。この新センターは、既存のお客様の取り扱い商品の増加への対応と、高速道路からの交通アクセスの利便性を活かして、多品種の商品を荷受し、そのまま仕分けし発送するXD(クロスドック)およびDC(ディストリビューションセンター)の機能を持ち、質の高いオペレーションを提供できる物流センターとなっております。二つ目は、昨年12月に岐阜県郡上市で稼働を開始した㈱エスライン郡上の大和倉庫であります。この新倉庫は、岐阜県郡上地区のお客様のデバンニングから保管・全国発送までを一括して請け負い、最適な物流ソリューションを提供できる施設として、保管・加工収入の増加に寄与しております。その結果、物流サービス部門全体では増収となりました。
大型貨物の個人宅配を行う「ホームサービス部門」では、在宅時間の増加の影響や、特別定額給付金の支給により、エアコンや冷蔵庫を中心とした白物家電の買い替え需要が増え、配送・設置業務が大幅に増加いたしました。また、従来からお取り引きのあった家電量販店様の配送受託エリアの拡大に加え、運賃の是正を行ったことにより、増収となりました。
以上の結果、物流サービス、ホームサービスの両部門は増収となりましたが、主力サービス部門である輸送サービス部門における減収分を補うまでには至らず、物流関連事業全体では減収となりました。
一方、利益面では、課題であった外部委託費等の削減を図るために、幹線運行部門では、運行コースの日々の積載状況を詳細に分析することで、運行効率の改善に向けた運行コースの再編や見直しを進めてまいりました。また、集配業務に関しては、一部の支店において導入したAI配車システムを用いて、配送コースの最適化シミュレーションを実施し、配送コースの見直しを行ったり、車両に搭載した通信型デジタルタコグラフから送られてくる位置情報や作業情報を拠点の事務所内に設置した大型モニターに表示するシステムを導入しました。このシステム化により拠点内の全車両の稼働状況の見える化と共有化が実現し、お客様のご要望に対してタイムリーな配車指示が出せる体制を整える等、集配作業の生産性の向上と時間短縮に繋げてまいりました。
この結果、物流関連事業の営業収益は470億24百万円(前年同期比2.4%減)、セグメント利益(営業利益)は17億90百万円(前年同期比34.3%増)となりました。
[不動産関連事業]
不動産関連事業におきましては、当社グループ各社にて保有している不動産の有効活用を図るために、外部への賃貸事業を営んでまいりました。昨年3月に㈱エスラインギフが外部に賃貸しておりました東京都江東区の土地および建物を売却したことにより賃料収入が減少いたしました。
この結果、不動産関連事業の営業収益は4億49百万円(前年同期比7.6%減)、セグメント利益(営業利益)は2億34百万円(前年同期比0.8%増)となりました。
[その他]
その他事業におきましては、主に、旅客自動車運送事業および売電事業を営んでおります。旅客自動車運送事業におきましては、岐阜市近郊の大学および高校のスクールバス等の定期運行業務を行っておりますが、一時コロナ禍にあって休校やリモートによる授業となることもあったものの、収入面では特に影響はありませんでした。しかしながら、クラブ・サークル活動等の遠征や冠婚葬祭時の送迎等のスポット運行業務では、イベントの中止や移動の自粛要請等もあり運行回数が大幅に減少したことで減収となりました。経費面では、運行回数の減少による諸費用の減少や、その他経費の削減効果もあり、費用は大幅に減少いたしました。
また、売電事業におきましては、㈱エスラインギフの名古屋第1・第2センター、豊橋支店、豊田支店、豊田センターおよび㈱スリーエス物流の本社第1センターの計6か所で発電を行っております。(総発電量1,333.96kW)
この結果、その他事業の営業収益は3億8百万円(前年同期比7.7%減)、セグメント利益(営業利益)は76百万円(前年同期比14.3%増)となりました。
財政状態につきましては、当連結会計年度末の連結資産合計は408億8百万円(前連結会計年度末405億97百万円)となり、前連結会計年度末比2億11百万円増加しております。この主な要因は、有形固定資産の取得による増加とそれに伴う現金及び預金の減少であります。
また、連結負債合計は158億86百万円(前連結会計年度末167億76百万円)となり、前連結会計年度末比8億89百万円減少しております。この主な要因は、借入金の返済による減少であります。
連結純資産合計は249億22百万円(前連結会計年度末238億21百万円)となり、前連結会計年度末比11億円増加しております。この主な要因は、利益剰余金の増加とその他有価証券評価差額金の増加によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末より30億30百万円資金が減少し、39億34百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、27億22百万円の収入(前年同期は22億83百万円の収入)となりました。この主な収入は、税金等調整前当期純利益と減価償却費の計上であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、41億61百万円の支出(前年同期は7億91百万円の収入)となりました。この主な要因は固定資産の取得による支出であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、15億90百万円の支出(前年同期は5億41百万円の支出)となりました。この主な支出は借入金の返済と配当金の支払による支出であります。
(キャッシュ・フローの指標)
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの扱う輸送商品は単一ではなく、輸送距離もまちまちであり、また受注形態をとらない事業で、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a) 経営成績等
(イ) 財政状態
当連結会計年度末の財政状態につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(ロ) 経営成績
当連結会計年度の経営成績につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(b) 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営に影響を与える大きな要因として、収益の動向と費用の動向が上げられます。
収益の動向については、当社グループの主要セグメントである、物流関連事業の中の輸送サービス部門において、新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言の発出の影響等により、消費者に直接欲しい物が届けられるEC物流や個人宛宅配貨物は増加したものの、商流物流は低調に推移しました。さらに、コロナ禍における外出制限の影響等により、運賃交渉や新規案件獲得のための営業活動が十分に進められず、取扱い物量および収入が大きく伸び悩みました。一方、物流サービス部門においては、新たな保管施設の稼働による増収と、コロナ禍においてテレワークの普及や外出制限により在宅時間が長くなった事で、家庭内で使う部屋着や食料品、日用雑貨品等の巣篭もり関連商品や、マスクや消毒液等、新型コロナウイルス感染症対策品の保管・加工業務が増加したことで、増収となりました。また、ホームサービス部門においては、白物家電の買い替え需要が増えたことで、配送・設置業務が大幅に増加したことや、運賃の是正などにより、増収となりました。しかしながら、輸送サービス部門の減収分を補うまでには至らず、営業収益は二期連続で減収となりました。
費用の動向に関しては、当社の課題である利益率の改善に向けて、外部委託費の削減を進めている中で、今回のコロナ禍で取扱い物量が大幅に減少する状況になり、今まで以上に自社内での生産性向上と外部委託費の削減に力を入れてきました。主な取り組みとしては、日々の幹線運行車の積載状況を見える化し、あらゆる面からの分析結果をもとに運行コースの見直しを進めました。また集配部門でも、AI配車システムを用いた集配コースの最適化シミュレーションを行う等により、集配業務の生産性向上と時間短縮を進め、内製化を進めた結果、外部委託費の大幅な削減を実現いたしました。また燃料費においては、燃料単価が比較的安価に推移したことで減少いたしました。一方、人件費においては、労働時間への規制が昨年の4月から適用開始になり、労働時間は減少傾向で推移いたしましたが、作業時間の減少に伴う雇用環境への対応等もあり、増加となりました。
この様な取り組みの結果、減収分を補う費用改善が図れたことにより、営業利益、経常利益は増益となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益が前期に対して大幅に減少した要因は、前期に㈱エスラインギフにおいて、固定資産の譲渡に伴う固定資産売却益を特別利益として計上したことによるものです。なお、今期は、特別利益、特別損失において、特別な要因はございません。
当連結会計年度におけるROEは3.98%(目標比△2.52ポイント)、自己資本比率は61.07%(目標比+11.07ポイント)であり、ROEは目標未達成、自己資本比率は目標達成となりました。引き続き当該指標の改善に取り組んでまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(a) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(b) 資本の財源及び資金の流動性
(イ) 資金需要
当社グループの資金需要につきましては、営業活動については、営業活動に必要な運転資金が主要なものであります。投資活動については、車両運搬具の購入、事業伸長・生産性向上および新規事業立上げを目的とした設備投資が主要なものであります。
今後、成長分野に対しては必要な設備投資をしていく予定であります。全体的には、将来見込まれる成長分野での資金需要も見据え、最新の市場環境や受注動向も勘案し、資産の圧縮および投資案件の選別を行っていく予定であります。
(ロ) 資金調達
当社グループは、運転資金、投資資金についてはまず営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入し、不足分について有利子負債の調達を実施しております。
長期借入金等の長期資金の調達については、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存借入金の償還時期等を考慮の上、調達規模、調達手段を適宜判断して実施していくこととしております。
一方で、有利子負債を圧縮するため、キャッシュマネジメントシステムにより当社グループ内での余剰資金の有効活用を図っており、また、売上債権や固定資産の稼働向上等を通じて資産効率の改善にも取り組んでおります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、前半は世界的に蔓延した新型コロナウイルス感染症の影響により、人と物の動きが大幅に制限され経済活動が停滞する等、深刻な影響を受けました。しかしながら徐々に、テレワークの推進や在宅での生活を充実させるための消費が増える等、その状況にも一部に持ち直しの動きがみられるようになりましたが、繰り返す感染者数の拡大や新たな変異ウイルスへの感染が懸念される等、依然として収束時期の見通しはたたず、先行きは全く不透明な状況が続いております。
当社グループの主要な事業であります物流関連業界におきましては、コロナ禍での経済環境の変化により生活様式が大きく変わったことや、度重なる緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置に基づく協力要請による経済活動の制限により、消費者が自宅等に居ながらにしてインターネットを介してショッピングを行い、直接消費者に物を届けるEC物流は増加したものの、商業物流については以前のような堅調な物の動きには戻らず大変厳しい状況となっております。加えて、労働時間への規制が昨年の4月から適用開始になったこと、作業時間の減少に伴う雇用環境の変化への対応やコロナ禍での感染防止対策等の課題も多く、当社グループを取り巻く経営環境は非常に厳しい状況が続いております。
このような状況のなか、当社グループでは、2年目となります中期経営計画(スローガン:「エスラインブランドの価値向上“Think next Value”」)の経営目標達成と企業価値の向上に向けて、グループ一丸となって取り組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、営業収益477億82百万円(前年同期比2.5%減)、営業利益15億3百万円(前年同期比54.4%増)、経常利益16億29百万円(前年同期比54.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年に㈱エスラインギフにて固定資産の譲渡に伴う固定資産売却益を特別利益として計上したこともあり、9億71百万円(前年同期比68.9%減)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
[物流関連事業]
物流関連事業の主な事業収益は、貨物自動車運送事業、倉庫業、自動車整備事業、情報処理サービス業、損害保険代理業等があります。また、主なサービス部門として「輸送サービス」「物流サービス」「ホームサービス」があります。
トラックによる企業間輸送を主とする「輸送サービス部門」では、人の往来を制限する行動自粛による経済活動の停滞や消費活動の低迷が続いたことで国内の貨物輸送量が減少し、また、海外からの航空貨物の減少もあって、特積みの貨物輸送量は大幅な減少となりました。反面、一部では新型コロナウイルス感染症対策に関連する商品や、巣篭もり関連商品の輸送受注はありましたが、特積み全体の貨物輸送量の減少を補うまでには至りませんでした。また、輸送単価の改善のための適正運賃収受交渉や新規案件獲得のための営業活動にも継続して取り組みましたが、コロナ禍における外出制限の影響等により十分な活動が進められず、輸送サービス全体では減収となりました。
商品保管や物流加工を行う「物流サービス部門」では、緊急事態宣言の発出による生活様式の変化等によって消費形態が大きく変わったことにより、飲料の販売量が大きく減少したことや、贈答品やギフト商品の需要も減少し、当社グループで扱っている商品の保管業務や流通加工業務が大幅に減少いたしました。一方で、テレワークの普及や外出制限により在宅時間が長くなったことで、大手衣料品量販店が取り扱う部屋着や寝具といった衣料品や、菓子類等の食料品、日用雑貨品等の巣篭もり関連商品、消毒液やマスクといった新型コロナウイルス感染症対策品の保管・加工業務が増加いたしました。また、今期は新たに2か所の保管・物流センターを新築いたしました。一つ目は、昨年10月に愛知県一宮市で稼働を開始した㈱スリーエス物流の第3物流センターであります。この新センターは、既存のお客様の取り扱い商品の増加への対応と、高速道路からの交通アクセスの利便性を活かして、多品種の商品を荷受し、そのまま仕分けし発送するXD(クロスドック)およびDC(ディストリビューションセンター)の機能を持ち、質の高いオペレーションを提供できる物流センターとなっております。二つ目は、昨年12月に岐阜県郡上市で稼働を開始した㈱エスライン郡上の大和倉庫であります。この新倉庫は、岐阜県郡上地区のお客様のデバンニングから保管・全国発送までを一括して請け負い、最適な物流ソリューションを提供できる施設として、保管・加工収入の増加に寄与しております。その結果、物流サービス部門全体では増収となりました。
大型貨物の個人宅配を行う「ホームサービス部門」では、在宅時間の増加の影響や、特別定額給付金の支給により、エアコンや冷蔵庫を中心とした白物家電の買い替え需要が増え、配送・設置業務が大幅に増加いたしました。また、従来からお取り引きのあった家電量販店様の配送受託エリアの拡大に加え、運賃の是正を行ったことにより、増収となりました。
以上の結果、物流サービス、ホームサービスの両部門は増収となりましたが、主力サービス部門である輸送サービス部門における減収分を補うまでには至らず、物流関連事業全体では減収となりました。
一方、利益面では、課題であった外部委託費等の削減を図るために、幹線運行部門では、運行コースの日々の積載状況を詳細に分析することで、運行効率の改善に向けた運行コースの再編や見直しを進めてまいりました。また、集配業務に関しては、一部の支店において導入したAI配車システムを用いて、配送コースの最適化シミュレーションを実施し、配送コースの見直しを行ったり、車両に搭載した通信型デジタルタコグラフから送られてくる位置情報や作業情報を拠点の事務所内に設置した大型モニターに表示するシステムを導入しました。このシステム化により拠点内の全車両の稼働状況の見える化と共有化が実現し、お客様のご要望に対してタイムリーな配車指示が出せる体制を整える等、集配作業の生産性の向上と時間短縮に繋げてまいりました。
この結果、物流関連事業の営業収益は470億24百万円(前年同期比2.4%減)、セグメント利益(営業利益)は17億90百万円(前年同期比34.3%増)となりました。
[不動産関連事業]
不動産関連事業におきましては、当社グループ各社にて保有している不動産の有効活用を図るために、外部への賃貸事業を営んでまいりました。昨年3月に㈱エスラインギフが外部に賃貸しておりました東京都江東区の土地および建物を売却したことにより賃料収入が減少いたしました。
この結果、不動産関連事業の営業収益は4億49百万円(前年同期比7.6%減)、セグメント利益(営業利益)は2億34百万円(前年同期比0.8%増)となりました。
[その他]
その他事業におきましては、主に、旅客自動車運送事業および売電事業を営んでおります。旅客自動車運送事業におきましては、岐阜市近郊の大学および高校のスクールバス等の定期運行業務を行っておりますが、一時コロナ禍にあって休校やリモートによる授業となることもあったものの、収入面では特に影響はありませんでした。しかしながら、クラブ・サークル活動等の遠征や冠婚葬祭時の送迎等のスポット運行業務では、イベントの中止や移動の自粛要請等もあり運行回数が大幅に減少したことで減収となりました。経費面では、運行回数の減少による諸費用の減少や、その他経費の削減効果もあり、費用は大幅に減少いたしました。
また、売電事業におきましては、㈱エスラインギフの名古屋第1・第2センター、豊橋支店、豊田支店、豊田センターおよび㈱スリーエス物流の本社第1センターの計6か所で発電を行っております。(総発電量1,333.96kW)
この結果、その他事業の営業収益は3億8百万円(前年同期比7.7%減)、セグメント利益(営業利益)は76百万円(前年同期比14.3%増)となりました。
財政状態につきましては、当連結会計年度末の連結資産合計は408億8百万円(前連結会計年度末405億97百万円)となり、前連結会計年度末比2億11百万円増加しております。この主な要因は、有形固定資産の取得による増加とそれに伴う現金及び預金の減少であります。
また、連結負債合計は158億86百万円(前連結会計年度末167億76百万円)となり、前連結会計年度末比8億89百万円減少しております。この主な要因は、借入金の返済による減少であります。
連結純資産合計は249億22百万円(前連結会計年度末238億21百万円)となり、前連結会計年度末比11億円増加しております。この主な要因は、利益剰余金の増加とその他有価証券評価差額金の増加によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末より30億30百万円資金が減少し、39億34百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、27億22百万円の収入(前年同期は22億83百万円の収入)となりました。この主な収入は、税金等調整前当期純利益と減価償却費の計上であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、41億61百万円の支出(前年同期は7億91百万円の収入)となりました。この主な要因は固定資産の取得による支出であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、15億90百万円の支出(前年同期は5億41百万円の支出)となりました。この主な支出は借入金の返済と配当金の支払による支出であります。
(キャッシュ・フローの指標)
| 2020年3月期 | 2021年3月期 | ||
| 自己資本比率 | (%) | 58.68 | 61.07 |
| 時価ベースの自己資本比率 | (%) | 22.73 | 24.15 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの扱う輸送商品は単一ではなく、輸送距離もまちまちであり、また受注形態をとらない事業で、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a) 経営成績等
(イ) 財政状態
当連結会計年度末の財政状態につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(ロ) 経営成績
当連結会計年度の経営成績につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(b) 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営に影響を与える大きな要因として、収益の動向と費用の動向が上げられます。
収益の動向については、当社グループの主要セグメントである、物流関連事業の中の輸送サービス部門において、新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言の発出の影響等により、消費者に直接欲しい物が届けられるEC物流や個人宛宅配貨物は増加したものの、商流物流は低調に推移しました。さらに、コロナ禍における外出制限の影響等により、運賃交渉や新規案件獲得のための営業活動が十分に進められず、取扱い物量および収入が大きく伸び悩みました。一方、物流サービス部門においては、新たな保管施設の稼働による増収と、コロナ禍においてテレワークの普及や外出制限により在宅時間が長くなった事で、家庭内で使う部屋着や食料品、日用雑貨品等の巣篭もり関連商品や、マスクや消毒液等、新型コロナウイルス感染症対策品の保管・加工業務が増加したことで、増収となりました。また、ホームサービス部門においては、白物家電の買い替え需要が増えたことで、配送・設置業務が大幅に増加したことや、運賃の是正などにより、増収となりました。しかしながら、輸送サービス部門の減収分を補うまでには至らず、営業収益は二期連続で減収となりました。
費用の動向に関しては、当社の課題である利益率の改善に向けて、外部委託費の削減を進めている中で、今回のコロナ禍で取扱い物量が大幅に減少する状況になり、今まで以上に自社内での生産性向上と外部委託費の削減に力を入れてきました。主な取り組みとしては、日々の幹線運行車の積載状況を見える化し、あらゆる面からの分析結果をもとに運行コースの見直しを進めました。また集配部門でも、AI配車システムを用いた集配コースの最適化シミュレーションを行う等により、集配業務の生産性向上と時間短縮を進め、内製化を進めた結果、外部委託費の大幅な削減を実現いたしました。また燃料費においては、燃料単価が比較的安価に推移したことで減少いたしました。一方、人件費においては、労働時間への規制が昨年の4月から適用開始になり、労働時間は減少傾向で推移いたしましたが、作業時間の減少に伴う雇用環境への対応等もあり、増加となりました。
この様な取り組みの結果、減収分を補う費用改善が図れたことにより、営業利益、経常利益は増益となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益が前期に対して大幅に減少した要因は、前期に㈱エスラインギフにおいて、固定資産の譲渡に伴う固定資産売却益を特別利益として計上したことによるものです。なお、今期は、特別利益、特別損失において、特別な要因はございません。
当連結会計年度におけるROEは3.98%(目標比△2.52ポイント)、自己資本比率は61.07%(目標比+11.07ポイント)であり、ROEは目標未達成、自己資本比率は目標達成となりました。引き続き当該指標の改善に取り組んでまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(a) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(b) 資本の財源及び資金の流動性
(イ) 資金需要
当社グループの資金需要につきましては、営業活動については、営業活動に必要な運転資金が主要なものであります。投資活動については、車両運搬具の購入、事業伸長・生産性向上および新規事業立上げを目的とした設備投資が主要なものであります。
今後、成長分野に対しては必要な設備投資をしていく予定であります。全体的には、将来見込まれる成長分野での資金需要も見据え、最新の市場環境や受注動向も勘案し、資産の圧縮および投資案件の選別を行っていく予定であります。
(ロ) 資金調達
当社グループは、運転資金、投資資金についてはまず営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入し、不足分について有利子負債の調達を実施しております。
長期借入金等の長期資金の調達については、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存借入金の償還時期等を考慮の上、調達規模、調達手段を適宜判断して実施していくこととしております。
一方で、有利子負債を圧縮するため、キャッシュマネジメントシステムにより当社グループ内での余剰資金の有効活用を図っており、また、売上債権や固定資産の稼働向上等を通じて資産効率の改善にも取り組んでおります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。