有価証券報告書
Ⅰ 業績等の概要
(1) 業績
※平均補油価格
当期の対ドル平均為替レートは、前期比¥0.45/US$円高の¥110.63/US$となりました。また、当期の船舶燃料油価格平均は、前期比US$102/MT上昇しUS$456/MTとなりました。
以上の結果、当期の業績につきましては、売上高1兆2,340億円、営業損益377億円、経常損益385億円、親会社株主に帰属する当期純損益は268億円となりました。
セグメント毎の売上高、セグメント損益(経常損益)及び概況は次のとおりです。
上段が売上高(億円)、下段がセグメント損益(経常損益)(億円)
(注)売上高にはセグメント間の内部売上高又は振替高が含まれております。
① ドライバルク船事業
ケープサイズ市況は、上半期は西豪州出し・ブラジル出しの鉄鉱石の出荷好調により堅調に推移しましたが、下半期は2018年11月の豪州における鉄鉱石輸送列車の脱線事故や2019年1月末に発生したブラジルにおける鉱山ダムの決壊事故による出荷減少及び船舶需給悪化懸念により、大きく下落しました。パナマックス市況は、上半期は石炭や南米出し穀物等の主要貨物の堅調な荷動きに支えられて概ね底堅く推移しましたが、下半期に入ると米中貿易摩擦問題による穀物貨の不調や中国の石炭輸入制限、ケープサイズ市況の悪化につられて一旦下落し、その後中国向けの一般炭や米穀物貨の荷動きが増加したことにより回復しました。ドライバルク船事業全体では、足元の市況は軟化しているものの、全体的には前年度より高い水準で推移し、前期比で増益を達成しました。
② エネルギー輸送事業
<油送船>原油船市況は、季節的要因による輸送需要の減少により低調に推移した上半期から一転して、下半期は冬場の需要期を迎えたことや、イラン産原油の代替ソースとして西アフリカ及び北米からの原油輸出量が増加したこと等により改善し、通期全体としては前年度の水準を上回りました。石油製品船市況も、上半期は原油価格の先行き不透明感による裁定取引の減少や船腹供給過剰等を受けて低調に推移しましたが、下半期は冬場の石油需要期を迎えたことや、一部の大型石油製品船が原油・重油等の輸送に配船転換され船腹需給が引き締まったことで回復基調に推移し、通期全体では前年度を上回る水準となりました。このような事業環境下において、プール運航による運航効率の向上や不採算船の減船等のコスト削減を継続して進めた結果、油送船部門全体としては前期比で増益を達成しました。
LNG船部門においては、新規に竣工した7隻を含め長期貸船契約を主体に安定的な利益を確保し、前期比で増益となりました。海洋事業部門においても、FPSOが1隻新規に稼働を開始し、安定的に利益を計上しました。また、FPSO・サブシー支援船等のプロジェクトにおいて稼働率が想定を上回り、前期比で増益となりました。
③ 製品輸送事業
<コンテナ船>当社持分法適用会社OCEAN NETWORK EXPRESS PTE. LTD.(以下「ONE社」)において、上半期に低迷した消席率については、下半期にかけて改善しました。下半期では、北米航路では、第3四半期の米中貿易摩擦問題による駆け込み需要の反動もあり、旧正月後の荷動きの戻りは弱かったものの、想定を上回って推移しました。また、欧州航路についても、減便実施によりほぼ満船での出航が続いたことで、想定を上回る水準で推移しました。これに加え、北米往航運賃が堅調に推移したこと、コンテナ延滞料の回収促進等により、下半期においても損失を計上しましたが、想定よりも赤字幅を縮小しました。
<自動車船>完成車の荷動きは、米中貿易摩擦問題、及び欧州での新排ガス・燃費テスト基準の影響により、前期比で減少しました。当社としては、船隊規模の縮小、及び更なる運航効率の改善に努めましたが、第1四半期に発生した一部航路での検疫問題による追加コストの影響、日本出しでも西日本豪雨の影響による荷動き減少といった特殊要因もあり、前期比で損益は悪化しました。
<フェリー・内航RORO船>フェリー・内航RORO船については、トラックドライバーの不足や高齢化、陸運業界における働き方改革を背景としたモーダルシフトの流れの加速により、荷動きは堅調に推移しました。旅客についても、新造船投入やカジュアルクルーズをコンセプトとしたプロモーション活動が奏功し、北海道航路・瀬戸内海航路・南九州航路全般で堅調に推移しましたが、大型台風や本船トラブルによる長期欠航等が影響し、また燃料費の増加もあり、フェリー・内航RORO船部門全体では前期比で減益となりました。
④ 関連事業
不動産事業は、首都圏を中心に賃貸オフィスマーケットが堅調に推移し、当社グループ不動産事業の中核であるダイビル株式会社の大口テナントの入れ替わり等の影響はありましたが、前期比で若干の増益となりました。客船事業は、2018年12月に発生したにっぽん丸衝突事故の影響により、前期比で減益となりましたが、その他の曳船や商社等の業績は総じて堅調に推移し、関連事業セグメント全体では前期比で増益となりました。
⑤ その他
主にコストセンターであるその他の事業には、船舶運航業、船舶管理業、貸船業、金融業等がありますが、前期比では減益となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて、704億円減少し、1,191億円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が467億円となったこと等から、552億円(前年同期983億円)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、船舶を中心とする固定資産の取得及び売却等により△1,983億円(前年同期△1,008億円)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入等により705億円(前年同期92億円)となりました。
Ⅱ 生産、受注及び販売の実績
当社グループ(当社及び連結子会社。以下同じ。)は「第1 企業の概況 3.事業の内容」に記載したとおり、5つの事業区分からなり、提供するサービス内容も、多種多様であります。従って、受注の形態、内容も各社毎に異なっているため、それらをセグメント毎に金額、数量で示しておりません。
セグメントの売上高
(注)記載金額には消費税等は含まれておりません。
Ⅲ 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(1) 財務戦略
①資金調達の方針
当社は事業活動を支える資金調達に際して、調達の安定性と低コストを重視しております。
また、金利変動リスクや為替変動リスク等の市場リスクを把握し、過度に市場リスクに晒されないように金利固定化比率や借入通貨構成を金利スワップや通貨スワップ等の手法も利用しながら、リスクを許容範囲に収めるようにしております。
②資金調達の多様性
当社は調達の安定性と低コスト調達を実現するために、調達方法の多様化や調達期間の分散を進めております。
運転資金並びに船隊整備に必要な設備資金は、直接・間接調達に加え、従来より船主からの傭船といった手法も活用し、有利子負債を過度に増加させることなく、低コストかつ安定的な船腹の整備を行っております。
直接調達については、2018年8月及び9月に国内普通社債を合計100億円(期間5年)発行し、2019年3月末の国内普通社債発行残高は845億円、ユーロ米ドル建取得条項付転換社債型新株予約権付社債発行残高は2億米ドルとなっております。円滑な直接調達を進めるため、当社は国内2社及び海外1社の格付機関から格付を取得しており、2019年3月末時点の発行体格付は格付投資情報センター(R&I)「BBB」、日本格付研究所(JCR)「A-」、ムーディーズ(Moody's)「Ba2」となっております。また、短期債格付(CP格付)についてはR&I/JCRより「a-2」/「J-1」を取得しております。
当社は1,000億円の社債発行登録や1,000億円のCP発行枠を設定しているほか、政府系や内外金融機関との幅広い取引関係をベースとする銀行借入により、運転資金需要や設備資金需要にも迅速に対応できるものと考えております。
更に、安定的な経常運転資金枠の確保・緊急時の流動性補完を目的に国内金融機関から円建て及び米ドル建てのコミットメントラインを設定しており、資金の流動性確保に努めております。
③グループ資金の効率化
当社及び主要子会社間でキャッシュマネージメントサービス(CMS)を導入しており、グループ内の資金効率化を図ることにより、外部借入の削減に努めております。
(2) 損益状況
売上高は、主にコンテナ船事業が事業統合会社(OCEAN NETWORK EXPRESS PTE. LTD.)へ移行したことにより、前連結会計年度に比べ4,183億円減収の1兆2,340億円となりました。
経常利益は、コンテナ船事業において上述の事業統合会社(OCEAN NETWORK EXPRESS PTE. LTD.)の営業開始時の混乱影響と移行費用により減益要因があったものの、ドライバルク船事業やエネルギー輸送事業を中心とする安定収益に加え、市況が比較的堅調に推移したことにより、前連結会計年度に比べ71億円増益の385億円となりました。ドライバルク船事業は、市況が下期に軟化したものの、全体では堅調に推移したことに加え、中長期輸送契約の延長や新規獲得に取り組んだ結果、前年を上回る利益を確保し、前連結会計年度に比べ65億円増益の219億円となりました。エネルギー輸送事業では、LNG船・海洋事業において新規竣工・稼働があり、安定収益を積み増したことに加え、油送船においても市況が堅調に推移し、また、不採算船の減船等も行った結果、前連結会計年度に比べ75億円増益の211億円となりました。製品輸送事業のコンテナ船は、コンテナ船事業統合会社(OCEAN NETWORK EXPRESS PTE. LTD.)において、統合シナジーが想定を上回って現出した一方、営業開始時の混乱により上期は積高及び消席率が低迷、また移行費用もあり、前連結会計年度に比べ36億円損失が拡大し、143億円の赤字となりました。自動車船は、米中貿易摩擦や欧州での新排ガス・燃費テスト基準等の影響により積高が減少し、減船及び運航効率の改善に努めたものの一部航路での検疫問題による追加コストや西日本豪雨の影響もあり、前年度に比べ損益が悪化しました。
親会社株主に帰属する当期純利益は268億円の黒字となりました。前連結会計年度はコンテナ船事業統合に伴い事業再編関連損失を計上した影響が大きく、前連結会計年度に比べ742億円の増益となりました。
(3) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ906億円減少し、2兆1,344億円となりました。これは主に船舶が減少したことによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ1,141億円減少し、1兆4,828億円となりました。これは主に支払手形及び営業未払金が減少したことによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ235億円増加し、6,516億円となりました。これは主に利益剰余金が増加したことによるものです。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ、1.6ポイント上昇し、24.6%となりました。
(4) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「Ⅰ.業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
(5) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
経営計画の主な内容は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
当期は、米中貿易摩擦など保護主義政策による影響懸念の中、年内は世界の貿易は底堅い伸びを見せ、海運市況も比較的堅調に推移したものの、当期末にかけては海上荷動きと海運市況も勢いを欠く動きとなりました。4月からサービスを開始したコンテナ船事業統合会社OCEAN NETWORK EXPRESS PTE. LTD.が、立ち上がり初期のオペレーションの混乱もあり初年度は大幅な赤字となりましたが、ドライバルク船事業やエネルギー輸送事業などにおける中長期契約により積み上げられた安定利益と比較的堅調であった市況による利益確保が寄与し、経常利益385億円、親会社株主に帰属する当期純利益は268億円となりました。その結果、ギアリングレシオ2.11倍、ROE5.2%を達成し、利益水準・財務指標の中期的目標の達成に向けて順調に推移しています。
今後も経営計画「ローリングプラン2019」の下、世界の政治・経済・社会の動きの中で海運業界を取り巻く課題を認識した上で、ステークホルダーが求めるニーズと成長余地のあるフィールドを見極め、当社が強みを持つ事業分野への重点投資とその強みをさらに磨きをかけることによって、利益水準・財務指標の中期的目標の達成、10年後の目指す姿である「相対的競争力No.1事業の集合体」の達成を通じた企業価値の向上と持続可能な成長に引き続き努めてまいります。
(1) 業績
| 前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 増減額 / 増減率 | |
| 売上高 (億円) | 16,523 | 12,340 | △4,183 / △25.3% |
| 営業損益 (億円) | 226 | 377 | 150 / 66.3% |
| 経常損益 (億円) | 314 | 385 | 71 / 22.6% |
| 親会社株主に帰属する 当期純損益 (億円) | △473 | 268 | 742 / - % |
| 為替レート | ¥111.08/US$ | ¥110.63/US$ | △¥0.45/US$ |
| 船舶燃料油価格 ※ | US$354/MT | US$456/MT | US$102/MT |
※平均補油価格
当期の対ドル平均為替レートは、前期比¥0.45/US$円高の¥110.63/US$となりました。また、当期の船舶燃料油価格平均は、前期比US$102/MT上昇しUS$456/MTとなりました。
以上の結果、当期の業績につきましては、売上高1兆2,340億円、営業損益377億円、経常損益385億円、親会社株主に帰属する当期純損益は268億円となりました。
セグメント毎の売上高、セグメント損益(経常損益)及び概況は次のとおりです。
上段が売上高(億円)、下段がセグメント損益(経常損益)(億円)
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 増減額/増減率 | |
| ドライバルク船事業 | 2,729 | 2,921 | 192 / 7.0% | |
| 154 | 219 | 65 / 42.2% | ||
| エネルギー輸送事業 | 2,709 | 2,895 | 186 / 6.9% | |
| 136 | 211 | 75 / 55.0% | ||
| 製品輸送事業 | 10,130 | 5,476 | △4,653 / △45.9% | |
| △63 | △122 | △59 / -% | ||
| うち、コンテナ船事業 | 7,516 | 2,784 | △4,731 / △63.0% | |
| △106 | △143 | △36 / -% | ||
| 関連事業 | 1,184 | 1,281 | 96 / 8.2% | |
| 126 | 129 | 2 / 2.0% | ||
| その他 | 225 | 219 | △6 / △2.7% | |
| 26 | 25 | △0 / △0.8% | ||
(注)売上高にはセグメント間の内部売上高又は振替高が含まれております。
① ドライバルク船事業
ケープサイズ市況は、上半期は西豪州出し・ブラジル出しの鉄鉱石の出荷好調により堅調に推移しましたが、下半期は2018年11月の豪州における鉄鉱石輸送列車の脱線事故や2019年1月末に発生したブラジルにおける鉱山ダムの決壊事故による出荷減少及び船舶需給悪化懸念により、大きく下落しました。パナマックス市況は、上半期は石炭や南米出し穀物等の主要貨物の堅調な荷動きに支えられて概ね底堅く推移しましたが、下半期に入ると米中貿易摩擦問題による穀物貨の不調や中国の石炭輸入制限、ケープサイズ市況の悪化につられて一旦下落し、その後中国向けの一般炭や米穀物貨の荷動きが増加したことにより回復しました。ドライバルク船事業全体では、足元の市況は軟化しているものの、全体的には前年度より高い水準で推移し、前期比で増益を達成しました。
② エネルギー輸送事業
<油送船>原油船市況は、季節的要因による輸送需要の減少により低調に推移した上半期から一転して、下半期は冬場の需要期を迎えたことや、イラン産原油の代替ソースとして西アフリカ及び北米からの原油輸出量が増加したこと等により改善し、通期全体としては前年度の水準を上回りました。石油製品船市況も、上半期は原油価格の先行き不透明感による裁定取引の減少や船腹供給過剰等を受けて低調に推移しましたが、下半期は冬場の石油需要期を迎えたことや、一部の大型石油製品船が原油・重油等の輸送に配船転換され船腹需給が引き締まったことで回復基調に推移し、通期全体では前年度を上回る水準となりました。このような事業環境下において、プール運航による運航効率の向上や不採算船の減船等のコスト削減を継続して進めた結果、油送船部門全体としては前期比で増益を達成しました。
③ 製品輸送事業
<コンテナ船>当社持分法適用会社OCEAN NETWORK EXPRESS PTE. LTD.(以下「ONE社」)において、上半期に低迷した消席率については、下半期にかけて改善しました。下半期では、北米航路では、第3四半期の米中貿易摩擦問題による駆け込み需要の反動もあり、旧正月後の荷動きの戻りは弱かったものの、想定を上回って推移しました。また、欧州航路についても、減便実施によりほぼ満船での出航が続いたことで、想定を上回る水準で推移しました。これに加え、北米往航運賃が堅調に推移したこと、コンテナ延滞料の回収促進等により、下半期においても損失を計上しましたが、想定よりも赤字幅を縮小しました。
<自動車船>完成車の荷動きは、米中貿易摩擦問題、及び欧州での新排ガス・燃費テスト基準の影響により、前期比で減少しました。当社としては、船隊規模の縮小、及び更なる運航効率の改善に努めましたが、第1四半期に発生した一部航路での検疫問題による追加コストの影響、日本出しでも西日本豪雨の影響による荷動き減少といった特殊要因もあり、前期比で損益は悪化しました。
<フェリー・内航RORO船>フェリー・内航RORO船については、トラックドライバーの不足や高齢化、陸運業界における働き方改革を背景としたモーダルシフトの流れの加速により、荷動きは堅調に推移しました。旅客についても、新造船投入やカジュアルクルーズをコンセプトとしたプロモーション活動が奏功し、北海道航路・瀬戸内海航路・南九州航路全般で堅調に推移しましたが、大型台風や本船トラブルによる長期欠航等が影響し、また燃料費の増加もあり、フェリー・内航RORO船部門全体では前期比で減益となりました。
④ 関連事業
不動産事業は、首都圏を中心に賃貸オフィスマーケットが堅調に推移し、当社グループ不動産事業の中核であるダイビル株式会社の大口テナントの入れ替わり等の影響はありましたが、前期比で若干の増益となりました。客船事業は、2018年12月に発生したにっぽん丸衝突事故の影響により、前期比で減益となりましたが、その他の曳船や商社等の業績は総じて堅調に推移し、関連事業セグメント全体では前期比で増益となりました。
⑤ その他
主にコストセンターであるその他の事業には、船舶運航業、船舶管理業、貸船業、金融業等がありますが、前期比では減益となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて、704億円減少し、1,191億円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が467億円となったこと等から、552億円(前年同期983億円)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、船舶を中心とする固定資産の取得及び売却等により△1,983億円(前年同期△1,008億円)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入等により705億円(前年同期92億円)となりました。
Ⅱ 生産、受注及び販売の実績
当社グループ(当社及び連結子会社。以下同じ。)は「第1 企業の概況 3.事業の内容」に記載したとおり、5つの事業区分からなり、提供するサービス内容も、多種多様であります。従って、受注の形態、内容も各社毎に異なっているため、それらをセグメント毎に金額、数量で示しておりません。
セグメントの売上高
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 前年同期比(%) | ||
| ドライバルク船事業 | 292,169 | 107.0 | |
| エネルギー輸送事業 | 289,565 | 106.9 | |
| 製品輸送事業 | 547,695 | 54.0 | |
| うち、コンテナ船事業 | 278,441 | 37.0 | |
| 関連事業 | 128,128 | 108.2 | |
| その他 | 21,906 | 97.3 | |
| 計 | 1,279,465 | 75.4 | |
| 調整額 | (45,388) | - | |
| 合 計 | 1,234,077 | 74.7 | |
(注)記載金額には消費税等は含まれておりません。
Ⅲ 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(1) 財務戦略
①資金調達の方針
当社は事業活動を支える資金調達に際して、調達の安定性と低コストを重視しております。
また、金利変動リスクや為替変動リスク等の市場リスクを把握し、過度に市場リスクに晒されないように金利固定化比率や借入通貨構成を金利スワップや通貨スワップ等の手法も利用しながら、リスクを許容範囲に収めるようにしております。
②資金調達の多様性
当社は調達の安定性と低コスト調達を実現するために、調達方法の多様化や調達期間の分散を進めております。
運転資金並びに船隊整備に必要な設備資金は、直接・間接調達に加え、従来より船主からの傭船といった手法も活用し、有利子負債を過度に増加させることなく、低コストかつ安定的な船腹の整備を行っております。
直接調達については、2018年8月及び9月に国内普通社債を合計100億円(期間5年)発行し、2019年3月末の国内普通社債発行残高は845億円、ユーロ米ドル建取得条項付転換社債型新株予約権付社債発行残高は2億米ドルとなっております。円滑な直接調達を進めるため、当社は国内2社及び海外1社の格付機関から格付を取得しており、2019年3月末時点の発行体格付は格付投資情報センター(R&I)「BBB」、日本格付研究所(JCR)「A-」、ムーディーズ(Moody's)「Ba2」となっております。また、短期債格付(CP格付)についてはR&I/JCRより「a-2」/「J-1」を取得しております。
当社は1,000億円の社債発行登録や1,000億円のCP発行枠を設定しているほか、政府系や内外金融機関との幅広い取引関係をベースとする銀行借入により、運転資金需要や設備資金需要にも迅速に対応できるものと考えております。
更に、安定的な経常運転資金枠の確保・緊急時の流動性補完を目的に国内金融機関から円建て及び米ドル建てのコミットメントラインを設定しており、資金の流動性確保に努めております。
③グループ資金の効率化
当社及び主要子会社間でキャッシュマネージメントサービス(CMS)を導入しており、グループ内の資金効率化を図ることにより、外部借入の削減に努めております。
(2) 損益状況
売上高は、主にコンテナ船事業が事業統合会社(OCEAN NETWORK EXPRESS PTE. LTD.)へ移行したことにより、前連結会計年度に比べ4,183億円減収の1兆2,340億円となりました。
経常利益は、コンテナ船事業において上述の事業統合会社(OCEAN NETWORK EXPRESS PTE. LTD.)の営業開始時の混乱影響と移行費用により減益要因があったものの、ドライバルク船事業やエネルギー輸送事業を中心とする安定収益に加え、市況が比較的堅調に推移したことにより、前連結会計年度に比べ71億円増益の385億円となりました。ドライバルク船事業は、市況が下期に軟化したものの、全体では堅調に推移したことに加え、中長期輸送契約の延長や新規獲得に取り組んだ結果、前年を上回る利益を確保し、前連結会計年度に比べ65億円増益の219億円となりました。エネルギー輸送事業では、LNG船・海洋事業において新規竣工・稼働があり、安定収益を積み増したことに加え、油送船においても市況が堅調に推移し、また、不採算船の減船等も行った結果、前連結会計年度に比べ75億円増益の211億円となりました。製品輸送事業のコンテナ船は、コンテナ船事業統合会社(OCEAN NETWORK EXPRESS PTE. LTD.)において、統合シナジーが想定を上回って現出した一方、営業開始時の混乱により上期は積高及び消席率が低迷、また移行費用もあり、前連結会計年度に比べ36億円損失が拡大し、143億円の赤字となりました。自動車船は、米中貿易摩擦や欧州での新排ガス・燃費テスト基準等の影響により積高が減少し、減船及び運航効率の改善に努めたものの一部航路での検疫問題による追加コストや西日本豪雨の影響もあり、前年度に比べ損益が悪化しました。
親会社株主に帰属する当期純利益は268億円の黒字となりました。前連結会計年度はコンテナ船事業統合に伴い事業再編関連損失を計上した影響が大きく、前連結会計年度に比べ742億円の増益となりました。
(3) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ906億円減少し、2兆1,344億円となりました。これは主に船舶が減少したことによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ1,141億円減少し、1兆4,828億円となりました。これは主に支払手形及び営業未払金が減少したことによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ235億円増加し、6,516億円となりました。これは主に利益剰余金が増加したことによるものです。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ、1.6ポイント上昇し、24.6%となりました。
(4) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「Ⅰ.業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
(5) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
経営計画の主な内容は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
当期は、米中貿易摩擦など保護主義政策による影響懸念の中、年内は世界の貿易は底堅い伸びを見せ、海運市況も比較的堅調に推移したものの、当期末にかけては海上荷動きと海運市況も勢いを欠く動きとなりました。4月からサービスを開始したコンテナ船事業統合会社OCEAN NETWORK EXPRESS PTE. LTD.が、立ち上がり初期のオペレーションの混乱もあり初年度は大幅な赤字となりましたが、ドライバルク船事業やエネルギー輸送事業などにおける中長期契約により積み上げられた安定利益と比較的堅調であった市況による利益確保が寄与し、経常利益385億円、親会社株主に帰属する当期純利益は268億円となりました。その結果、ギアリングレシオ2.11倍、ROE5.2%を達成し、利益水準・財務指標の中期的目標の達成に向けて順調に推移しています。
| 2018年度末 | → | 中期的にイメージする水準 | |
| 経常利益 | 385億円 | 800~1,000億円 | |
| ROE | 5.2% | 8~12% | |
| ギアリングレシオ | 2.11倍 | 2.0倍以下 |
今後も経営計画「ローリングプラン2019」の下、世界の政治・経済・社会の動きの中で海運業界を取り巻く課題を認識した上で、ステークホルダーが求めるニーズと成長余地のあるフィールドを見極め、当社が強みを持つ事業分野への重点投資とその強みをさらに磨きをかけることによって、利益水準・財務指標の中期的目標の達成、10年後の目指す姿である「相対的競争力No.1事業の集合体」の達成を通じた企業価値の向上と持続可能な成長に引き続き努めてまいります。