四半期報告書-第56期第2四半期(平成28年7月1日-平成28年9月30日)

【提出】
2016/11/14 9:53
【資料】
PDFをみる
【項目】
34項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1) 経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間(平成28年4月1日~平成28年9月30日、以下、「当第2四半期」という。)の日本経済は、雇用情勢が改善した一方、企業収益の改善に足踏みがみられ、また海外経済の不確実性の高まりや金融資本市場の変動の影響が懸念されるなど、不透明な状況で推移しました。
このような状況の中で、「安全・安心・快適・便利」に対する社会的ニーズはますます多様化・高度化しており、当社グループは、“いつでも、どこでも、誰もが安全・安心に暮らせる社会”を実現する「社会システム産業」の構築を目指し、セキュリティサービス事業をはじめ、防災事業、メディカルサービス事業、保険事業、地理情報サービス事業、情報通信事業および不動産・その他の事業で、お客様のニーズに合致した、質の高いサービス・商品を提供することに努めました。また、更なる成長に向けて、各事業のサービスがそれぞれ自立しつつも、相互の連携を更に深め、より一層の相乗効果を生み出すことを目的に、“ALL SECOM”(セコムグループ総力の結集)を継続的に推進しました。さらに、今後の日本の社会を見据えて、「セキュリティ」をベースに「超高齢社会」、「災害・BCP(事業継続計画)・環境」といったキーワードを切り口として、“ALL SECOM”により新たなサービスを創出する取り組みを推進しました。
また、平成28年8月に渋谷区と「シブヤ・ソーシャル・アクション・パートナー協定」を締結し、防災対策や超高齢社会に向けた対応など地域社会の課題解決を公民連携で推進する取り組みを始めたほか、9月には、G7伊勢志摩サミットの警備でその有効性が実証された高精度な3D立体画像を警備計画に利用する「セコム3Dセキュリティプランニング」の本格販売を開始しました。
当第2四半期の連結売上高は前期12月より新たに連結子会社となった株式会社アサヒセキュリティの寄与もあり、4,400億円(前年同期比7.6%増加)となり、営業利益は621億円(前年同期比3.2%増加)となりました。経常利益は、営業外収益として米国などにおける投資事業組合運用益29億円(前年同期は営業外費用として投資事業組合運用損1億円)を計上したことなどにより、673億円(前年同期比6.8%増加)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は408億円(前年同期比2.0%増加)となりました。なお、当第2四半期の売上高および営業利益は過去最高を達成することができました。
事業別にみますと、以下のとおりであります。
セキュリティサービス事業では、売上高は事業所向け・家庭向けのセントラライズドシステム(オンライン・セキュリティシステム)や、出入管理システム・監視カメラシステムなどの安全商品の販売が好調だったことおよび新たに連結子会社となった株式会社アサヒセキュリティの寄与もあり、2,622億円(前年同期比11.7%増加)となりました。営業利益は564億円(前年同期比0.4%増加)となりました。
防災事業では、売上高は積極的な営業活動に努めましたが、前年同期に大型案件の計上があったため、531億円(前年同期比6.9%減少)となり、営業利益は42億円(前年同期比5.9%減少)となりました。
なお、当事業は建設業界の影響を受ける部分が多いため、収益は期末に向けて集中する傾向があります。
メディカルサービス事業では、売上高は医薬品・医療機器などの販売が好調に推移したことなどにより、326億円(前年同期比7.2%増加)となりましたが、営業利益は原価率の上昇などにより、27億円(前年同期比0.1%減少)となりました。
保険事業では、売上高はセコム損害保険株式会社のガン保険「自由診療保険メディコム」の販売が順調に推移したことなどにより、201億円(前年同期比3.6%増加)となりました。営業利益は自然災害に伴う発生損害の減少などにより保険引受費用が減少し、11億円(前年同期比163.8%増加)となりました。
地理情報サービス事業では、売上高は公共部門および海外部門の減収により、219億円(前年同期比3.9%減少)となりました。営業損益は前連結会計年度末に契約損失引当金を計上したことなどにより原価率が改善したこと、販売費及び一般管理費の減少などにより、5億円の営業損失(前年同期は6億円の営業損失)となりました。
なお、当事業は主要市場である官公庁への納品時期が主に3月末になるため、収益は期末に向けて集中する傾向があります。
情報通信事業では、売上高はデータセンター売上の増収および前期より販売開始した「セコムあんしんマイナンバーサービス」の寄与により、241億円(前年同期比3.7%増加)となり、営業利益はデータセンターの運営費用の減少などにより、32億円(前年同期比26.4%増加)となりました。
不動産・その他の事業では、売上高は不動産開発・販売事業が増収となったことなどにより、257億円(前年同期比23.0%増加)となり、営業利益は25億円(前年同期比18.0%増加)となりました。
(2) 財政状態の分析
当第2四半期末の総資産は、前連結会計年度末に比べ313億円(2.0%)減少して1兆5,367億円となりました。流動資産は、現金及び預金が421億円(18.4%)増加の2,705億円、受取手形及び売掛金が364億円(29.8%)減少の856億円、その他流動資産が72億円(26.3%)減少の201億円、有価証券が52億円(15.4%)減少の291億円となり、流動資産合計は前連結会計年度末に比べ51億円(0.7%)減少して6,846億円となりました。固定資産は、投資有価証券が203億円(7.7%)減少の2,440億円、無形固定資産が28億円(2.4%)減少の1,166億円、有形固定資産が17億円(0.5%)減少の3,746億円となり、固定資産合計は前連結会計年度末に比べ261億円(3.0%)減少して8,521億円となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べ396億円(6.3%)減少して5,852億円となりました。流動負債は、短期借入金が232億円(42.1%)減少の319億円、未払金が82億円(21.5%)減少の301億円、支払手形及び買掛金が58億円(13.9%)減少の359億円となり、流動負債合計は前連結会計年度末に比べ388億円(11.2%)減少して3,087億円となりました。固定負債は、保険契約準備金が31億円(2.0%)増加の1,628億円、長期借入金が28億円(14.2%)減少の171億円、その他固定負債が8億円(19.9%)減少の33億円、長期預り保証金が8億円(2.3%)減少の341億円となり、固定負債合計は前連結会計年度末に比べ7億円(0.3%)減少して2,765億円となりました。
純資産は、利益剰余金が261億円(3.5%)の増加、為替換算調整勘定が176億円(801.7%)の減少、その他有価証券評価差額金が33億円(16.9%)の減少となり、純資産合計は前連結会計年度末に比べ83億円(0.9%)増加して9,514億円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期における営業活動によるキャッシュ・フローは、全体で1,026億円の資金の増加(前年同期は792億円の資金の増加)となりました。主な資金の増加要因は、税金等調整前四半期純利益667億円、受取手形及び売掛債権の減少額347億円、減価償却費263億円であります。また、主な資金の減少要因は、法人税等の支払額222億円、仕入債務の減少額126億円であります。
なお、前年同期との比較では、営業活動によるキャッシュ・フローは、234億円の収入の増加となりました。これは、主に未払消費税等の純減額が減少したこと、受取手形及び売掛債権の純減額が増加したこと、たな卸資産の純増額が減少したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、全体で158億円の資金の減少(前年同期は194億円の資金の減少)となりました。主な資金の減少要因は、警報機器及び設備等の有形固定資産の取得による支出221億円、投資有価証券の取得による支出123億円、無形固定資産の取得による支出36億円であります。また、主な資金の増加要因は、投資有価証券の売却及び償還による収入240億円であります。
なお、前年同期との比較では、投資活動によるキャッシュ・フローは、36億円の支出の減少となりました。これは、主に投資有価証券の売却及び償還による収入が減少しましたが、投資有価証券の取得による支出が減少したこと、有形固定資産の取得による支出が減少したことに加え、前年同期に連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、全体で455億円の資金の減少(前年同期は262億円の資金の減少)となりました。主な資金の減少要因は、短期借入金の減少額235億円、配当金の支払額152億円、長期借入金の返済による支出32億円であります。
なお、前年同期との比較では、財務活動によるキャッシュ・フローは、193億円の支出の増加となりました。これは、主に短期借入金の収支純額が減少したことによるものです。
これらの結果、当第2四半期末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ389億円増加して2,607億円となりました。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期の研究開発費の総額は3,046百万円であります。