有価証券報告書-第49期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
(1)連結経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の当社グループの連結業績は、売上高21,512百万円(前期29,855百万円、増減率△27.9%)、営業利益8,964百万円(前期14,970百万円、増減率△40.1%)、経常利益11,707百万円(前期17,045百万円、増減率△31.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益38,504百万円(前期11,839百万円、増減率225.2%)となりました。
当連結会計年度における当社グループの投資先の新規IPOは6社(国内5社、海外1社)であり、キャピタルゲインは対前年同期比では減少しました。また、新型コロナウイルスの感染拡大の影響などから投資損失引当金の繰入が増加しております。
当連結会計年度において当社が純投資目的で保有する株式会社野村総合研究所(以下、「野村総合研究所」)の普通株式15,500,000株(当社が保有する野村総合研究所の株式総数39,468,150株の39.3%)の売却を決議し、実行しました。これにより、44,764百万円を投資有価証券売却益(特別利益)として計上しております。
当社グループはファンド運用事業の単一セグメントであります。
②キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは8百万円のキャッシュインフロー(前期12,177百万円のキャッシュインフロー)となりました。これは主に営業投資有価証券の売却等による収入によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは49,154百万円のキャッシュインフロー(前期277百万円のキャッシュアウトフロー)となりました。これは主に投資有価証券(野村総合研究所株式)の売却による収入によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは13,944百万円のキャッシュアウトフロー(前期3,581百万円のキャッシュアウトフロー)となりました。これは主に自己株式の取得による支出によるものであります。
これらの結果、現金及び現金同等物は35,476百万円増加し、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は107,517百万円(前期末72,040百万円)となりました。そのうち7,843百万円(前期末5,776百万円)はファンド出資持分であります。また、当社グループが管理運営するファンドに対して当社グループが出資金として今後支払を約束している金額は、当連結会計年度末で31,624百万円(前期末31,939百万円)であります。
(2)生産、受注及び販売の実績
営業投資活動の状況
当社グループは、下図のとおり、原則としてファンド(下図①)の資金により、国内外の有望未上場企業等への投資を行っております。
ファンドにおける営業投資有価証券の売却損益等は、ファンドの出資持分に応じて、当社グループに直接帰属いたします。また、当社グループは、ファンドから契約に基づいて管理運営に対する管理報酬と投資成果に対する成功報酬を受領しております。
連結貸借対照表の営業投資有価証券残高は、ファンドの当社グループ出資持分(下図②)に応じた営業投資有価証券残高と当社グループ(下図③)の営業投資有価証券残高の合計額であります。
次ページ以降の「投資実行額」「投資残高」につきましては、当社グループの営業投資活動(投資及びファンドの管理運営)を表すため、ファンド(下図①)と当社グループ(下図③)を合算した投資活動の状況を記載しております。

(注)用語説明
①投資実行状況
①-1 エクイティ投資実行額:業種別
①-2 エクイティ投資実行額:地域別
(注)1.「投資実行額」は、当社グループ及びファンドの投資実行額の合計であります。
2.外貨建の「投資実行額」については、四半期連結会計期間ごとにそれぞれの四半期末為替レートで換算した額を合計しております。
3.日本のベンチャー投資部門が担当する海外投資先は日本に含めております。
②投資残高
②-1 投資残高
②-2 未上場エクイティ投資残高:業種別
②-3 未上場エクイティ投資残高:地域別
(注)1.「投資残高」は、当社グループ及びファンドの投資残高の合計であります。
2.「投資残高」は取得原価で表示しております。
3.外貨建の「投資残高」については、各連結会計年度末為替レートで換算しております。
4.日本のベンチャー投資部門が担当する海外投資先は日本に含めております。
③ファンドの運用状況
前連結会計年度に設立した台湾ドル建ファンド「JAFCO Taiwan I Venture Capital Limited Partnership」は最終クロージングを迎え、出資金総額は2,006百万台湾ドルとなりました。また、当連結会計年度において「Icon Ventures Ⅶ, L.P.」(2021年3月末コミットメント総額178百万米ドル ※募集活動継続中)を設立しました。
(注)1.「出資金総額」は、契約上出資が約束されている額の総額であります。
2.合計欄における外貨建「出資金総額」については、各連結会計年度末為替レートで換算しております。
④投資先会社IPO(新規上場)の状況
前連結会計年度(2019年4月1日~2020年3月31日)
当連結会計年度(2020年4月1日~2021年3月31日)
(注)海外企業の本社所在地は、主たる営業地域又は実質的な本社所在地を基準に記載しております。
(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、資産、負債、収益及び費用の額に影響を与える仮定や見積りを必要とします。 これらの仮定や見積りは、過去の実績や現在の状況等を勘案し合理的に判断していますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる可能性があります。
当社の連結財務諸表にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②当年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績
「(1)連結経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載の通り、当年度の当社グループの売上高21,512百万円(前期比27.9%減)、営業利益8,964百万円(前期比40.1%減)となりました。営業外収益は、受取配当金は減少したものの他社ファンド運用益の発生などにより、2,761百万円(前期比27.3%増)となりました。また、営業外費用は、為替差損の減少などにより、18百万円(前期比80.3%減)となりました。この結果、経常利益は11,707百万円(前期比31.3%減)となりました。特別利益については、当社が純投資目的で保有する野村総合研究所株式15,500,000株(当社が保有する野村総合研究所の株式総数39,468,150株の39.3%)の売却をし、これにより44,764百万円を投資有価証券売却益として計上しております(前年度の特別利益の計上はありません)。特別損失の計上はありませんでした(前年度の特別損失の計上もありません)。税効果会計適用後の法人税等は17,967百万円(前期比245.1%増)となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は38,504百万円(前期比225.2%増)となりました。
b.財政状態
当連結会計年度末における当社グループの財政状態は、流動資産177,455百万円(前期比38.2%増)、固定資産84,928百万円(前期比9.3%減)、流動負債20,351百万円(前期比168.4%増)、固定負債26,794百万円(前期比2.6%増)、純資産は215,237百万円(前期比14.3%増)となり、総資産は262,383百万円(前期比18.2%増)となりました。流動資産については、現金及び預金が主に親会社株主に帰属する当期純利益の増加により前年度から37,976百万円増加し、営業投資有価証券が投資先の新規IPOによる評価益増加に加え投資の進捗により前年度から16,014百万円増加しています。固定資産については、投資有価証券が主に売却により前年度から8,553百万円減少しています。流動負債については、未払法人税等が前年度から12,779百万円増加し、固定負債については繰延税金負債が前年度から620百万円増加しております。
c.キャッシュ・フローの状況
「(1)連結経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご覧ください。
d.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績等に特に重要な影響を与える要因である、投資実行、キャピタルゲイン、投資損失引当金、営業投資有価証券の残高、ファンドの管理運営業務の各状況に関する認識及び分析・検討は次の通りです。
(投資実行の状況)
「(2)生産、受注及び販売の実績 ①投資実行状況」に記載の通り、当連結会計年度の当社グループ及びファンドの投資実行額は、32,813百万円(前期34,769百万円)、投資会社数は66社(前期71社)となりました。新型コロナウイルスの影響もあり第1四半期は投資金額が落ち込みましたが、第2四半期以降は対面と非対面を組み合わせた投資検討・実行の形が定着し、前年同期を上回るペースで投資が進捗しました。
当連結会計年度の国内ベンチャー投資における業種分類では、引き続きインターネットスペースの投資先が大半となっています。IT関連の投資先の比率が高まっていますが、ITサービスの中には、最新のテクノロジーにより様々な既存産業のビジネスモデルを変えていくようなスタートアップが数多く含まれています。
また、新規投資のステージでは、創業期のシードや、事業の立ち上げ時期のアーリーステージがほとんどです。その大半がインターネットスペースにあります。事業の立ち上げ方次第で、スタートアップの変化率は非常に高いものになります。一方で、競合先も多く立ち上げの遅れが致命傷になりかねません。当社は、投資先の「CO-FOUNDER」として、事業の構想段階から関わり、起業家とともに事業の成長に踏み込んでいきます。
(キャピタルゲインの状況)
当連結会計年度における当社グループの投資先の新規IPOは6社(国内5社、海外1社)であり、海外投資先のマザーズ上場を含めた国内5社のIPOに加えて、バイアウト投資先のM&Aが、キャピタルゲインに大きく貢献しています。
高水準のファンドパフォーマンスを長期にわたって継続していくことが、当社の経営における最大のテーマです。今後もIPOの数にこだわることなく、大きなキャピタルゲインを伴うIPOやM&A等のEXITを追求していきます。各年度の業績は、大型のEXITの実現数により大きく変動します。運用中の各ファンドのパフォーマンスを高めていくことが、長期的な好業績につながっていきます。
(投資損失引当金の状況)
厳選集中投資により、ポートフォリオの入れ替えを図り、経営関与を高めたことで、引当金残高、引当率の減少が続いてきましたが、当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、引当金繰入額が3,483百万円(うち1,737百万円が新型コロナウイルス関連)と前連結会計年度に続き増加しています。引当金残高も10,917百万円と、2010年3月期以来、11期ぶりの増加に転じています。新型コロナウイルスの感染状況は、今後も予断を許さない状況にあります。コスト管理や資金調達を含めた投資先への経営関与に力を入れています。
(営業投資有価証券残高の状況)
コロナ禍にあっても新規投資、追加投資ともに比較的堅調に積み上がったことにより、ファンド投資を通じた投資残高における当社の持分も増加しています。また、当連結会計年度は国内5社、海外1社のIPOがあり、その保有株の売却を進めていますが、投資先の上場投資残高も増加しています。
営業投資有価証券残高
(注)「未上場」の取得原価と連結貸借対照表計上額との差異は、外国為替の評価差額のみを反映しています。
(ファンドの管理運営業務)
前連結会計年度において設立したSV6ファンド及びJAFCO Taiwan I Venture Capital Limited Partnershipからの管理報酬が増加しております。また、SV4ファンド、JATF6号ファンド及びIcon4号ファンドといった出資者への分配額がファンド総額を超えたファンドからの成功報酬が継続的に出ています
(注)管理報酬及び成功報酬は、当社グループの出資持分相当額を相殺した後の金額となっております。
e.当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社の資金需要のうち主なものはファンドへの投資資金、販売費及び一般管理費等であり、販売費及び一般管理費等の主なものは、人件費及び不動産費等であります。ファンドの運用資産の大半は未上場企業であり、時価もなく流動性が極めて限定されます。従って、どのような環境にあっても、継続して投資を行うために自己資本の充実と強い財務基盤が求められます。当連結会計年度は、純資産額は215,237百万円(前期末188,366百万円)、自己資本比率については82.0%(前期末84.8%)と▲2.8ポイント下落しましたが、これは未払法人税等が増加したためです。貸借対照表に計上されている107,517百万円の現金及び預金の中には、各ファンドに当社が既に出資した分も含まれています。
当連結会計年度において、当社は保有する野村総合研究所株式の約40%を売却しました。また、取得総数700万株、取得総額35,000百万円を上限とする自己株式の取得を決議し、あわせて「今後の株主還元についての方針」も公表しました。今後はこの方針に則り、事業環境や当社の財務状況の変化に応じて自己資本の充実と株主還元のバランスを図っていきます。
今後の株主還元についての方針(2021年2月10日公表)
●当社における自己資金と自己資本について
当社の事業は、未上場企業へ投資を行うファンドの運用であり、当社自身も自己資金をファンド総額の4割程度出資しています。外部出資者から得られるファンドの出資金は、ファンド募集時の経済環境、株式市況、当社ファンドのパフォーマンスに大きく左右されます。当社は、豊富な自己資金によって、継続安定的にファンドを組成してまいりました。また、当社が純投資目的で保有する、株式会社野村総合研究所(以下、「NRI」)株式は、流動性の高い将来の投資のための資産と位置づけ、継続して保有してまいりました。一定規模以上の自己資金と自己資本の水準を保持することが、リスクマネーの供給という社会的使命を果たし、当社事業の永続性を高めることにつながります。そして、当社が掲げる「新事業の創造にコミットし、ともに未来を切り開く」というミッションの実現、ひいては企業価値向上にも資するものと考えています。
●将来のために必要な投資資金及び今後の株主還元の考え方
今後も、いかなる環境においても投資を継続できる財務基盤を維持していくため、現預金とNRI株式は一体として将来の投資資金と位置付けてまいります。将来の投資のために必要となる資金は、現在運用中のファンドに対し今後払込が必要な金額(ファンド未払込金額)や次期ファンドへの当社出資分に加え、将来のファンドサイズ拡大、その他の投資機会や不測の事態への備えとして、現状では1,200億円程度と考えています。現預金とNRI株式の時価評価額(税引後)の合計額がこれを一定程度超えることとなった場合には、自己株式の取得を検討することとします。この場合、株価が1株当たり純資産を下回るときは、より積極的に検討します。また、自己株式を取得した場合には、保有する自己株式が発行済株式数の3%となるよう適宜消却していくことを予定しています。また、配当金につきましては、2017年3月8日に開示した基本方針(1株当たり株主資本の期首期末の平均値の3%を目途とする。)を継続いたします。
f.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、当社グループにおける最大の経営テーマは、ファンドパフォーマンスを持続的に向上させることです。当社グループは、ファンド運用事業の単一セグメントであり、収益の源泉はファンドからの管理収入(管理報酬・成功報酬)とファンドへの直接出資持分からのキャピタルゲインであることから、運用中の各ファンドのパフォーマンスを高めていくことが、中長期的な好業績の継続につながっていきます。
当社は、以下をファンドパフォーマンスの具体的な目標としております。
グロス倍率(売却金額(未売却投資先の評価金額を含む)÷投資金額)2.5倍以上
ネット倍率((分配金累計額+純資産額)÷払込済出資金額)2.0倍以上
また、運用中(延長中を含む)の主な国内ファンドのパフォーマンスは次の通りです。
(注)純資産額において、未売却投資先の評価については、上場株式は期末日の時価で評価しており、外貨建の上場株式は期末日の為替レートで換算しております。また、未上場株式は、マークアップ(未実現評価益の計上)せず、マークダウン(未実現評価損の計上)のみを行っています。なお、外貨建の未上場株式についても期末日の為替レートで換算しております。
g.セグメントごとの財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、ファンド運用事業の単一セグメントであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
(1)連結経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の当社グループの連結業績は、売上高21,512百万円(前期29,855百万円、増減率△27.9%)、営業利益8,964百万円(前期14,970百万円、増減率△40.1%)、経常利益11,707百万円(前期17,045百万円、増減率△31.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益38,504百万円(前期11,839百万円、増減率225.2%)となりました。
当連結会計年度における当社グループの投資先の新規IPOは6社(国内5社、海外1社)であり、キャピタルゲインは対前年同期比では減少しました。また、新型コロナウイルスの感染拡大の影響などから投資損失引当金の繰入が増加しております。
当連結会計年度において当社が純投資目的で保有する株式会社野村総合研究所(以下、「野村総合研究所」)の普通株式15,500,000株(当社が保有する野村総合研究所の株式総数39,468,150株の39.3%)の売却を決議し、実行しました。これにより、44,764百万円を投資有価証券売却益(特別利益)として計上しております。
当社グループはファンド運用事業の単一セグメントであります。
②キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは8百万円のキャッシュインフロー(前期12,177百万円のキャッシュインフロー)となりました。これは主に営業投資有価証券の売却等による収入によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは49,154百万円のキャッシュインフロー(前期277百万円のキャッシュアウトフロー)となりました。これは主に投資有価証券(野村総合研究所株式)の売却による収入によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは13,944百万円のキャッシュアウトフロー(前期3,581百万円のキャッシュアウトフロー)となりました。これは主に自己株式の取得による支出によるものであります。
これらの結果、現金及び現金同等物は35,476百万円増加し、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は107,517百万円(前期末72,040百万円)となりました。そのうち7,843百万円(前期末5,776百万円)はファンド出資持分であります。また、当社グループが管理運営するファンドに対して当社グループが出資金として今後支払を約束している金額は、当連結会計年度末で31,624百万円(前期末31,939百万円)であります。
(2)生産、受注及び販売の実績
営業投資活動の状況
当社グループは、下図のとおり、原則としてファンド(下図①)の資金により、国内外の有望未上場企業等への投資を行っております。
ファンドにおける営業投資有価証券の売却損益等は、ファンドの出資持分に応じて、当社グループに直接帰属いたします。また、当社グループは、ファンドから契約に基づいて管理運営に対する管理報酬と投資成果に対する成功報酬を受領しております。
連結貸借対照表の営業投資有価証券残高は、ファンドの当社グループ出資持分(下図②)に応じた営業投資有価証券残高と当社グループ(下図③)の営業投資有価証券残高の合計額であります。
次ページ以降の「投資実行額」「投資残高」につきましては、当社グループの営業投資活動(投資及びファンドの管理運営)を表すため、ファンド(下図①)と当社グループ(下図③)を合算した投資活動の状況を記載しております。

(注)用語説明
| 名 称 | 定 義 |
| ファンド | 当社グループが管理運営するファンド(投資事業有限責任組合契約に関する法律上の組合、外国の法制上のリミテッドパートナーシップ等) |
| 当社グループ | 当社及び連結子会社 |
①投資実行状況
①-1 エクイティ投資実行額:業種別
| (単位:百万円) |
| 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | |
| 金 額 | 金 額 | |
| エレクトロニクス | 614 | 576 |
| ソフトウェア | 1,425 | 1,337 |
| ITサービス | 23,060 | 17,264 |
| 医療・バイオ | 2,057 | 2,691 |
| サービス | 3,937 | 7,156 |
| 製造業 | 2,918 | 1,328 |
| 流通・小売・外食 | - | 2,292 |
| 住宅・金融 | 754 | 166 |
| 合計 | 34,769 | 32,813 |
①-2 エクイティ投資実行額:地域別
| (単位:百万円) |
| 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | ||||
| 金額 | 社数 | 金額 | 社数 | ||
| 日本 | 24,883 | 35 | 21,491 | 35 | |
| 米国 | 8,425 | 24 | 7,637 | 18 | |
| アジア | 1,459 | 12 | 3,684 | 13 | |
| 合計 | 34,769 | 71 | 32,813 | 66 | |
(注)1.「投資実行額」は、当社グループ及びファンドの投資実行額の合計であります。
2.外貨建の「投資実行額」については、四半期連結会計期間ごとにそれぞれの四半期末為替レートで換算した額を合計しております。
3.日本のベンチャー投資部門が担当する海外投資先は日本に含めております。
②投資残高
②-1 投資残高
| (単位:百万円) |
| 前連結会計年度 (2020年3月31日) | 当連結会計年度 (2021年3月31日) | |||||
| 金 額 | 社 数 | 金 額 | 社 数 | |||
| 上場 | 3,196 | 29 | 2,811 | 31 | ||
| 未上場 | 141,031 | 206 | 161,334 | 220 | ||
| 合計 | 144,227 | 235 | 164,146 | 251 | ||
②-2 未上場エクイティ投資残高:業種別
| (単位:百万円) |
| 前連結会計年度 (2020年3月31日) | 当連結会計年度 (2021年3月31日) | |
| 金 額 | 金 額 | |
| エレクトロニクス | 10,308 | 8,402 |
| ソフトウェア | 12,663 | 11,151 |
| ITサービス | 88,075 | 101,229 |
| 医療・バイオ | 6,925 | 9,512 |
| サービス | 8,881 | 14,896 |
| 製造業 | 7,759 | 9,152 |
| 流通・小売・外食 | 4,656 | 5,048 |
| 住宅・金融等 | 1,761 | 1,941 |
| 合計 | 141,031 | 161,334 |
②-3 未上場エクイティ投資残高:地域別
| (単位:百万円) |
| 前連結会計年度 (2020年3月31日) | 当連結会計年度 (2021年3月31日) | |
| 金 額 | 金 額 | |
| 日本 | 82,336 | 99,239 |
| 米国 | 40,594 | 42,856 |
| アジア | 18,101 | 19,237 |
| 合計 | 141,031 | 161,334 |
(注)1.「投資残高」は、当社グループ及びファンドの投資残高の合計であります。
2.「投資残高」は取得原価で表示しております。
3.外貨建の「投資残高」については、各連結会計年度末為替レートで換算しております。
4.日本のベンチャー投資部門が担当する海外投資先は日本に含めております。
③ファンドの運用状況
前連結会計年度に設立した台湾ドル建ファンド「JAFCO Taiwan I Venture Capital Limited Partnership」は最終クロージングを迎え、出資金総額は2,006百万台湾ドルとなりました。また、当連結会計年度において「Icon Ventures Ⅶ, L.P.」(2021年3月末コミットメント総額178百万米ドル ※募集活動継続中)を設立しました。
| 前連結会計年度 (2020年3月31日) | 当連結会計年度 (2021年3月31日) | ||||
| ファンド数 | 出資金総額 | ファンド数 | 出資金総額 | ||
| 円建 | (百万円) | (百万円) | |||
| 運用中 | 11 | 215,000 | 11 | 215,000 | |
| 延長中 | 7 | 150,000 | 7 | 150,000 | |
| 小計 | 18 | 365,000 | 18 | 365,000 | |
| 米ドル建 | (千米ドル) | (千米ドル) | |||
| 運用中 | 4 | 486,131 | 5 | 664,918 | |
| 延長中 | 4 | 113,500 | 3 | 45,700 | |
| 小計 | 8 | 599,631 | 8 | 710,618 | |
| 台湾ドル建 | (百万台湾ドル) | (百万台湾ドル) | |||
| 運用中 | 1 | 1,037 | 1 | 2,006 | |
| 小計 | 1 | 1,037 | 1 | 2,006 | |
| 合計 | (百万円) | (百万円) | |||
| 運用中 | 16 | 271,586 | 17 | 296,416 | |
| 延長中 | 11 | 162,352 | 10 | 155,059 | |
| 合計 | 27 | 433,939 | 27 | 451,475 |
| 出資金総額に占める 当社グループの 出資持分割合 | 40.8% | 40.4% |
(注)1.「出資金総額」は、契約上出資が約束されている額の総額であります。
2.合計欄における外貨建「出資金総額」については、各連結会計年度末為替レートで換算しております。
④投資先会社IPO(新規上場)の状況
前連結会計年度(2019年4月1日~2020年3月31日)
| 投資先会社名 | 上場年月日 | 上場市場 | 事業内容 | 本 社 所在地 | |
| 国内:3社 | ブランディングテクノロジー㈱ | 2019年6月21日 | マザーズ | インターネットを利用した各種情報提供サービス、広告業および広告代理店業、インターネットホームページの企画立案、開発、管理及びそれに附帯する業務 | 東京都 |
| ㈱ギフティ | 2019年9月20日 | マザーズ | 個人、法人、自治体を対象とした各種eギフトサービスの企画・開発・運営等 | 東京都 | |
| Chatwork㈱ | 2019年9月24日 | マザーズ | ビジネスチャットツール「Chatwork」の開発・提供、セキュリティソフトウェア「ESET」の代理販売 | 兵庫県 | |
| 海外:1社 | Bill.com Holdings, Inc. | 2019年12月12日 | NYSE | 中小企業向け経理業務支援サービス | 米国 |
当連結会計年度(2020年4月1日~2021年3月31日)
| 投資先会社名 | 上場年月日 | 上場市場 | 事業内容 | 本 社 所在地 | |
| 国内:5社 | ㈱アイキューブドシステムズ | 2020年7月15日 | マザーズ | 法人向けMDM(モバイルデバイス管理)サービス『CLOMO』、ビジネス用モバイルアプリ『CLOMO SECURED APPs』の提供 | 福岡県 |
| ㈱スタメン | 2020年12月15日 | マザーズ | エンゲージメント経営プラットフォーム「TUNAG」の展開 | 愛知県 | |
| ㈱WACUL | 2021年2月19日 | マザーズ | UI/UX改善コンサル、WEB/スマホサイトのUI/UX自動最適化ツール『AIアナリスト』の開発 | 東京都 | |
| ㈱ココナラ | 2021年3月19日 | マザーズ | 知識・スキル・経験を商品化して「ECのように売買できる」マッチングプラットフォーム | 東京都 | |
| Appier Group㈱ | 2021年3月30日 | マザーズ | AI(人工知能)を活用したマーケティングオートメーションプラットフォームの開発 | 東京都 | |
| 海外:1社 | Boqii Holding Limited | 2020年9月30日 | NYSE | ペット関連商品オンライン販売 | 中国 |
(注)海外企業の本社所在地は、主たる営業地域又は実質的な本社所在地を基準に記載しております。
(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、資産、負債、収益及び費用の額に影響を与える仮定や見積りを必要とします。 これらの仮定や見積りは、過去の実績や現在の状況等を勘案し合理的に判断していますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる可能性があります。
当社の連結財務諸表にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②当年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績
「(1)連結経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載の通り、当年度の当社グループの売上高21,512百万円(前期比27.9%減)、営業利益8,964百万円(前期比40.1%減)となりました。営業外収益は、受取配当金は減少したものの他社ファンド運用益の発生などにより、2,761百万円(前期比27.3%増)となりました。また、営業外費用は、為替差損の減少などにより、18百万円(前期比80.3%減)となりました。この結果、経常利益は11,707百万円(前期比31.3%減)となりました。特別利益については、当社が純投資目的で保有する野村総合研究所株式15,500,000株(当社が保有する野村総合研究所の株式総数39,468,150株の39.3%)の売却をし、これにより44,764百万円を投資有価証券売却益として計上しております(前年度の特別利益の計上はありません)。特別損失の計上はありませんでした(前年度の特別損失の計上もありません)。税効果会計適用後の法人税等は17,967百万円(前期比245.1%増)となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は38,504百万円(前期比225.2%増)となりました。
b.財政状態
当連結会計年度末における当社グループの財政状態は、流動資産177,455百万円(前期比38.2%増)、固定資産84,928百万円(前期比9.3%減)、流動負債20,351百万円(前期比168.4%増)、固定負債26,794百万円(前期比2.6%増)、純資産は215,237百万円(前期比14.3%増)となり、総資産は262,383百万円(前期比18.2%増)となりました。流動資産については、現金及び預金が主に親会社株主に帰属する当期純利益の増加により前年度から37,976百万円増加し、営業投資有価証券が投資先の新規IPOによる評価益増加に加え投資の進捗により前年度から16,014百万円増加しています。固定資産については、投資有価証券が主に売却により前年度から8,553百万円減少しています。流動負債については、未払法人税等が前年度から12,779百万円増加し、固定負債については繰延税金負債が前年度から620百万円増加しております。
c.キャッシュ・フローの状況
「(1)連結経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご覧ください。
d.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績等に特に重要な影響を与える要因である、投資実行、キャピタルゲイン、投資損失引当金、営業投資有価証券の残高、ファンドの管理運営業務の各状況に関する認識及び分析・検討は次の通りです。
(投資実行の状況)
「(2)生産、受注及び販売の実績 ①投資実行状況」に記載の通り、当連結会計年度の当社グループ及びファンドの投資実行額は、32,813百万円(前期34,769百万円)、投資会社数は66社(前期71社)となりました。新型コロナウイルスの影響もあり第1四半期は投資金額が落ち込みましたが、第2四半期以降は対面と非対面を組み合わせた投資検討・実行の形が定着し、前年同期を上回るペースで投資が進捗しました。
当連結会計年度の国内ベンチャー投資における業種分類では、引き続きインターネットスペースの投資先が大半となっています。IT関連の投資先の比率が高まっていますが、ITサービスの中には、最新のテクノロジーにより様々な既存産業のビジネスモデルを変えていくようなスタートアップが数多く含まれています。
また、新規投資のステージでは、創業期のシードや、事業の立ち上げ時期のアーリーステージがほとんどです。その大半がインターネットスペースにあります。事業の立ち上げ方次第で、スタートアップの変化率は非常に高いものになります。一方で、競合先も多く立ち上げの遅れが致命傷になりかねません。当社は、投資先の「CO-FOUNDER」として、事業の構想段階から関わり、起業家とともに事業の成長に踏み込んでいきます。
(キャピタルゲインの状況)
当連結会計年度における当社グループの投資先の新規IPOは6社(国内5社、海外1社)であり、海外投資先のマザーズ上場を含めた国内5社のIPOに加えて、バイアウト投資先のM&Aが、キャピタルゲインに大きく貢献しています。
高水準のファンドパフォーマンスを長期にわたって継続していくことが、当社の経営における最大のテーマです。今後もIPOの数にこだわることなく、大きなキャピタルゲインを伴うIPOやM&A等のEXITを追求していきます。各年度の業績は、大型のEXITの実現数により大きく変動します。運用中の各ファンドのパフォーマンスを高めていくことが、長期的な好業績につながっていきます。
| (単位:百万円) |
| 前連結会計年度(A) (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度(B) (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 対前期比(%) (B)/(A) | ||
| 金 額 | 金 額 | |||
| 営業投資有価証券 売上高① | 23,697 | 16,164 | 68.2 | |
| 売却高 | 23,540 | 16,074 | 68.3 | |
| 配当金・債券利子 | 156 | 90 | 57.8 | |
| 営業投資有価証券 売上原価② | 8,337 | 4,903 | 58.8 | |
| 売却原価 | 8,116 | 4,903 | 60.4 | |
| 強制評価損 | 221 | - | - | |
| キャピタルゲイン①-② | 15,359 | 11,260 | 73.3 | |
| 投資倍率①÷② | 2.84 | 3.30 | - | |
| 上場キャピタルゲイン | 2,627 | 7,567 | 288.0 | |
| 上場以外キャピタルゲイン | 12,732 | 3,693 | 29.0 | |
| 売却益 | 16,726 | 4,435 | 26.5 | |
| 売却損 | 3,994 | 742 | 18.6 | |
(投資損失引当金の状況)
厳選集中投資により、ポートフォリオの入れ替えを図り、経営関与を高めたことで、引当金残高、引当率の減少が続いてきましたが、当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、引当金繰入額が3,483百万円(うち1,737百万円が新型コロナウイルス関連)と前連結会計年度に続き増加しています。引当金残高も10,917百万円と、2010年3月期以来、11期ぶりの増加に転じています。新型コロナウイルスの感染状況は、今後も予断を許さない状況にあります。コスト管理や資金調達を含めた投資先への経営関与に力を入れています。
| (単位:百万円) |
| 前連結会計年度(A) (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度(B) (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 対前期比(%) (B)/(A) | ||
| 金 額 | 金 額 | |||
| 投資損失引当金繰入額① | 3,084 | 3,483 | 112.9 | |
| 個別繰入額 | 3,731 | 3,541 | 94.9 | |
| 一括繰入(△取崩)額 | △647 | △58 | - | |
| 投資損失引当金取崩額② | 3,599 | 803 | 22.3 | |
| 投資損失引当金繰入額 (純額・△は戻入額) ①-② | △514 | 2,679 | - | |
| (単位:百万円) |
| 前連結会計年度 (2020年3月31日) | 当連結会計年度 (2021年3月31日) | ||
| 金 額 | 金 額 | ||
| 投資損失引当金残高 | 8,229 | 10,917 | |
| 個別引当残高 | 8,026 | 10,772 | |
| 一括引当残高 | 203 | 145 | |
| 未上場営業投資有価証券残高に対する引当率 | 14.9% | 17.3% | |
(営業投資有価証券残高の状況)
コロナ禍にあっても新規投資、追加投資ともに比較的堅調に積み上がったことにより、ファンド投資を通じた投資残高における当社の持分も増加しています。また、当連結会計年度は国内5社、海外1社のIPOがあり、その保有株の売却を進めていますが、投資先の上場投資残高も増加しています。
| (単位:百万円) |
| 前連結会計年度 (2020年3月31日) | 当連結会計年度 (2021年3月31日) | ||
| 金 額 | 金 額 | ||
| 上場営業投資有価証券の取得原価と時価の差額 | 6,975 | 14,850 | |
| 時価が取得原価を超えるもの | 7,126 | 14,850 | |
| 時価が取得原価を超えないもの | △151 | - | |
| (単位:百万円) |
| 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | |
| 金 額 | 金 額 | |
| 部分純資産直入法に基づく営業投資有価証券評価損(△戻入益) | △88 | △150 |
営業投資有価証券残高
| (単位:百万円) |
| 前連結会計年度 (2020年3月31日) | 当連結会計年度 (2021年3月31日) | ||||
| 取得原価 | 連結貸借対照表計上額 | 取得原価 | 連結貸借対照表計上額 | ||
| 上場 | 1,494 | 8,470 | 1,594 | 16,444 | |
| 未上場 | 54,696 | 55,061 | 62,511 | 63,102 | |
| 合計 | 56,191 | 63,532 | 64,105 | 79,547 | |
(注)「未上場」の取得原価と連結貸借対照表計上額との差異は、外国為替の評価差額のみを反映しています。
(ファンドの管理運営業務)
前連結会計年度において設立したSV6ファンド及びJAFCO Taiwan I Venture Capital Limited Partnershipからの管理報酬が増加しております。また、SV4ファンド、JATF6号ファンド及びIcon4号ファンドといった出資者への分配額がファンド総額を超えたファンドからの成功報酬が継続的に出ています
| (単位:百万円) |
| 前連結会計年度(A) (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度(B) (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 対前期比(%) (B)/(A) | ||
| 金 額 | 金 額 | |||
| 投資事業組合管理収入 | 6,155 | 5,340 | 86.8 | |
| 管理報酬 | 2,586 | 2,871 | 111.0 | |
| 成功報酬 | 3,569 | 2,469 | 69.2 | |
(注)管理報酬及び成功報酬は、当社グループの出資持分相当額を相殺した後の金額となっております。
e.当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社の資金需要のうち主なものはファンドへの投資資金、販売費及び一般管理費等であり、販売費及び一般管理費等の主なものは、人件費及び不動産費等であります。ファンドの運用資産の大半は未上場企業であり、時価もなく流動性が極めて限定されます。従って、どのような環境にあっても、継続して投資を行うために自己資本の充実と強い財務基盤が求められます。当連結会計年度は、純資産額は215,237百万円(前期末188,366百万円)、自己資本比率については82.0%(前期末84.8%)と▲2.8ポイント下落しましたが、これは未払法人税等が増加したためです。貸借対照表に計上されている107,517百万円の現金及び預金の中には、各ファンドに当社が既に出資した分も含まれています。
当連結会計年度において、当社は保有する野村総合研究所株式の約40%を売却しました。また、取得総数700万株、取得総額35,000百万円を上限とする自己株式の取得を決議し、あわせて「今後の株主還元についての方針」も公表しました。今後はこの方針に則り、事業環境や当社の財務状況の変化に応じて自己資本の充実と株主還元のバランスを図っていきます。
今後の株主還元についての方針(2021年2月10日公表)
●当社における自己資金と自己資本について
当社の事業は、未上場企業へ投資を行うファンドの運用であり、当社自身も自己資金をファンド総額の4割程度出資しています。外部出資者から得られるファンドの出資金は、ファンド募集時の経済環境、株式市況、当社ファンドのパフォーマンスに大きく左右されます。当社は、豊富な自己資金によって、継続安定的にファンドを組成してまいりました。また、当社が純投資目的で保有する、株式会社野村総合研究所(以下、「NRI」)株式は、流動性の高い将来の投資のための資産と位置づけ、継続して保有してまいりました。一定規模以上の自己資金と自己資本の水準を保持することが、リスクマネーの供給という社会的使命を果たし、当社事業の永続性を高めることにつながります。そして、当社が掲げる「新事業の創造にコミットし、ともに未来を切り開く」というミッションの実現、ひいては企業価値向上にも資するものと考えています。
●将来のために必要な投資資金及び今後の株主還元の考え方
今後も、いかなる環境においても投資を継続できる財務基盤を維持していくため、現預金とNRI株式は一体として将来の投資資金と位置付けてまいります。将来の投資のために必要となる資金は、現在運用中のファンドに対し今後払込が必要な金額(ファンド未払込金額)や次期ファンドへの当社出資分に加え、将来のファンドサイズ拡大、その他の投資機会や不測の事態への備えとして、現状では1,200億円程度と考えています。現預金とNRI株式の時価評価額(税引後)の合計額がこれを一定程度超えることとなった場合には、自己株式の取得を検討することとします。この場合、株価が1株当たり純資産を下回るときは、より積極的に検討します。また、自己株式を取得した場合には、保有する自己株式が発行済株式数の3%となるよう適宜消却していくことを予定しています。また、配当金につきましては、2017年3月8日に開示した基本方針(1株当たり株主資本の期首期末の平均値の3%を目途とする。)を継続いたします。
f.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、当社グループにおける最大の経営テーマは、ファンドパフォーマンスを持続的に向上させることです。当社グループは、ファンド運用事業の単一セグメントであり、収益の源泉はファンドからの管理収入(管理報酬・成功報酬)とファンドへの直接出資持分からのキャピタルゲインであることから、運用中の各ファンドのパフォーマンスを高めていくことが、中長期的な好業績の継続につながっていきます。
当社は、以下をファンドパフォーマンスの具体的な目標としております。
グロス倍率(売却金額(未売却投資先の評価金額を含む)÷投資金額)2.5倍以上
ネット倍率((分配金累計額+純資産額)÷払込済出資金額)2.0倍以上
また、運用中(延長中を含む)の主な国内ファンドのパフォーマンスは次の通りです。
| ファンド | 設立年月 | 出資金 総額 (億円) | 払込済 出資金額 (億円) | 分配金 累計額 (億円) | 純資 産額 (億円) | グロス倍率 (倍) | ネット倍率 (倍) | ||
| 2021年3月末 | 2020年3月末 | 2021年3月末 | 2020年3月末 | 2021年3月末 | |||||
| SV-3(B) | 2007年7月 | 610 | 610 | 957 | 9 | 2.04 | 2.05 | 1.58 | 1.59 |
| SV-4(B) | 2013年3月 | 291 | 291 | 390 | 133 | 1.82 | 2.14 | 1.54 | 1.80 |
| SV-5(B) | 2016年8月 | 498 | 460 | 24 | 375 | 0.89 | 0.96 | 0.82 | 0.87 |
| SV-6 | 2019年6月 | 640 | 307 | - | 274 | 1.00 | 0.99 | 0.90 | 0.89 |
(注)純資産額において、未売却投資先の評価については、上場株式は期末日の時価で評価しており、外貨建の上場株式は期末日の為替レートで換算しております。また、未上場株式は、マークアップ(未実現評価益の計上)せず、マークダウン(未実現評価損の計上)のみを行っています。なお、外貨建の未上場株式についても期末日の為替レートで換算しております。
g.セグメントごとの財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、ファンド運用事業の単一セグメントであります。