有価証券報告書-第50期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
(1)連結経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の当社グループの連結業績は、売上高27,677百万円(前期21,512百万円、増減率28.7%)、営業利益16,876百万円(前期8,964百万円、増減率88.2%)、経常利益18,360百万円(前期11,707百万円、増減率56.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益15,080百万円(前期38,504百万円、増減率△60.8%)となりました。
当連結会計年度における当社グループの投資先の新規IPOは6社(国内4社、海外2社)であり、大型の新規IPOによる株式売却等の結果、キャピタルゲインは対前期比では増加しました。また、成功報酬は対前期比で大幅に増加しました。
当連結会計年度における当社グループの財政状態について、2021年2月10日開催の取締役会決議に基づき、2021年4月1日から2021年6月15日までに自己株式9,767,700株を取得したことにより、自己株式が24,846百万円増加しました(なお、2021年2月12日から3月31日までの自己株式取得は、4,532,100株、10,153百万円であり、2021年2月12日から2021年6月15日までの自己株式取得合計は、14,299,800株、34,999百万円であります)。また、2021年4月21日開催の取締役会決議に基づき2021年5月7日付で自己株式6,750,000株、2021年6月16日開催の取締役会決議に基づき2021年6月29日付で自己株式9,990,000株の消却を実施し、利益剰余金及び自己株式が36,938百万円減少しました。さらに、2021年10月22日開催の取締役会決議に基づく自己株式の取得は、2022年3月31日までに7,207,600株(取得価額14,615百万円)を取得しております。これらの結果、当連結会計年度末において、利益剰余金は前連結会計年度末から25,917百万円減少し、自己株式は2,526百万円増加しております。なお、当社は、2022年2月1日付で普通株式1株を3株にする株式分割を行っており、上記の株式数は当該株式分割後の株式数に換算しております。
当社グループはファンド運用事業の単一セグメントであります。
②キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは12,958百万円のキャッシュアウトフロー(前期8百万円のキャッシュインフロー)となりました。これは主に法人税等の支払等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは748百万円のキャッシュインフロー(前期49,154百万円のキャッシュインフロー)となりました。これは主に他社ファンドの分配による収入によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは43,474百万円のキャッシュアウトフロー(前期13,944百万円のキャッシュアウトフロー)となりました。これは主に自己株式の取得による支出によるものであります。
これらの結果、現金及び現金同等物は54,914百万円減少し、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は52,603百万円(前期末107,517百万円)となりました。そのうち8,838百万円(前期末7,843百万円)はファンド出資持分であります。また、当社グループが管理運営するファンドに対して当社グループが出資金として今後支払を約束している金額は、当連結会計年度末で28,125百万円(前期末31,624百万円)であります。
(2)生産、受注及び販売の実績
営業投資活動の状況
当社グループは、下図のとおり、原則としてファンド(下図①)の資金により、国内外の有望未上場企業等への投資を行っております。
ファンドにおける営業投資有価証券の売却損益等は、ファンドの出資持分に応じて、当社グループに直接帰属いたします。また、当社グループは、ファンドから契約に基づいて管理運営に対する管理報酬と投資成果に対する成功報酬を受領しております。
連結貸借対照表の営業投資有価証券残高は、ファンドの当社グループ出資持分(下図②)に応じた営業投資有価証券残高と当社グループ(下図③)の営業投資有価証券残高の合計額であります。
次ページ以降の「投資実行額」「投資残高」につきましては、当社グループの営業投資活動(投資及びファンドの管理運営)を表すため、ファンド(下図①)と当社グループ(下図③)を合算した投資活動の状況を記載しております。

(注)用語説明
①投資実行状況
①-1 エクイティ投資実行額:業種別
①-2 エクイティ投資実行額:地域別
(注)1.「投資実行額」は、当社グループ及びファンドの投資実行額の合計であります。
2.外貨建の「投資実行額」については、四半期連結会計期間ごとにそれぞれの四半期末為替レートで換算した額を合計しております。
3.日本のベンチャー投資部門が担当する海外投資先は日本に含めております。
②投資残高
②-1 投資残高
②-2 未上場エクイティ投資残高:業種別
②-3 未上場エクイティ投資残高:地域別
(注)1.「投資残高」は、当社グループ及びファンドの投資残高の合計であります。
2.「投資残高」は取得原価で表示しております。
3.外貨建の「投資残高」については、各連結会計年度末為替レートで換算しております。
4.日本のベンチャー投資部門が担当する海外投資先は日本に含めております。
③ファンドの運用状況
前連結会計年度に設立した「Icon Ventures Ⅶ, L.P.」は、2022年3月末コミットメント総額が227百万米ドルとなりました(募集活動継続中)。また、第1四半期連結会計期間において設立した「JAFCO Asia S-8 Fund Limited Partnership」「JAFCO Asia S-8(A) Fund Limited Partnership」は、2021年12月に最終クロージングし2ファンド合計のコミットメント総額は130百万米ドルとなりました。
(注)1.「コミットメント総額」は、契約上出資が約束されている額の総額であります。
2.合計欄における外貨建「コミットメント総額」は、各連結会計年度末為替レートで換算しております。
④投資先会社IPO(新規上場)の状況
前連結会計年度(2020年4月1日~2021年3月31日)
当連結会計年度(2021年4月1日~2022年3月31日)
(注)海外企業の本社所在地は、主たる営業地域又は実質的な本社所在地を基準に記載しております。
(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、資産、負債、収益及び費用の額に影響を与える仮定や見積りを必要とします。 これらの仮定や見積りは、過去の実績や現在の状況等を勘案し合理的に判断していますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる可能性があります。
当社の連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②当年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績
「(1)連結経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載の通り、当年度の当社グループの売上高は27,677百万円(前期比28.7%増)、営業利益は16,876百万円(前期比88.2%増)となりました。営業外収益は、受取配当金、他社ファンド運用益の減少等により、1,581百万円(前期比42.7%減)となりました。また、営業外費用は、自己株式取得費用等により、97百万円(前期比421.3%増)となりました。この結果、経常利益は18,360百万円(前期比56.8%増)となりました。特別利益については、投資有価証券売却益186百万円を計上しております(前年度は当社が純投資目的で保有する野村総合研究所株式15,500,000株を売却し44,764百万円を投資有価証券売却益として計上しております)。特別損失の計上はありませんでした(前年度の特別損失の計上もありません)。税効果会計適用後の法人税等は3,467百万円(前期比80.7%減)となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は15,080百万円(前期比60.8%減)となりました。
b.財政状態
当連結会計年度末における当社グループの財政状態は、流動資産134,407百万円(前期比24.3%減)、固定資産98,616百万円(前期比16.1%増)、流動負債4,563百万円(前期比77.6%減)、固定負債31,070百万円(前期比16.0%増)、純資産は197,390百万円(前期比8.3%減)となり、総資産は233,024百万円(前期比11.2%減)となりました。
流動資産については、現金及び預金が主に自己株式の取得による支出、法人税等の支払により前年度から54,914百万円減少する一方で、営業投資有価証券は投資の進捗により前年度から8,633百万円増加しています。固定資産については、投資有価証券が主に評価差額の増加により前年度から13,673百万円増加しています。流動負債については、未払法人税等が前年度から16,766百万円減少し、固定負債については繰延税金負債が前年度から4,370百万円増加しております。純資産のうち、自己資本については、2021年2月10日開催の取締役会決議に基づき、2021年4月1日から2021年6月15日までに自己株式9,767,700株を取得したことにより、自己株式が24,846百万円増加しました。また、2021年4月21日開催の取締役会決議に基づき2021年5月7日付で自己株式6,750,000株、2021年6月16日開催の取締役会決議に基づき2021年6月29日付で自己株式9,990,000株の消却を実施し、利益剰余金及び自己株式が36,938百万円減少しました。さらに、2021年10月22日開催の取締役会決議に基づく自己株式の取得は、2022年3月31日までに7,207,600株(取得価額14,615百万円)を取得しております。これらの結果、当連結会計年度末において、利益剰余金は前連結会計年度末から25,917百万円減少し、自己株式は2,526百万円増加しております。なお、当社は、2022年2月1日付で普通株式1株を3株にする株式分割を行っており、上記の株式数は当該株式分割後の株式数に換算しております。
c.キャッシュ・フローの状況
「(1)連結経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご覧ください。
d.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績等に特に重要な影響を与える要因である、投資実行、キャピタルゲイン、投資損失引当金、営業投資有価証券の残高、ファンドの管理運営業務の各状況に関する認識及び分析・検討は次の通りです。
(投資実行の状況)
「(2)生産、受注及び販売の実績 ①投資実行状況」に記載の通り、当連結会計年度の当社グループ及びファンドの投資実行額は、37,053百万円(前期32,813百万円)、投資会社数は93社(前期66社)となりました。特に国内ベンチャー投資は、投資先の資金調達も増加、追加投資も含め、前期を上回るハイペースで投資が進捗しました。
当連結会計年度の国内ベンチャー投資における業種分類では、引き続きインターネットスペースの投資先が大半となっています。IT関連の投資先の比率が高まっていますが、ITサービスの中には、最新のテクノロジーにより様々な既存産業のビジネスモデルを変えていくようなスタートアップが数多く含まれています。
また、新規投資のステージでは、創業期のシードや、事業の立ち上げ時期のアーリーステージがほとんどで
す。その大半がインターネットスペースにあります。事業の立ち上げ方次第で、スタートアップの変化率は
非常に高いものになります。一方で、競合先も多く立ち上げの遅れが致命傷になりかねません。当社は、投
資先の「CO-FOUNDER」として、事業の構想段階から関わり、起業家とともに事業の成長に踏み込んでいきます。
(キャピタルゲインの状況)
当連結会計年度における当社グループの投資先の新規IPOは6社(国内4社、海外2社)であり、大型の新規IPOによる株式売却等の結果、上場キャピタルゲインは対前期比では増加しましたが、上場以外キャピタルゲインは減少しました。
高水準のファンドパフォーマンスを長期にわたって継続していくことが、当社の経営における最大のテーマです。今後もIPOの数にこだわることなく、大きなキャピタルゲインを伴うIPOやM&A等のEXITを追求していきます。各年度の業績は、大型のEXITの実現数により大きく変動するものの、運用中の各ファンドのパフォーマンスを継続的に高めていくことが、当社の長期的な好業績につながっていきます。
(投資損失引当金の状況)
厳選集中投資により、ポートフォリオの入れ替えを図り、経営関与を高めたことで、引当金残高、引当率の減少が続いてきました。前連結会計年度まで新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり増加した引当金繰入額は、この影響が限定的となった当連結会計年度においては1,108百万円(前期3,483百万円)と大幅に減少しました。引当金残高も、新規の引当繰入れの減少、SV3ファンドの清算も含め引当先の売却が進んだことにより8,969百万円(前期末10,917百万円)と減少しています。投資の進捗と引当金繰入額の減少により引当率も12.1%(前期17.3%)と極めて低い水準となりました。しかしながら、前述の経営環境の変化が未上場市場に与える影響は注視しており、今後も予断を許さない状況にあります。今後投資先の業績や資金調達に影響が生じた場合、引当金が増加する可能性があります。
(営業投資有価証券残高の状況)
新規投資、追加投資ともに堅調に積み上がったことにより、ファンド投資を通じた投資残高における当社の持分も増加しています。上場した投資先の含み益は12,510百万円(前期末14,850百万円)となっています。投資先上場株式の売却や一部株式の株価下落等により前連結会計年度より2,340百万円減少しています。
営業投資有価証券残高
(ファンドの管理運営業務の状況)
当連結会計年度における成功報酬は、大型の新規IPOによるSV3ファンドのほか、SV4ファンド、JATF6ファンド等といった出資者への分配額がファンド総額を超えたファンドから継続的に発生しており、対前期比で大幅に増加しました。管理報酬は前期とほぼ同水準であります。
(注)管理報酬及び成功報酬は、当社グループの出資持分相当額を相殺した後の金額となっております。
e.当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要のうち主なものはファンドへの投資資金、販売費及び一般管理費等であり、販売費及び一般管理費等の主なものは、人件費及び不動産費等であります。ファンドの運用資産の大半は未上場企業であり、時価もなく流動性が極めて限定されます。従って、どのような環境にあっても、継続して投資を行うために自己資本の充実と強い財務基盤が求められます。当連結会計年度は、純資産額は197,390百万円(前期末215,237百万円)、自己資本比率については84.7%(前期末82.0%)となりました。貸借対照表に計上されている52,603百万円の現金及び預金の中には、各ファンドに当社が既に出資した分も含まれています。
当連結会計年度においては、2021年2月10日開催の取締役会決議に基づく自己株式の取得(2021年4月1日から2021年6月15日までに9,767,700株、取得価額24,846百万円、2021年2月12日から2021年6月15日までの自己株式取得合計株数、14,299,800株、取得価額34,999百万円)、2021年10月22日開催の取締役会決議に基づく自己株式の取得(2021年10月25日から2022年3月31日までに7,207,600株、取得価額14,615百万円)を行い、2021年4月21日開催の取締役会決議に基づき2021年5月7日付で自己株式6,750,000株、2021年6月16日開催の取締役会決議に基づき2021年6月29日付で自己株式9,990,000株の消却を実施しております(当社は、2022年2月1日付で普通株式1株を3株にする株式分割を行っており、上記の株式数は当該株式分割後の株式数に換算しております)。前連結会計年度に策定した後述の「今後の株主還元についての方針」に基づき、今後の出資分や次期ファンドへの出資予定分など、いかなる状況においても継続出資していくために必要な資金を確保しつつ、必要金額を一定程度超過する部分については株主還元を検討します。引き続き投資方針を堅持した積極的な投資と、株主還元継続の両立を目指していきます。
今後の株主還元についての方針(2021年2月10日公表)
●当社における自己資金と自己資本について
当社の事業は、未上場企業へ投資を行うファンドの運用であり、当社自身も自己資金をファンド総額の4割程度出資しています。外部出資者から得られるファンドの出資金は、ファンド募集時の経済環境、株式市況、当社ファンドのパフォーマンスに大きく左右されます。当社は、豊富な自己資金によって、継続安定的にファンドを組成してまいりました。また、当社が純投資目的で保有する、株式会社野村総合研究所(以下、「NRI」)株式は、流動性の高い将来の投資のための資産と位置づけ、継続して保有してまいりました。一定規模以上の自己資金と自己資本の水準を保持することが、リスクマネーの供給という社会的使命を果たし、当社事業の永続性を高めることにつながります。そして、当社が掲げる「新事業の創造にコミットし、ともに未来を切り開く」というミッションの実現、ひいては企業価値向上にも資するものと考えています。
●将来のために必要な投資資金及び今後の株主還元の考え方
今後も、いかなる環境においても投資を継続できる財務基盤を維持していくため、現預金とNRI株式は一体として将来の投資資金と位置付けてまいります。将来の投資のために必要となる資金は、現在運用中のファンドに対し今後払込が必要な金額(ファンド未払込金額)や次期ファンドへの当社出資分に加え、将来のファンドサイズ拡大、その他の投資機会や不測の事態への備えとして、現状では1,200億円程度と考えています。現預金とNRI株式の時価評価額(税引後)の合計額がこれを一定程度超えることとなった場合には、自己株式の取得を検討することとします。この場合、株価が1株当たり純資産を下回るときは、より積極的に検討します。また、自己株式を取得した場合には、保有する自己株式が発行済株式数の3%となるよう適宜消却していくことを予定しています。また、配当金につきましては、2017年3月8日に開示した基本方針(1株当たり株主資本の期首期末の平均値の3%を目途とする。)を継続いたします。
f.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、当社グループにおける最大の経営テーマは、ファンドパフォーマンスを持続的に向上させることです。当社グループは、ファンド運用事業の単一セグメントであり、収益の源泉はファンドからの管理収入(管理報酬・成功報酬)とファンドへの直接出資持分からのキャピタルゲインであることから、運用中の各ファンドのパフォーマンスを高めていくことが、中長期的な好業績の継続につながっていきます。
当社は、以下をファンドパフォーマンスの具体的な目標としております。
グロス倍率(売却金額(未売却投資先の評価金額を含む)÷投資金額)2.5倍以上
ネット倍率((分配金累計額+純資産額)÷払込済出資金額)2.0倍以上
また、運用中(延長中を含む)の主な国内ファンドのパフォーマンスは次の通りです。
(注)1.SV-3(B)は、2021年12月までに全投資先の流動化を完了し2022年2月に最終分配を行いました。
2.純資産額において、未売却投資先の評価については、上場株式は期末日の時価で評価しており、外貨建の上場株式は期末日の為替レートで換算しております。未上場投資先については、時価算定会計基準の適用に伴い、新株予約権付社債、新株予約権等の株式以外の投資等は時価で評価し、未上場株式は、マークアップ(未実現評価益の計上)せず、マークダウン(未実現評価損の計上)のみを行っています。なお、外貨建の未上場株式についても期末日の為替レートで換算しております。
g.セグメントごとの財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、ファンド運用事業の単一セグメントであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
(1)連結経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の当社グループの連結業績は、売上高27,677百万円(前期21,512百万円、増減率28.7%)、営業利益16,876百万円(前期8,964百万円、増減率88.2%)、経常利益18,360百万円(前期11,707百万円、増減率56.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益15,080百万円(前期38,504百万円、増減率△60.8%)となりました。
当連結会計年度における当社グループの投資先の新規IPOは6社(国内4社、海外2社)であり、大型の新規IPOによる株式売却等の結果、キャピタルゲインは対前期比では増加しました。また、成功報酬は対前期比で大幅に増加しました。
当連結会計年度における当社グループの財政状態について、2021年2月10日開催の取締役会決議に基づき、2021年4月1日から2021年6月15日までに自己株式9,767,700株を取得したことにより、自己株式が24,846百万円増加しました(なお、2021年2月12日から3月31日までの自己株式取得は、4,532,100株、10,153百万円であり、2021年2月12日から2021年6月15日までの自己株式取得合計は、14,299,800株、34,999百万円であります)。また、2021年4月21日開催の取締役会決議に基づき2021年5月7日付で自己株式6,750,000株、2021年6月16日開催の取締役会決議に基づき2021年6月29日付で自己株式9,990,000株の消却を実施し、利益剰余金及び自己株式が36,938百万円減少しました。さらに、2021年10月22日開催の取締役会決議に基づく自己株式の取得は、2022年3月31日までに7,207,600株(取得価額14,615百万円)を取得しております。これらの結果、当連結会計年度末において、利益剰余金は前連結会計年度末から25,917百万円減少し、自己株式は2,526百万円増加しております。なお、当社は、2022年2月1日付で普通株式1株を3株にする株式分割を行っており、上記の株式数は当該株式分割後の株式数に換算しております。
当社グループはファンド運用事業の単一セグメントであります。
②キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは12,958百万円のキャッシュアウトフロー(前期8百万円のキャッシュインフロー)となりました。これは主に法人税等の支払等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは748百万円のキャッシュインフロー(前期49,154百万円のキャッシュインフロー)となりました。これは主に他社ファンドの分配による収入によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは43,474百万円のキャッシュアウトフロー(前期13,944百万円のキャッシュアウトフロー)となりました。これは主に自己株式の取得による支出によるものであります。
これらの結果、現金及び現金同等物は54,914百万円減少し、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は52,603百万円(前期末107,517百万円)となりました。そのうち8,838百万円(前期末7,843百万円)はファンド出資持分であります。また、当社グループが管理運営するファンドに対して当社グループが出資金として今後支払を約束している金額は、当連結会計年度末で28,125百万円(前期末31,624百万円)であります。
(2)生産、受注及び販売の実績
営業投資活動の状況
当社グループは、下図のとおり、原則としてファンド(下図①)の資金により、国内外の有望未上場企業等への投資を行っております。
ファンドにおける営業投資有価証券の売却損益等は、ファンドの出資持分に応じて、当社グループに直接帰属いたします。また、当社グループは、ファンドから契約に基づいて管理運営に対する管理報酬と投資成果に対する成功報酬を受領しております。
連結貸借対照表の営業投資有価証券残高は、ファンドの当社グループ出資持分(下図②)に応じた営業投資有価証券残高と当社グループ(下図③)の営業投資有価証券残高の合計額であります。
次ページ以降の「投資実行額」「投資残高」につきましては、当社グループの営業投資活動(投資及びファンドの管理運営)を表すため、ファンド(下図①)と当社グループ(下図③)を合算した投資活動の状況を記載しております。

(注)用語説明
| 名 称 | 定 義 |
| ファンド | 当社グループが管理運営するファンド(投資事業有限責任組合契約に関する法律上の組合、外国の法制上のリミテッドパートナーシップ等) |
| 当社グループ | 当社及び連結子会社 |
①投資実行状況
①-1 エクイティ投資実行額:業種別
| (単位:百万円) |
| 前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | |
| 金 額 | 金 額 | |
| エレクトロニクス | 576 | 1,917 |
| ソフトウェア | 1,337 | 1,860 |
| ITサービス | 17,264 | 27,138 |
| 医療・バイオ | 2,691 | 1,484 |
| サービス | 7,156 | 500 |
| 製造業 | 1,328 | 3,740 |
| 流通・小売・外食 | 2,292 | 300 |
| 住宅・金融 | 166 | 111 |
| 合計 | 32,813 | 37,053 |
①-2 エクイティ投資実行額:地域別
| (単位:百万円) |
| 前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | |||
| 金額 | 社数 | 金額 | 社数 | |
| 日本 | 21,491 | 35 | 23,216 | 56 |
| 米国 | 7,637 | 18 | 7,775 | 16 |
| アジア | 3,684 | 13 | 6,060 | 21 |
| 合計 | 32,813 | 66 | 37,053 | 93 |
(注)1.「投資実行額」は、当社グループ及びファンドの投資実行額の合計であります。
2.外貨建の「投資実行額」については、四半期連結会計期間ごとにそれぞれの四半期末為替レートで換算した額を合計しております。
3.日本のベンチャー投資部門が担当する海外投資先は日本に含めております。
②投資残高
②-1 投資残高
| (単位:百万円) |
| 前連結会計年度 (2021年3月31日) | 当連結会計年度 (2022年3月31日) | |||
| 金 額 | 社 数 | 金 額 | 社 数 | |
| 上場 | 2,811 | 31 | 4,698 | 33 |
| 未上場 | 161,334 | 220 | 185,347 | 236 |
| 合計 | 164,146 | 251 | 190,046 | 269 |
②-2 未上場エクイティ投資残高:業種別
| (単位:百万円) |
| 前連結会計年度 (2021年3月31日) | 当連結会計年度 (2022年3月31日) | |
| 金 額 | 金 額 | |
| エレクトロニクス | 8,402 | 8,561 |
| ソフトウェア | 11,151 | 9,893 |
| ITサービス | 101,229 | 124,679 |
| 医療・バイオ | 9,512 | 8,451 |
| サービス | 14,896 | 14,369 |
| 製造業 | 9,152 | 11,877 |
| 流通・小売・外食 | 5,048 | 5,348 |
| 住宅・金融等 | 1,941 | 2,166 |
| 合計 | 161,334 | 185,347 |
②-3 未上場エクイティ投資残高:地域別
| (単位:百万円) |
| 前連結会計年度 (2021年3月31日) | 当連結会計年度 (2022年3月31日) | |
| 金 額 | 金 額 | |
| 日本 | 99,239 | 110,201 |
| 米国 | 42,856 | 50,314 |
| アジア | 19,237 | 24,831 |
| 合計 | 161,334 | 185,347 |
(注)1.「投資残高」は、当社グループ及びファンドの投資残高の合計であります。
2.「投資残高」は取得原価で表示しております。
3.外貨建の「投資残高」については、各連結会計年度末為替レートで換算しております。
4.日本のベンチャー投資部門が担当する海外投資先は日本に含めております。
③ファンドの運用状況
前連結会計年度に設立した「Icon Ventures Ⅶ, L.P.」は、2022年3月末コミットメント総額が227百万米ドルとなりました(募集活動継続中)。また、第1四半期連結会計期間において設立した「JAFCO Asia S-8 Fund Limited Partnership」「JAFCO Asia S-8(A) Fund Limited Partnership」は、2021年12月に最終クロージングし2ファンド合計のコミットメント総額は130百万米ドルとなりました。
| 前連結会計年度 (2021年3月31日) | 当連結会計年度 (2022年3月31日) | ||||
| ファンド数 | コミットメント 総額 | ファンド数 | コミットメント 総額 | ||
| 円建 | (百万円) | (百万円) | |||
| 運用中 | 11 | 215,000 | 11 | 215,000 | |
| 延長中 | 7 | 150,000 | - | - | |
| 小計 | 18 | 365,000 | 11 | 215,000 | |
| 米ドル建 | (千米ドル) | (千米ドル) | |||
| 運用中 | 5 | 664,918 | 7 | 843,656 | |
| 延長中 | 3 | 45,700 | 2 | 44,700 | |
| 小計 | 8 | 710,618 | 9 | 888,356 | |
| 台湾ドル建 | (百万台湾ドル) | (百万台湾ドル) | |||
| 運用中 | 1 | 2,006 | 1 | 2,006 | |
| 小計 | 1 | 2,006 | 1 | 2,006 | |
| 合計 | (百万円) | (百万円) | |||
| 運用中 | 17 | 296,416 | 19 | 326,780 | |
| 延長中 | 10 | 155,059 | 2 | 5,470 | |
| 合計 | 27 | 451,475 | 21 | 332,251 |
| コミットメント総額に占める 当社グループの 出資持分割合 | 40.4% | 40.9% |
(注)1.「コミットメント総額」は、契約上出資が約束されている額の総額であります。
2.合計欄における外貨建「コミットメント総額」は、各連結会計年度末為替レートで換算しております。
④投資先会社IPO(新規上場)の状況
前連結会計年度(2020年4月1日~2021年3月31日)
| 投資先会社名 | 上場年月日 | 上場市場 | 事業内容 | 本 社 所在地 | |
| 国内:5社 | ㈱アイキューブドシステムズ | 2020年7月15日 | マザーズ (現 グロース) | 法人向けMDM(モバイルデバイス管理)サービス『CLOMO』、ビジネス用モバイルアプリ『CLOMO SECURED APPs』の提供 | 福岡県 |
| ㈱スタメン | 2020年12月15日 | マザーズ (現 グロース) | エンゲージメント経営プラットフォーム「TUNAG」の展開 | 愛知県 | |
| ㈱WACUL | 2021年2月19日 | マザーズ (現 グロース) | UI/UX改善コンサル、WEB/スマホサイトのUI/UX自動最適化ツール『AIアナリスト』の開発 | 東京都 | |
| ㈱ココナラ | 2021年3月19日 | マザーズ (現 グロース) | 知識・スキル・経験を商品化して「ECのように売買できる」マッチングプラットフォーム | 東京都 | |
| Appier Group㈱ | 2021年3月30日 | マザーズ (現 グロース) | AI(人工知能)を活用したマーケティングオートメーションプラットフォームの開発 | 東京都 | |
| 海外:1社 | Boqii Holding Limited | 2020年9月30日 | NYSE | ペット関連商品オンライン販売 | 中国 |
当連結会計年度(2021年4月1日~2022年3月31日)
| 投資先会社名 | 上場年月日 | 上場市場 | 事業内容 | 本 社 所在地 | |
| 国内:4社 | ビジョナル㈱ | 2021年4月22日 | マザーズ (現 グロース) | HR Techプラットフォーム、HR SaaS、事業承継M&A、SaaSマー ケティング、サイバーセキュリティ、物流DXプラットフォーム等 | 東京都 |
| ワンダープラネット㈱ | 2021年6月10日 | マザーズ (現 グロース) | エンターテインメントサービス事業 | 愛知県 | |
| ㈱Photosynth | 2021年11月5日 | マザーズ (現 グロース) | Akerun入退室管理システム等のクラウド型IoTサービスの開発・提供 | 東京都 | |
| ㈱Finatextホールディングス | 2021年12月22日 | マザーズ (現 グロース) | 次世代ウェルス・マネジメント・サービスの開発、提供 | 東京都 | |
| 海外:2社 | PLAYSTUDIOS, Inc. | 2021年6月22日 | NASDAQ | オンラインゲーム開発・提供 | 米国 |
| Confluent, Inc. | 2021年6月24日 | NASDAQ | イベントストリーミングプラットフォームの提供 | 米国 |
(注)海外企業の本社所在地は、主たる営業地域又は実質的な本社所在地を基準に記載しております。
(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、資産、負債、収益及び費用の額に影響を与える仮定や見積りを必要とします。 これらの仮定や見積りは、過去の実績や現在の状況等を勘案し合理的に判断していますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる可能性があります。
当社の連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②当年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績
「(1)連結経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載の通り、当年度の当社グループの売上高は27,677百万円(前期比28.7%増)、営業利益は16,876百万円(前期比88.2%増)となりました。営業外収益は、受取配当金、他社ファンド運用益の減少等により、1,581百万円(前期比42.7%減)となりました。また、営業外費用は、自己株式取得費用等により、97百万円(前期比421.3%増)となりました。この結果、経常利益は18,360百万円(前期比56.8%増)となりました。特別利益については、投資有価証券売却益186百万円を計上しております(前年度は当社が純投資目的で保有する野村総合研究所株式15,500,000株を売却し44,764百万円を投資有価証券売却益として計上しております)。特別損失の計上はありませんでした(前年度の特別損失の計上もありません)。税効果会計適用後の法人税等は3,467百万円(前期比80.7%減)となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は15,080百万円(前期比60.8%減)となりました。
b.財政状態
当連結会計年度末における当社グループの財政状態は、流動資産134,407百万円(前期比24.3%減)、固定資産98,616百万円(前期比16.1%増)、流動負債4,563百万円(前期比77.6%減)、固定負債31,070百万円(前期比16.0%増)、純資産は197,390百万円(前期比8.3%減)となり、総資産は233,024百万円(前期比11.2%減)となりました。
流動資産については、現金及び預金が主に自己株式の取得による支出、法人税等の支払により前年度から54,914百万円減少する一方で、営業投資有価証券は投資の進捗により前年度から8,633百万円増加しています。固定資産については、投資有価証券が主に評価差額の増加により前年度から13,673百万円増加しています。流動負債については、未払法人税等が前年度から16,766百万円減少し、固定負債については繰延税金負債が前年度から4,370百万円増加しております。純資産のうち、自己資本については、2021年2月10日開催の取締役会決議に基づき、2021年4月1日から2021年6月15日までに自己株式9,767,700株を取得したことにより、自己株式が24,846百万円増加しました。また、2021年4月21日開催の取締役会決議に基づき2021年5月7日付で自己株式6,750,000株、2021年6月16日開催の取締役会決議に基づき2021年6月29日付で自己株式9,990,000株の消却を実施し、利益剰余金及び自己株式が36,938百万円減少しました。さらに、2021年10月22日開催の取締役会決議に基づく自己株式の取得は、2022年3月31日までに7,207,600株(取得価額14,615百万円)を取得しております。これらの結果、当連結会計年度末において、利益剰余金は前連結会計年度末から25,917百万円減少し、自己株式は2,526百万円増加しております。なお、当社は、2022年2月1日付で普通株式1株を3株にする株式分割を行っており、上記の株式数は当該株式分割後の株式数に換算しております。
c.キャッシュ・フローの状況
「(1)連結経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご覧ください。
d.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績等に特に重要な影響を与える要因である、投資実行、キャピタルゲイン、投資損失引当金、営業投資有価証券の残高、ファンドの管理運営業務の各状況に関する認識及び分析・検討は次の通りです。
(投資実行の状況)
「(2)生産、受注及び販売の実績 ①投資実行状況」に記載の通り、当連結会計年度の当社グループ及びファンドの投資実行額は、37,053百万円(前期32,813百万円)、投資会社数は93社(前期66社)となりました。特に国内ベンチャー投資は、投資先の資金調達も増加、追加投資も含め、前期を上回るハイペースで投資が進捗しました。
当連結会計年度の国内ベンチャー投資における業種分類では、引き続きインターネットスペースの投資先が大半となっています。IT関連の投資先の比率が高まっていますが、ITサービスの中には、最新のテクノロジーにより様々な既存産業のビジネスモデルを変えていくようなスタートアップが数多く含まれています。
また、新規投資のステージでは、創業期のシードや、事業の立ち上げ時期のアーリーステージがほとんどで
す。その大半がインターネットスペースにあります。事業の立ち上げ方次第で、スタートアップの変化率は
非常に高いものになります。一方で、競合先も多く立ち上げの遅れが致命傷になりかねません。当社は、投
資先の「CO-FOUNDER」として、事業の構想段階から関わり、起業家とともに事業の成長に踏み込んでいきます。
(キャピタルゲインの状況)
当連結会計年度における当社グループの投資先の新規IPOは6社(国内4社、海外2社)であり、大型の新規IPOによる株式売却等の結果、上場キャピタルゲインは対前期比では増加しましたが、上場以外キャピタルゲインは減少しました。
高水準のファンドパフォーマンスを長期にわたって継続していくことが、当社の経営における最大のテーマです。今後もIPOの数にこだわることなく、大きなキャピタルゲインを伴うIPOやM&A等のEXITを追求していきます。各年度の業績は、大型のEXITの実現数により大きく変動するものの、運用中の各ファンドのパフォーマンスを継続的に高めていくことが、当社の長期的な好業績につながっていきます。
| (単位:百万円) |
| 前連結会計年度(A) (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 当連結会計年度(B) (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 対前期比(%) (B)/(A) | ||
| 金 額 | 金 額 | |||
| 営業投資有価証券 売上高① | 16,164 | 20,257 | 125.3 | |
| 売却高 | 16,074 | 20,147 | 125.3 | |
| 配当金・債券利子 | 90 | 109 | 120.8 | |
| 営業投資有価証券 売上原価② | 4,903 | 7,619 | 155.4 | |
| 売却原価 | 4,903 | 6,848 | 139.6 | |
| 強制評価損 | - | 770 | - | |
| キャピタルゲイン①-② | 11,260 | 12,638 | 112.2 |
| 投資倍率①÷② | 3.30 | 2.66 | - |
| 上場キャピタルゲイン | 7,567 | 12,596 | 166.5 | |
| 上場以外キャピタルゲイン | 3,693 | 41 | 1.1 | |
| 売却益 | 4,435 | 3,142 | 70.8 | |
| 売却損 | 742 | 3,100 | 417.7 | |
(投資損失引当金の状況)
厳選集中投資により、ポートフォリオの入れ替えを図り、経営関与を高めたことで、引当金残高、引当率の減少が続いてきました。前連結会計年度まで新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり増加した引当金繰入額は、この影響が限定的となった当連結会計年度においては1,108百万円(前期3,483百万円)と大幅に減少しました。引当金残高も、新規の引当繰入れの減少、SV3ファンドの清算も含め引当先の売却が進んだことにより8,969百万円(前期末10,917百万円)と減少しています。投資の進捗と引当金繰入額の減少により引当率も12.1%(前期17.3%)と極めて低い水準となりました。しかしながら、前述の経営環境の変化が未上場市場に与える影響は注視しており、今後も予断を許さない状況にあります。今後投資先の業績や資金調達に影響が生じた場合、引当金が増加する可能性があります。
| (単位:百万円) |
| 前連結会計年度(A) (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 当連結会計年度(B) (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 対前期比(%) (B)/(A) | ||
| 金 額 | 金 額 | |||
| 投資損失引当金繰入額① | 3,483 | 1,108 | 31.8 | |
| 個別繰入額 | 3,541 | 1,137 | 32.1 | |
| 一括繰入(△取崩)額 | △58 | △29 | - | |
| 投資損失引当金取崩額② | 803 | 3,094 | 384.9 | |
| 投資損失引当金繰入額 (純額・△は戻入額) ①-② | 2,679 | △1,985 | - | |
| (単位:百万円) |
| 前連結会計年度 (2021年3月31日) | 当連結会計年度 (2022年3月31日) | ||
| 金 額 | 金 額 | ||
| 投資損失引当金残高 | 10,917 | 8,969 | |
| 個別引当残高 | 10,772 | 8,853 | |
| 一括引当残高 | 145 | 116 | |
| 未上場営業投資有価証券残高に対する引当率 | 17.3% | 12.1% | |
(営業投資有価証券残高の状況)
新規投資、追加投資ともに堅調に積み上がったことにより、ファンド投資を通じた投資残高における当社の持分も増加しています。上場した投資先の含み益は12,510百万円(前期末14,850百万円)となっています。投資先上場株式の売却や一部株式の株価下落等により前連結会計年度より2,340百万円減少しています。
| (単位:百万円) |
| 前連結会計年度 (2021年3月31日) | 当連結会計年度 (2022年3月31日) | ||
| 金 額 | 金 額 | ||
| 上場営業投資有価証券の取得原価と時価の差額 | 14,850 | 12,510 | |
| 時価が取得原価を超えるもの | 14,850 | 12,510 | |
| 時価が取得原価を超えないもの | - | - | |
| (単位:百万円) |
| 前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | |
| 金 額 | 金 額 | |
| 部分純資産直入法に基づく営業投資有価証券評価損(△戻入益) | △150 | - |
営業投資有価証券残高
| (単位:百万円) |
| 前連結会計年度 (2021年3月31日) | 当連結会計年度 (2022年3月31日) | |||
| 取得原価 | 連結貸借対照表計上額 | 取得原価 | 連結貸借対照表計上額 | |
| 上場 | 1,594 | 16,444 | 1,755 | 14,266 |
| 未上場 | 62,511 | 63,102 | 70,515 | 73,914 |
| 合計 | 64,105 | 79,547 | 72,271 | 88,180 |
(ファンドの管理運営業務の状況)
当連結会計年度における成功報酬は、大型の新規IPOによるSV3ファンドのほか、SV4ファンド、JATF6ファンド等といった出資者への分配額がファンド総額を超えたファンドから継続的に発生しており、対前期比で大幅に増加しました。管理報酬は前期とほぼ同水準であります。
| (単位:百万円) |
| 前連結会計年度(A) (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 当連結会計年度(B) (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 対前期比(%) (B)/(A) | ||
| 金 額 | 金 額 | |||
| 投資事業組合管理収入 | 5,340 | 7,410 | 138.7 | |
| 管理報酬 | 2,871 | 2,949 | 102.7 | |
| 成功報酬 | 2,469 | 4,461 | 180.6 | |
(注)管理報酬及び成功報酬は、当社グループの出資持分相当額を相殺した後の金額となっております。
e.当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要のうち主なものはファンドへの投資資金、販売費及び一般管理費等であり、販売費及び一般管理費等の主なものは、人件費及び不動産費等であります。ファンドの運用資産の大半は未上場企業であり、時価もなく流動性が極めて限定されます。従って、どのような環境にあっても、継続して投資を行うために自己資本の充実と強い財務基盤が求められます。当連結会計年度は、純資産額は197,390百万円(前期末215,237百万円)、自己資本比率については84.7%(前期末82.0%)となりました。貸借対照表に計上されている52,603百万円の現金及び預金の中には、各ファンドに当社が既に出資した分も含まれています。
当連結会計年度においては、2021年2月10日開催の取締役会決議に基づく自己株式の取得(2021年4月1日から2021年6月15日までに9,767,700株、取得価額24,846百万円、2021年2月12日から2021年6月15日までの自己株式取得合計株数、14,299,800株、取得価額34,999百万円)、2021年10月22日開催の取締役会決議に基づく自己株式の取得(2021年10月25日から2022年3月31日までに7,207,600株、取得価額14,615百万円)を行い、2021年4月21日開催の取締役会決議に基づき2021年5月7日付で自己株式6,750,000株、2021年6月16日開催の取締役会決議に基づき2021年6月29日付で自己株式9,990,000株の消却を実施しております(当社は、2022年2月1日付で普通株式1株を3株にする株式分割を行っており、上記の株式数は当該株式分割後の株式数に換算しております)。前連結会計年度に策定した後述の「今後の株主還元についての方針」に基づき、今後の出資分や次期ファンドへの出資予定分など、いかなる状況においても継続出資していくために必要な資金を確保しつつ、必要金額を一定程度超過する部分については株主還元を検討します。引き続き投資方針を堅持した積極的な投資と、株主還元継続の両立を目指していきます。
今後の株主還元についての方針(2021年2月10日公表)
●当社における自己資金と自己資本について
当社の事業は、未上場企業へ投資を行うファンドの運用であり、当社自身も自己資金をファンド総額の4割程度出資しています。外部出資者から得られるファンドの出資金は、ファンド募集時の経済環境、株式市況、当社ファンドのパフォーマンスに大きく左右されます。当社は、豊富な自己資金によって、継続安定的にファンドを組成してまいりました。また、当社が純投資目的で保有する、株式会社野村総合研究所(以下、「NRI」)株式は、流動性の高い将来の投資のための資産と位置づけ、継続して保有してまいりました。一定規模以上の自己資金と自己資本の水準を保持することが、リスクマネーの供給という社会的使命を果たし、当社事業の永続性を高めることにつながります。そして、当社が掲げる「新事業の創造にコミットし、ともに未来を切り開く」というミッションの実現、ひいては企業価値向上にも資するものと考えています。
●将来のために必要な投資資金及び今後の株主還元の考え方
今後も、いかなる環境においても投資を継続できる財務基盤を維持していくため、現預金とNRI株式は一体として将来の投資資金と位置付けてまいります。将来の投資のために必要となる資金は、現在運用中のファンドに対し今後払込が必要な金額(ファンド未払込金額)や次期ファンドへの当社出資分に加え、将来のファンドサイズ拡大、その他の投資機会や不測の事態への備えとして、現状では1,200億円程度と考えています。現預金とNRI株式の時価評価額(税引後)の合計額がこれを一定程度超えることとなった場合には、自己株式の取得を検討することとします。この場合、株価が1株当たり純資産を下回るときは、より積極的に検討します。また、自己株式を取得した場合には、保有する自己株式が発行済株式数の3%となるよう適宜消却していくことを予定しています。また、配当金につきましては、2017年3月8日に開示した基本方針(1株当たり株主資本の期首期末の平均値の3%を目途とする。)を継続いたします。
f.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、当社グループにおける最大の経営テーマは、ファンドパフォーマンスを持続的に向上させることです。当社グループは、ファンド運用事業の単一セグメントであり、収益の源泉はファンドからの管理収入(管理報酬・成功報酬)とファンドへの直接出資持分からのキャピタルゲインであることから、運用中の各ファンドのパフォーマンスを高めていくことが、中長期的な好業績の継続につながっていきます。
当社は、以下をファンドパフォーマンスの具体的な目標としております。
グロス倍率(売却金額(未売却投資先の評価金額を含む)÷投資金額)2.5倍以上
ネット倍率((分配金累計額+純資産額)÷払込済出資金額)2.0倍以上
また、運用中(延長中を含む)の主な国内ファンドのパフォーマンスは次の通りです。
| ファンド | 設立年月 | 出資金 総額 (億円) | 払込済 出資金額 (億円) | 分配金 累計額 (億円) | 純資 産額 (億円) | グロス倍率 (倍) | ネット倍率 (倍) | ||
| 2022年3月末 | 2021年3月末 | 2022年3月末 | 2021年3月末 | 2022年3月末 | |||||
| SV-3(B) | 2007年7月 | 610 | 610 | 1,037 | - | 2.05 | 2.22 | 1.59 | 1.70 |
| SV-4(B) | 2013年3月 | 291 | 291 | 424 | 97 | 2.14 | 2.15 | 1.80 | 1.79 |
| SV-5(B) | 2016年8月 | 498 | 460 | 37 | 386 | 0.96 | 1.03 | 0.87 | 0.92 |
| SV-6 | 2019年6月 | 640 | 492 | - | 447 | 0.99 | 1.01 | 0.89 | 0.91 |
(注)1.SV-3(B)は、2021年12月までに全投資先の流動化を完了し2022年2月に最終分配を行いました。
2.純資産額において、未売却投資先の評価については、上場株式は期末日の時価で評価しており、外貨建の上場株式は期末日の為替レートで換算しております。未上場投資先については、時価算定会計基準の適用に伴い、新株予約権付社債、新株予約権等の株式以外の投資等は時価で評価し、未上場株式は、マークアップ(未実現評価益の計上)せず、マークダウン(未実現評価損の計上)のみを行っています。なお、外貨建の未上場株式についても期末日の為替レートで換算しております。
g.セグメントごとの財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、ファンド運用事業の単一セグメントであります。