有価証券報告書-第46期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/25 9:01
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社および連結子会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用や所得環境の改善が続くなかで、景気は緩やかに回復しているものの、地政学的リスクによる海外経済の不確実性や金融資本市場の変動影響など、先行きは不透明な状況が続いています。
情報サービス産業を取り巻く環境については、Cloud Computing、AI、Mobility、Big Data、Robotics、IoT、CyberSecurityなどの、いわゆるCAMBRICと総称される技術を活用したデジタルビジネスの拡大や、企業収益の改善を背景にした情報化投資の緩やかな増加により、堅調に推移していくことが見込まれます。
このような状況下において当社グループは、中期経営計画(平成28年4月~平成31年3月)として、「新たな価値を生み出す Change! for the Next」をビジョンに掲げ、「経営革新」、「事業変革」および「営業改革」の3つの“Change”の実現に向けて取り組んでいます。具体的には、「分野別成長戦略の導入」、「組織再編」、「経営の迅速化」を重点施策とし、営業力やSI力の強化、グループ総合力の強化、新規事業への取り組み、および経営基盤の拡充に注力しています。
「営業力の強化」としては、平成28年4月に設置した営業本部を中心に、全社横断的な営業体制のさらなる強化を図るとともに、新たな顧客創出を目指す“プラスOne戦略”の推進、事業本部と連携した案件管理の強化、お客様満足度調査を活用した提案活動の改革など、分野別成長戦略やポートフォリオ戦略に基づいたアカウント営業ならびにソリューション営業活動の強化に取り組みました。
トップライン拡大に向けて、お客様ニーズにワンストップで幅広く応えるための、攻めの営業戦略の一環として、トータルSIの専門提案チームを発足し、金融分野を中心に大型SI案件の獲得など、SI・ソリューション・サービス型ビジネスの強化に注力しました。
「SI力の強化」では、プロジェクト管理の強化に向けて、DTS独自の開発標準(PMS)をグループで共有することにより、開発品質の向上や不採算案件の抑止に努めました。また、グループ各社のコアコンピタンスの強化を図るため、グループ間取引のモニタリングや調整を行い、各社の強みを活かした連携を推進しました。DTS SOFTWARE VIETNAM CO., LTD.など海外グループ会社を含めたオフショアへの発注額は13億円(前年同期比72%増)と大きく増大し、利益率の向上や開発リソースの確保に取り組みました。
「グループ総合力の強化」では、グループ経営資源の最適配置を目的として、平成29年4月に横河ディジタルコンピュータ株式会社とアートシステム株式会社を合併し、当社グループの組込み関連事業を、株式会社DTSインサイトへ統合しました。また、平成29年8月にデータリンクス株式会社を完全子会社としました。
海外事業では、DTS America CorporationとNelito Systems Limited(インド)の事業連携強化や、ベトナムや中国での事業拡大など、海外ビジネス基盤の再構築ならびに注力事業への集中などを進めました。
グループ人材育成では、グループ内の教育専門会社である株式会社MIRUCAを中心に、事業本部やグループ会社と連携した研修企画や運営を行い、「AI&IoTセミナー」による最新技術の浸透など、ビジネスモデルの変革に向けた教育を実施するとともに、事業シナジーの最大化やグループ経営基盤の強化を推進しています。
「新規事業への取り組み」では、製造業企業と実証実験を通じた事業化を推進しています。Connected Industries関連では、加工製造業の受発注を対象とした実証実験に、またIoT・AI関連では、生産データのAI解析を活用した、故障や不良品発生の予防に関わる実証実験に取り組みました。
ソリューションの拡充では、新たにバーチャルリアリティ機能などを搭載した建築用3Dプレゼンテーションソフト「Walk in home18」の販売開始や、CG機能や設計機能を刷新することで操作性を向上した次期「Walk in home」の設計・開発など、市場のさらなる深耕や研究開発などに取り組みました。また、金融業、製造業や地方自治体の業務効率化案件など、RPAを活用したRoboticsビジネスへも進出しています。グループ各社においては、ADAS(注)関連技術の開発や、仮想化技術を活用したハイブリッドクラウドソリューションの販売など、新しい技術領域への展開に力を入れています。
また、新規事業の創出に向けて、国内外において、新たな資本・業務提携などの検討や交渉を進めており、特にCAMBRIC(Cloud Computing、AI、Mobility、Big Data、Robotics、IoT、CyberSecurity)などのデジタルビジネス関連ソリューションに、積極的な投資を行い、研究開発、資本・業務提携や技術者育成などに注力していきます。
(注)ADASとは、Advanced Driver Assistance Systemの略称。ドライバーの安全な運転を支援し、利便性を向上するために開発された先進運転支援システムのこと。
「経営基盤の拡充」では、平成29年4月に「働き方改革推進室」を設置し、多様な働き方の実現やワークライフバランスの促進など、グループ一体となった創意工夫による働き方改革を推進しました。長時間労働の削減や年次有給休暇の取得を促進するため、労働時間の日次管理や見える化の強化、「ノー残業デー」の徹底、およびサテライトオフィスの導入など、グループとして業務改革や生産性向上に向けた取り組みを進めました。
平成29年10月には、創立45周年を契機に、業務効率および組織間連携の向上を目的として、本社を東京都中央区へ移転しました。本移転を“第二の創業”と位置付け、働き方改革を着実に前進させるとともに、価値創造型企業への変革に邁進します。また、これまでの「DTS WAY」を改定し、当社グループの存在意義、価値観や行動規範を示した「DTSグループWAY」を定め、価値観の共有やグループとしての一体感の醸成に努めています。さらに、コンプライアンスの基本原則や行動規範を示した「コンプライアンスガイド」の更新やグループ全社員を対象とした研修の拡大により、海外グループ会社も含めた法令遵守の徹底や社員の意識強化にも取り組んでいます。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、831億63百万円(前年同期比4.1%増)となりました。情報通信業、運輸業などの案件の拡大とともに、グループ会社のプロダクトビジネスなどが好調に推移したことによるものです。
売上総利益は、164億48百万円(同3.8%増)となりました。不採算案件での一時的な原価増はありましたが、売上拡大により増加しています。販売費及び一般管理費は、本社移転などにより、79億24百万円(同0.9%増)となりました。この結果、営業利益は、85億23百万円(同6.7%増)、経常利益は、85億74百万円(同5.9%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期に計上した人材派遣事業の一部譲渡益の影響はありましたが、営業利益の増加により、57億65百万円(同12.6%増)となりました。
(単位:百万円)

連結個別(参考)
対前年同期増減率対前年同期増減率
売上高83,1634.1%56,6960.9%
営業利益8,5236.7%6,9781.4%
経常利益8,5745.9%7,3022.4%
親会社株主に帰属する
当期純利益
5,76512.6%--
当期純利益(個別)--5,0542.4%

<売上高の内訳>
(単位:百万円)

連結
対前年同期増減率
金融公共26,610△9.0%
法人通信・ソリューション23,80617.9%
運用BPO12,3231.1%
地域・海外等20,42212.0%
合計83,1634.1%

各セグメントにおける営業概況は、次のとおりです。
金融公共セグメント
メガバンクや共済組合の開発案件が順調に推移したものの、統合案件等の減少があり、売上高は266億10百万円(前年同期比9.0%減)となりました。
法人通信・ソリューションセグメント
情報通信業、卸売業・小売業、製造業など、幅広い業種で新規顧客獲得や既存案件拡大が進み、売上高は238億6百万円(前年同期比17.9%増)となりました。
運用BPOセグメント
情報通信業や生命保険などのシステム運用・保守などが堅調に推移し、売上高は123億23百万円(前年同期比1.1%増)となりました。
地域・海外等セグメント
プロダクトビジネスおよび地域ビジネスなどが好調に推移し、売上高は204億22百万円(前年同期比12.0%増)となりました。
財政状態としては、総資産は615億30百万円となりました。のれんが2億27百万円減少いたしましたが、現金及び預金が19億95百万円、投資有価証券が17億79百万円、受取手形及び売掛金が4億69百万円それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ総資産が43億88百万円増加いたしました。
負債は145億67百万円となりました。未払法人税等が2億83百万円、退職給付に係る負債が1億40百万円、流動負債のその他に含まれる未払消費税等が3億75百万円、預り金が1億49百万円それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ負債が10億86百万円増加いたしました。
純資産は469億62百万円となりました。非支配株主持分が15億69百万円減少いたしましたが、利益剰余金が剰余金の配当により18億54百万円減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益により57億65百万円、その他有価証券評価差額金が5億4百万円それぞれ増加し、自己株式が4億16百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ純資産が33億1百万円増加いたしました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末の残高である304億59百万円に比べ19億95百万円増加し、324億54百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況についての前連結会計年度との比較は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは67億61百万円となり、前連結会計年度に比べ得られた資金が29億97百万円増加いたしました。主な要因は、厚生年金基金脱退損失引当金の減少額が12億31百万円減少したこと、売上債権の増加額が4億9百万円減少したこと、その他に含まれる未払消費税等の減少額が5億60百万円減少したこと、税金等調整前当期純利益が8億32百万円増加したことにより収入が増加したことなどによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは△18億6百万円となり、前連結会計年度に比べ使用した資金が6億6百万円増加いたしました。主な要因は、定期預金の払戻による収入が3億99百万円、投資有価証券の償還による収入が3億円、関係会社株式の取得による支出が2億91百万円、定期預金の預入による支出が1億99百万円減少した一方で、有形固定資産の取得による支出が4億25百万円増加したことなどによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは△29億67百万円となり、前連結会計年度に比べ使用した資金が7億50百万円増加いたしました。主な要因は、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が1億36百万円減少した一方で、子会社の自己株式の取得による支出が4億76百万円、配当金の支払額が3億50百万円増加したことなどによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当連結会計年度における生産実績は、以下のとおりであります。
セグメントの名称生産高(千円)対前年同期増減率(%)
金融公共26,610,718△9.0
法人通信・ソリューション23,806,52217.9
運用BPO12,323,3091.1
地域・海外等20,422,75112.0
合計83,163,3024.1

(注) 上記金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。なお、セグメント間の取引は、相殺消去しております。
ロ.受注実績
当連結会計年度における受注実績は、以下のとおりであります。
セグメントの名称受注高
(千円)
対前年同期
増減率(%)
受注残高
(千円)
対前年同期
増減率(%)
金融公共26,302,614△14.513,865,959△2.2
法人通信・ソリューション23,765,5489.76,731,062△0.6
運用BPO13,237,7114.110,709,5819.3
地域・海外等21,199,88115.64,062,78523.7
合計84,505,7551.235,369,3893.9

(注) 上記金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。なお、セグメント間の取引は、相殺消去しております。
ハ.販売実績
当連結会計年度における販売実績は、以下のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)対前年同期増減率(%)
金融公共26,610,718△9.0
法人通信・ソリューション23,806,52217.9
運用BPO12,323,3091.1
地域・海外等20,422,75112.0
合計83,163,3024.1

(注)1 上記金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。なお、セグメント間の取引は、相殺消去しております。
2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
みずほ情報総研株式会社12,744,17916.08,634,69310.4

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社および連結子会社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当期は、情報通信業、運輸業、卸売業・小売業などの開発案件やプロダクトビジネスなどが好調に推移し、売上高および営業利益で過去最高を更新しました。特に利益面では、プロジェクト管理の強化や生産性向上に向けた取り組みなどにより、8期連続で増益、前年に引き続き営業利益率10%を達成しました。
来期は将来への変革を果たす中期経営計画の最終年度として、トップラインの拡大を最優先目標とし、当期同等の利益率を維持できるよう、持続的な成長と収益力の強化を目指します。
② 経営成績に重要な影響を与える要因に関するリスク軽減策
イ.価格競争について
当社においては、プロジェクトの採算管理を徹底し、生産性の向上を図るとともに、新技術を活用した高付加価値なサービスを提供することにより、単なるコストダウンのみの価格競争の影響を最小限にとどめるように努めております。
ロ.ソフトウェア開発のプロジェクト管理について
当社においては、一定金額以上の一括受託案件についての受注可否およびプロジェクトの進捗状況を定期的に審議することを目的としたプロジェクト推進会議を設置し、不採算案件の発生を抑止しており、現時点では当社グループに大きな影響を与えるおそれのある不採算はありません。
ハ.セキュリティについて
当社においては、情報の取り扱いと管理についての社内規程を整備するとともに、個人情報保護活動の一つとしてプライバシーマークを取得し、社員および協力会社社員に向け、情報の取り扱いについて意識向上のための啓発教育を実施しております。また、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証取得を受け、セキュリティ管理体制のさらなる強化を図っております。また、国内外グループ共通のコンプライアンスガイドを制定し、グループ各社の社内規程の整備や社員のセキュリティ情報の取り扱いに対する意識向上などに取り組んでおります。
ニ.海外事業について
当社においては、海外取引における輸出管理法などの内国法および現地法・商慣習の知識・調査不足や相違によるトラブル、海外現地法人の設立、株式取得や運営における現地の法律・会計処理・労務管理・契約などに適切に対応できないなど、さまざまなリスクが想定されます。当社はこれらのリスクを認識するとともに、担当部署を定めてリスク管理の強化を進めております。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主たる財源は、好調な業績に基づく営業キャッシュ・フローであり、当期末において金融機関からの借入などはありません。当期末において適切な事業活動のための資金の流動性は十分に確保されております。
現時点で、具体的に用途が決定している多額の設備投資などはありませんが、今後の事業拡大や生産性向上を図るため、積極的にM&A、研究開発活動、グループ再編や開発拠点の集約に資金を活用していく方針です。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の達成状況を判断するための客観的な指標等
「新たな価値を創り出す MADE BY DTSグループ」を経営ビジョンに掲げ、長期的には連結売上高1,000億円、海外売上高100億円、営業利益率10%を目指しております。その第2ステージとなる中期経営計画(平成28年4月~平成31年3月)の最終年度である平成31年3月期は、売上高870億円、営業利益率10%の達成に向けて邁進します。当期は、プロジェクト管理の強化や生産性向上に向けた取り組みなどにより、2期連続で営業利益率10%を達成しました。
⑤ セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
金融公共セグメント
メガバンクや共済組合の開発案件が順調に推移したものの、統合案件の減少があり、売上高は266億10百万円(前年同期比9.0%減)となりました。
法人通信・ソリューションセグメント
情報通信業、卸売業・小売業、製造業など、幅広い業種で新規顧客獲得や既存案件拡大が進むなど、売上高は当初予想を上回り、238億6百万円(前年同期比17.9%増)となり、金融公共セグメントの減収を補いまし た。
運用BPOセグメント
情報通信業や生命保険などのシステム運用・保守などが堅調に推移し、売上高は123億23百万円(前年同期比1.1%増)となりました。
地域・海外等セグメント
プロダクトビジネスおよび地域ビジネスなどが当初予想以上に拡大し、売上高は204億22百万円(前年同期比12.0%増)となりました。

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