有価証券報告書-第47期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/24 9:09
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社および連結子会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用や所得環境の改善が続くなかで、輸出や生産の一部に弱さがみられるものの景気は緩やかに回復していると判断しています。ただし、米国の保護主義的政策や東アジア・中東の地政学的リスクによる海外経済の動向と政策に関する不確実性、金融資本市場の変動影響など、不透明な状況は続いており、企業経営にはより慎重さを求められています。
一方、情報サービス産業を取り巻く環境については、Cloud Computing、AI、Mobility、Big Data、Robotics、IoT、CyberSecurityなどの、いわゆるCAMBRICと総称される技術を活用したデジタルビジネスの拡大や、企業収益の改善を背景にした情報化投資の緩やかな増加により、堅調に推移していくことが見込まれています。
このような状況下において当社グループは、中期経営計画(2016年4月~2019年3月)として、「新たな価値を生み出す Change! for the Next」をビジョンに掲げ、「経営革新」、「事業変革」および「営業改革」の3つの“Change”の実現に向けて取り組んでおり、具体的には、「分野別成長戦略の導入」、「組織再編」、「経営の迅速化」を重点施策として注力してきました。
■「営業力・SI力の強化」
営業本部を中心に進めた“プラスOne戦略”および“BiG8戦略”の成果として、新規契約先受注高は前期比52億円拡大するなど、新たな顧客基盤を構築しました。また、クラウド化やセキュリティ対策などのお客様ニーズにワンストップで幅広く応えるため、営業本部にSI推進担当を設置し、アプリケーション、基盤、運用を含めた複合提案を推進した結果、大型SI案件の受注も実現しました。
また、新技術を活用したソリューションについては、車載組込みソフトウェア開発を効率化するメモリモニタリングツール、製造業をITでつなぐコネクティッドインダストリーソリューション、および仮想化技術を活用したハイブリッドクラウドソリューションなど、展示会への出展を通じて、販売拡大を推進してきました。
あわせてグローバルマーケットにおけるプレゼンス強化に向けては、Nelito Systems Limited(インド)と連携し、SIBOS 2018(注1)やJISA/ASOCIO Digital Masters Summit 2018(注2)への出展をするなど、新たな顧客の獲得や新しい技術を活用した事業展開を進めました。
さらに、逓天斯(上海)軟件技術有限公司においては現地企業との連携による開発体制の拡充、DTS SOFTWARE VIETNAM CO., LTD.はDTS独自の開発標準(PMS)の浸透や社員育成への注力など、オフショア拠点の体制強化を進め、SI競争力の向上を図りました。海外グループ会社を含めたオフショア発注額は15億円(前年同期比14%増)に拡大しました。
なお、当社が参画したメガバンク大型案件では、長年培った金融関連システム開発に関わる技術力や組織力を活用して、円滑なシステム移行や安定稼働に貢献しています。
■「新規事業への取り組み」
CAMBRICやFinTechなどの新技術を活用したデジタルビジネスへの取り組みを拡大しています。Cloud Computing関連では、ハイパーコンバージドインフラ(注3)「D-RAID ADVANCE」など、物理システムとクラウドコンピューティングを使い分けるハイブリッドクラウド環境を実現できるソリューションの販売を拡大しています。
Robotics関連では、自動化による事務の効率化など、当社の業務ノウハウとRPAを活用した受注案件が金融業や保険業を中心に増加しています。
住空間プレゼンテーションCAD「Walk in home」では、機能を大幅に刷新したリニューアル版を、本年度9月に販売開始しました。CADオペレーターの生産性向上や、業務効率の改善に向けて、オリジナルのCGエンジンを導入し、処理速度の大幅向上、高画質なCG表現などを実現しました。
FinTech関連では、本年度11月にマネー・ローンダリング対策ソリューション「AMLion」の販売を開始しました。これは、法定通貨や仮想通貨の口座利用に対して、AIを活用した高度な顧客確認により厳格な顧客管理を実現し、各金融機関に蓄積された独自ルールに基づいて“疑わしい取引”を検出できるソリューションです。一部の仮想通貨取引所にてこの「AMLion」の採用が決まり、さらなる販売拡大に取り組んでいます。
e-Gov(注4)関連では、SAP人事システム向けに、行政機関への申請やe-Govから発行された公文書データの管理などの機能をワンストップで提供するソリューション「eG-Connector」を本年度12月に販売を開始しました。
AI関連では、本年度1月にAI基盤を活用したデータ分析プラットフォーム「DAVinCI LABS」の提供を始めました。機械学習技術を自動化・簡素化し、業務知識さえあれば、データ分析の専門家ではなくても高度な予測モデルを簡単に利用できるソリューションです。
■「グループ経営基盤の強化」
意思決定の迅速化や経営の効率化を目的に、データリンクス株式会社を本年度10月に吸収合併しました。ソリューション事業とBPO事業における事業シナジーの最大化と経営資源の最適配分を実現し、トップライン拡大に向けた営業活動や開発基盤の強化を図ります。
また、SIサービスにおけるオフショア体制の拡充や中国ビジネスを推進するため、当社グループ会社の逓天斯(上海)軟件技術有限公司は、本年度3月に、大連思派電子有限公司への出資比率を51%としました。
あわせて、北米・アジアでのビジネス連携を展開するため、Nelito Systems Limitedの子会社化に向けた追加出資交渉を進めました。
さらに、本年度10月には経費精算システムを新たに導入し、ペーパレス化やモバイル活用などによる業務効率化を推進してきました。
経営判断の迅速化や投資家への情報提供の早期化に向けて、グループ一丸となって、業務プロセスの見直しや、システムなどのインフラ整備をすることにより、決算早期化にも取り組み、前期比6営業日短縮しました。
働き方改革や健康経営を実現するためには、健康保険組合連合会東京連合会の健康企業宣言(注5)への参加や時差勤務制度の試行運用などを進めています。在宅勤務やサテライトオフィス活用の拡大に向けて、リモートアクセスやシンクライアント化など、社内システムの環境整備に取り組んでいます。
(注1)国際銀行間通信協会(SWIFT)が毎年開催する金融業界に特化した国際会議。
(注2)本年度11月に一般社団法人情報サービス産業協会(JISA)が主催し、アジア・オセアニア地域のIT産業発展促進を目的として、24カ国のITサービス関連業界団体が参加する国際会議。
(注3)サーバにコンピューティング機能とストレージ機能を統合し、従来に比べて容易な構築・運用管理が可能となる、シンプルな構成を実現した仮想化基盤。
(注4)政府からの情報提供の検索やインターネットを利用した行政手続きを行える総合的な行政情報ポータルサイト。
(注5)健保連東京連合会など13団体が参加する「健康企業宣言東京推進協議会」より認定される「健康優良企業」を目指して事業所全体で健康づくりに取り組む宣言。
当社グループは、持続的な拡大成長を目指して、2019年4月から開始する新たな中期経営計画を策定しました。長期経営目標の最終ステージとして、「明日の社会に新たな価値を提供する Next Value Creator」をビジョンに、2021年度売上高1,000億円以上、営業利益率10%以上の継続を目指します。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、867億16百万円(前年同期比4.3%増)となりました。法人通信分野、社会保障分野、運用BPO分野および組込みの車載関連分野などが好調に推移したことによるものです。
売上総利益は、175億17百万円(同6.5%増)となりました。原価率の改善により、増加しています。販売費および一般管理費は、データリンクス株式会社との経営統合効果や前期の本社移転費用の減少などにより、77億27百万円(同2.5%減)となりました。この結果、営業利益は、97億89百万円(同14.8%増)、経常利益は、99億29百万円(同15.8%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、営業利益の増加などにより、68億17百万円(同18.2%増)となりました。
(単位:百万円)

連結個別(参考)
対前年同期増減率対前年同期増減率
売上高86,7164.3%61,4738.4%
営業利益9,78914.8%7,67510.0%
経常利益9,92915.8%8,09810.9%
親会社株主に帰属する
当期純利益
6,81718.2%--
当期純利益(個別)--5,76814.1%

<売上高の内訳>
(単位:百万円)

連結
対前年同期増減率
金融公共25,724△3.3%
法人通信・ソリューション26,74612.3%
運用BPO13,3878.6%
地域・海外等20,8582.1%
合計86,7164.3%

各セグメントにおける営業概況は、次のとおりです。
金融公共セグメント
資産運用、年金・共済ならびに生命保険などの開発案件が順調に推移したものの、統合案件等の影響により、売上高は257億24百万円(前年同期比3.3%減)となりました。
法人通信・ソリューションセグメント
情報通信業、運輸業、ならびに車載系・放送系などの組込み関連事業が好調に推移し、売上高は267億46百万円(前年同期比12.3%増)となりました。
運用BPOセグメント
生命保険業や小売業のシステム運用・保守などが堅調に推移し、売上高は133億87百万円(前年同期比8.6%増)となりました。
地域・海外等セグメント
金融系の開発案件などが好調に推移し、売上高は208億58百万円(前年同期比2.1%増)となりました。
財政状態としては、総資産は669億82百万円となりました。のれんが1億17百万円減少いたしましたが、現金及び預金が26億66百万円、投資有価証券が13億6百万円、受取手形及び売掛金が7億98百万円、商品及び製品が7億43百万円それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ総資産が56億17百万円増加いたしました。
負債は156億29百万円となりました。買掛金が4億42百万円、賞与引当金が3億18百万円、未払法人税等が2億97百万円それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ負債が12億26百万円増加いたしました。
純資産は513億53百万円となりました。自己株式が6億1百万円増加いたしましたが、利益剰余金が剰余金の配当により18億70百万円減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益により68億17百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ純資産が43億90百万円増加いたしました。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末の残高である324億54百万円に比べ26億86百万円増加し、351億40百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況についての前連結会計年度との比較は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは69億47百万円となり、前連結会計年度に比べ得られた資金が1億86百万円増加いたしました。主な要因は、たな卸資産の増加額が5億4百万円、法人税等の支払額が4億39百万円それぞれ増加したこと、未払金の増減額が増加から減少へ転じたことにより2億18百万円の支出が増加した一方で、税金等調整前当期純利益が13億80百万円増加したことにより収入が増加したことなどによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは△17億70百万円となり、前連結会計年度に比べ使用した資金が36百万円減少いたしました。主な要因は、投資有価証券の取得による支出が3億47百万円、無形固定資産の取得による支出が2億30百万円それぞれ増加いたしましたが、有形固定資産の取得による支出が4億42百万円減少したこと、投資有価証券の償還による収入が2億円増加したことなどによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは△24億77百万円となり、前連結会計年度に比べ使用した資金が4億89百万円減少いたしました。主な要因は、子会社の自己株式の取得による支出が4億77百万円減少したことなどによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当連結会計年度における生産実績は、以下のとおりであります。
セグメントの名称生産高(千円)対前年同期増減率(%)
金融公共25,724,780△3.3
法人通信・ソリューション26,746,52012.3
運用BPO13,387,0638.6
地域・海外等20,858,5382.1
合計86,716,9024.3

(注) 上記金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。なお、セグメント間の取引は、相殺消去しております。
ロ.受注実績
当連結会計年度における受注実績は、以下のとおりであります。
セグメントの名称受注高
(千円)
対前年同期
増減率(%)
受注残高
(千円)
対前年同期
増減率(%)
金融公共26,323,5910.114,464,7704.3
法人通信・ソリューション27,768,07316.87,752,61515.2
運用BPO13,872,5564.811,195,0744.5
地域・海外等21,328,5200.64,532,76811.6
合計89,292,7415.737,945,2287.3

(注) 上記金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。なお、セグメント間の取引は、相殺消去しております。
ハ.販売実績
当連結会計年度における販売実績は、以下のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)対前年同期増減率(%)
金融公共25,724,780△3.3
法人通信・ソリューション26,746,52012.3
運用BPO13,387,0638.6
地域・海外等20,858,5382.1
合計86,716,9024.3

(注)1 上記金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。なお、セグメント間の取引は、相殺消去しております。
2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお、当連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
みずほ情報総研株式会社8,634,69310.4--

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社および連結子会社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当期は、将来への変革を果たす中期経営計画の最終年度として、営業力・SI力の強化、新規事業への取り組み、およびグループ経営基盤の強化の3点を推進し、前期に引き続き持続的な成長と収益力の強化を目指した結果、9期連続増益、3期連続営業利益率10%以上を達成しました。
② 経営成績に重要な影響を与える要因に関するリスク軽減策
イ.価格競争について
当社においては、プロジェクトの採算管理を徹底し、生産性の向上を図るとともに、新技術を活用した高付加価値なサービスを提供することにより、単なるコストダウンのみの価格競争の影響を最小限にとどめるように努めています。
ロ.ソフトウェア開発のプロジェクト管理について
当社においては、一定金額以上の一括受託案件についての受注可否およびプロジェクトの進捗状況を定期的に審議することを目的としたプロジェクト推進会議を設置し、不採算案件の発生を抑止しており、現時点では当社グループに大きな影響を与えるおそれのある不採算はありません。
ハ.セキュリティについて
当社においては、情報の取り扱いと管理についての社内規程を整備するとともに、個人情報保護活動の一つとしてプライバシーマークを取得し、社員および協力会社社員に向け、情報の取り扱いについて意識向上のための啓発教育を実施しています。また、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証取得を受け、セキュリティ管理体制のさらなる強化を図ります。また、国内外グループ共通のコンプライアンスガイドを制定し、グループ各社の社内規程の整備や社員のセキュリティ情報の取り扱いに対する意識向上などに取り組んでいます。
ニ.海外事業について
当社においては、海外取引における輸出管理法などの内国法および現地法・商慣習の知識・調査不足や相違によるトラブル、海外現地法人の設立、株式取得や運営における現地の法律・会計処理・労務管理・契約などに適切に対応できないなど、さまざまなリスクが想定されます。当社はこれらのリスクを認識するとともに、担当部署を定めてリスク管理の強化を進めています。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主たる財源は、好調な業績に基づく営業キャッシュ・フローであり、当期末において金融機関からの借入などはありません。当期末において適切な事業活動のための資金の流動性は十分に確保されています。
現時点で、具体的に用途が決定している多額の設備投資などはありませんが、今後の事業拡大に向け、積極的にM&Aや研究開発活動に資金を活用していく方針です。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の達成状況を判断するための客観的な指標等
「新たな価値を創り出す MADE BY DTS Group」を経営ビジョンに掲げ、中期経営計画(2019年4月~2022年3月)では、連結売上高1,000億円以上、海外売上高50億円以上、営業利益率10%以上を目指しています。当期は、組込み関連事業のプロダクト販売やプロジェクト管理の強化や生産性向上に向けた取り組みなどにより、3期連続で営業利益率10%を達成しました。
⑤ セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
金融公共セグメント
資産運用、年金・共済ならびに生命保険などの開発案件が順調に推移したものの、統合案件等の影響により、売上高は257億24百万円(前年同期比3.3%減)となりました。
法人通信・ソリューションセグメント
情報通信業、運輸業、ならびに車載系・放送系などの組込み関連事業が好調に推移し、売上高は267億46百万円(前年同期比12.3%増)となりました。
運用BPOセグメント
生命保険業や小売業のシステム運用・保守などが堅調に推移し、売上高は133億87百万円(前年同期比8.6%増)となりました。
地域・海外等セグメント
金融系の開発案件などが好調に推移し、売上高は208億58百万円(前年同期比2.1%増)となりました。

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