有価証券報告書-第54期(2025/04/01-2026/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社および連結子会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものです。
当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかに回復しているものの、中東情勢の影響を注視する必要があります。また、金融資本市場の変動影響やアメリカの通商政策をめぐる動向などにも注意する必要があります。
当社グループを取り巻く環境は、テクノロジーの進展に伴い、世の中の経営層のアジェンダは顧客との関係強化・データドリブン経営等がメインテーマとなり、それらと相互影響しながら、企業のIT投資は情報系・顧客接点系へシフトしていくことを見込んでいます。
このような状況下において当社グループは、Vision 2030の2nd Stageとなる中期経営計画(2025-2027)では、「フォーカスビジネスの進化と堅守ビジネスの深化」、「戦略的アライアンスの実行」、「グループ経営基盤の強化」を3つの柱とし、事業の成長・拡大、安定性・信頼性の強化を推進しています。
当連結会計年度の売上高は、1,352億13百万円(前年同期比7.4%増)、営業利益164億34百万円(前年同期比13.4%増)、EBITDAは177億90百万円(前年同期比13.9%増)となりました。
■フォーカスビジネスの進化と堅守ビジネスの深化
中期経営計画(2025-2027)では、当社グループの成長領域として取り組みを強化しているフォーカスビジネス(注1)の中に、集中投資領域(注2)と先行投資領域(注3)を新たに設定しました。
2028年3月期までに売上高に占めるフォーカスビジネス売上高の比率57%を目標として推進しています。当連結会計年度のフォーカスビジネス売上高比率は62.9%となり、順調に推移しています。
2025年4月、先行投資領域への挑戦として、生成AI領域における顧客のAI活用支援、自社ソリューションへの組み込み、自社開発工程での活用を推進するため、GenAIビジネス推進室を新設しました。生成AIなどの活用により顧客の事業価値向上を実現し、2030年度におけるAIおよび生成AI関連の売上高100億円を目指します。
(注1) フォーカスビジネス
当社グループとして、今後注力していくビジネス領域。
(注2) 集中投資領域
更なる事業規模の拡大を図るため、フォーカスビジネスの中でも特に成長が見込まれる5つの領域である①クラウド&モダナイゼーション、②データ活用、③セキュリティ&マネージドサービス、④Enterprise Application Services、⑤IoT&エッジテクノロジーを集中投資領域として再定義しています。
(注3) 先行投資領域
今後の急速な市場拡大と顧客の事業価値向上が見込まれる領域。AI・生成AI、CX(顧客体験価値)を対象としています。
■戦略的アライアンスの実行
2025年9月、生成AI技術の実用化を推進するため、OpenAI Japan合同会社との連携を開始しました。システムへのビルトインやAIネイティブな自社ソリューションの開発、コード生成支援など、トータルSIerとしての総合力と生成AI技術の融合により、提案価値・付加価値・生産性の向上を実現していきます。また、調査・分析や問い合わせ対応など各種業務にも生成AIを活用し、業務全体の効率化を推進していきます。今後も、生成AIを活用した新たな価値創出と事業成長を図ります。
また、慶應義塾大学環境情報学部中西泰人研究室と、人間の創造性を誘発する「アフェクティブ(感性)AIエージェント」に関する共同研究を開始しました。AIを人間の感性や文脈に寄り添い、新たな気づきや発想を促す存在として位置付け、アフェクティブAIエージェントのプロトタイプ開発と行動モデルの体系化に取り組むことで、人間とAIが織りなす知的協働プロセスの社会実装を推進していきます。
■グループ経営基盤の強化
経営基盤の強化として、人的資本への投資、グループガバナンス、システム基盤の強化および資本効率向上を図り、持続的・安定的な企業価値向上を目指していきます。
資本効率の向上、中期経営計画に基づくキャッシュアロケーションの実現および株主への一層の利益還元を図るため、2025年5月から7月にかけて約25億円の自己株式を取得しました。なお、当連結会計年度に取得した自己株式約25億円につきましてはその全株式を消却しています。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、1,352億13百万円(前年同期比7.4%増)となりました。
売上総利益は、売上高の増加により296億76百万円(前年同期比4.6%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、132億41百万円(前年同期比4.6%減)となりました。売上総利益が増加し、営業利益は、164億34百万円(前年同期比13.4%増)、経常利益は、169億40百万円(前年同期比9.6%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益の増加などにより、116億44百万円(前年同期比9.5%増)となりました。
各セグメントにおける営業概況は、次のとおりです。
<セグメント別売上高>
■業務&ソリューションセグメント
自治体向け消防システム更改案件は拡大したものの、前年同期に銀行向け案件が一時的に拡大した反動により、売上高は528億10百万円(前年同期比0.7%減)となりました。
フォーカスビジネスへの取り組みでは、金融分野および公共分野などの業界知見にデジタル技術を組み合わせ、クラウドシフトやマイグレーションなどの集中投資領域を拡大し、事業成長を推進していきます。
当社グループ会社の株式会社東北システムズ・サポートはピッキングや検品業務における作業効率の向上を実現したRFIDリーダーとして、ウェアラブル型の「MR20」およびバーコードスキャン機能搭載のハンディ型「SR160」を発売しました。今後もRFIDソリューションのさらなる拡大と、物流・製造・小売業界におけるDX推進に貢献していきます。
また、当社は、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の「化審法連絡システム」再構築を受注し、政府が定めるクラウドセキュリティ基準「ISMAP」に準拠したクラウドサービスを基盤に、機密情報を安全に管理できる環境を整備するとともに、誤送信防止や問い合わせ・連絡業務の効率化、運用保守コストの低減を目指した開発を開始しました。今後も、ローコード/ノーコードやクラウドを活用した迅速な開発と業務改善を通じて、公共分野における業務のデジタル変革に貢献していきます。
2026年3月、株式会社九州DTSは、北九州市小倉北区に「北九州開発センター」を開所しました。首都圏案件を中心としたニアショア開発体制を強化するとともに、地域人材の活用や産学連携を通じて、地域経済の発展に貢献していきます。
■テクノロジー&ソリューションセグメント
IPビジネス会社の基幹システム刷新、証券会社のクラウド基盤更改・サイバーセキュリティ対策案件、住宅関連のソリューション案件および組込み関連が順調に推移し、売上高は459億98百万円(前年同期比7.3%増)となりました。
フォーカスビジネスへの取り組みでは、Enterprise Application Servicesなどの集中投資領域の拡大に加え、生成AIなどの先行投資領域への挑戦を進めることで、当社グループのフォーカスビジネス拡大を牽引していきます。
2025年5月、当社が取り組んだ初のmcframe導入プロジェクトにおいて、高品質な導入支援および拡張性を見据えた提案力が評価されビジネスエンジニアリング株式会社による「mcframe Award 2025」における「Take Off Award」を獲得しました。今後も、製造業の業務改革とデジタル化推進に向けて取り組んでいきます。
ハウジングソリューションの3D住宅CAD「Walk in home(ウォークインホーム)」では、階段・バルコニーの意匠表現の向上やレンダリング処理の高速化を図るとともに、プレゼンボードのWebブラウザ対応とアニメーションを用いたプレゼンテーションにより、提案・顧客との情報共有の利便性を高めました。さらに、AIを活用した提案用画像生成、3D空間上のメモ機能、および「Walk in home 360x」との連携の強化により、営業提案力の向上と設計業務の効率化・標準化を推進しています。また、2026年4月運用開始予定のBIM(BIM:Building Information Modeling)図面審査に向け、IFCデータ(注1)や入出力基準適合申告書を出力できる次期版を今秋リリース予定です。
2025年7月、ServiceNowの定常的な運用業務から内製化支援までをトータルサポートする「DTSマネージドサービス for ServiceNow」の提供を開始しました。今後も、運用の標準化・自動化・AI活用等による高度化とITSM統合を通じて、運用負荷の軽減や継続的な運用改善、IT投資効果の最大化を図り、顧客のデジタル変革を支援していきます。
また、マイクロソフト社のパートナープログラムにおいて、「インフラストラクチャ(Azure)」および「セキュリティ」の2分野でソリューションパートナー認定を取得しました。今後も、顧客のAzureクラウド移行をより迅速かつ効果的に支援するとともに、Microsoft 365 Security等を活用した安全性・信頼性の高いセキュリティ環境の設計・構築・運用支援を推進していきます。
(注1) IFCデータ
Industry Foundation Classesの略で、ソフトウェア間のデータ共有を目的とした国際標準フォーマット。
■プラットフォーム&サービスセグメント
データセンター向け生成AIインフラ構築および運用分野などが好調に推移し、売上高は364億5百万円(前年同期比22.1%増)となりました。
フォーカスビジネスへの取り組みでは、当社のReSM(リズム)/ ReSM plus(リズムプラス)を中心とした運用サービスメニューの拡充に加え、AIを活用した障害復旧時間の短縮などによる運用サービスの高度化を推進していきます。
2025年8月、社内ヘルプデスク・アウトソーシングサービス「ReSM plus(リズムプラス)」の機能を強化し、生成AIと有人オペレーターが連携する新サービスの提供を開始しました。自然文による自動回答と、解決できなかった問い合わせへの有人対応を組み合わせることで、FAQや社内ドキュメントのナレッジ化および回答精度の向上を継続的に進め、ユーザー満足度の向上を実現します。
また、当社はグループ会社のデジタルテクノロジー株式会社をはじめとした合同チームを組織し、理化学研究所が主体となって進める「量子HPC(注1)連携プラットフォーム向けスーパーコンピュータ」システムの構築を受注しました。機器調達からシステム構築、設置、保守運用まで各フェーズを支援し、2025年度中に構築を完了しました。
さらに、Atlassian Pty Ltdのパートナープログラムにおいて「Service Management Specialization」認定を取得しました。今後は、Atlassian Pty Ltd製品のAI機能の活用を含め、Jira Service Managementを基盤とした組織横断のサービス管理の導入から定着、継続的な改善までを支援し、顧客のビジネス価値向上とDX推進に貢献していきます。
(注1) HPC
High Performance Computing:高性能計算。
財政状態としては、総資産は、前連結会計年度末に比べ48億60百万円増加し、852億48百万円となりました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産が38億82百万円、投資有価証券が12億60百万円増加したことによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ4億85百万円減少し、205億56百万円となりました。これは主に、買掛金が7億61百万円減少したことによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ53億46百万円増加し、646億91百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が116億44百万円、その他有価証券評価差額金が12億78百万円増加した一方で、剰余金の配当の実施により利益剰余金が54億93百万円減少、自己株式の取得により自己株式が25億円増加したことによるものです。なお、自己株式の消却によって、自己株式が20億55百万円減少しましたが、一方で利益剰余金が20億2百万円、資本剰余金が53百万円減少しており、純資産合計には影響はありません。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末の残高である284億5百万円に比べ9億75百万円増加し、293億81百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況についての前連結会計年度との比較は次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは89億29百万円となり、前連結会計年度に比べ得られた資金が2億51百万円減少しました。主な要因は、税金等調整前当期純利益が17億53百万円増加したことにより収入が増加した一方で、売上債権及び契約資産の増減額が25億82百万円増加したことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは92百万円となり、前連結会計年度に比べ使用した資金が24億15百万円減少しました。主な要因は、投資有価証券の取得による支出が11億97百万円減少したこと、定期預金の払戻による収入が11億67百万円増加したことなどによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは△80億89百万円となり、前連結会計年度に比べ使用した資金が79億97百万円減少しました。主な要因は、自己株式の取得による支出が85億12百万円減少したことなどによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当連結会計年度における生産実績は、以下のとおりです。
(注) セグメント間の取引は、相殺消去しています。
ロ.受注実績
当連結会計年度における受注実績は、以下のとおりです。
(注) セグメント間の取引は、相殺消去しています。
ハ.販売実績
当連結会計年度における販売実績は、以下のとおりです。
(注) セグメント間の取引は、相殺消去しています。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社および連結子会社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当期の売上高は、1,352億13百万円(前年同期比7.4%増)、営業利益は16期連続増益、12期連続過去最高の164億34百万円(前年同期比13.4%増)、ならびにEBITDAは177億90百万円(前年同期比13.9%増)となりました。
② 経営成績に重要な影響を与える要因に関するリスク軽減策
イ.事業環境の変動について
当社グループの事業においては、業務知識と情報技術に基づいた品質をベースに幅広い業種・業態の顧客ニーズに応えるITサービスを提供しているため、特定産業における投資動向の影響を受けにくい構造となっていますが、今後も事業環境の変動を注視していきます。
ロ.価格競争について
当社においては、プロジェクトの採算管理を徹底し、生産性の向上を図り、高度プロフェッショナル人材の育成に取り組むとともに、新技術や顧客業務への知見を活用した高付加価値なサービスを提供することにより、単なるコストダウンのみの価格競争の影響を最小限にとどめるように努めています。
ハ.海外事業について
当社グループにおいては、海外取引における輸出管理法などの内国法および現地法・商慣習の知識・調査不足や相違によるトラブル、海外現地法人の設立、株式取得や運営における現地の法律・会計処理・労務管理・契約・プロジェクト管理などに適切に対応できないなど、さまざまなリスクが想定されます。当社グループではこれらのリスクを認識するとともに、海外グループ会社の管理体制およびグループ管理業務・管理体制の整備・強化を進めています。
ニ.ビジネスモデル、技術革新について
当社グループは、IT市場や技術、ESG等の環境変化を捉え、既存SIビジネスモデルの進化に加えてデジタル、ソリューションおよびサービスビジネスや、それらを実現する人材などへの積極的な投資により、新たな成長モデルを構築し、社会的価値・経済的価値の創出という両輪でさらなる企業価値の向上を目指すため、Vision2030を2022年に策定しました。
中期経営計画(2025-2027)では、「フォーカスビジネスの進化と堅守ビジネスの深化」、「戦略的アライアンスの実行」、「グループ経営基盤の強化」の3つを柱に据え、事業の成長・拡大、安定性・信頼性の強化を推進していきます。
新たな成長モデルを構築する「フォーカスビジネスの進化と堅守ビジネスの深化」では、フォーカスビジネスの中に「集中投資領域」と「先行投資領域」を新たに設定し、堅守ビジネス・グローバル(海外)を含め、事業拡大・利益創出を目指していきます。
ホ.М&Aの投資について
М&Aの投資の意思決定時は、投資対効果の評価や第三者によるDCF法やマルチプル法を使った価値算定結果を判断要素としています。
また、ファイナンシャルアドバイザーや公認会計士、弁護士等の外部有識者によるデューデリジェンスの実施を必須とし、発見された各リスクの検証、対応策等も勘案して経営会議において審議を行い、最終的に取締役会において決議・承認をしています。さらに、М&A実施後の統合プロセス(PMI)計画を作成し、М&A効果の最大化に向けた統合プロセスを早期から実施することにより、リスクの低減に努めています。
ヘ.人材等について
当社グループにおいては、人材の育成・確保に向けて人的資本への投資を推進するとともに、社員エンゲージメントの向上を図っています。育成面では、成長が期待される領域の育成プログラムの整備・運用、高度プロフェッショナル人材の育成強化を進めています。人材確保面では、キャリアパスの多様化・公募制度見直しによる社内の人材流動性向上を図りながら、中長期的視点での新卒採用や、優れた専門性を有したキャリア人材の採用の実施を進めています。また、社員還元として基本給アップや業績に応じた特別賞与の支給、譲渡制限付株式交付等を実施しています。
ビジネスパートナーに対しては、イベントやパートナー表彰等を実施するとともに、保有技術や人材に関する定期的な情報交換および今後の方向性の議論を通じて、関係性強化と顧客への価値提供力強化に努めています。
ト.ソフトウェア開発のプロジェクト管理について
当社においては、独自の開発標準の浸透に努めています。また、受注金額が一定以上または必要と認めたプロジェクトの受注可否を審議することやプロジェクトの進捗状況を定期的にモニタリングすることを目的としたプロジェクト推進会議を設置することにより、プロジェクトの状況を把握することで不採算案件の抑止に取り組んでおり、現時点では当社グループに大きな影響を与えるおそれのある不採算案件はありません。
チ.労働関連法について
当社グループでは、役員・社員およびパートナー企業社員へのコンプライアンス研修を実施し、労働状況のモニタリングと注意喚起を行い、さらに経営会議にて報告を行うことで法令等の遵守の徹底に努めています。
リ.サイバーセキュリティについて
当社グループにおいては、サイバーセキュリティや情報セキュリティを包含したリスク管理体制を構築しており、代表取締役社長および関連部門の責任者で構成される「リスクマネジメント委員会」を設置しています。
また、当社においては情報セキュリティ委員会を、当社グループにおいてはセキュリティ連絡会を設置し、セキュリティ全般の対策の拡充を検討・推進しています。情報セキュリティ事案などが発生した場合は、情報セキュリティ委員会にて恒久的な対応を検討した上で、社内対策を推進し、セキュリティ連絡会にてグループ各社への情報展開を進めます。
ヌ.事業継続について
当社では、災害対策(平常時)マニュアルや事業継続計画対応行動マニュアルを策定し、事業が継続できる体制を整えています。
ル.訴訟等について
当社グループは、コーポレート・ガバナンスの強化・充実を経営上の重要課題として認識し、コンプライアンス、情報セキュリティ、品質管理等の必要な体制を備えており、現時点において、財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性のある訴訟は提起されていません。
ヲ.内部不正・浪費・濫用について
当社の取締役会では役員へのモニタリングを実施しています。また、当社および当社のグループ会社に対して内部通報窓口の周知を行っています。さらに、コンプライアンス研修の実施を通じて、従業員の意識向上を図っています。
ワ.内部統制の要件について
当社グループは、関連法令や各種基準に基づき、内部統制の整備・運用および継続的な見直しを実施するとともに、内部統制に係る評価・モニタリング、内部監査等を通じて、課題の把握および改善対応を実施しています。
カ.財務報告・開示について
当社グループは、関連法令や会計基準等を踏まえた財務報告・開示体制の整備を行うとともに、内部統制の整備・運用、開示内容に対する確認・レビュー、財務報告・開示プロセスの評価および改善対応を実施しております。
ヨ.データプライバシーについて
当社グループは、職務権限に応じたシステムへのアクセス権限の設定を行うほか、役職任免・免除、組織異動等に応じた適切なアクセス権限の設定および期変わり時のアクセス権見直しを実施しています。
タ.汚職について
当社グループは、行動規範を定めたコンプライアンスガイドを制定するとともに、コンプライアンス研修を実施し、さらに贈収賄防止ガイドラインを策定しています。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主たる財源は、好調な業績に基づく営業キャッシュ・フローであり、当期末において適切な事業活動のための資金の流動性は十分に確保されています。
今後の事業拡大に向け、人材投資、研究開発投資、設備投資およびM&Aに資金を活用していく方針です。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」を参照ください。
⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の達成状況を判断するための客観的な指標等
Vision2030の2nd Stageとなる中期経営計画(2025-2027)では、以下の目標を定めています。
⦅財務目標と実績⦆
(※1) 当社グループとして、今後注力していくビジネス領域。
(※2) CO2排出量削減(2021年度比)60%(参考値)
⑥ セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
業務&ソリューションセグメント
自治体向け消防システム更改案件、通信事業者向け基幹システム開発案件、金融犯罪対策ソリューションAMLion導入等は拡大したものの、前年のメガバンク特需案件等の影響により、売上高は528億10百万円(前年同期比0.7%減、業績予想比5.5%減)となりました。
テクノロジー&ソリューションセグメント
証券会社向けのクラウド基盤更改・サイバーセキュリティ対策案件、製造業向け生産管理システムのmcframe導入案件、ならびにServiceNow、intra-mart、住宅関連等の案件拡大により堅調に推移し、売上高は459億98百万円(前年同期比7.3%増、業績予想比1.1%減)となりました。
プラットフォーム&サービスセグメント
データセンター向け生成AIインフラ構築や量子コンピュータシミュレーション向けのHPC導入案件、ライフサイクルマネジメントサービス案件の拡大により、売上高は364億5百万円(前年同期比22.1%増、業績予想比11.7%増)となりました。
当連結会計年度における当社および連結子会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものです。
当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかに回復しているものの、中東情勢の影響を注視する必要があります。また、金融資本市場の変動影響やアメリカの通商政策をめぐる動向などにも注意する必要があります。
当社グループを取り巻く環境は、テクノロジーの進展に伴い、世の中の経営層のアジェンダは顧客との関係強化・データドリブン経営等がメインテーマとなり、それらと相互影響しながら、企業のIT投資は情報系・顧客接点系へシフトしていくことを見込んでいます。
このような状況下において当社グループは、Vision 2030の2nd Stageとなる中期経営計画(2025-2027)では、「フォーカスビジネスの進化と堅守ビジネスの深化」、「戦略的アライアンスの実行」、「グループ経営基盤の強化」を3つの柱とし、事業の成長・拡大、安定性・信頼性の強化を推進しています。
当連結会計年度の売上高は、1,352億13百万円(前年同期比7.4%増)、営業利益164億34百万円(前年同期比13.4%増)、EBITDAは177億90百万円(前年同期比13.9%増)となりました。
■フォーカスビジネスの進化と堅守ビジネスの深化
中期経営計画(2025-2027)では、当社グループの成長領域として取り組みを強化しているフォーカスビジネス(注1)の中に、集中投資領域(注2)と先行投資領域(注3)を新たに設定しました。
2028年3月期までに売上高に占めるフォーカスビジネス売上高の比率57%を目標として推進しています。当連結会計年度のフォーカスビジネス売上高比率は62.9%となり、順調に推移しています。
2025年4月、先行投資領域への挑戦として、生成AI領域における顧客のAI活用支援、自社ソリューションへの組み込み、自社開発工程での活用を推進するため、GenAIビジネス推進室を新設しました。生成AIなどの活用により顧客の事業価値向上を実現し、2030年度におけるAIおよび生成AI関連の売上高100億円を目指します。
(注1) フォーカスビジネス
当社グループとして、今後注力していくビジネス領域。
(注2) 集中投資領域
更なる事業規模の拡大を図るため、フォーカスビジネスの中でも特に成長が見込まれる5つの領域である①クラウド&モダナイゼーション、②データ活用、③セキュリティ&マネージドサービス、④Enterprise Application Services、⑤IoT&エッジテクノロジーを集中投資領域として再定義しています。
(注3) 先行投資領域
今後の急速な市場拡大と顧客の事業価値向上が見込まれる領域。AI・生成AI、CX(顧客体験価値)を対象としています。
■戦略的アライアンスの実行
2025年9月、生成AI技術の実用化を推進するため、OpenAI Japan合同会社との連携を開始しました。システムへのビルトインやAIネイティブな自社ソリューションの開発、コード生成支援など、トータルSIerとしての総合力と生成AI技術の融合により、提案価値・付加価値・生産性の向上を実現していきます。また、調査・分析や問い合わせ対応など各種業務にも生成AIを活用し、業務全体の効率化を推進していきます。今後も、生成AIを活用した新たな価値創出と事業成長を図ります。
また、慶應義塾大学環境情報学部中西泰人研究室と、人間の創造性を誘発する「アフェクティブ(感性)AIエージェント」に関する共同研究を開始しました。AIを人間の感性や文脈に寄り添い、新たな気づきや発想を促す存在として位置付け、アフェクティブAIエージェントのプロトタイプ開発と行動モデルの体系化に取り組むことで、人間とAIが織りなす知的協働プロセスの社会実装を推進していきます。
■グループ経営基盤の強化
経営基盤の強化として、人的資本への投資、グループガバナンス、システム基盤の強化および資本効率向上を図り、持続的・安定的な企業価値向上を目指していきます。
資本効率の向上、中期経営計画に基づくキャッシュアロケーションの実現および株主への一層の利益還元を図るため、2025年5月から7月にかけて約25億円の自己株式を取得しました。なお、当連結会計年度に取得した自己株式約25億円につきましてはその全株式を消却しています。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、1,352億13百万円(前年同期比7.4%増)となりました。
売上総利益は、売上高の増加により296億76百万円(前年同期比4.6%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、132億41百万円(前年同期比4.6%減)となりました。売上総利益が増加し、営業利益は、164億34百万円(前年同期比13.4%増)、経常利益は、169億40百万円(前年同期比9.6%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益の増加などにより、116億44百万円(前年同期比9.5%増)となりました。
| (単位:百万円) | |||
| 連結 | |||
| 対前年同期増減率 | |||
| 売上高 | 135,213 | 7.4 | % |
| 営業利益 | 16,434 | 13.4 | % |
| 経常利益 | 16,940 | 9.6 | % |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 11,644 | 9.5 | % |
各セグメントにおける営業概況は、次のとおりです。
<セグメント別売上高>
| (単位:百万円) | |||
| セグメント別の名称 | 連結 | ||
| 対前年同期増減率 | |||
| 業務&ソリューションセグメント | 52,810 | △0.7 | % |
| テクノロジー&ソリューションセグメント | 45,998 | 7.3 | % |
| プラットフォーム&サービスセグメント | 36,405 | 22.1 | % |
| 合計 | 135,213 | 7.4 | % |
■業務&ソリューションセグメント
自治体向け消防システム更改案件は拡大したものの、前年同期に銀行向け案件が一時的に拡大した反動により、売上高は528億10百万円(前年同期比0.7%減)となりました。
フォーカスビジネスへの取り組みでは、金融分野および公共分野などの業界知見にデジタル技術を組み合わせ、クラウドシフトやマイグレーションなどの集中投資領域を拡大し、事業成長を推進していきます。
当社グループ会社の株式会社東北システムズ・サポートはピッキングや検品業務における作業効率の向上を実現したRFIDリーダーとして、ウェアラブル型の「MR20」およびバーコードスキャン機能搭載のハンディ型「SR160」を発売しました。今後もRFIDソリューションのさらなる拡大と、物流・製造・小売業界におけるDX推進に貢献していきます。
また、当社は、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の「化審法連絡システム」再構築を受注し、政府が定めるクラウドセキュリティ基準「ISMAP」に準拠したクラウドサービスを基盤に、機密情報を安全に管理できる環境を整備するとともに、誤送信防止や問い合わせ・連絡業務の効率化、運用保守コストの低減を目指した開発を開始しました。今後も、ローコード/ノーコードやクラウドを活用した迅速な開発と業務改善を通じて、公共分野における業務のデジタル変革に貢献していきます。
2026年3月、株式会社九州DTSは、北九州市小倉北区に「北九州開発センター」を開所しました。首都圏案件を中心としたニアショア開発体制を強化するとともに、地域人材の活用や産学連携を通じて、地域経済の発展に貢献していきます。
■テクノロジー&ソリューションセグメント
IPビジネス会社の基幹システム刷新、証券会社のクラウド基盤更改・サイバーセキュリティ対策案件、住宅関連のソリューション案件および組込み関連が順調に推移し、売上高は459億98百万円(前年同期比7.3%増)となりました。
フォーカスビジネスへの取り組みでは、Enterprise Application Servicesなどの集中投資領域の拡大に加え、生成AIなどの先行投資領域への挑戦を進めることで、当社グループのフォーカスビジネス拡大を牽引していきます。
2025年5月、当社が取り組んだ初のmcframe導入プロジェクトにおいて、高品質な導入支援および拡張性を見据えた提案力が評価されビジネスエンジニアリング株式会社による「mcframe Award 2025」における「Take Off Award」を獲得しました。今後も、製造業の業務改革とデジタル化推進に向けて取り組んでいきます。
ハウジングソリューションの3D住宅CAD「Walk in home(ウォークインホーム)」では、階段・バルコニーの意匠表現の向上やレンダリング処理の高速化を図るとともに、プレゼンボードのWebブラウザ対応とアニメーションを用いたプレゼンテーションにより、提案・顧客との情報共有の利便性を高めました。さらに、AIを活用した提案用画像生成、3D空間上のメモ機能、および「Walk in home 360x」との連携の強化により、営業提案力の向上と設計業務の効率化・標準化を推進しています。また、2026年4月運用開始予定のBIM(BIM:Building Information Modeling)図面審査に向け、IFCデータ(注1)や入出力基準適合申告書を出力できる次期版を今秋リリース予定です。
2025年7月、ServiceNowの定常的な運用業務から内製化支援までをトータルサポートする「DTSマネージドサービス for ServiceNow」の提供を開始しました。今後も、運用の標準化・自動化・AI活用等による高度化とITSM統合を通じて、運用負荷の軽減や継続的な運用改善、IT投資効果の最大化を図り、顧客のデジタル変革を支援していきます。
また、マイクロソフト社のパートナープログラムにおいて、「インフラストラクチャ(Azure)」および「セキュリティ」の2分野でソリューションパートナー認定を取得しました。今後も、顧客のAzureクラウド移行をより迅速かつ効果的に支援するとともに、Microsoft 365 Security等を活用した安全性・信頼性の高いセキュリティ環境の設計・構築・運用支援を推進していきます。
(注1) IFCデータ
Industry Foundation Classesの略で、ソフトウェア間のデータ共有を目的とした国際標準フォーマット。
■プラットフォーム&サービスセグメント
データセンター向け生成AIインフラ構築および運用分野などが好調に推移し、売上高は364億5百万円(前年同期比22.1%増)となりました。
フォーカスビジネスへの取り組みでは、当社のReSM(リズム)/ ReSM plus(リズムプラス)を中心とした運用サービスメニューの拡充に加え、AIを活用した障害復旧時間の短縮などによる運用サービスの高度化を推進していきます。
2025年8月、社内ヘルプデスク・アウトソーシングサービス「ReSM plus(リズムプラス)」の機能を強化し、生成AIと有人オペレーターが連携する新サービスの提供を開始しました。自然文による自動回答と、解決できなかった問い合わせへの有人対応を組み合わせることで、FAQや社内ドキュメントのナレッジ化および回答精度の向上を継続的に進め、ユーザー満足度の向上を実現します。
また、当社はグループ会社のデジタルテクノロジー株式会社をはじめとした合同チームを組織し、理化学研究所が主体となって進める「量子HPC(注1)連携プラットフォーム向けスーパーコンピュータ」システムの構築を受注しました。機器調達からシステム構築、設置、保守運用まで各フェーズを支援し、2025年度中に構築を完了しました。
さらに、Atlassian Pty Ltdのパートナープログラムにおいて「Service Management Specialization」認定を取得しました。今後は、Atlassian Pty Ltd製品のAI機能の活用を含め、Jira Service Managementを基盤とした組織横断のサービス管理の導入から定着、継続的な改善までを支援し、顧客のビジネス価値向上とDX推進に貢献していきます。
(注1) HPC
High Performance Computing:高性能計算。
財政状態としては、総資産は、前連結会計年度末に比べ48億60百万円増加し、852億48百万円となりました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産が38億82百万円、投資有価証券が12億60百万円増加したことによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ4億85百万円減少し、205億56百万円となりました。これは主に、買掛金が7億61百万円減少したことによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ53億46百万円増加し、646億91百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が116億44百万円、その他有価証券評価差額金が12億78百万円増加した一方で、剰余金の配当の実施により利益剰余金が54億93百万円減少、自己株式の取得により自己株式が25億円増加したことによるものです。なお、自己株式の消却によって、自己株式が20億55百万円減少しましたが、一方で利益剰余金が20億2百万円、資本剰余金が53百万円減少しており、純資産合計には影響はありません。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末の残高である284億5百万円に比べ9億75百万円増加し、293億81百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況についての前連結会計年度との比較は次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは89億29百万円となり、前連結会計年度に比べ得られた資金が2億51百万円減少しました。主な要因は、税金等調整前当期純利益が17億53百万円増加したことにより収入が増加した一方で、売上債権及び契約資産の増減額が25億82百万円増加したことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは92百万円となり、前連結会計年度に比べ使用した資金が24億15百万円減少しました。主な要因は、投資有価証券の取得による支出が11億97百万円減少したこと、定期預金の払戻による収入が11億67百万円増加したことなどによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは△80億89百万円となり、前連結会計年度に比べ使用した資金が79億97百万円減少しました。主な要因は、自己株式の取得による支出が85億12百万円減少したことなどによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当連結会計年度における生産実績は、以下のとおりです。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 対前年同期増減率(%) |
| 業務&ソリューション | 52,810 | △0.7 |
| テクノロジー&ソリューション | 45,998 | 7.3 |
| プラットフォーム&サービス | 36,405 | 22.1 |
| 合計 | 135,213 | 7.4 |
(注) セグメント間の取引は、相殺消去しています。
ロ.受注実績
当連結会計年度における受注実績は、以下のとおりです。
| セグメントの名称 | 受注高 (百万円) | 対前年同期 増減率(%) | 受注残高 (百万円) | 対前年同期 増減率(%) |
| 業務&ソリューション | 52,817 | △5.3 | 15,566 | △1.9 |
| テクノロジー&ソリューション | 46,229 | 3.0 | 12,926 | 0.8 |
| プラットフォーム&サービス | 35,102 | 10.4 | 9,314 | △12.5 |
| 合計 | 134,149 | 1.3 | 37,807 | △3.9 |
(注) セグメント間の取引は、相殺消去しています。
ハ.販売実績
当連結会計年度における販売実績は、以下のとおりです。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 対前年同期増減率(%) |
| 業務&ソリューション | 52,810 | △0.7 |
| テクノロジー&ソリューション | 45,998 | 7.3 |
| プラットフォーム&サービス | 36,405 | 22.1 |
| 合計 | 135,213 | 7.4 |
(注) セグメント間の取引は、相殺消去しています。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社および連結子会社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当期の売上高は、1,352億13百万円(前年同期比7.4%増)、営業利益は16期連続増益、12期連続過去最高の164億34百万円(前年同期比13.4%増)、ならびにEBITDAは177億90百万円(前年同期比13.9%増)となりました。
② 経営成績に重要な影響を与える要因に関するリスク軽減策
イ.事業環境の変動について
当社グループの事業においては、業務知識と情報技術に基づいた品質をベースに幅広い業種・業態の顧客ニーズに応えるITサービスを提供しているため、特定産業における投資動向の影響を受けにくい構造となっていますが、今後も事業環境の変動を注視していきます。
ロ.価格競争について
当社においては、プロジェクトの採算管理を徹底し、生産性の向上を図り、高度プロフェッショナル人材の育成に取り組むとともに、新技術や顧客業務への知見を活用した高付加価値なサービスを提供することにより、単なるコストダウンのみの価格競争の影響を最小限にとどめるように努めています。
ハ.海外事業について
当社グループにおいては、海外取引における輸出管理法などの内国法および現地法・商慣習の知識・調査不足や相違によるトラブル、海外現地法人の設立、株式取得や運営における現地の法律・会計処理・労務管理・契約・プロジェクト管理などに適切に対応できないなど、さまざまなリスクが想定されます。当社グループではこれらのリスクを認識するとともに、海外グループ会社の管理体制およびグループ管理業務・管理体制の整備・強化を進めています。
ニ.ビジネスモデル、技術革新について
当社グループは、IT市場や技術、ESG等の環境変化を捉え、既存SIビジネスモデルの進化に加えてデジタル、ソリューションおよびサービスビジネスや、それらを実現する人材などへの積極的な投資により、新たな成長モデルを構築し、社会的価値・経済的価値の創出という両輪でさらなる企業価値の向上を目指すため、Vision2030を2022年に策定しました。
中期経営計画(2025-2027)では、「フォーカスビジネスの進化と堅守ビジネスの深化」、「戦略的アライアンスの実行」、「グループ経営基盤の強化」の3つを柱に据え、事業の成長・拡大、安定性・信頼性の強化を推進していきます。
新たな成長モデルを構築する「フォーカスビジネスの進化と堅守ビジネスの深化」では、フォーカスビジネスの中に「集中投資領域」と「先行投資領域」を新たに設定し、堅守ビジネス・グローバル(海外)を含め、事業拡大・利益創出を目指していきます。
ホ.М&Aの投資について
М&Aの投資の意思決定時は、投資対効果の評価や第三者によるDCF法やマルチプル法を使った価値算定結果を判断要素としています。
また、ファイナンシャルアドバイザーや公認会計士、弁護士等の外部有識者によるデューデリジェンスの実施を必須とし、発見された各リスクの検証、対応策等も勘案して経営会議において審議を行い、最終的に取締役会において決議・承認をしています。さらに、М&A実施後の統合プロセス(PMI)計画を作成し、М&A効果の最大化に向けた統合プロセスを早期から実施することにより、リスクの低減に努めています。
ヘ.人材等について
当社グループにおいては、人材の育成・確保に向けて人的資本への投資を推進するとともに、社員エンゲージメントの向上を図っています。育成面では、成長が期待される領域の育成プログラムの整備・運用、高度プロフェッショナル人材の育成強化を進めています。人材確保面では、キャリアパスの多様化・公募制度見直しによる社内の人材流動性向上を図りながら、中長期的視点での新卒採用や、優れた専門性を有したキャリア人材の採用の実施を進めています。また、社員還元として基本給アップや業績に応じた特別賞与の支給、譲渡制限付株式交付等を実施しています。
ビジネスパートナーに対しては、イベントやパートナー表彰等を実施するとともに、保有技術や人材に関する定期的な情報交換および今後の方向性の議論を通じて、関係性強化と顧客への価値提供力強化に努めています。
ト.ソフトウェア開発のプロジェクト管理について
当社においては、独自の開発標準の浸透に努めています。また、受注金額が一定以上または必要と認めたプロジェクトの受注可否を審議することやプロジェクトの進捗状況を定期的にモニタリングすることを目的としたプロジェクト推進会議を設置することにより、プロジェクトの状況を把握することで不採算案件の抑止に取り組んでおり、現時点では当社グループに大きな影響を与えるおそれのある不採算案件はありません。
チ.労働関連法について
当社グループでは、役員・社員およびパートナー企業社員へのコンプライアンス研修を実施し、労働状況のモニタリングと注意喚起を行い、さらに経営会議にて報告を行うことで法令等の遵守の徹底に努めています。
リ.サイバーセキュリティについて
当社グループにおいては、サイバーセキュリティや情報セキュリティを包含したリスク管理体制を構築しており、代表取締役社長および関連部門の責任者で構成される「リスクマネジメント委員会」を設置しています。
また、当社においては情報セキュリティ委員会を、当社グループにおいてはセキュリティ連絡会を設置し、セキュリティ全般の対策の拡充を検討・推進しています。情報セキュリティ事案などが発生した場合は、情報セキュリティ委員会にて恒久的な対応を検討した上で、社内対策を推進し、セキュリティ連絡会にてグループ各社への情報展開を進めます。
ヌ.事業継続について
当社では、災害対策(平常時)マニュアルや事業継続計画対応行動マニュアルを策定し、事業が継続できる体制を整えています。
ル.訴訟等について
当社グループは、コーポレート・ガバナンスの強化・充実を経営上の重要課題として認識し、コンプライアンス、情報セキュリティ、品質管理等の必要な体制を備えており、現時点において、財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性のある訴訟は提起されていません。
ヲ.内部不正・浪費・濫用について
当社の取締役会では役員へのモニタリングを実施しています。また、当社および当社のグループ会社に対して内部通報窓口の周知を行っています。さらに、コンプライアンス研修の実施を通じて、従業員の意識向上を図っています。
ワ.内部統制の要件について
当社グループは、関連法令や各種基準に基づき、内部統制の整備・運用および継続的な見直しを実施するとともに、内部統制に係る評価・モニタリング、内部監査等を通じて、課題の把握および改善対応を実施しています。
カ.財務報告・開示について
当社グループは、関連法令や会計基準等を踏まえた財務報告・開示体制の整備を行うとともに、内部統制の整備・運用、開示内容に対する確認・レビュー、財務報告・開示プロセスの評価および改善対応を実施しております。
ヨ.データプライバシーについて
当社グループは、職務権限に応じたシステムへのアクセス権限の設定を行うほか、役職任免・免除、組織異動等に応じた適切なアクセス権限の設定および期変わり時のアクセス権見直しを実施しています。
タ.汚職について
当社グループは、行動規範を定めたコンプライアンスガイドを制定するとともに、コンプライアンス研修を実施し、さらに贈収賄防止ガイドラインを策定しています。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主たる財源は、好調な業績に基づく営業キャッシュ・フローであり、当期末において適切な事業活動のための資金の流動性は十分に確保されています。
今後の事業拡大に向け、人材投資、研究開発投資、設備投資およびM&Aに資金を活用していく方針です。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」を参照ください。
⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の達成状況を判断するための客観的な指標等
Vision2030の2nd Stageとなる中期経営計画(2025-2027)では、以下の目標を定めています。
⦅財務目標と実績⦆
| 項目 | 2028年3月期目標 | 2026年3月期実績 | |
| 事業収益 | 連結売上高 | 1,600億円 | 1,352億円 |
| 営業利益 | 187億円 | 164億円 | |
| EBITDA | 200億円 | 177億円 | |
| EBITDAマージン | 12.5% | 13.2% | |
| フォーカスビジネス(※1)売上高比率 | 57.0%以上 | 62.9% | |
| 生産性(国内一人当たり営業利益) | 3.2百万円 | 3.2百万円 | |
| 経営効率 | ROE | 18%以上 | 19.2% |
| 投資 | 投資枠(3年間累計) | 325億円 | 57億円 |
| 株主還元 | 配当性向 | 50%以上 | 50.7% |
| 総還元性向 | 70%以上 | 72.1% | |
| 手元資金 | 手元資金総資産比 | 33%以下 | 34.9% |
| 非財務 (※2) | エンゲージメントスコア | 55以上 | 52.6 |
| 女性管理職比率 | 8.5%以上 | 5.4% | |
| 女性取締役比率 | 20%以上 | 20.0% | |
| 独立社外取締役比率 | 過半数 | 過半数 | |
(※1) 当社グループとして、今後注力していくビジネス領域。
(※2) CO2排出量削減(2021年度比)60%(参考値)
⑥ セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
業務&ソリューションセグメント
自治体向け消防システム更改案件、通信事業者向け基幹システム開発案件、金融犯罪対策ソリューションAMLion導入等は拡大したものの、前年のメガバンク特需案件等の影響により、売上高は528億10百万円(前年同期比0.7%減、業績予想比5.5%減)となりました。
テクノロジー&ソリューションセグメント
証券会社向けのクラウド基盤更改・サイバーセキュリティ対策案件、製造業向け生産管理システムのmcframe導入案件、ならびにServiceNow、intra-mart、住宅関連等の案件拡大により堅調に推移し、売上高は459億98百万円(前年同期比7.3%増、業績予想比1.1%減)となりました。
プラットフォーム&サービスセグメント
データセンター向け生成AIインフラ構築や量子コンピュータシミュレーション向けのHPC導入案件、ライフサイクルマネジメントサービス案件の拡大により、売上高は364億5百万円(前年同期比22.1%増、業績予想比11.7%増)となりました。