四半期報告書-第56期第1四半期(令和2年4月1日-令和2年6月30日)
(1) 経営成績の状況
(単位:百万円)
(注)1. 消費税及び地方消費税の会計処理は、税抜き方式によっています。
2. EBITDAマージン=EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額+固定資産除却損)÷売上高
当第1四半期累計(自 2020年4月1日 至 2020年6月30日)は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う世界経済の悪化懸念から、先行きが不透明な状況が続いています。情報システム投資については、景気後退に伴う企業の業績悪化により投資需要が鈍化する可能性があるものの、引続き堅調に推移しています。
このような環境の下、当社グループ(当社及び連結子会社をいう。以下同じ。)は、コンサルティングからシステム開発・運用まで一貫して提供できる総合力をもって事業活動に取り組みました。
当年度は、長期経営ビジョン「Vision2022」(2015年度~2022年度)の実現に向け策定した「NRIグループ中期経営計画(2019年度~2022年度)」(以下「中期経営計画2022」という。)の2年目となります。より一層の生産性向上と既存事業の拡大に取組むとともに、「中期経営計画2022」の成長戦略である(1)DX戦略、(2)グローバル戦略、(3)人材・リソース戦略の3つを進めていきます。
(1) DX戦略:当社グループは、顧客のビジネスプロセス及びビジネスモデルの変革に対して、戦略策定からソリューションの実装まで、テクノロジーを活用し、総合的に支援しています。
ビジネスプラットフォーム戦略においては、金融分野を中心に共同利用型サービスの拡大をさらに進めるとともに、業界構造の変化に合わせて異業種から金融業へ参入する顧客に向けては、新たなビジネスプラットフォームを提供することで、顧客の新事業創出や新市場進出の支援もしています。
クラウド戦略においては、顧客のレガシーシステムのモダナイゼーション(※1)やクラウドネイティブ(※2)のアプリケーション開発などを通じて、顧客のビジネスのアジリティ(機敏性)を高め、ITコストの最適化を実現していきます。
(2) グローバル戦略:当社グループは、豪州と北米を主たる注力地域とし、M&Aなどによる外部成長を軸とした事業基盤の拡大を進めます。M&Aにより取得した子会社については、さらなるシナジーの創出に向け、グローバル本社機構を中心に、経営管理制度や業務管理体制の構築など買収後の経営統合プロセスを進めています。
(3) 人材・リソース戦略:当社グループは、顧客のビジネスを成功に導くために、デジタル時代を支える人材の採用と育成を強化しています。また、社員が活躍・チャレンジできる風土の醸成とダイバーシティの推進を行うとともに多様な働き方を推進し、当社グループらしい働き方改革を実現していきます。
当社グループの当第1四半期累計の売上高は、開発・製品販売を中心に前年同期を上回り、131,154百万円(前年同期比1.3%増)となりました。売上原価は、89,272百万円(同4.5%増)、売上総利益は41,882百万円(同5.0%減)、販売費及び一般管理費は23,704百万円(同0.2%減)となりました。前年同期にあった利益率の高い大型の製品販売の反動により、営業利益は18,177百万円(同10.7%減)、営業利益率は13.9%(同1.9ポイント減)、経常利益は18,342百万円(同13.3%減)となりました。なお、営業利益(のれん償却前)は18,887百万円(同10.8%減)、営業利益率(のれん償却前)は14.4%(同1.9ポイント減)、EBITDAマージンは20.2%(同2.2ポイント減)となりました。
※1 レガシーシステムのモダナイゼーション:老朽化した基幹システムなどのソフトウエアやハードウエアのシステム基盤やアプリケーションを最適化、近代化を行う手法。
※2 クラウドネイティブ:クラウド上での利用を前提として設計された情報システムやサービス。
<セグメント情報>セグメントごとの業績(売上高には内部売上高を含む。)は次のとおりです。
(単位:百万円)
(コンサルティング)
当セグメントは、政策提言や戦略コンサルティング、業務改革をサポートする業務コンサルティング、ITマネジメント全般にわたるシステムコンサルティングを提供しています。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い顧客の経営環境が急速に変化している中、顧客のDXによる企業変革が加速しており、具体的な成果につながる実行支援型のコンサルティングサービスが期待されています。
当社グループは、顧客のDXを支援するDXコンサルティングを強化し、顧客ニーズへの的確な対応に努めるとともに、グローバル領域においては、欧米等の先進国におけるDX関連の知的資産を探索し、グローバル・プラクティス活動を通じた提案力の強化に努めていきます。
当第1四半期累計の売上高は、グローバル関連のコンサルティング案件が減少し、7,099百万円(前年同期比8.6%減)となりました。営業利益は、取引関係費の減少により採算性が向上し、670百万円(同9.2%増)となりました。
(金融ITソリューション)
当セグメントは、主に証券業や保険業、銀行業等の金融業顧客向けに、システムコンサルティング、システム開発及び運用サービス、共同利用型システム等のITソリューションを提供しています。
社会における高齢化の一層の進展、異業種からの金融業への新規参入やデジタルアセットの拡大、低金利の継続及び人口減少による国内市場の縮小など、金融業を取り巻く環境は大きな構造変化を迎えています。
当社グループは、これらの環境変化に対応し、顧客の新規事業や新サービスの創出を支援するため、新たな金融ビジネスプラットフォームの開発、デジタルバンキング事業などのDXビジネスの創出と拡大及び金融グローバル事業の拡大並びに既存事業の高度化・大型化を通じて、顧客基盤の拡大に努めていきます。事業拡大を支える生産活動においては、セグメント全体で生産革新による効率化や開発リソース管理の高度化を進めます。ビジネスモデルを変革するDX領域では、高度な技術を有する企業や顧客と合弁会社を設立するなど、協業を通じて、デジタル技術を活用した新たなビジネスを創造する取組みも進めていきます。また、金融インフラとしての情報システムを担う社会的責任から、ITインフラの安定サービス運用に加え、顧客と共創し金融業界の発展に貢献することも目指します。
当第1四半期に、金融ビジネスプラットフォームの更なる進化を目的として、㈱だいこう証券ビジネスを当社の完全子会社とするために、同社の株券等に対する公開買付け及び売渡請求を実施しました。
当第1四半期累計の売上高は、証券業向け運用サービスの増加や、日本証券テクノロジー㈱の寄与もあり、70,320百万円(前年同期比2.5%増)となりました。足元の受注環境は良好に推移しており、相場活況による共同利用型サービスの利用料が増加したものの、前年同期にあった利益率の高い大型の製品販売の反動や一部の子会社において不採算案件が発生し、営業利益は8,442百万円(同18.1%減)となりました。
(産業ITソリューション)
当セグメントは、流通業、製造業、サービス業や公共向けに、システムコンサルティング、システム開発及び運用サービス等のITソリューションを提供しています。
産業分野の顧客におけるDXの取組みは、既存のビジネスモデルの効率化や高度化のみならず、新たなビジネスモデルを創造する領域にも広がっています。また、新型コロナウイルス感染症の拡大により景気減退に伴うITコスト削減のニーズがあるものの、顧客のDXによる企業変革が加速しており、デジタル技術を活用した新たなビジネスを創造する取組みを進めています。
顧客基盤の拡大に向け、産業分野に多くの顧客を持つコンサルティング部門と連携し、顧客のDX領域でのビジネスモデルの構築からシステム構築まで、コンサルティングとITソリューションが一体となり、総合的に支援していきます。
当第1四半期累計の売上高は、製造・サービス業向け開発・製品販売が増加しましたが、流通業向け運用サービスが減少し、前年同期と同水準の46,427百万円(前年同期比0.1%減)となりました。新型コロナウイルス感染症の影響により海外子会社の採算性が悪化し、営業利益は4,719百万円(同9.1%減)となりました。
(IT基盤サービス)
当セグメントは、主に金融ITソリューションセグメント及び産業ITソリューションセグメントに対し、データセンターの運営管理やIT基盤・ネットワーク構築等のサービスを提供しています。また、様々な業種の顧客に対してIT基盤ソリューションや情報セキュリティサービスを提供しています。このほか、ITソリューションに係る新事業・新商品の開発に向けた実験的な取組みや先端的な情報技術等に関する調査、研究を行っています。
DX時代のシステム開発は、新たな開発手法や、よりスピーディーな開発が求められるとともに、AI(人工知能)やブロックチェーンなどの新しいデジタル技術の活用も必要となります。クラウド領域においては、企業におけるITシステムのクラウド化の進展に伴い、多様化・複雑化するシステム基盤を高い品質で総合的に運用していくことが必要となります。また、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、顧客のDXによる事業継続のニーズが加速しています。
当社グループは、これらの環境変化に対応し、DX時代のシステム開発手法や生産革新ツールの開発を行うとともに、マルチクラウドサービス(※3)やマネージドサービス(※4)の拡大や、IoT(モノのインターネット)領域でのセキュリティ事業の拡大に取り組んでいきます。
当第1四半期累計の外部顧客に対する売上高は、デジタルワークプレイス事業(※5)やセキュリティ事業で増加し、内部売上高は、クラウドサービスやネットワークサービスなどが増加しました。
この結果、売上高33,421百万円(前年同期比4.6%増)、営業利益4,265百万円(同7.8%増)となりました。
※3 マルチクラウドサービス:複数のクラウド基盤を組み合わせて、一元的に管理するサービス。
※4 マネージドサービス:顧客のIT部門に代わり、システム全体を最適化して総合的に支援するITサービス。
※5 デジタルワークプレイス事業:企業文化、IT、オフィス空間など物理的環境という3つの要素を組み合わせて、従業員の経験価値の向上を高めるソリューション。
(2) 財政状態の分析
(単位:百万円)
(注)1. 自己資本:純資産-非支配株主持分-新株予約権
2. グロスD/Eレシオ(グロス・デット・エクイティ・レシオ(負債資本倍率)):有利子負債÷自己資本
3. ネットD/Eレシオ(ネット・デット・エクイティ・レシオ(負債資本倍率)):(有利子負債-現預金)÷自己資本
当第1四半期末において、流動資産244,185百万円(前年度末比6.0%減)、固定資産278,649百万円(同2.0%増)、流動負債132,760百万円(同5.5%減)、固定負債104,646百万円(同0.4%減)、純資産285,259百万円(同0.7%減)となり、総資産は522,835百万円(同1.9%減)となりました。また、当第1四半期末におけるグロスD/Eレシオ(グロス・デット・エクイティ・レシオ)は、0.45倍、ネットD/Eレシオ(ネット・デット・エクイティ・レシオ)は、0.03倍となっています。
前年度末と比べ増減した主な内容は、次のとおりです。
売掛金は37,814百万円減少し52,754百万円、開発等未収収益は4,548百万円増加し44,545百万円となりました。当社グループは年度末に完了するプロジェクトが比較的多いことから、四半期末の数値は前年度末と比べ、売掛金が小さく開発等未収収益が大きくなる傾向にあります。
短期社債は、新型コロナウイルス感染症の影響による事業環境の悪化懸念に備えるため、コマーシャルペーパーを発行したことにより19,989百万円増加しました。
非支配株主持分は、㈱だいこう証券ビジネスの株式等を追加取得したことなどにより、11,134百万円減少し4,006百万円となりました。
このほか、現金及び預金が14,593百万円増加の117,134百万円、買掛金が5,083百万円減少の20,529百万円、未払法人税等が12,421百万円減少の8,351百万円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
当第1四半期末の現金及び現金同等物は、前年度末から14,487百万円増加し115,265百万円となりました。
当第1四半期累計において、営業活動により得られた資金は21,623百万円となり、前年同期と比べ13,755百万円少なくなりました。法人税等の支払額が増加しました。
投資活動による支出は6,456百万円となり、前年同期と比べ1,404百万円少なくなりました。当第1四半期累計の主な投資内容は、共同利用型システムの開発に伴う無形固定資産の取得でした。
財務活動による支出は2,459百万円となり、前年同期と比べ18,907百万円少なくなりました。前年同期は、NRIグループ社員持株会専用信託が信託型従業員持株インセンティブ・プランのために当社株式を10,865百万円取得しました。当第1四半期累計は、新型コロナウイルス感染症の影響による事業環境の悪化懸念に備えるために発行した短期社債の発行による収入19,978百万円がありました。また、㈱だいこう証券ビジネスの株式等を取得したことにより、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出9,792百万円がありました。その他の支出の主な内容は、いずれの期も配当金の支払いです。
(4) 研究開発活動
当第1四半期累計における研究開発費は765百万円です。なお、当第1四半期累計において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当第1四半期連結累計期間におけるセグメントごとの生産実績は次のとおりです。
(注)1. 金額は製造原価によっています。各セグメントの金額は、セグメント間の内部振替前の数値であり、調整額で内部振替高を消去しています。
2. 外注実績は次のとおりです。なお、外注実績の割合は、生産実績に対する割合を、中国企業への外注実績の割合は、総外注実績に対する割合を記載しています。
② 受注実績
当第1四半期連結累計期間におけるセグメントごとの受注実績(外部顧客からの受注金額)は次のとおりです。
(注)1. 金額は販売価格によっています。
2. 継続的な役務提供サービスや利用度数等に応じて料金をいただくサービスについては、各年度末時点で翌年度の売上見込額を受注額に計上しています。
③ 販売実績
a. セグメント別販売実績
当第1四半期連結累計期間におけるセグメントごとの外部顧客への売上高は次のとおりです。
b. 主な相手先別販売実績
前第1四半期連結累計期間及び当第1四半期連結累計期間における主な相手先別の売上高及び当該売上高の連結売上高に対する割合は次のとおりです。
(注) 相手先別の売上高には、相手先の子会社に販売したもの及びリース会社等を経由して販売したものを含めていま
す。
c. サービス別販売実績
当第1四半期連結累計期間におけるサービスごとの外部顧客への売上高は次のとおりです。
(6) 主要な設備
当第1四半期累計において、主要な設備に著しい変動はありません。また、主要な設備の新設、除却等の計画に著しい変更はありません。
なお、当第1四半期累計における設備投資金額は、当年度の設備投資予定金額38,000百万円に対し、6,878百万円となりました。
(単位:百万円)
前第1四半期 連結累計期間 (自 2019年4月 1日 至 2019年6月30日) | 当第1四半期 連結累計期間 (自 2020年4月 1日 至 2020年6月30日) | 前年同期比 | ||
増減額 | 増減率 | |||
売上高 | 129,495 | 131,154 | 1,659 | 1.3% |
海外売上高 | 12,686 | 10,549 | △2,137 | △16.8% |
海外売上高比率 | 9.8% | 8.0% | △1.8P | - |
営業利益 | 20,353 | 18,177 | △2,175 | △10.7% |
営業利益(のれん償却前) | 21,170 | 18,887 | △2,283 | △10.8% |
営業利益率 | 15.7% | 13.9% | △1.9P | - |
営業利益率(のれん償却前) | 16.3% | 14.4% | △1.9P | - |
EBITDAマージン | 22.4% | 20.2% | △2.2P | - |
経常利益 | 21,162 | 18,342 | △2,820 | △13.3% |
親会社株主に帰属する 四半期純利益 | 14,245 | 12,616 | △1,628 | △11.4% |
(注)1. 消費税及び地方消費税の会計処理は、税抜き方式によっています。
2. EBITDAマージン=EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額+固定資産除却損)÷売上高
当第1四半期累計(自 2020年4月1日 至 2020年6月30日)は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う世界経済の悪化懸念から、先行きが不透明な状況が続いています。情報システム投資については、景気後退に伴う企業の業績悪化により投資需要が鈍化する可能性があるものの、引続き堅調に推移しています。
このような環境の下、当社グループ(当社及び連結子会社をいう。以下同じ。)は、コンサルティングからシステム開発・運用まで一貫して提供できる総合力をもって事業活動に取り組みました。
当年度は、長期経営ビジョン「Vision2022」(2015年度~2022年度)の実現に向け策定した「NRIグループ中期経営計画(2019年度~2022年度)」(以下「中期経営計画2022」という。)の2年目となります。より一層の生産性向上と既存事業の拡大に取組むとともに、「中期経営計画2022」の成長戦略である(1)DX戦略、(2)グローバル戦略、(3)人材・リソース戦略の3つを進めていきます。
(1) DX戦略:当社グループは、顧客のビジネスプロセス及びビジネスモデルの変革に対して、戦略策定からソリューションの実装まで、テクノロジーを活用し、総合的に支援しています。
ビジネスプラットフォーム戦略においては、金融分野を中心に共同利用型サービスの拡大をさらに進めるとともに、業界構造の変化に合わせて異業種から金融業へ参入する顧客に向けては、新たなビジネスプラットフォームを提供することで、顧客の新事業創出や新市場進出の支援もしています。
クラウド戦略においては、顧客のレガシーシステムのモダナイゼーション(※1)やクラウドネイティブ(※2)のアプリケーション開発などを通じて、顧客のビジネスのアジリティ(機敏性)を高め、ITコストの最適化を実現していきます。
(2) グローバル戦略:当社グループは、豪州と北米を主たる注力地域とし、M&Aなどによる外部成長を軸とした事業基盤の拡大を進めます。M&Aにより取得した子会社については、さらなるシナジーの創出に向け、グローバル本社機構を中心に、経営管理制度や業務管理体制の構築など買収後の経営統合プロセスを進めています。
(3) 人材・リソース戦略:当社グループは、顧客のビジネスを成功に導くために、デジタル時代を支える人材の採用と育成を強化しています。また、社員が活躍・チャレンジできる風土の醸成とダイバーシティの推進を行うとともに多様な働き方を推進し、当社グループらしい働き方改革を実現していきます。
当社グループの当第1四半期累計の売上高は、開発・製品販売を中心に前年同期を上回り、131,154百万円(前年同期比1.3%増)となりました。売上原価は、89,272百万円(同4.5%増)、売上総利益は41,882百万円(同5.0%減)、販売費及び一般管理費は23,704百万円(同0.2%減)となりました。前年同期にあった利益率の高い大型の製品販売の反動により、営業利益は18,177百万円(同10.7%減)、営業利益率は13.9%(同1.9ポイント減)、経常利益は18,342百万円(同13.3%減)となりました。なお、営業利益(のれん償却前)は18,887百万円(同10.8%減)、営業利益率(のれん償却前)は14.4%(同1.9ポイント減)、EBITDAマージンは20.2%(同2.2ポイント減)となりました。
※1 レガシーシステムのモダナイゼーション:老朽化した基幹システムなどのソフトウエアやハードウエアのシステム基盤やアプリケーションを最適化、近代化を行う手法。
※2 クラウドネイティブ:クラウド上での利用を前提として設計された情報システムやサービス。
<セグメント情報>セグメントごとの業績(売上高には内部売上高を含む。)は次のとおりです。
(単位:百万円)
前第1四半期 連結累計期間 (自 2019年4月 1日 至 2019年6月30日) | 当第1四半期 連結累計期間 (自 2020年4月 1日 至 2020年6月30日) | 前年同期比 | |||
増減額 | 増減率 | ||||
コンサルティング | 売上高 | 7,767 | 7,099 | △668 | △8.6% |
営業利益 | 613 | 670 | 56 | 9.2% | |
営業利益率 | 7.9% | 9.4% | 1.5P | - | |
金融ITソリューション | 売上高 | 68,592 | 70,320 | 1,727 | 2.5% |
営業利益 | 10,312 | 8,442 | △1,870 | △18.1% | |
営業利益率 | 15.0% | 12.0% | △3.0P | - | |
産業ITソリューション | 売上高 | 46,470 | 46,427 | △42 | △0.1% |
営業利益 | 5,190 | 4,719 | △471 | △9.1% | |
営業利益率 | 11.2% | 10.2% | △1.0P | - | |
IT基盤サービス | 売上高 | 31,957 | 33,421 | 1,464 | 4.6% |
営業利益 | 3,955 | 4,265 | 309 | 7.8% | |
営業利益率 | 12.4% | 12.8% | 0.4P | - | |
調整額 | 売上高 | △25,292 | △26,113 | △821 | - |
営業利益 | 280 | 80 | △200 | - | |
計 | 売上高 | 129,495 | 131,154 | 1,659 | 1.3% |
営業利益 | 20,353 | 18,177 | △2,175 | △10.7% | |
営業利益率 | 15.7% | 13.9% | △1.9P | - |
(コンサルティング)
当セグメントは、政策提言や戦略コンサルティング、業務改革をサポートする業務コンサルティング、ITマネジメント全般にわたるシステムコンサルティングを提供しています。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い顧客の経営環境が急速に変化している中、顧客のDXによる企業変革が加速しており、具体的な成果につながる実行支援型のコンサルティングサービスが期待されています。
当社グループは、顧客のDXを支援するDXコンサルティングを強化し、顧客ニーズへの的確な対応に努めるとともに、グローバル領域においては、欧米等の先進国におけるDX関連の知的資産を探索し、グローバル・プラクティス活動を通じた提案力の強化に努めていきます。
当第1四半期累計の売上高は、グローバル関連のコンサルティング案件が減少し、7,099百万円(前年同期比8.6%減)となりました。営業利益は、取引関係費の減少により採算性が向上し、670百万円(同9.2%増)となりました。
(金融ITソリューション)
当セグメントは、主に証券業や保険業、銀行業等の金融業顧客向けに、システムコンサルティング、システム開発及び運用サービス、共同利用型システム等のITソリューションを提供しています。
社会における高齢化の一層の進展、異業種からの金融業への新規参入やデジタルアセットの拡大、低金利の継続及び人口減少による国内市場の縮小など、金融業を取り巻く環境は大きな構造変化を迎えています。
当社グループは、これらの環境変化に対応し、顧客の新規事業や新サービスの創出を支援するため、新たな金融ビジネスプラットフォームの開発、デジタルバンキング事業などのDXビジネスの創出と拡大及び金融グローバル事業の拡大並びに既存事業の高度化・大型化を通じて、顧客基盤の拡大に努めていきます。事業拡大を支える生産活動においては、セグメント全体で生産革新による効率化や開発リソース管理の高度化を進めます。ビジネスモデルを変革するDX領域では、高度な技術を有する企業や顧客と合弁会社を設立するなど、協業を通じて、デジタル技術を活用した新たなビジネスを創造する取組みも進めていきます。また、金融インフラとしての情報システムを担う社会的責任から、ITインフラの安定サービス運用に加え、顧客と共創し金融業界の発展に貢献することも目指します。
当第1四半期に、金融ビジネスプラットフォームの更なる進化を目的として、㈱だいこう証券ビジネスを当社の完全子会社とするために、同社の株券等に対する公開買付け及び売渡請求を実施しました。
当第1四半期累計の売上高は、証券業向け運用サービスの増加や、日本証券テクノロジー㈱の寄与もあり、70,320百万円(前年同期比2.5%増)となりました。足元の受注環境は良好に推移しており、相場活況による共同利用型サービスの利用料が増加したものの、前年同期にあった利益率の高い大型の製品販売の反動や一部の子会社において不採算案件が発生し、営業利益は8,442百万円(同18.1%減)となりました。
(産業ITソリューション)
当セグメントは、流通業、製造業、サービス業や公共向けに、システムコンサルティング、システム開発及び運用サービス等のITソリューションを提供しています。
産業分野の顧客におけるDXの取組みは、既存のビジネスモデルの効率化や高度化のみならず、新たなビジネスモデルを創造する領域にも広がっています。また、新型コロナウイルス感染症の拡大により景気減退に伴うITコスト削減のニーズがあるものの、顧客のDXによる企業変革が加速しており、デジタル技術を活用した新たなビジネスを創造する取組みを進めています。
顧客基盤の拡大に向け、産業分野に多くの顧客を持つコンサルティング部門と連携し、顧客のDX領域でのビジネスモデルの構築からシステム構築まで、コンサルティングとITソリューションが一体となり、総合的に支援していきます。
当第1四半期累計の売上高は、製造・サービス業向け開発・製品販売が増加しましたが、流通業向け運用サービスが減少し、前年同期と同水準の46,427百万円(前年同期比0.1%減)となりました。新型コロナウイルス感染症の影響により海外子会社の採算性が悪化し、営業利益は4,719百万円(同9.1%減)となりました。
(IT基盤サービス)
当セグメントは、主に金融ITソリューションセグメント及び産業ITソリューションセグメントに対し、データセンターの運営管理やIT基盤・ネットワーク構築等のサービスを提供しています。また、様々な業種の顧客に対してIT基盤ソリューションや情報セキュリティサービスを提供しています。このほか、ITソリューションに係る新事業・新商品の開発に向けた実験的な取組みや先端的な情報技術等に関する調査、研究を行っています。
DX時代のシステム開発は、新たな開発手法や、よりスピーディーな開発が求められるとともに、AI(人工知能)やブロックチェーンなどの新しいデジタル技術の活用も必要となります。クラウド領域においては、企業におけるITシステムのクラウド化の進展に伴い、多様化・複雑化するシステム基盤を高い品質で総合的に運用していくことが必要となります。また、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、顧客のDXによる事業継続のニーズが加速しています。
当社グループは、これらの環境変化に対応し、DX時代のシステム開発手法や生産革新ツールの開発を行うとともに、マルチクラウドサービス(※3)やマネージドサービス(※4)の拡大や、IoT(モノのインターネット)領域でのセキュリティ事業の拡大に取り組んでいきます。
当第1四半期累計の外部顧客に対する売上高は、デジタルワークプレイス事業(※5)やセキュリティ事業で増加し、内部売上高は、クラウドサービスやネットワークサービスなどが増加しました。
この結果、売上高33,421百万円(前年同期比4.6%増)、営業利益4,265百万円(同7.8%増)となりました。
※3 マルチクラウドサービス:複数のクラウド基盤を組み合わせて、一元的に管理するサービス。
※4 マネージドサービス:顧客のIT部門に代わり、システム全体を最適化して総合的に支援するITサービス。
※5 デジタルワークプレイス事業:企業文化、IT、オフィス空間など物理的環境という3つの要素を組み合わせて、従業員の経験価値の向上を高めるソリューション。
(2) 財政状態の分析
(単位:百万円)
前連結会計年度 (2020年3月31日) | 当第1四半期連結会計期間 (2020年6月30日) | 前年度末比 | ||
増減額 | 増減率 | |||
流動資産 | 259,855 | 244,185 | △15,669 | △6.0% |
固定資産 | 273,295 | 278,649 | 5,354 | 2.0% |
総資産 | 533,151 | 522,835 | △10,315 | △1.9% |
流動負債 | 140,456 | 132,760 | △7,696 | △5.5% |
固定負債 | 105,076 | 104,646 | △430 | △0.4% |
純資産 | 287,153 | 285,259 | △1,894 | △0.7% |
自己資本 | 271,332 | 280,610 | 9,278 | 3.4% |
自己資本比率 | 50.9% | 53.7% | 2.8P | - |
有利子負債 | 107,410 | 125,184 | 17,774 | 16.5% |
グロスD/Eレシオ(倍) | 0.40 | 0.45 | 0.05 | - |
ネットD/Eレシオ(倍) | 0.02 | 0.03 | 0.01 | - |
(注)1. 自己資本:純資産-非支配株主持分-新株予約権
2. グロスD/Eレシオ(グロス・デット・エクイティ・レシオ(負債資本倍率)):有利子負債÷自己資本
3. ネットD/Eレシオ(ネット・デット・エクイティ・レシオ(負債資本倍率)):(有利子負債-現預金)÷自己資本
当第1四半期末において、流動資産244,185百万円(前年度末比6.0%減)、固定資産278,649百万円(同2.0%増)、流動負債132,760百万円(同5.5%減)、固定負債104,646百万円(同0.4%減)、純資産285,259百万円(同0.7%減)となり、総資産は522,835百万円(同1.9%減)となりました。また、当第1四半期末におけるグロスD/Eレシオ(グロス・デット・エクイティ・レシオ)は、0.45倍、ネットD/Eレシオ(ネット・デット・エクイティ・レシオ)は、0.03倍となっています。
前年度末と比べ増減した主な内容は、次のとおりです。
売掛金は37,814百万円減少し52,754百万円、開発等未収収益は4,548百万円増加し44,545百万円となりました。当社グループは年度末に完了するプロジェクトが比較的多いことから、四半期末の数値は前年度末と比べ、売掛金が小さく開発等未収収益が大きくなる傾向にあります。
短期社債は、新型コロナウイルス感染症の影響による事業環境の悪化懸念に備えるため、コマーシャルペーパーを発行したことにより19,989百万円増加しました。
非支配株主持分は、㈱だいこう証券ビジネスの株式等を追加取得したことなどにより、11,134百万円減少し4,006百万円となりました。
このほか、現金及び預金が14,593百万円増加の117,134百万円、買掛金が5,083百万円減少の20,529百万円、未払法人税等が12,421百万円減少の8,351百万円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
前第1四半期 連結累計期間 (自 2019年4月 1日 至 2019年6月30日) | 当第1四半期 連結累計期間 (自 2020年4月 1日 至 2020年6月30日) | 前年同期比 | ||
増減額 | 増減率 | |||
営業活動によるキャッシュ・フロー | 35,379 | 21,623 | △13,755 | △38.9% |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △7,860 | △6,456 | 1,404 | △17.9% |
フリー・キャッシュ・フロー | 27,518 | 15,167 | △12,351 | △44.9% |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △21,367 | △2,459 | 18,907 | △88.5% |
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | 4,787 | 14,487 | 9,699 | 202.6% |
現金及び現金同等物の四半期末残高 | 127,988 | 115,265 | △12,722 | △9.9% |
当第1四半期末の現金及び現金同等物は、前年度末から14,487百万円増加し115,265百万円となりました。
当第1四半期累計において、営業活動により得られた資金は21,623百万円となり、前年同期と比べ13,755百万円少なくなりました。法人税等の支払額が増加しました。
投資活動による支出は6,456百万円となり、前年同期と比べ1,404百万円少なくなりました。当第1四半期累計の主な投資内容は、共同利用型システムの開発に伴う無形固定資産の取得でした。
財務活動による支出は2,459百万円となり、前年同期と比べ18,907百万円少なくなりました。前年同期は、NRIグループ社員持株会専用信託が信託型従業員持株インセンティブ・プランのために当社株式を10,865百万円取得しました。当第1四半期累計は、新型コロナウイルス感染症の影響による事業環境の悪化懸念に備えるために発行した短期社債の発行による収入19,978百万円がありました。また、㈱だいこう証券ビジネスの株式等を取得したことにより、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出9,792百万円がありました。その他の支出の主な内容は、いずれの期も配当金の支払いです。
(4) 研究開発活動
当第1四半期累計における研究開発費は765百万円です。なお、当第1四半期累計において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当第1四半期連結累計期間におけるセグメントごとの生産実績は次のとおりです。
セグメントの名称 | 金額 (百万円) | 前年同期比 (%) |
コンサルティング | 3,938 | △12.2 |
金融ITソリューション | 52,608 | 8.7 |
産業ITソリューション | 34,171 | 2.1 |
IT基盤サービス | 22,193 | 1.0 |
小 計 | 112,912 | 4.2 |
調整額 | △25,794 | - |
計 | 87,117 | 4.4 |
(注)1. 金額は製造原価によっています。各セグメントの金額は、セグメント間の内部振替前の数値であり、調整額で内部振替高を消去しています。
2. 外注実績は次のとおりです。なお、外注実績の割合は、生産実績に対する割合を、中国企業への外注実績の割合は、総外注実績に対する割合を記載しています。
前第1四半期連結累計期間 | 当第1四半期連結累計期間 | 前年同期比 (%) | |||
金額 (百万円) | 割合 (%) | 金額 (百万円) | 割合 (%) | ||
外注実績 | 39,064 | 46.8 | 42,372 | 48.6 | 8.5 |
うち、中国企業への外注実績 | 7,122 | 18.2 | 7,176 | 16.9 | 0.8 |
② 受注実績
当第1四半期連結累計期間におけるセグメントごとの受注実績(外部顧客からの受注金額)は次のとおりです。
セグメントの名称 | 受注高 | 受注残高 | ||
金額 (百万円) | 前年同期比 (%) | 金額 (百万円) | 前年同期比 (%) | |
コンサルティング | 13,319 | △5.0 | 10,743 | 7.9 |
金融ITソリューション | 47,749 | 13.7 | 143,736 | 11.5 |
産業ITソリューション | 23,360 | △19.3 | 76,618 | △8.5 |
IT基盤サービス | 5,243 | △12.5 | 13,199 | 5.1 |
計 | 89,673 | △1.4 | 244,297 | 3.9 |
(注)1. 金額は販売価格によっています。
2. 継続的な役務提供サービスや利用度数等に応じて料金をいただくサービスについては、各年度末時点で翌年度の売上見込額を受注額に計上しています。
③ 販売実績
a. セグメント別販売実績
当第1四半期連結累計期間におけるセグメントごとの外部顧客への売上高は次のとおりです。
セグメントの名称 | 金額 (百万円) | 前年同期比 (%) |
コンサルティング | 6,915 | △9.3 |
金融ITソリューション | 69,462 | 2.1 |
産業ITソリューション | 45,691 | △0.2 |
IT基盤サービス | 9,085 | 13.0 |
計 | 131,154 | 1.3 |
b. 主な相手先別販売実績
前第1四半期連結累計期間及び当第1四半期連結累計期間における主な相手先別の売上高及び当該売上高の連結売上高に対する割合は次のとおりです。
相手先 | 前第1四半期連結累計期間 | 当第1四半期連結累計期間 | 前年同期比 (%) | ||
金額 (百万円) | 割合 (%) | 金額 (百万円) | 割合 (%) | ||
野村ホールディングス㈱ | 14,799 | 11.4 | 16,074 | 12.3 | 8.6 |
(注) 相手先別の売上高には、相手先の子会社に販売したもの及びリース会社等を経由して販売したものを含めていま
す。
c. サービス別販売実績
当第1四半期連結累計期間におけるサービスごとの外部顧客への売上高は次のとおりです。
サービスの名称 | 金額 (百万円) | 前年同期比 (%) |
コンサルティングサービス | 19,833 | △6.4 |
開発・製品販売 | 43,536 | 5.5 |
運用サービス | 63,036 | 1.2 |
商品販売 | 4,748 | 0.3 |
計 | 131,154 | 1.3 |
(6) 主要な設備
当第1四半期累計において、主要な設備に著しい変動はありません。また、主要な設備の新設、除却等の計画に著しい変更はありません。
なお、当第1四半期累計における設備投資金額は、当年度の設備投資予定金額38,000百万円に対し、6,878百万円となりました。