なお、記載事項のうち将来に関する事項については、別段の記載がない限り、本書提出日現在において入手し得る情報に基づいて判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計基準は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2) 経営成績等の状況の概要並びに経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 経営成績
当連結会計年度における我が国の経済は、景気回復基調が続いたことで企業収益は好調に伸び、雇用・所得環境の改善により個人消費は緩やかに持ち直しました。
当社グループが軸足を置くマーケティング領域においては、eコマース市場が堅調に拡大していくにしたがい、参入者が増えコマース事業者間の競争が激しさを増しております。そのため、効果的なマーケティングソリューションの需要がいっそう高まっております。
こうした環境の下、当社グループは、顧客であるコマース事業者のパフォーマンス(コンバージョン=購入・申込)を最大化するため、集客から顧客維持までのマーケティングソリューションを提供することに注力しました。その結果、当連結会計年度(2018年1月1日~2018年12月31日)における連結経営成績は次のとおりとなりました。
売上高は、「Yahoo!ショッピング」のストア向けCRMツール「STORE's R∞(ストアーズ・アールエイト)」及びクリック課金型広告「ストアマッチ」が好調だったこと、成果報酬型広告「アフィリエイトマーケティング」が堅調だったことにより、20,764,976千円(前期比22.9%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度において提供終了を決定したサービスに関連する費用減少分を、今後の事業拡大に向けたプロダクト企画・開発及びプロモーションに投下したことにより、全体としては前期並みとなりました。
営業利益は、「Yahoo!ショッピング」のストア向けサービスが好調だったことにより、3,755,600千円(前期比68.9%増)となりました。
経常利益は、営業外収益に投資事業組合運用益51,988千円、営業外費用に持分法による投資損失31,699千円を計上したこと等により、3,793,621千円(前期比68.1%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税等1,219,936千円を計上したことにより、2,604,799千円(前期比157.8%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、サービスを提供する顧客属性に合わせ、一般コマース事業者向け「マーケティングソリューション事業」と「Yahoo!ショッピング」をはじめとするオンラインモールのストア向け「ECソリューション事業」に報告セグメントを集約・変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
a) マーケティングソリューション事業
マーケティングソリューション事業は、ウェブサイト上で商品やサービスを販売している一般コマース事業者向けに、集客から顧客維持までのソリューションを提供する事業です。主要なサービスは、成果報酬型広告「アフィリエイトマーケティング」です。
当連結会計年度におきましては、「アフィリエイトマーケティング」において、広告技術とマーケティングデータに基づく提案を実施したことで、広告出稿が伸長し、堅調に推移しました。
また、前連結会計年度においてサービス提供を終了したアドネットワークサービスに関連する費用の減少分を今後の事業拡大に向けたプロダクト企画・開発及びプロモーションに投下しました。
主な取り組みとして、Apple Inc.の最新Safariに搭載されたトラッキング防止機能(ITP)について、その影響を最小化するため、複層的な手法を開発し対応しました。加えて、「アフィリエイトマーケティング」の集客後のコンバージョン(購入・申込)を高めるため、ECソリューション事業のCRMツールで培ったノウハウを活かし、クーポン等のコンテンツを表示する機能「iPush(アイプッシュ)」を開発し、2018年11月、広告主向けに提供を開始しました。
この結果、セグメント売上高は15,374,544千円(前期比14.6%増)、セグメント利益は2,666,767千円(前期比9.4%増)となりました。
b) ECソリューション事業
ECソリューション事業は、「Yahoo!ショッピング」をはじめとするオンラインモールのストア向けに、集客から顧客維持までのソリューションを提供する事業です。主要なサービスは、CRMツール「STORE's R∞(ストアーズ・アールエイト)」及びクリック課金型広告「ストアマッチ」です。
当連結会計年度におきましては、「STORE's R∞(ストアーズ・アールエイト)」及び「ストアマッチ」がともに好調に推移しました。とりわけ、ストアの運用負担を軽減する新機能を追加したこと、ヤフー株式会社との協業体制及び利用ストア数増加のための営業支援策が奏功し、両サービスの収益が向上しました。
また、前連結会計年度においてサービス提供終了を決定した一般コマース事業者向けCRMサービスに関連する費用の減少分を今後の事業拡大に向けたプロダクト企画・開発に投下しました。
この結果、セグメント売上高は5,390,431千円(前期比53.2%増)、セグメント利益は2,423,623千円(前期比125.2%増)となりました。
② 生産、受注及び販売の実績
a) 生産実績
当社グループは、マーケティングソリューションを提供する事業を展開しており、提供するサービスの性格上生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略いたします。
b) 受注実績
生産実績と同様の理由により、記載を省略いたします。
c) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年1月1日 至 2018年12月31日) | 前年同期比(%) |
マーケティングソリューション事業(千円) | 15,374,544 | 114.6 |
ECソリューション事業(千円) | 5,390,431 | 153.2 |
合計(千円) | 20,764,976 | 122.9 |
相手先 | 前連結会計年度 (自 2017年1月1日 至 2017年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2018年1月1日 至 2018年12月31日) | ||
金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
ヤフー株式会社 | 1,962,530 | 11.6 | 3,247,875 | 15.6 |
株式会社サイバーエージェント | 2,372,728 | 14.0 | 2,257,321 | 10.9 |