なお、記載事項のうち将来に関する事項については、別段の記載がない限り、本書提出日現在において入手し得る情報に基づいて判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループ(当社及び連結子会社)の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計基準は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2) 経営成績等の状況の概要並びに経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 経営成績
当連結会計年度における我が国の経済は、企業収益が底堅く推移し、雇用情勢の改善により個人消費は緩やかな持ち直しを見せました。消費税率引き上げ前後の消費動向は、直前の駆け込み需要が一部に見られたものの、小幅であったため、その後の反動減は軽微にとどまりました。
当社グループが軸足を置くマーケティング領域においては、eコマース市場が堅調に拡大していくにしたがい、コマース事業者間の競争が激しさを増し、効果的なマーケティングソリューションの需要がいっそう高まっております。
こうした環境の下、当社グループは、顧客であるコマース事業者のパフォーマンス(流通総額)を最大化するため、集客から顧客維持までのマーケティングソリューションを提供することに注力しました。その結果、当連結会計年度(2019年1月1日~2019年12月31日)における連結経営成績は次のとおりとなりました。
売上高は、ヤフー株式会社が運営するオンラインモールのストア向けCRMツール「STORE's R∞(ストアーズ・アールエイト)」及びクリック課金型広告「ストアマッチ」並びに成果報酬型広告「アフィリエイト」が伸長したこと、また、2019年9月27日付で連結子会社化したダイナテック株式会社の売上高を第4四半期連結会計期間から計上したことにより、25,694,601千円(前期比23.7%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、人員の増加及び社内業務の効率化にむけたシステム導入の推進、加えて、ダイナテック株式会社の経費及び同社株式取得に係るのれん償却費を計上したことにより、3,857,059千円(前期比22.6%増)となりました。
営業利益は、既存サービスがいずれも伸長したことにより、4,966,944千円(前期比32.3%増)となりました。
経常利益は、営業外収益に投資事業組合運用益12,389千円を計上したこと等により、4,988,359千円(前期比31.5%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税等1,561,941千円を計上したことにより、3,345,026千円(前期比28.4%増)となりました。
また、当社は2019年11月27日開催の取締役会において、株式会社B-SLASH(株式会社コマースニジュウイチが新設分割により新たに設立する会社)の全株式を取得することを決議しました。同社の子会社化により、ヤフー株式会社が運営するオンラインモールをはじめ、コマース事業者のECサイト上での販売を促進するサービスの強化に取り組んでまいります。
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
a) マーケティングソリューション事業
マーケティングソリューション事業は、コマース事業者のECサイトへの「集客」を軸とするソリューションを提供する事業です。主要なサービスは、成果報酬型広告「アフィリエイト」です。
当連結会計年度におきましては、「アフィリエイト」において、広告技術とデータ分析に基づく提案を実施したことで、コマース事業者のコンバージョン(購入・申込)が増加しました。
また、プロダクト企画・開発の主な取り組みとして、メディア運営者がアフィリエイト管理画面上で商品やサービスを紹介するパーツを簡単に作成できる新機能「MyLinkBox(マイリンクボックス)」を開発し、2019年6月に提供を開始しました。
この結果、セグメント売上高は17,040,314千円(前期比10.8%増)、セグメント利益は2,884,503千円(前期比8.2%増)となりました。
b) ECソリューション事業
ECソリューション事業は、コマース事業者のECサイト上での「販売促進」を軸とするソリューションを提供する事業です。主要なサービスは、ヤフー株式会社が運営するオンラインモールのストア向けCRMツール「STORE's R∞(ストアーズ・アールエイト)」及びクリック課金型広告「ストアマッチ」です。
当連結会計年度におきましては、ストアのサービス利用促進にむけ、ヤフー株式会社との協業による営業施策に取り組んだこと、及び「ストアマッチ」において前連結会計年度におこなった広告掲載面の拡大が売上増加に寄与しました。また、2019年10月より「PayPayモール」のストア向けに「STORE's R∞」の提供を開始しました。
当社は、2019年9月27日付で、宿泊施設向け情報システムを開発・提供するダイナテック株式会社の全株式を取得し、連結子会社化しました。同社の損益及び同社株式取得に係るのれん償却費を第4四半期連結会計期間から計上しております。
この結果、セグメント売上高は8,654,286千円(前期比60.5%増)、セグメント利益は3,395,969千円(前期比40.1%増)となりました。
② 生産、受注及び販売の実績
a) 生産実績
当社グループは、マーケティングソリューションを提供する事業を展開しており、提供するサービスの性格上生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略いたします。
b) 受注実績
生産実績と同様の理由により、記載を省略いたします。
c) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) | 前年同期比(%) |
マーケティングソリューション事業(千円) | 17,040,314 | 10.8 |
ECソリューション事業(千円) | 8,654,286 | 60.5 |
合計(千円) | 25,694,601 | 23.7 |
相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年1月1日 至 2018年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) | ||
金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
ヤフー株式会社 | 3,247,875 | 15.6 | 4,121,048 | 16.0 |
GMOコマース株式会社 | - | - | 3,308,818 | 12.9 |
株式会社サイバーエージェント | 2,257,321 | 10.9 | - | - |