有価証券報告書-第39期(2025/04/01-2026/03/31)
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1) 経営成績
① 日本経済の状況について
当事業年度におけるわが国経済は、企業収益が総じて高水準で推移する中、堅調な設備投資や、昨年に続く春季労使交渉(春闘)での賃上げの動き等を背景に、雇用・所得環境の改善を伴う緩やかな回復基調が続きました。
一方で、物価上昇による消費者心理への影響や、海外経済における金融政策の動向、並びに地政学的リスクの長期化等、引き続き注視すべき下振れリスクも存在しております。
このような環境下、政府や日本銀行は「賃金と物価の好循環」の定着に向けた舵取りを進めており、「貯蓄から投資へ」というマクロ的な資金シフトは、NISAの普及等を通じて着実に国民生活に浸透しつつあります。
さらに、Web3を含むデジタル経済圏の社会実装に向けた法整備や環境構築が進む中、暗号資産(仮想通貨)をはじめとするデジタル資産は、国内外の機関投資家による市場参入の本格化を背景に、単なる投機対象から「次世代の金融・経済インフラ」としての地位を確立しつつあります。
こうしたマクロ環境及び社会的潮流の変化は、当社が当事業年度より推進してきたハイブリッド型ビジネスモデルの正当性を力強く裏付けるものであり、翌期以降のさらなる事業機会の拡大に直結するものと認識しております。
② 当社の当事業年度における動きについて
このような経済環境の中、当社は当事業年度を「次世代への飛躍に向けた事業基盤確立の年」と位置づけ、「コンサルティング事業の収益基盤強化」と「デジタル資産トレジャリー事業の立ち上げ及び本格稼働」という2つの重点戦略をスピーディ且つ着実に実行しました。
まず、コンサルティング事業におきましては、ITエンジニアリング領域が年間を通じて事業成長の強力な牽引役となりました。慢性的なIT人材不足という社会課題に対し、ポテンシャル層の積極採用と独自の集中研修プログラムを組み合わせた「ITエンジニア創出プラットフォーム」を構築しました。
当事業年度におきましても、「採用・育成・常駐支援」のサイクルは歩みを止めることなく高速で回転し続けており、稼働ITエンジニア数の純増に寄与しております。現場での技術支援が高く評価された結果、顧客との契約継続率は高水準を維持し、安定的なストック型収益基盤として当社の経営を強固に支える状態へと成長しております。
次に、デジタル資産トレジャリー事業におきましては、期中に方針決定した「イーサリアム(ETH)を中心としたトレジャリー戦略」に基づき、調達資金を用いたイーサリアム(ETH)の取得及びステーキング運用等への移行を計画通り完了させました。
当事業年度におきましても、厳格なリスク管理体制の下で安全且つ安定的な運用(インカムゲインの獲得)を継続しております。これにより、当社は「日本初のイーサリアム(ETH)トレジャリー企業」として、デジタル資産を企業のバランスシート上で最大限に活用する先進的なビジネスモデルを完全に実装しました。(※)
財務戦略におきましても、成長投資と財務規律のバランスを適切にコントロールし、今後の事業拡大に耐えうる強固な財務基盤を維持して期末を迎えております。
以上の結果、当事業年度は、期初から投下してきた先行投資が着実に事業の形となり、自律的な成長サイクル(投資効果の発現フェーズ)へと移行したことを確認できた、極めて実りある1年となりました。
(※) 2026年3月末時点、国内上場企業の公開情報に基づく当社調べ。
③ 当事業年度における経営成績について
当事業年度における売上高は、コンサルティング事業の順調な拡大とデジタル資産トレジャリー事業の寄与により、854,116千円(前年同期比 37.8%増)と大幅な増収を達成しました。
損益面につきましては、将来の飛躍的成長を見据えた人材採用や社内体制の構築等への先行投資を継続しましたが、大幅な増収効果によりこれらの費用吸収が進んだ結果、営業損失は419,966千円(前年同期 427,214千円)と、前期と比較して損失幅が縮小しました。
一方で、第6回、第7回及び第8回新株予約権の発行、第6回及び第7回新株予約権の行使、並びに第1回無担保普通社債の発行に伴う資金調達費用として、「株式交付費」16,091千円、「新株予約権発行費」15,976千円、「短期社債利息」10,000千円及び「社債発行費」627千円を計上しました。
さらに、当事業年度において開始したデジタル資産トレジャリー事業において、保有するイーサリアム(ETH)の期末時点の市場価格に基づく会計上の評価損として「暗号資産評価損」1,689,863千円を計上した結果、経常損失は2,151,950千円(前年同期 426,516千円)、当期純損失は2,154,249千円(前年同期 427,937千円)となりました。
セグメント別の経営成績の概況は、以下のとおりであります。
コンサルティング事業の当事業年度における売上高は、816,771千円、セグメント損失は、143,003千円、デジタル資産トレジャリー事業の売上高は、37,345千円、セグメント利益は、37,345千円であります。
なお、当事業年度より、当社は新たにデジタル資産トレジャリー事業を開始したことにより、デジタル資産トレジャリー事業を報告セグメントとして追加しております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」をご参照ください。
④ 今後のデジタル資産トレジャリー事業及びコンサルティング事業の成長可能性について
当社は、「デジタル資産×コンサルティング」という独自のハイブリッド型ビジネスモデルにより、他社には模倣困難な競争優位性を構築し、中長期的な株主価値の最大化を目指しております。
この目標を実現するため、以下の3点を成長戦略の重要テーマとして掲げ、事業を推進してまいります。
ⅰ デジタル資産トレジャリー事業の飛躍的展開
当事業年度において基盤を確立したイーサリアム(ETH)のトレジャリー戦略は、「デジタル時代の石油」とも呼ぶべき次世代インフラ資源の確保を目的としております。
スマートコントラクトの基軸であるイーサリアム(ETH)は、世界的なWeb3領域の拡大に伴い、その希少性と有用性が今後さらに高まることが確実視されています。
当社は、国内上場企業としての高い信用力を背景に、専門会社との連携を通じて、ステーキング運用を既に開始しております。
今後は、さらなる収益の最大化に向け、分散型金融(DeFi)プロトコルの活用についても、安全性を最優先に調査・検証を進め、段階的に運用体制を拡充していく方針であります。
なお、当事業年度においては暗号資産市場の価格変動に伴い会計上の評価損を計上しましたが、これは簿価の切り下げを意味するものであり、今後の市場価格の回復局面においては、強固な収益貢献(評価益の発生等)をもたらすポテンシャルを有していると認識しております。
この「イールドベアリング・アセット」の規模と運用効率をさらに高め、労働集約型ビジネスの制約に縛られない利益成長の強力なドライバーとして機能させてまいります。
ⅱ コンサルティング事業の継続的成長と拡大戦略
コンサルティング事業、特にその中核をなすITエンジニアリング領域は、当社の安定的なキャッシュ・フローを創出する強固なエンジンとして機能し始めております。
今後も、慢性的なIT人材不足という社会課題に対し、ポテンシャル層の積極採用と独自の集中研修プログラムを組み合わせた「ITエンジニア創出プラットフォーム」をさらに強化し、自律的な成長(オーガニック成長)を加速させてまいります。「採用・育成・常駐支援」のサイクルを高速で回転させ続けることで、コンサルタント及びITエンジニアの採用数と高水準な稼働率を維持・向上させ、平均単価の継続的な上昇を背景とした安定的なストック型収益基盤を強固に拡大していく方針であります。
さらに、こうした自律的成長に加え、今後はM&Aや業務提携等のインオーガニック戦略を機動的に検討・実行することで、事業規模の飛躍的な拡大とサービス領域の拡充を目指してまいります。
これにより、収益の安定性と成長スピードを高い次元で両立させ、企業価値のさらなる向上に邁進してまいります。
ⅲ 株主価値向上へのコミットメント
当事業年度は、将来の飛躍に向けたコンサルティング事業の人材への投資を積極的に実行した一方で、暗号資産評価損という会計上の損失を計上しました。
この評価損はキャッシュ・アウトを伴わない未実現の評価差額であり、また暗号資産特有のボラティリティの範囲内であると認識しております。
当社はイーサリアム(ETH)を中長期的な成長資産として継続保有する方針に揺るぎはなく、当期の評価損計上が当社の成長戦略の根幹に影響を及ぼすものではありません。
人材への先行投資による「土台作り」と、デジタル資産という「次世代の経営資源」の確保は、当社が次世代のリーディングカンパニーへと飛躍するために不可欠な「戦略的助走」であります。
今後は、構造的な拡大を続けるデジタル資産市場の追い風と、自社の強固な事業基盤が力強く噛み合うことで、収益構造の劇的な変化と圧倒的な利益成長局面への突入を見込んでおります。
当社は、日本経済のフロントランナーとして、投資家の皆様と共に「新たな景色」を見るべく、全社一丸となって飽くなき挑戦を続けてまいります。
生産、受注及び販売実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当社が提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
② 受注実績
当社が提供するサービスの性質上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
③ 販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1. 当事業年度において、販売実績に著しい変動がありました。当事業年度より、当社は新たにデジタル資産トレジャリー事業を開始したことにより、デジタル資産トレジャリー事業を報告セグメントとして追加しております。
(注)2. 金額は、外部顧客に対する売上高を示しており、上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(注)3. 最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2) 財政状態
当事業年度末における資産、負債及び純資産の概況は以下のとおりです。
(注)1. 増減率について、増減率が1,000%以上となる場合は「-」と記載しております。
(資産合計)
当事業年度末における資産合計は、2,577,595千円となり、前事業年度末から2,147,703千円増加しました。
主な要因は、第6回及び第7回新株予約権(いずれも行使価額修正条項付)の行使により、「現金及び預金」が254,138千円増加したこと、また、暗号資産取引所への証拠金支払いに伴い「預け金」が225,654千円増加したことに加え、イーサリアム(ETH)の取得により「暗号資産」が1,618,693千円増加したこと等によるものであります。
これらは、当社が推進するデジタル資産トレジャリー戦略に基づく資産構成の変化であり、今後の成長戦略を支える財務基盤の拡充を反映しております。
(負債合計)
当事業年度末における負債合計は、164,441千円となり、前事業年度末から43,384千円増加しました。
主な要因は、「賞与引当金」が4,467千円減少したものの、「未払消費税等」が29,599千円及び「未払費用」が11,199千円増加したこと等によるものであります。
これらは、期中の事業活動拡大に伴う費用計上の増加を反映したものであり、経営活動の拡張フェーズにおける増加と認識しております。
(純資産合計)
当事業年度末における純資産合計は、2,413,153千円となり、前事業年度末から2,104,318千円増加しました。
この増減の主な要因は、以下の積極的な資本政策及び財務戦略の実行によるものであります。
まず、「資本金」及び「資本準備金」につきましては、第6回及び第7回新株予約権(いずれも行使価額修正条項付)の行使により、それぞれ2,128,606千円(合計 4,257,213千円)の資金調達を実施し、大幅に財務基盤を強化しました。
その後、将来の資本政策の柔軟性確保及び財務体質の健全化を図るため、2025年12月31日及び2026年3月31日付で「資本金」及び「資本準備金」の額の減少を実施し、同額を「その他資本剰余金」へ振り替えました。
この結果、前事業年度末と比較して「資本金」及び「資本準備金」の残高に増減はありません。
次に、「その他資本剰余金」につきましては、上記の振替等により4,257,213千円増加しましたが、2025年12月31日付で実施した欠損填補により739,480千円を取り崩した結果、最終的に3,517,732千円の増加となりました。
「繰越利益剰余金」につきましては、当期純損失 2,154,249千円を計上しましたが、上記の欠損填補(739,480千円)を行った結果、当事業年度末における減少額は1,414,769千円となりました。
なお、当該当期純損失の主な要因は、暗号資産市場の価格変動に伴う会計上の評価損であり、これはキャッシュ・アウトを伴わない未実現の評価差額であります。
当社は、保有するイーサリアム(ETH)を次世代の重要な経営資源(イールドベアリング・アセット)と位置づけており、今回の評価損計上は期末時点の市場価格に基づく簿価の切り下げに留まるもので、当社の財務健全性や中長期的な成長戦略を損なうものではありません。
以上の結果、当事業年度末の自己資本は大幅に拡充されました。
特に、機動的な資金調達及び資本政策の結果、1株当たり純資産(BPS)は前事業年度末比で約3倍超の水準にまで向上しております。
これにより、損失を計上しつつも強固な財務安全性を維持するとともに、翌期以降のさらなる成長投資を支える盤石な財政基盤が構築されております。
(3) キャッシュ・フロー
当事業年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べて254,138千円増加し、437,156千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況及び主な要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、654,368千円の減少(前事業年度は441,955千円の減少)となりました。
これは、税引前当期純損失 2,151,386千円の計上、及び暗号資産に係る証拠金のための預け金の差入(225,654千円)等の影響が含まれますが、この損失には資金流出を伴わない会計上の「暗号資産評価損(1,689,863千円)」等が含まれております。
実質的な資金減少の主な要因は、コンサルティング事業の収益基盤拡大に向けて期初から計画的に実行した先行投資(ITエンジニアの採用費、人件費及び集中研修費の増加)、並びにデジタル資産トレジャリー事業推進に伴う資産構成の変化等によるものです。
一方で、未払消費税等の増加(29,599千円の増加要因)及び未払費用の増加(11,199千円の増加要因)等の資金増加要因があったものの、上記の先行投資による支出を補うには至りませんでした。
なお、これらの人材への先行投資は、当事業年度を通じて着実な稼働ITエンジニア数の純増とストック型収益の積み上がりという成果に結びついており、本業における営業キャッシュ・フロー創出能力は翌事業年度に向けて確実に向上しております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、3,308,557千円の減少(前事業年度は31,207千円の減少)となりました。
主な要因は、デジタル資産トレジャリー事業の本格稼働に伴い、当社の新たな成長基盤となるイーサリアム(ETH)の取得支出(3,308,557千円)によるものであります。
当事業年度を通じて市場動向を見極めながら計画的に実行したこの支出は、単なる資金の流出ではなく、将来にわたりステーキング収益等(インカムゲイン)を生み出す「イールドベアリング・アセット」への戦略的な資産の置き換えであり、翌期以降の飛躍的な収益拡大に向けた極めて重要な布石と位置づけております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、4,217,064千円の増加(前事業年度は増減なし)となりました。
これは主に、今後の事業成長を支えるための機動的な資金調達として「新株予約権の行使による株式の発行」により4,237,846千円の資金を調達したことによるものです。
一方で、「新株予約権の発行」による支出15,976千円、「短期社債の純減」に伴う支出10,000千円がありました。
調達した資金は、デジタル資産トレジャリー事業推進のためのイーサリアム(ETH)取得資金等として予定通り投下されており、当事業年度を通じて「機動的な調達から戦略的投資、そして事業資産化へ」という一連の成長サイクルを滞りなく完了させております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。
その作成には経営者により会計方針の選択及び適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。
経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りとは異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成にあたり会計上の見積りに用いた仮定のうち重要なものはないため、重要な会計上の見積りに該当する項目はないと判断しております。
なお、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1) 経営成績
① 日本経済の状況について
当事業年度におけるわが国経済は、企業収益が総じて高水準で推移する中、堅調な設備投資や、昨年に続く春季労使交渉(春闘)での賃上げの動き等を背景に、雇用・所得環境の改善を伴う緩やかな回復基調が続きました。
一方で、物価上昇による消費者心理への影響や、海外経済における金融政策の動向、並びに地政学的リスクの長期化等、引き続き注視すべき下振れリスクも存在しております。
このような環境下、政府や日本銀行は「賃金と物価の好循環」の定着に向けた舵取りを進めており、「貯蓄から投資へ」というマクロ的な資金シフトは、NISAの普及等を通じて着実に国民生活に浸透しつつあります。
さらに、Web3を含むデジタル経済圏の社会実装に向けた法整備や環境構築が進む中、暗号資産(仮想通貨)をはじめとするデジタル資産は、国内外の機関投資家による市場参入の本格化を背景に、単なる投機対象から「次世代の金融・経済インフラ」としての地位を確立しつつあります。
こうしたマクロ環境及び社会的潮流の変化は、当社が当事業年度より推進してきたハイブリッド型ビジネスモデルの正当性を力強く裏付けるものであり、翌期以降のさらなる事業機会の拡大に直結するものと認識しております。
② 当社の当事業年度における動きについて
このような経済環境の中、当社は当事業年度を「次世代への飛躍に向けた事業基盤確立の年」と位置づけ、「コンサルティング事業の収益基盤強化」と「デジタル資産トレジャリー事業の立ち上げ及び本格稼働」という2つの重点戦略をスピーディ且つ着実に実行しました。
まず、コンサルティング事業におきましては、ITエンジニアリング領域が年間を通じて事業成長の強力な牽引役となりました。慢性的なIT人材不足という社会課題に対し、ポテンシャル層の積極採用と独自の集中研修プログラムを組み合わせた「ITエンジニア創出プラットフォーム」を構築しました。
当事業年度におきましても、「採用・育成・常駐支援」のサイクルは歩みを止めることなく高速で回転し続けており、稼働ITエンジニア数の純増に寄与しております。現場での技術支援が高く評価された結果、顧客との契約継続率は高水準を維持し、安定的なストック型収益基盤として当社の経営を強固に支える状態へと成長しております。
次に、デジタル資産トレジャリー事業におきましては、期中に方針決定した「イーサリアム(ETH)を中心としたトレジャリー戦略」に基づき、調達資金を用いたイーサリアム(ETH)の取得及びステーキング運用等への移行を計画通り完了させました。
当事業年度におきましても、厳格なリスク管理体制の下で安全且つ安定的な運用(インカムゲインの獲得)を継続しております。これにより、当社は「日本初のイーサリアム(ETH)トレジャリー企業」として、デジタル資産を企業のバランスシート上で最大限に活用する先進的なビジネスモデルを完全に実装しました。(※)
財務戦略におきましても、成長投資と財務規律のバランスを適切にコントロールし、今後の事業拡大に耐えうる強固な財務基盤を維持して期末を迎えております。
以上の結果、当事業年度は、期初から投下してきた先行投資が着実に事業の形となり、自律的な成長サイクル(投資効果の発現フェーズ)へと移行したことを確認できた、極めて実りある1年となりました。
(※) 2026年3月末時点、国内上場企業の公開情報に基づく当社調べ。
③ 当事業年度における経営成績について
当事業年度における売上高は、コンサルティング事業の順調な拡大とデジタル資産トレジャリー事業の寄与により、854,116千円(前年同期比 37.8%増)と大幅な増収を達成しました。
損益面につきましては、将来の飛躍的成長を見据えた人材採用や社内体制の構築等への先行投資を継続しましたが、大幅な増収効果によりこれらの費用吸収が進んだ結果、営業損失は419,966千円(前年同期 427,214千円)と、前期と比較して損失幅が縮小しました。
一方で、第6回、第7回及び第8回新株予約権の発行、第6回及び第7回新株予約権の行使、並びに第1回無担保普通社債の発行に伴う資金調達費用として、「株式交付費」16,091千円、「新株予約権発行費」15,976千円、「短期社債利息」10,000千円及び「社債発行費」627千円を計上しました。
さらに、当事業年度において開始したデジタル資産トレジャリー事業において、保有するイーサリアム(ETH)の期末時点の市場価格に基づく会計上の評価損として「暗号資産評価損」1,689,863千円を計上した結果、経常損失は2,151,950千円(前年同期 426,516千円)、当期純損失は2,154,249千円(前年同期 427,937千円)となりました。
セグメント別の経営成績の概況は、以下のとおりであります。
コンサルティング事業の当事業年度における売上高は、816,771千円、セグメント損失は、143,003千円、デジタル資産トレジャリー事業の売上高は、37,345千円、セグメント利益は、37,345千円であります。
なお、当事業年度より、当社は新たにデジタル資産トレジャリー事業を開始したことにより、デジタル資産トレジャリー事業を報告セグメントとして追加しております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」をご参照ください。
④ 今後のデジタル資産トレジャリー事業及びコンサルティング事業の成長可能性について
当社は、「デジタル資産×コンサルティング」という独自のハイブリッド型ビジネスモデルにより、他社には模倣困難な競争優位性を構築し、中長期的な株主価値の最大化を目指しております。
この目標を実現するため、以下の3点を成長戦略の重要テーマとして掲げ、事業を推進してまいります。
ⅰ デジタル資産トレジャリー事業の飛躍的展開
当事業年度において基盤を確立したイーサリアム(ETH)のトレジャリー戦略は、「デジタル時代の石油」とも呼ぶべき次世代インフラ資源の確保を目的としております。
スマートコントラクトの基軸であるイーサリアム(ETH)は、世界的なWeb3領域の拡大に伴い、その希少性と有用性が今後さらに高まることが確実視されています。
当社は、国内上場企業としての高い信用力を背景に、専門会社との連携を通じて、ステーキング運用を既に開始しております。
今後は、さらなる収益の最大化に向け、分散型金融(DeFi)プロトコルの活用についても、安全性を最優先に調査・検証を進め、段階的に運用体制を拡充していく方針であります。
なお、当事業年度においては暗号資産市場の価格変動に伴い会計上の評価損を計上しましたが、これは簿価の切り下げを意味するものであり、今後の市場価格の回復局面においては、強固な収益貢献(評価益の発生等)をもたらすポテンシャルを有していると認識しております。
この「イールドベアリング・アセット」の規模と運用効率をさらに高め、労働集約型ビジネスの制約に縛られない利益成長の強力なドライバーとして機能させてまいります。
ⅱ コンサルティング事業の継続的成長と拡大戦略
コンサルティング事業、特にその中核をなすITエンジニアリング領域は、当社の安定的なキャッシュ・フローを創出する強固なエンジンとして機能し始めております。
今後も、慢性的なIT人材不足という社会課題に対し、ポテンシャル層の積極採用と独自の集中研修プログラムを組み合わせた「ITエンジニア創出プラットフォーム」をさらに強化し、自律的な成長(オーガニック成長)を加速させてまいります。「採用・育成・常駐支援」のサイクルを高速で回転させ続けることで、コンサルタント及びITエンジニアの採用数と高水準な稼働率を維持・向上させ、平均単価の継続的な上昇を背景とした安定的なストック型収益基盤を強固に拡大していく方針であります。
さらに、こうした自律的成長に加え、今後はM&Aや業務提携等のインオーガニック戦略を機動的に検討・実行することで、事業規模の飛躍的な拡大とサービス領域の拡充を目指してまいります。
これにより、収益の安定性と成長スピードを高い次元で両立させ、企業価値のさらなる向上に邁進してまいります。
ⅲ 株主価値向上へのコミットメント
当事業年度は、将来の飛躍に向けたコンサルティング事業の人材への投資を積極的に実行した一方で、暗号資産評価損という会計上の損失を計上しました。
この評価損はキャッシュ・アウトを伴わない未実現の評価差額であり、また暗号資産特有のボラティリティの範囲内であると認識しております。
当社はイーサリアム(ETH)を中長期的な成長資産として継続保有する方針に揺るぎはなく、当期の評価損計上が当社の成長戦略の根幹に影響を及ぼすものではありません。
人材への先行投資による「土台作り」と、デジタル資産という「次世代の経営資源」の確保は、当社が次世代のリーディングカンパニーへと飛躍するために不可欠な「戦略的助走」であります。
今後は、構造的な拡大を続けるデジタル資産市場の追い風と、自社の強固な事業基盤が力強く噛み合うことで、収益構造の劇的な変化と圧倒的な利益成長局面への突入を見込んでおります。
当社は、日本経済のフロントランナーとして、投資家の皆様と共に「新たな景色」を見るべく、全社一丸となって飽くなき挑戦を続けてまいります。
生産、受注及び販売実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当社が提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
② 受注実績
当社が提供するサービスの性質上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
③ 販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
| コンサルティング事業 | 816,771 | 31.8 |
| デジタル資産トレジャリー事業 | 37,345 | - |
(注)1. 当事業年度において、販売実績に著しい変動がありました。当事業年度より、当社は新たにデジタル資産トレジャリー事業を開始したことにより、デジタル資産トレジャリー事業を報告セグメントとして追加しております。
(注)2. 金額は、外部顧客に対する売上高を示しており、上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(注)3. 最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当事業年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| INTLOOP株式会社 | 62,990 | 10.2 | 118,417 | 13.9 |
(2) 財政状態
当事業年度末における資産、負債及び純資産の概況は以下のとおりです。
| (単位:千円) | ||||
| 前事業年度末 (2025年3月31日) | 当事業年度末 (2026年3月31日) | 増減額 | 増減率 | |
| 流動資産 | 313,312 | 847,468 | +534,155 | +170.5% |
| 固定資産 | 116,579 | 1,730,126 | +1,613,547 | - |
| 資産合計 | 429,891 | 2,577,595 | +2,147,703 | +499.6% |
| 流動負債 | 101,968 | 145,593 | +43,625 | +42.8% |
| 固定負債 | 19,088 | 18,847 | △241 | △1.3% |
| 負債合計 | 121,057 | 164,441 | +43,384 | +35.8% |
| 純資産合計 | 308,834 | 2,413,153 | +2,104,318 | +681.4% |
(注)1. 増減率について、増減率が1,000%以上となる場合は「-」と記載しております。
(資産合計)
当事業年度末における資産合計は、2,577,595千円となり、前事業年度末から2,147,703千円増加しました。
主な要因は、第6回及び第7回新株予約権(いずれも行使価額修正条項付)の行使により、「現金及び預金」が254,138千円増加したこと、また、暗号資産取引所への証拠金支払いに伴い「預け金」が225,654千円増加したことに加え、イーサリアム(ETH)の取得により「暗号資産」が1,618,693千円増加したこと等によるものであります。
これらは、当社が推進するデジタル資産トレジャリー戦略に基づく資産構成の変化であり、今後の成長戦略を支える財務基盤の拡充を反映しております。
(負債合計)
当事業年度末における負債合計は、164,441千円となり、前事業年度末から43,384千円増加しました。
主な要因は、「賞与引当金」が4,467千円減少したものの、「未払消費税等」が29,599千円及び「未払費用」が11,199千円増加したこと等によるものであります。
これらは、期中の事業活動拡大に伴う費用計上の増加を反映したものであり、経営活動の拡張フェーズにおける増加と認識しております。
(純資産合計)
当事業年度末における純資産合計は、2,413,153千円となり、前事業年度末から2,104,318千円増加しました。
この増減の主な要因は、以下の積極的な資本政策及び財務戦略の実行によるものであります。
まず、「資本金」及び「資本準備金」につきましては、第6回及び第7回新株予約権(いずれも行使価額修正条項付)の行使により、それぞれ2,128,606千円(合計 4,257,213千円)の資金調達を実施し、大幅に財務基盤を強化しました。
その後、将来の資本政策の柔軟性確保及び財務体質の健全化を図るため、2025年12月31日及び2026年3月31日付で「資本金」及び「資本準備金」の額の減少を実施し、同額を「その他資本剰余金」へ振り替えました。
この結果、前事業年度末と比較して「資本金」及び「資本準備金」の残高に増減はありません。
次に、「その他資本剰余金」につきましては、上記の振替等により4,257,213千円増加しましたが、2025年12月31日付で実施した欠損填補により739,480千円を取り崩した結果、最終的に3,517,732千円の増加となりました。
「繰越利益剰余金」につきましては、当期純損失 2,154,249千円を計上しましたが、上記の欠損填補(739,480千円)を行った結果、当事業年度末における減少額は1,414,769千円となりました。
なお、当該当期純損失の主な要因は、暗号資産市場の価格変動に伴う会計上の評価損であり、これはキャッシュ・アウトを伴わない未実現の評価差額であります。
当社は、保有するイーサリアム(ETH)を次世代の重要な経営資源(イールドベアリング・アセット)と位置づけており、今回の評価損計上は期末時点の市場価格に基づく簿価の切り下げに留まるもので、当社の財務健全性や中長期的な成長戦略を損なうものではありません。
以上の結果、当事業年度末の自己資本は大幅に拡充されました。
特に、機動的な資金調達及び資本政策の結果、1株当たり純資産(BPS)は前事業年度末比で約3倍超の水準にまで向上しております。
これにより、損失を計上しつつも強固な財務安全性を維持するとともに、翌期以降のさらなる成長投資を支える盤石な財政基盤が構築されております。
(3) キャッシュ・フロー
当事業年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べて254,138千円増加し、437,156千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況及び主な要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、654,368千円の減少(前事業年度は441,955千円の減少)となりました。
これは、税引前当期純損失 2,151,386千円の計上、及び暗号資産に係る証拠金のための預け金の差入(225,654千円)等の影響が含まれますが、この損失には資金流出を伴わない会計上の「暗号資産評価損(1,689,863千円)」等が含まれております。
実質的な資金減少の主な要因は、コンサルティング事業の収益基盤拡大に向けて期初から計画的に実行した先行投資(ITエンジニアの採用費、人件費及び集中研修費の増加)、並びにデジタル資産トレジャリー事業推進に伴う資産構成の変化等によるものです。
一方で、未払消費税等の増加(29,599千円の増加要因)及び未払費用の増加(11,199千円の増加要因)等の資金増加要因があったものの、上記の先行投資による支出を補うには至りませんでした。
なお、これらの人材への先行投資は、当事業年度を通じて着実な稼働ITエンジニア数の純増とストック型収益の積み上がりという成果に結びついており、本業における営業キャッシュ・フロー創出能力は翌事業年度に向けて確実に向上しております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、3,308,557千円の減少(前事業年度は31,207千円の減少)となりました。
主な要因は、デジタル資産トレジャリー事業の本格稼働に伴い、当社の新たな成長基盤となるイーサリアム(ETH)の取得支出(3,308,557千円)によるものであります。
当事業年度を通じて市場動向を見極めながら計画的に実行したこの支出は、単なる資金の流出ではなく、将来にわたりステーキング収益等(インカムゲイン)を生み出す「イールドベアリング・アセット」への戦略的な資産の置き換えであり、翌期以降の飛躍的な収益拡大に向けた極めて重要な布石と位置づけております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、4,217,064千円の増加(前事業年度は増減なし)となりました。
これは主に、今後の事業成長を支えるための機動的な資金調達として「新株予約権の行使による株式の発行」により4,237,846千円の資金を調達したことによるものです。
一方で、「新株予約権の発行」による支出15,976千円、「短期社債の純減」に伴う支出10,000千円がありました。
調達した資金は、デジタル資産トレジャリー事業推進のためのイーサリアム(ETH)取得資金等として予定通り投下されており、当事業年度を通じて「機動的な調達から戦略的投資、そして事業資産化へ」という一連の成長サイクルを滞りなく完了させております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。
その作成には経営者により会計方針の選択及び適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。
経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りとは異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成にあたり会計上の見積りに用いた仮定のうち重要なものはないため、重要な会計上の見積りに該当する項目はないと判断しております。
なお、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。