有価証券報告書-第34期(2023/04/01-2024/03/31)

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2024/06/14 15:07
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(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度(2023年4月1日~2024年3月31日)の当社グループの主要顧客である土木・建築業界を取り巻く環境に関し、公共投資については、引き続き国土強靭化計画に基づく防災対策等の対応もあり、底堅く推移しているものの、足元の公共工事は勢いを欠いている状況です。また、民間投資については、概ね堅調に推移しました。他方で、今後ますます建設現場における人材不足、資材価格高騰等の影響が強まると考えられ、予断を許さない状況が続いております。
こうした状況において、当社グループでは新たな付加価値の創出を目指し、2024年3月期から2026年3月期までの3ヵ年を対象とした中期経営計画を策定いたしました。当社グループでは従来、建設業・建設現場を主要顧客として、主に建設現場を支援する商品・サービスの開発と提供に努め、ハードレンタルを主としたITインフラ環境の構築支援を積極的に展開してまいりました。しかし、この中期経営計画期間においては、ハードレンタルを主としたビジネスから脱却し、建設現場の業務支援に特化してデータ・情報関連サービスを統合的に提供していくことにより付加価値を創出するビジネスへと事業転換を図り、活動しております。その中核がDDS事業において統合的なサービス体系として開発・強化を進めている「サイトアシストパッケージ」です。「サイトアシストパッケージ」では、当社が建設現場向けに提供している各種ICTサービス(「クラウドストレージサービス」・「クラウド映像サービス」・「コミュニケーションサービス」)を統合し、建設現場の遠隔支援に特化したパッケージとして提供してまいります。これにより建設業界における現場の見える化及びデータ・情報の利活用の推進を強力に支援し、生産性の向上に貢献してまいります。
<中期経営方針>『ハードを主体としたITインフラのレンタル企業』から、『データ・情報関連サービスを統合的に提供し
(サイトアシストパッケージ)、建設現場の業務を支援する建設ICTの専門企業』へ変身する
■建設市場開拓
□何を
① サイトアシストパッケージの普及(建設市場)
□どこへ
② 全国の地場ゼネコン 約2,600社 ※年間の最低元請施工現場数で10現場以上を見込める企業が対象
□どのように
③ 営業部長による、顧客キーマンへの定期訪問による顧客基盤の構築推進(BtoB)
④ 支店営業による、現場キーマンへの水平展開による効率的な顧客開拓(BtoC)
⑤ マーケティング・インサイドセールス・カスタマーサクセス機能の強化
■新市場開発
□どこへ
① 官公庁市場の開拓
□何を
② クラウド映像サービス一式 (ネットワークカメラ、通信・ネットワーク、クラウド録画)
□どのように
③ 簡易型河川監視カメラの入替・増設
④ 河川管理部署から道路・観光等への水平展開
<中期経営目標>・売上高 140億円(2023年3月期対比 +30%)
・営業利益 36億円(2023年3月期対比 +30%)
・営業利益率 25%超
・ROE 20%超
・リピート率(※) 90%超
※リピート率は、直接的なユーザーである現場代理人を対象に、下記の計算式で算出しております。
リピート率 = 前期取引があり、かつ当期取引があった現場代理人数 ÷ 前期取引があった現場代理人数
当連結会計年度の業績につきましては、DDS事業の商品・サービスの営業に注力した結果、既存顧客を中心に受注が堅調に推移し、売上高は11,090百万円(前期比2.7%増)となりました。利益面では、付加価値の高いDDS事業のレンタル・サブスクリプションサービスの売上高が堅調に推移したことから、売上総利益が5,704百万円(前期比4.7%増)となりました。また、販売費及び一般管理費は、主に処遇改善等による人件費の増加に加え、マーケティング活動を含む営業活動費用が増加したこと等により、2,839百万円(前期比3.1%増)となりましたが、売上総利益の増加が大きく、営業利益は2,865百万円(前期比6.4%増)となりました。その結果、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益においても前連結会計年度を上回る実績となりました。
また、リピート率につきましては、クラウドストレージサービス等のサブスクリプションサービスの提供拡大
及び現場単位取引の法人契約化(BtoB取引化)の増加により、70.7%(前期比0.8pt増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の実績は、下記表のとおりとなりました。
▼当社グループ (単位:百万円、%)
前連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
前期比
売上高10,79711,0902.7
営業利益2,6912,8656.4
営業利益率24.925.80.9pt
経常利益2,7222,7852.3
親会社株主に帰属する
当期純利益
1,7581,8585.7

▼主要KPI (単位:%)
前連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
前期比
リピート率69.970.70.8pt

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
当事業につきましては、「クラウドストレージサービス」・「クラウド映像サービス」・「コミュニケーションサービス」・「通信・ネットワークサービス」・「プリンティングサービス」等について統合的な提案活動に注力してまいりました。また、「サイトアシストパッケージ」につきましては、活用ツールの開発・メニューの充実と営業人材の育成に努めてまいりました。現状では機能の完成度・営業人材の教育進捗とも満足いく状況ではないものの、部分的ながらサービス提案を開始するにいたりました。実際の導入状況では、現場支援室の設置等、新たな仕事の進め方を模索する中において「サイトアシストパッケージ」の提案内容は一定の評価を得ており、今後は利用シーンの増加が期待されます。こうした状況の中、収益面では主に統合的なサービス提案に基づく既存顧客からの受注が堅調に推移し、当事業の売上高は6,348百万円(前期比11.6%増)となりました。利益面は、「クラウドストレージサービス」「クラウド映像サービス」をはじめとしたレンタル・サブスクリプションサービスの売上高伸長により売上総利益が増加しました。また、営業・マーケティング活動費用の増加に加え、デジタル機器管理センターの体制強化に伴う人件費の増加等により、販売費及び一般管理費も増加いたしましたが、売上総利益の増加が大きく、セグメント利益(営業利益)は1,954百万円(前期比12.8%増)となりました。
当事業につきましては、中期経営計画に基づき、既存顧客及びDDS事業の商品・サービスによる新規顧客をターゲットに、レンタルによる測量計測システム等の提案を行ってまいりました。測量機器等については、メンテナンスなどの維持コスト、利用頻度、環境負荷等を踏まえると、レンタルの利便性が高いことから、レンタルによる利用の普及を進めるとともに、効率的な営業活動に努めてまいりました。併せて測量機器販売エリアの縮小・ICT施工関連のレンタル商材の絞り込み等を行い、中核事業であるDDS事業へリソースをシフトしてまいりました。その結果、当事業の売上高は3,266百万円(前期比10.3%減)となりました。利益面は、処遇改善等により人件費が増加した一方、レンタルを主とした業務の絞り込みによる管理コストの削減・営業活動の効率化等が寄与したことにより、販売費及び一般管理費は減少いたしましたが、売上高の減少を補えず、セグメント利益(営業利益)は586百万円(前期比13.5%減)となりました。
<その他(※)>その他につきましては、売上高は1,475百万円(前期比0.7%増)となりました。セグメント利益(営業利益)は323百万円(前期比15.2%増)となりました。
▼セグメント (単位:百万円、%)
前連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
前期比
DDS事業
売上高5,6896,34811.6
セグメント利益1,7321,95412.8
セグメント利益率30.430.80.4pt
SMS事業
売上高3,6423,266△10.3
セグメント利益678586△13.5
セグメント利益率18.618.0△0.6pt
その他(※)
売上高1,4651,4750.7
セグメント利益28132315.2
セグメント利益率19.221.92.7pt

※SH事業につきましては、2024年3月期から2026年3月期までの3ヵ年を対象とした中期経営計画より、
DDS事業への注力に伴う重要性の低下を想定し、「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」のセグメント上「その他」へ変更いたしました。その結果、「その他」はSH事業、道路標示及び標識の工事等が含められております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は6,952百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,982百万円(前連結会計年度末は2,614百万円の獲得)となりました。これは主に、法人税等の支払額938百万円が充当されたことに対して、税金等調整前当期純利益が2,785百万円、資金支出を伴わない費用である減価償却費968百万円による資金獲得をしたことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は553百万円(前連結会計年度末は222百万円の獲得)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出136百万円、関係会社株式の取得による支出297百万円によるものであります。
以上により、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは、2,429百万円の資金増加(前連結会計年度は2,836百万円の資金増加)となり、前連結会計年度末と比較して407百万円減少いたしました。これは主に、前連結会計年度において投資有価証券の売却による資金の獲得があったことに対して、当連結会計年度においては当該資金の獲得等が無かったことによるものであります。事業規模に比して安定した資金を確保しており、健全な財務体質を維持しております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,749百万円(前連結会計年度末は1,736百万円の使用)となりました。これはリース債務の返済による支出838百万円、配当金の支払額911百万円によるものであります。
▼キャッシュ・フロー計算書 (単位:百万円)
2023年3月期2024年3月期前期差
営業活動によるキャッシュ・フロー2,6142,982368
投資活動によるキャッシュ・フロー222△553△775
フリー・キャッシュ・フロー2,8362,429△407
財務活動によるキャッシュ・フロー△1,736△1,749△13
現金及び現金同等物の増減額(△は減少)1,100679△420
現金及び現金同等物の期首残高5,1726,2721,100
現金及び現金同等物の期末残高6,2726,952679

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は16,710百万円となり、前連結会計年度末と比較して1,968百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が679百万円、投資有価証券が1,039百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における負債は4,479百万円となり、前連結会計年度末と比較して320百万円増加いたしました。これは主にリース債務(固定)が145百万円減少した一方で、買掛金が159百万円、その他固定負債が285百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における純資産は12,230百万円となり、前連結会計年度末と比較して1,648百万円増加いたしました。これは主に剰余金の配当911百万円を行った一方で、親会社株主に帰属する当期純利益1,858百万円の計上、その他有価証券評価差額金が700百万円増加したことによるものであります。
以上の結果、自己資本比率は73.2%となりました。
また、当社グループは中期経営計画の最終年度である2026年3月期において達成すべき目標の一つとしてROE20%超を掲げており、当連結会計年度は16.3%(前期比1.0pt減)となりました。これは、本中期経営計画期間において「累進配当」の考え方を採用したことに伴い前連結会計年度を上回る剰余金の配当を行い、また、過去最高の当期純利益を計上した一方で、純投資目的で保有する上場株式の時価が上昇し、純資産に含まれるその他有価証券評価差額金が大きく増加したことが主な要因であります。引き続き、利益を獲得することでROE20%超を達成できるよう取り組んでまいります。
▼連結貸借対照表 (単位:百万円)
2023年3月期2024年3月期前期差
流動資産8,7109,536826
固定資産6,0317,1741,142
資産計14,74116,7101,968
流動負債2,7452,926180
固定負債1,4131,553139
負債計4,1594,479320
純資産10,58212,2301,648
負債・純資産計14,74116,7101,968

▼指標 (単位:%)
2023年3月期2024年3月期前期差
自己資本比率71.873.21.4pt
自己資本当期純利益率(ROE)17.316.3△1.0pt

② 経営成績の分析
経営成績の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概要につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当連結会計年度につきましては、主力事業のDDS事業・SMS事業のレンタル機器への投資等933百万円、持分法適用関連会社であるファイルフォース株式会社への出資297百万円を行いました。その資金はフリー・キャッシュ・フロー、自己資金より充当しております。
翌連結会計年度以降につきましても、DDS事業・SMS事業のレンタル機器への投資を予定しております。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、合理的判断に基づき一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。また、これらの見積りについては不確実性があるため、実際の結果と異なる可能性があります。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

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