有価証券報告書-第35期(2024/04/01-2025/03/31)

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2025/06/20 13:55
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(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)の当社グループの主要顧客である土木・建築業界を取り巻く環境に関し、公共投資については、引き続き国土強靭化計画に基づく防災対策等の対応もあり、堅調に推移したものの、資材価格の高騰、人手不足等の背景もあり、工事量はやや少なく、着工の動きも緩慢に推移しました。民間投資については、同じく資材価格の高騰、人手不足等の影響はあるものの、全体としては概ね堅調に推移しました。今後においては、引き続き資材価格の高騰、人手不足等の他、建設業における働き方関連法適用の影響が顕著に現れてくることが想定され、予断を許さない状況が続いております。
こうした状況において、当社グループでは新たな付加価値の創出を目指し、2024年3月期から2026年3月期までの3ヵ年を対象とした中期経営計画を策定しており、現在推進中であります。当社グループでは従来、建設業・建設現場を主要顧客として、主に建設現場を支援する商品・サービスの開発と提供に努め、ハードレンタルを主としたITインフラ環境の構築支援を積極的に展開してまいりました。しかし、この中期経営計画期間においては、ハードレンタルを主としたビジネスから脱却し、建設現場の業務支援に特化してデータ・情報関連サービスを統合的に提供していくことにより付加価値を創出するビジネスへと事業転換を図り、活動しております。その中核がDDS事業において統合的なサービス体系として開発・強化を進めている「サイトアシストパッケージ」です。「サイトアシストパッケージ」では、当社が建設現場向けに提供している各種ICTサービス(「クラウドストレージサービス」・「クラウド映像サービス」・「コミュニケーションサービス」・「通信・ネットワークサービス」・「多機能ディスプレイ」等)を統合し、建設現場の遠隔支援に特化したパッケージとして提供してまいります。これにより建設業界における現場の見える化及びデータ・情報の利活用の推進を強力に支援し、建設業界の生産性の向上に貢献してまいります。
<中期経営方針>『ハードを主体としたITインフラのレンタル企業』から、『データ・情報関連サービスを統合的に提供し
(サイトアシストパッケージ)、建設現場の業務を支援する建設ICTの専門企業』へ変身する
■建設市場開拓
□何を
① サイトアシストパッケージの普及(建設市場)
□どこへ
② 全国の地場ゼネコン 約2,600社 ※年間の最低元請施工現場数で10現場以上を見込める企業が対象
□どのように
③ 営業部長による、顧客キーマンへの定期訪問による顧客基盤の構築推進(BtoB)
④ 支店営業による、現場キーマンへの水平展開による効率的な顧客開拓(BtoC)
⑤ マーケティング・インサイドセールス・カスタマーサクセス機能の強化
■新市場開発
□どこへ
① 官公庁市場の開拓
□何を
② クラウド映像サービス一式 (ネットワークカメラ、通信・ネットワーク、クラウド録画)
□どのように
③ 簡易型河川監視カメラの入替・増設
④ 河川管理部署から道路・観光等への水平展開
<中期経営目標>・売上高 140億円(2023年3月期対比 +30%)
・営業利益 36億円(2023年3月期対比 +30%)
・営業利益率 25%超
・ROE 20%超
・リピート率(※) 90%超
※リピート率は、直接的なユーザーである現場代理人を対象に、下記の計算式で算出しております。
リピート率 = 前期取引があり、かつ当期取引があった現場代理人数 ÷ 前期取引があった現場代理人数
当連結会計年度の業績につきましては、既存顧客及び中期経営方針に掲げたターゲットを中心に、DDS事業の商品・サービスの営業に注力した結果、既存顧客を中心に受注が堅調に推移し、売上高は11,821百万円(前期比6.6%増)となりました。利益面では、付加価値の高いDDS事業のレンタル・サブスクリプションサービスの売上高が順調に推移するとともに、SMS事業における販売売上も増加したことから、売上総利益は6,076百万円(前期比6.5%増)となりました。また、販売費及び一般管理費においては、主に6月より実施した処遇改善等による人件費の増加の他、マーケティング活動を含む営業活動費用やシステム管理費が増加したこと等により、2,998百万円(前期比5.6%増)となりましたが、売上総利益の増加が大きく、営業利益は3,077百万円(前期比7.4%増)となりました。また、営業外収益において、純投資による投資有価証券の受取配当金増加、営業外費用において、戦略的な出資先であるファイルフォース株式会社の業績改善に伴う持分法投資損失の減少により、経常利益は3,162百万円(前期比13.5%増)となりました。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益においても前連結会計年度を上回る実績となりました。
また、リピート率につきましては、クラウドストレージサービス等のサブスクリプションサービスの提供拡大
及び現場単位取引の法人契約化(BtoB取引化)が進んでいるものの、公共工事件数動向の若干の鈍さからリピート利用につながらなかったこともあり、70.1%(前期比0.6pt減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の実績は、下記表のとおりとなりました。
▼当社グループ (単位:百万円、%)
前連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
前期比
売上高11,09011,8216.6
営業利益2,8653,0777.4
営業利益率25.826.00.2pt
経常利益2,7853,16213.5
親会社株主に帰属する
当期純利益
1,8582,19017.8

▼主要KPI (単位:%)
前連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
前期比
リピート率70.770.1△0.6pt

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
当事業につきましては、建設会社の本社及び建設現場に対し、「クラウドストレージサービス」・「クラウド映像サービス」・「コミュニケーションサービス」・「通信・ネットワークサービス」・「多機能ディスプレイ」等を統合した「サイトアシストパッケージ」を提案してまいりました。「サイトアシストパッケージ」では上記の各種サービスの連携により、個々の現場において必要な情報を「サイトアシストダッシュボード」ツールを通じて一元化し、本社・協力業者等の関係者と共有するなど柔軟な運用が可能となっています。提案にあたっては、その活用自由度の高さを活かし、主に顧客の本社・管理層向けには現場との情報共有及び遠隔の現場支援のためのインフラとして、また建設現場向けにはカスタマイズ可能な現場業務の便利ツールとして取引拡大に向けて多面的なアプローチに取り組んでまいりました。また、各種展示会などを通じて認知度向上や「サイトアシストパッケージ」を活用した新たな働き方の発信に努めてまいりました。現状では、認知・理解度の低さや各社各様の取組があることから、本格的な展開・浸透には時間を要する見込みですが、一部では、新たな仕事の進め方を模索する中において「サイトアシストパッケージ」が提案するDX化は徐々に評価を得ており、導入実績も出始めております。今後は、国土交通省によるi-Construction2.0の推進、ICT施工ステージ2の実現に向けた取り組みが進められていることからも、その浸透に伴って建設業におけるDX化がさらに加速することが想定され、「サイトアシストパッケージ」の導入・活用の増加が期待されます。こうした状況の中、収益面では主に統合的なサービス提案に基づく既存顧客からの受注が順調に推移し、当事業の売上高は6,896百万円(前期比8.6%増)となりました。利益面は、主に「クラウドストレージサービス」「クラウド映像サービス」をはじめとしたレンタル・サブスクリプションサービスの売上高伸長により売上総利益が増加しました。また、営業・マーケティング活動費用の増加に加え、処遇改善による人件費の増加等により、販売費及び一般管理費も増加いたしましたが、売上総利益の増加が大きく、セグメント利益(営業利益)は2,144百万円(前期比9.7%増)となりました。
当事業につきましては、中期経営計画に基づき、SMS事業における既存顧客に加えて、DDS事業における既存顧客及び同事業により取引開始に至った新規顧客をターゲットに、レンタルによる測量計測システム等の提案を行ってまいりました。測量機器等については、メンテナンスなどの維持コスト、利用頻度、環境負荷等を踏まえると、レンタルの利便性が高いことから、レンタルによる利用の普及を進めてまいりました。また、販売にあたっては、活動エリア・商材を限定し、効率的な営業活動に努めてまいりました。その結果、レンタルについては堅調に推移するとともに、販売についても案件が増加したことから、当事業の売上高は3,506百万円(前期比7.4%増)となりました。利益面では、処遇改善等により人件費が増加したことから販売費及び一般管理費も増加いたしましたが、売上総利益の増加が大きく、セグメント利益(営業利益)は655百万円(前期比11.8%増)となりました。
<その他>その他につきましては、売上高は1,419百万円(前期比3.8%減)となりました。セグメント利益(営業利益)は276百万円(前期比14.6%減)となりました。
▼セグメント (単位:百万円、%)
前連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
前期比
DDS事業
売上高6,3486,8968.6
セグメント利益1,9542,1449.7
セグメント利益率30.831.10.3pt
SMS事業
売上高3,2663,5067.4
セグメント利益58665511.8
セグメント利益率18.018.70.7pt
その他
売上高1,4751,419△3.8
セグメント利益323276△14.6
セグメント利益率21.919.5△2.4pt

② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は4,529百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,842百万円(前連結会計年度末は2,982百万円の獲得)となりました。これは主に、法人税等の支払額982百万円が充当されたことに対して、税金等調整前当期純利益が3,162百万円、資金支出を伴わない費用である減価償却費1,002百万円による資金獲得をしたことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2,447百万円(前連結会計年度末は553百万円の使用)となりました。これは主に投資有価証券の取得による支2,238出百万円によるものであります。
以上により、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは、394百万円の資金増加(前連結会計年度は2,429百万円の資金増加)となり、前連結会計年度末と比較して2,034百万円減少いたしました。これは主に、純投資目的による投資有価証券の取得を行ったことによるものであります。事業規模に比して安定した資金を確保しており、健全な財務体質を維持しております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は2,816百万円(前連結会計年度末は1,749百万円の使用)となりました。これはリース債務の返済による支出853百万円、自己株式の取得による支出909百万円及び配当金の支払額1,053百万円によるものであります。
▼キャッシュ・フロー計算書 (単位:百万円)
2024年3月期2025年3月期前期差
営業活動によるキャッシュ・フロー2,9822,842△140
投資活動によるキャッシュ・フロー△553△2,447△1,893
フリー・キャッシュ・フロー2,429394△2,034
財務活動によるキャッシュ・フロー△1,749△2,816△1,067
現金及び現金同等物の増減額(△は減少)679△2,422△3,101
現金及び現金同等物の期首残高6,2726,952679
現金及び現金同等物の期末残高6,9524,529△2,422

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は17,080百万円となり、前連結会計年度末と比較して369百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が2,422百万円減少した一方で、投資有価証券が2,836百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における負債は4,208百万円となり、前連結会計年度末と比較して271百万円減少いたしました。これは主に繰延税金負債が198百万円増加した一方で、電子記録債務が530百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における純資産は12,872百万円となり、前連結会計年度末と比較して641百万円増加いたしました。これは主に剰余金の配当1,054百万円及び自己株式の取得909百万円を行った一方で、親会社株主に帰属する当期純利益2,190百万円の計上、その他有価証券評価差額金が414百万円増加したことによるものであります。
以上の結果、自己資本比率は75.4%となりました。
また、当社グループは中期経営計画の最終年度である2026年3月期において達成すべき目標の一つとしてROE20%超を掲げており、当連結会計年度は17.5%(前期比1.2pt増)となりました。引き続き、利益を獲得することでROE20%超を達成できるよう取り組んでまいります。
▼連結貸借対照表 (単位:百万円)
2024年3月期2025年3月期前期差
流動資産9,5367,002△2,534
固定資産7,17410,0782,904
資産計16,71017,080369
流動負債2,9262,393△532
固定負債1,5531,814261
負債計4,4794,208△271
純資産12,23012,872641
負債・純資産計16,71017,080369

▼指標 (単位:%)
2024年3月期2025年3月期前期差
自己資本比率73.275.42.2pt
自己資本当期純利益率(ROE)16.317.51.2pt

② 経営成績の分析
経営成績の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概要につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当連結会計年度につきましては、主力事業のDDS事業・SMS事業のレンタル機器への投資等1,032百万円、純投資目的による投資有価証券への投資2,143百万円を行い、自己資金より充当しております。
翌連結会計年度以降につきましても、DDS事業・SMS事業のレンタル機器への投資を予定しております。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、合理的判断に基づき一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。また、これらの見積りについては不確実性があるため、実際の結果と異なる可能性があります。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

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