四半期報告書-第30期第1四半期(平成29年11月1日-平成30年1月31日)

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2018/03/16 15:27
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財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は政府による景気対策を背景に緩やかな回復基調が続く一方、海外の不安定な政治動向や地政学的リスクの影響が懸念され、先行きは不透明な状況で推移いたしました。
当社グループが事業を展開する情報サービス産業におきましては、政府が成長戦略に盛り込む第4次産業革命が進んでおり、ビッグデータ、IoT、AI、ブロックチェーンなどの新技術による新たなサービスや商品が次々に登場し、これら新技術の高度化、多様化による需要の拡大が見込まれております。一方、業界全体として技術者の不足は常態化しており、当社グループにおいても即戦力となる技術者の採用は競合他社との獲得競争が激化しており、人材不足傾向となっております。
このような状況の下、当社グループは前連結会計年度に財務体質を強化したことから、当連結会計年度におきましては、中期経営計画を達成すべく様々な資本政策および財務戦略を推し進めてまいります。なお、平成29年11月にはM&Aおよび資本・業務提携の資金として、第三者割当による新株式の発行により2,330百万円を調達いたしました。
中期経営計画「新たな成長に向けたステージへ」において、当社グループは、平成33年10月期に売上高を300億円とする目標を掲げております。事業規模の拡大を目的として積極的にM&Aおよび資本・業務提携を行う方針であり、当第1四半期連結累計期間においても引き続きM&Aおよび資本・業務提携を実施いたしました。
平成30年1月には、当社が現在取り組んでいる「仮想通貨プラットフォーム構想」における金融サービスの分野での重要な位置づけになる事を期待し、e ワラント証券株式会社、EWARRANT INTERNATIONAL LTD.および EWARRANT FUND LTD.(以下、「eワラント3社」といいます。)を2月1日付で子会社化いたしました。当社はシステム開発企業として、eワラント3社のシステムノウハウの吸収はもちろんの事、当社の従来からの事業領域であるAIやブロックチェーン技術をはじめとするフィンテック関連ビジネスを仮想通貨ビジネスの事業領域においても活用してまいります。また、仮想通貨ビジネスに注力している株式会社フィスコ、株式会社フィスコデジタルアセットグループおよび株式会社フィスコ仮想通貨取引所(以下、「フィスコ仮想通貨取引所」といいます。)とのシナジー効果を発揮し、ブロックチェーン上に発行されるデジタルトークンを使った新たな仮想通貨金融商品や仮想通貨証券化商品の提供を目指してまいります。
同じく平成30年1月には、既に51%を所有していた株式会社ネクス・ソリューションズ(以下、「ネクス・ソリューションズ」といいます。)の株式を株式交換により100%取得し、3月1日付で完全子会社化いたしました。今後は一層の業務の効率化・シナジー効果を拡大し、連結収益力の強化および連結企業価値の向上を図ってまいります
同じく平成30年1月、かねてより業務提携を行っていた株式会社テリロジー(以下、「テリロジー」といいます。)の株式を取得し、平成30年2月に、新たに資本業務提携契約を締結するとともに、業務提携契約の一部見直しを行いました。テリロジーのネットワーク不正侵入防御システムや標的型攻撃対策製品をはじめ、ワンタイムパスワードによる不正取引防止システムおよびその知見と、当社が持つ開発技術および仮想通貨に関する知見を活用し、より高度なセキュリティ対策を実現する仮想通貨関連のセキュリティ商品の共同開発を行ってまいります。このような同業者やフィンテック関連ビジネスへシナジー効果が期待される会社のM&Aおよび資本・業務提携により、当社はシステム開発の技術者と顧客を獲得するとともに、提携先との共同研究・開発を推進しております。
これらの提携に加え、当社は平成29年11月に、仮想通貨に関するシステムの研究、開発および運用等を行う、株式会社CCCT(以下、「CCCT」といいます。)を設立いたしました。仮想通貨関連ビジネスをCCCTに集約することで、機動性、専門性を高め、変化の激しい仮想通貨関連ビジネスに即応しております。
当第1四半期連結累計期間の売上高は1,555百万円(前年同四半期比32.5%増)、営業利益は△253百万円(前年同四半期は32百万円)、経常利益は673百万円(前年同四半期比2,465%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は729百万円(前年同四半期比2,480%増)となりました。
売上高は、前年同四半期に比べ増加いたしました。当社における既存の大手SIer向け開発案件が堅調であったことに加え、前連結会計年度に子会社化した東京テックおよびネクス・ソリューションズも順調に推移いたしました。一方、当社の全額出資により新規設立したCCCTも当連結会計年度より連結しておりますが、当第1四半期連結累計期間は、ブロックチェーンを高度に活用した非中央集権決済システム等の完成が想定よりずれ込んだ事により売上高に反映出来ませんでした。また、仮想通貨に関するシステム構築に必要なノウハウの獲得のために実施している仮想通貨の運用は、当社グループで利益が出ることを目指して運用を行った結果、CCCTにおける仮想通貨の運用損益が赤字となった為、売上高に当該赤字額を計上しております。この結果、売上高は1,555百万円(前年同四半期比32.5%増)となりました。
利益面では、営業利益は、仮想通貨プラットフォームのシステムの先行投資により費用が増加いたしました。これらの結果、営業利益は減益となったものの、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益は、当社における仮想通貨運用により営業外収益として仮想通貨売却益915百万円、特別利益として仮想通貨評価益※1183百万円を計上したことにより、前年同四半期に比べ大幅な増益となりました。当社およびCCCTにおける仮想通貨の運用結果は、トータルで大幅な利益を計上する結果となりました。当社グループは仮想通貨に関わるあらゆるシステム開発のインテグレーターを目指しており、仮想通貨の高頻度取引やアルゴリズム取引等のシステムトレードシステムの開発、販売、および貸与等を目的とするシステム開発のためにビットコイン等の仮想通貨の運用を行っております。当該営業外収益や特別利益の計上は、これらの目的の検証のための取引によって生み出されたものであります。
なお、当社における仮想通貨売買損益については、平成30年1月の第29期定時株主総会にて定款の目的に仮想通貨の運用を追加し、その運用目的のとおり取引を実行することから、第2四半期以降は、売上高区分に計上する予定であります。
また、開発を進めております仮想通貨プラットフォーム構想はシステムの貸与やASP※2サービスによる収益化を計画しており、今後の仮想通貨ビジネスの展開として、仮想通貨取引所システムの他に、フィスコ仮想通貨取引所のビックデータを活用した取引、デリバティブを活用してリスクを抑えた取引、SNSのビックデータを活用した取引、世界中の取引所のデータを収集・分析した取引、アルトコインとの関係性を利用した取引のシステム構築等を推進してまいります。
※1 長期投資目的からトレーディング目的に仮想通貨の保有目的を変更した時点での時価と移動平均法により算出した原価との差額を仮想通貨評価益として計上しております。
※2 ASPとは、アプリケーションをインターネットを通じてサービスとして提供することです。
当連結会計年度におけるセグメントごとの業績は、以下のとおりであります。
当社はこれまで「情報サービス事業」の単一セグメントでありましたが、当社の連結業績において、仮想通貨に関連する事業の重要性が増していること、また、今後も当社グループは仮想通貨に関連する事業に注力していくことから、「仮想通貨関連事業」を新たなセグメントとして位置付け、報告セグメントとして記載する事業セグメントを以下のとおり「情報サービス事業」と「仮想通貨関連事業」に変更しております。なお、比較対象となるセグメントの内容が異なることから、対前年同四半期増減率については記載しておりません。
1)情報サービス事業
(金融機関向けシステム開発分野)
当社は40年以上にわたり、金融業をはじめ、製造・公共・流通等、幅広い業種のシステム開発を手掛けておりますが、当第1四半期連結累計期間は、当社グループの得意分野であり主力業種である金融機関向け開発分野の受注拡大を図りました。
当社におきましては、大手SIerを中心に事業活動を強化した結果、一括請負での銀行案件を新規受注いたしました。また、継続案件である保険会社向けの開発では、技術者の増員要請が複数件あり、受注が拡大しております。東京テックおよびネクス・ソリューションズにおきましては、既存顧客からの受注の維持・拡大に努め、安定した受注を確保しております。
(非金融向けシステム開発分野)
当社におきましては、既存顧客である大手ECサイト運営企業の市場サイトのシステム開発や決済システム開発が堅調であり、横展開を図ることで、同社のグループ企業の関連システムを手掛けるなど、受注を拡大しております。
東京テックにおきましては、卸売・小売業の分野が前期に引続き好調であり、安定した受注を確保しております。
ネクス・ソリューションズにおきましては、製造業向けのシステム開発などを中心に安定した受注を確保しております。
(フィンテック関連分野)
当社におきましては、ブロックチェーン実証実験サポートの案件に加え、ブロックチェーンの実サービスへの適用案件のニーズ発掘に注力しております。また当社は、テックビューロ株式会社のICOソリューション「COMSA」の開発パートナーを務めており、CMSトークン発行および管理における、Ethereum(イーサリアム)上のコントラクト開発を中心に携わっております。今後は、ブロックチェーンを活用したサービスをグループ会社と合同で企画し、当社が開発したシステムをプラットフォームとしてASP提供することを視野に事業を推進しております。
また、大手ECサイト運営企業におけるスマートフォンでのクレジットカード決済の開発など、ブロックチェーン以外の分野においても引き続き実績を積み上げております。
ネクス・ソリューションズにおきましては従前より、ICT・IoT・デバイス事業を手掛ける株式会社ネクスと共同で、介護送迎車用のOBDⅡソリューションとして安全運転支援サービス「ドライブケア」の開発、販売を開始しております。更に、新たなテレマティクスサービス※3として、自動車学校や幼稚園の送迎バスの現在位置、遅延状況が分かるスマートフォン版サービスの提供も開始しております。
※3 テレマティクスサービスは、自動車などの移動体に通信システムを組み込んで、さまざまなサービスを受けられるようにすること。
これらの結果、情報サービス事業の売上高は1,880百万円、営業利益は83百万円となりました。
2)仮想通貨関連事業
当社グループは仮想通貨に関わるあらゆるシステム開発のインテグレーターを目指しており、仮想通貨の高頻度取引やアルゴリズム取引等のシステムトレードシステムの開発、販売、および貸与等を目的とするシステム開発のためにビットコイン等の仮想通貨の運用を行っております。当第1四半期連結累計期間は、ブロックチェーンを高度に活用した非中央集権決済システム等仮想通貨取引所のシステム等の完成が想定よりずれ込んだ事により売上高に反映できませんでした。また、仮想通貨に関するシステム構築に必要なノウハウの獲得のために実施している仮想通貨の運用は、当社グループで利益が出ることを目指して運用を行った結果、CCCTにおける仮想通貨の運用損益が赤字となった為、売上高に当該赤字額を計上しております。
利益面では、営業利益は、仮想通貨プラットフォームシステムの先行投資により費用が増加いたしました。
なお、開発を進めております仮想通貨プラットフォーム構想は、システムの貸与やASPサービスによる収益化を計画しており、今後の仮想通貨ビジネスの展開として、仮想通貨取引所システムの他に、フィスコ仮想通貨取引所のビックデータを活用した取引、デリバティブを活用してリスクを抑えた取引、SNSのビックデータを活用した取引、世界中の取引所のデータを収集・分析した取引、アルトコインとの関係性を利用した取引等のシステム構築を推進してまいります。
これらの結果、仮想通貨関連事業の売上高は△313百万円、営業利益は△337百万円となりました。
(2) 財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末における総資産は9,053百万円(前連結会計年度比66.5%増)となりました。これは主に預け金(※注1)が2,068百万円増加したこと、投資有価証券が762百万円増加したことなどによるものであります。
当第1四半期連結会計期間末における負債は1,737百万円(前連結会計年度比42.0%増)となりました。これは主に有利子負債残高(※注2)が383百万円増加したことなどによるものであります。
当第1四半期連結会計期間末における純資産は7,315百万円(前連結会計年度比73.6%増)となりました。これは第三者割当増資により資本金及び資本剰余金が、それぞれ1,165百万円ずつ増加したこと、当第1四半期連結会計期間における親会社株主に帰属する四半期純利益の積上げによる利益剰余金の増加などによるものであります。
以上のとおり、当第1四半期連結会計期間末においては、第三者割当増資、利益の積上げにより自己資本比率が77.4%(前連結会計年度末は72.0%)となりました。
(※注1)仮想通貨運用のために各仮想通貨取引所に預けた金銭の額
(※注2)短期借入金、1年内返済予定の長期借入金、長期借入金の合計額
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費はありません。
(5) 従業員数
① 連結会社の状況
当第1四半期連結累計期間において、従業員数に著しい増減はありません。
② 提出会社の状況
当第1四半期累計期間において、従業員数に著しい増減はありません。
(6) 生産、受注及び販売の実績
当第1四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売の実績に著しい変動はありません。
(7) 主要な設備
当第1四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画の著しい変更はありません。