有価証券報告書-第50期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度における我が国情報サービス業の業況は、経済産業省「特定サービス産業動態統計」によると、前年同月比の月別売上高は、2018年10月以降、18か月連続で増加しており、IT需要は全体的には概ね堅調と推察されます。当社事業分野では、移動体通信事業者向けのサービス系の開発が減少したものの、官公庁案件をはじめとした社会公共分野の開発案件が増加したことに加え、ロボットの研究開発案件や宇宙天文分野の開発案件が増加し、需要環境は全体的には好調でした。なお、当事業年度において新型コロナウイルス感染症の発生による影響は軽微でありました。
こうした傾向の中、当社は、重点テーマであります「先端技術を窮め、オープン・イノベーションで事業成長を目指す」を実践し増収増益となりました。
ビジネスフィールド(以下、ビジネスフィールドをBFと省略)別には、モバイルネットワークBFは、移動体通信事業者向けのサービス系の開発や電機メーカー向けのスマートフォン関連の開発が減少し、売上高は1,243百万円(前年同期比24.0%減)となりました。インターネットBFは、民間企業向けの複数の大型案件の開発が引き続き堅調でしたが、非接触IC搭載ソフトウェアの開発が減少し、売上高は1,226百万円(同2.1%減)となりました。社会基盤システムBFは、放送分野などが減少したものの官公庁案件や交通系のモバイル決済関連の開発が増加し、売上高は1,769百万円(同12.2%増)となりました。宇宙先端システムBFは、車両自動走行を含めたロボットの研究開発案件が堅調であったことに加え、宇宙天文分野の開発案件が増加し、売上高は2,104百万円(同38.9%増)となりました。
この結果、全社売上高に占める割合では、モバイルネットワークBF、インターネットBFが低下し、宇宙先端システムBF、社会基盤システムBFが上昇しております。
以上の結果、当事業年度の業績は、売上高6,343百万円(前年同期比6.1%増)、営業利益930百万円(同13.0%増)、経常利益999百万円(同12.4%増)、当期純利益687百万円(同12.1%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ671百万円増加して、期末残高は3,369百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果得られた資金は843百万円となりました。これは主に、税引前当期純利益999百万円による増加、売上債権の減少137百万円による増加、法人税等の支払額300百万円による減少の結果であります。前年同期と比較して445百万円の収入増となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果得られた資金は73百万円となりました。これは主に、投資有価証券の償還による収入400百万円、投資有価証券の取得による支出302百万円によるものであります。前年同期は132百万円の支出でした。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果支出した資金は244百万円となりました。これは、配当金支払いによる支出244百万円によるものであります。前年同期と比較して9百万円の支出増となりました。
③生産、受注及び販売の実績
当社は単一セグメントであるため、ビジネスフィールド別に記載しております。
(a) 生産実績
当事業年度の生産実績をビジネスフィールド別に示すと、次のとおりであります。
| ビジネスフィールド | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
| モバイルネットワーク | 1,238,018 | 76.1 |
| インターネット | 1,111,198 | 91.4 |
| 社会基盤システム | 1,731,148 | 110.4 |
| 宇宙先端システム | 2,096,451 | 139.4 |
| 合計 | 6,176,817 | 104.4 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.ソリューションビジネスは、サービスの性格上生産実績を定義することが困難であるため、金額に含まれておりません。
(b) 受注実績
当事業年度の受注実績をビジネスフィールド別に示すと、次のとおりであります。
| ビジネスフィールド | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| モバイルネットワーク | 1,218,768 | 76.8 | 299,322 | 92.3 |
| インターネット | 1,246,244 | 96.4 | 293,608 | 107.4 |
| 社会基盤システム | 1,841,288 | 92.9 | 1,161,130 | 106.6 |
| 宇宙先端システム | 2,341,861 | 151.2 | 591,034 | 167.2 |
| 合計 | 6,648,163 | 103.7 | 2,345,096 | 114.9 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(c) 販売実績
当事業年度の販売実績をビジネスフィールド別に示すと、次のとおりであります。
| ビジネスフィールド | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
| モバイルネットワーク | 1,243,757 | 76.0 |
| インターネット | 1,226,056 | 97.9 |
| 社会基盤システム | 1,769,867 | 112.2 |
| 宇宙先端システム | 2,104,247 | 138.9 |
| 合計 | 6,343,928 | 106.1 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 株式会社NTTドコモ | 971,227 | 16.2 | 807,719 | 12.7 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析
a.当事業年度の経営成績の分析
(a) 売上高
売上高は、移動体通信事業者向けのサービス系の開発が減少したものの、官公庁案件をはじめとした社会公共分野の開発案件が増加したことに加え、ロボットの研究開発案件や宇宙天文分野の開発案件が増加するなど需要環境は好調で、前事業年度と比較して362百万円増加し、6,343百万円となりました。詳細については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(b) 営業利益
売上原価は、社員数の増加とベースアップ、確定給付年金の運用損の影響による人件費の増加や外注費の増加などにより前事業年度と比較して258百万円増加し、4,568百万円となりました。売上総利益は、前事業年度と比較して104百万円増加し、1,775百万円となりました。売上総利益率は28.0%となり、前事業年度と比較して0.1ポイント改善いたしました。
販売費及び一般管理費は、新入社員の増加などにより労務費が増加しましたが、研究開発費が減少し、前事業年度と比較して2百万円減少し、844百万円となりました。
以上の結果、営業利益は、前事業年度と比較して107百万円増加し、930百万円となりました。
当社では、会社理念の方針のひとつである「質重視経営」の成果は売上高営業利益率に表れると考えてその向上に努力しており、売上高営業利益率が2桁を維持するように経営計画を策定しております。当事業年度は14.1%で計画いたしましたが、計画を0.6ポイント上回って14.7%となり、前事業年度と比較して0.9ポイント改善いたしました。引き続き、売上高営業利益率が2桁を維持するよう努力してまいります。
(c) 経常利益
営業外収益は、受取出向料の増加などにより前事業年度と比較して2百万円増加し、70百万円となりました。
営業外費用は、前事業年度とほぼ変わらず、1百万円となりました。
以上の結果、経常利益は前事業年度と比較して110百万円増加し、999百万円となりました。
(d) 当期純利益
特別利益、特別損失は発生しませんでした。
法人税・住民税及び事業税と法人税等調整額を合わせた法人税等合計は、前事業年度と比較して35百万円増加し、311百万円となりました。
以上の結果、当期純利益は前事業年度と比較して74百万円増加し、687百万円となりました。
b.当事業年度の財政状態の分析
(a) 資産の状況
当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べ472百万円増加し、7,514百万円となりました。これは主に、現金及び預金の増加671百万円、売掛金の減少134百万円、投資有価証券の減少75百万円によるものであります。
(b) 負債の状況
負債は、前事業年度末に比べ15百万円増加し、1,263百万円となりました。これは主に、未払金の増加34百万円、役員退職慰労引当金の減少26百万円、未払消費税等の増加25百万円、賞与引当金の減少13百万円、未払法人税等の増加11百万円、買掛金の減少11百万円、役員賞与引当金の減少11百万円によるものであります。
(c) 純資産の状況
純資産は、当期純利益による増加、配当金支払いによる減少などの結果、前事業年度末に比べ457百万円増加し、6,251百万円となりました。自己資本比率は前事業年度末の82.3%から83.2%となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.当事業年度のキャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ671百万円増加して、期末残高は3,369百万円となりました。詳細については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b.資金需要の主な内容
当社の資金需要は、主に生産活動に必要となる労務費、外注費となります。これらについて、現在手元資金でまかなえる状況でありますが、手元資金の変動を平準化し、突発的な資金需要に備えるため、賞与資金の一部について短期借入を行っております。今後も安定した経営基盤に基づく収益向上を図り、営業活動によるキャッシュ・フローの増加に努めてまいります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りを用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成には、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについて過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる判断をしており、また見積り及び判断について継続的に評価を実施しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
イ.収益認識
当社では、特に請負契約案件に工事進行基準を適用する場合の受注総額と総製造原価の見積りが報告金額に重要な影響を及ぼすと考え、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
また、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (6) 今後の見通しについて」に記載しております。
ロ.退職給付費用
退職給付費用及び債務は、割引率等の数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されておりますが、実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。