有価証券報告書-第22期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/22 15:19
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【項目】
91項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計は255,740百万円(前連結会計年度末比40,720百万円減)となりました。
流動資産は108,093百万円(同25,648百万円減)となりました。主な減少要因は現金及び現金同等物が27,849百万円減少したこと等によるものであります。
非流動資産は147,647百万円(同15,072百万円減)となりました。主な減少要因はのれんが40,164百万円減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の負債合計は68,421百万円(同28,826百万円増)となりました。
流動負債は40,781百万円(同8,894百万円増)となりました。主な増加要因は買掛金及びその他の短期債務が6,020百万円増加したこと等によるものであります。
非流動負債は27,640百万円(同19,932百万円増)となりました。主な増加要因はIFRS第16号の適用によりリース負債が7,129百万円増加したこと及び繰延税金負債が12,848百万円増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の資本合計は187,319百万円(同69,546百万円減)となりました。主な減少要因は利益剰余金が54,409百万円減少したこと等によるものであります。
流動性に関する指標としては、当連結会計年度末において流動比率265.1%、親会社所有者帰属持分比率70.6%となっております。
② 経営成績の状況
当連結会計年度において当社グループは、中長期で企業価値を向上させるべく、ゲーム事業においては健全な収益性の確保や新規ヒットタイトルの創出、加えて、長期的に複数の収益の柱を育てていくことを見据えた成長へ向けた事業ポートフォリオの強化に取り組みました。
売上収益は、前連結会計年度比でゲーム事業やスポーツ事業等が増収となったものの、前連結会計年度中に譲渡を行った株式会社ペイジェントや株式会社DeNAトラベルが連結の範囲外になったこと等から、前連結会計年度比で減収いたしました。
売上原価と販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比でそれぞれ増加いたしました。支払手数料を中心に、前連結会計年度中に譲渡を行った上記各社に関連する費用は前連結会計年度比で減少し、既存の事業やサービスにおいては、各種費用の適正化に継続して取り組んでまいりましたが、新たな柱の構築を目指した成長投資に関する費用や、ゲーム事業における成長に向けたマーケティング費用、スポーツ事業での費用等が増加いたしました。
その他の収益においては、2019年10月1日にakippa株式会社の株式を一部譲渡し、関連会社株式売却益3,185百万円を計上しております。
その他の費用では、ゲーム事業に係るのれんの減損損失をはじめ減損損失を計51,165百万円計上いたしました。
また、あわせて、繰延税金資産の回収可能性につきましても慎重に検討した結果、繰延税金資産の一部を取り崩し、法人税等調整額7,633百万円を法人所得税費用に計上しております。
以上の結果、当社グループの売上収益は121,387百万円(前連結会計年度比2.2%減)、営業損失は45,676百万円(前連結会計年度は13,512百万円の利益)、税引前当期損失は40,235百万円(前連結会計年度は18,069百万円の利益)、親会社の所有者に帰属する当期損失は49,166百万円(前連結会計年度は12,709百万円の利益)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度よりセグメント区分を変更しており、セグメント別の業績の比較・分析は、変更後のセグメント区分に組み替えて行っております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報 (1) 報告セグメントの概要」をご参照ください。
(ゲーム事業)
ゲーム事業の売上収益は83,818百万円(前連結会計年度比0.3%増)、セグメント利益は14,225百万円(同22.2%減)となりました。
当連結会計年度は、ユーザ消費額は前連結会計年度比で増加したものの、限界利益率の高い年数を経たタイトルが減少傾向にあることや、新規タイトルの立ち上げに関する費用の増加等により、前連結会計年度比で増収減益となりました。
(スポーツ事業)
スポーツ事業の売上収益は20,189百万円(前連結会計年度比11.5%増)、セグメント利益は1,203百万円(同17.2%減)となりました。
横浜スタジアムでは、増築・改修が進捗し、2019年シーズンよりその一部の稼働を開始し、横浜DeNAベイスターズは、主催試合の入場者数増加や、クライマックスシリーズへの進出により好調に推移いたしました。
しかしながら、当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、例年3月下旬より開幕となる野球の公式戦が開始に至らず、また、バスケットボールについても、2020年3月27日に、B.LEAGUEにおいて、2019-20シーズンの残り試合の中止が決定されました。
(オートモーティブ事業)
オートモーティブ事業の売上収益は1,512百万円(前連結会計年度比666.9%増)、セグメント損失は7,877百万円(前連結会計年度は3,610百万円の損失)となりました。
2020年3月期は、次世代タクシー配車アプリ「MOV(モブ)」の提供地域や利用の拡大に向けた取り組みを中心に積極的に投資を行いました。
2020年2月4日には、当社及びJapanTaxi株式会社(注1)のタクシー配車アプリ等に関する事業の統合を2020年4月1日に行うことを開示いたしました(注2)。当該開示に記載のとおり、同社は、2021年3月期より当社の持分法適用会社となり、当社が運営してまいりましたタクシー配車アプリ等に関する事業も含め推進しております。 (注1)2020年4月1日に株式会社 Mobility Technologies に商号変更(注2)2020年2月4日付適時開示「タクシー配車アプリ等に関する事業の統合、及び、本統合に当っての会社分割(簡易吸収分割)に関する基本合意書締結のお知らせ」
(ヘルスケア事業)
ヘルスケア事業の売上収益は1,785百万円(前連結会計年度比20.0%減)、セグメント損失は1,559百万円(前連結会計年度は1,240百万円の損失)となりました。
「MYCODE(マイコード)」「kencom(ケンコム)」「歩いておトク」をはじめ、ヘルスケアサービスの分野における既存の提供サービスの利用は堅調に推移した一方で、ヘルスケア型保険やR&D分野等を中心に、将来に向けた先行投資を行いました。
(新規事業・その他)
新規事業・その他の売上収益は14,322百万円(前連結会計年度比31.2%減)、セグメント損失は2,379百万円(前連結会計年度は1,140百万円の損失)となりました。
当区分には、ソーシャルLIVEサービスをはじめ、中長期での事業ポートフォリオの強化を目指した各種取り組み、及び、EC事業におけるサービスを含んでおります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ27,849百万円減少し、73,536百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は12,946百万円(前連結会計年度は22,979百万円の収入)となりました。主な収入要因は減損損失51,165百万円であり、主な支出要因は税引前当期損失40,235百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は8,706百万円(前連結会計年度は21,008百万円の支出)となりました。主な支出要因は無形資産の取得11,794百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は32,154百万円(前連結会計年度は4,656百万円の支出)となりました。主な支出要因は自己株式の取得のための支出33,852百万円であります。
④ 生産、受注及び販売の実績
(生産実績)
生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。
(受注状況)
受注生産を行っておりませんので、受注状況に関する記載はしておりません。
(販売実績)
当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前連結会計年度比
増減率(%)
ゲーム事業83,8180.3
スポーツ事業20,18911.5
オートモーティブ事業1,512666.9
ヘルスケア事業1,785△20.0
新規事業・その他14,322△31.2
調整額△240
合計121,387△2.2

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上収益)
当連結会計年度の売上収益は121,387百万円(前連結会計年度比2.2%減)となりました。前連結会計年度比でゲーム事業やスポーツ事業等が増収となったものの、前連結会計年度中に譲渡を行った株式会社ペイジェントや株式会社DeNAトラベルが連結の範囲外になったこと等から、前連結会計年度比で減収いたしました。
(営業利益又は営業損失)
売上原価は、前連結会計年度比4.3%増の58,603百万円、販売費及び一般管理費は、同6.7%増の60,765百万円となりました。売上原価の支払手数料を中心に、前連結会計年度中に譲渡を行った上記各社に関連する費用は前連結会計年度比で減少するとともに、既存の事業やサービスにおいては、各種費用の適正化に継続して取り組んでまいりました。一方で、新たな柱の構築を目指した成長投資に関する費用や、ゲーム事業における成長に向けたマーケティング費用、スポーツ事業での費用等が増加いたしました。
その他の収益は、2019年10月1日にakippa株式会社の株式を一部譲渡し、関連会社株式売却益3,185百万円を計上した結果、4,369百万円(同30.5%減)となりました。
その他の費用は、ゲーム事業に係るのれんの減損損失をはじめ減損損失を計51,165百万円計上した結果52,064百万円(同1,287.3%増)となりました。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 11.資産の減損」をご参照ください。
以上の結果、営業損失は45,676百万円(前連結会計年度は13,512百万円の利益)となりました。
(税引前当期利益又は税引前当期損失)
金融収益は、投資事業組合運用益の減少等により、2,667百万円(前連結会計年度比20.4%減)となりました。金融費用は、投資事業有価証券評価損の減少等により、567百万円(同15.1%減)となりました。また、持分法で会計処理している関連会社の純利益(純損失)に対する持分は、3,341百万円(同78.2%増)となりました。
以上の結果、税引前当期損失は、40,235百万円(前連結会計年度は18,069百万円の利益)となりました。
(親会社の所有者に帰属する当期利益(損失))
当期損失は49,847百万円(前連結会計年度は13,177百万円の利益)、親会社の所有者に帰属する当期損失は49,166百万円(前連結会計年度は12,709百万円の利益)となりました。
なお、当期損失となった結果、資本性金融商品への投資による利得等を計上いたしましたが、当期包括利益合計は△36,718百万円(前期包括利益合計は△6,618百万円)となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、上記「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
資金需要及び資金調達につきましては、当社グループは、事業の競争力を維持・強化することによる持続的な成長を実現するために、恒常的に設備投資を必要としております。また、事業規模の拡大と収益源の多様化を進めるために、新サービスないし新規事業に取り組んでいく考えであります。これらの資金需要は手元資金で賄うことを基本とし、必要に応じて資金調達を実施いたします。
当社は、2020年3月26日開催の取締役会において資金の借入を行うことを決議いたしました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 38.後発事象(多額な資金の借入)」をご参照ください。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑤ 経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。