有価証券報告書-第23期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/22 15:06
【資料】
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【項目】
143項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計は327,121百万円(前連結会計年度末比71,382百万円増)となりました。
流動資産は129,887百万円(同21,794百万円増)となりました。主な増加要因は現金及び現金同等物が23,765百万円増加したこと等によるものであります。
非流動資産は197,235百万円(同49,588百万円増)となりました。主な増加要因はその他の長期金融資産が37,171百万円増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の負債合計は98,463百万円(同30,042百万円増)となりました。
流動負債は40,976百万円(同195百万円増)となりました。主な増加要因は引当金が2,483百万円増加したこと等によるものであります。
非流動負債は57,487百万円(同29,847百万円増)となりました。主な増加要因は借入金が20,000百万円増加したこと及び繰延税金負債が13,790百万円増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の資本合計は228,659百万円(同41,340百万円増)となりました。主な増加要因は自己株式が30,078百万円減少したこと等によるものであります。
流動性に関する指標としては、当連結会計年度末において流動比率317.0%、親会社所有者帰属持分比率68.4%となっております。
② 経営成績の状況
当連結会計年度において当社グループは、中長期で企業価値を向上させるべく、ゲーム事業においては健全な収益性の確保や新規ヒットタイトルの創出、加えて、一層強い事業ポートフォリオ実現に向けた新規事業領域での最適な成長投資に取り組んでまいりました。
当連結会計年度において、売上収益は、前連結会計年度比で増収となりました。スポーツ事業では新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受け、前連結会計年度比で減収となりましたが、ライブストリーミング事業やゲーム事業で増収となりました。
売上原価・販売費及び一般管理費は、合計では、前連結会計年度比で概ね横ばいで推移しました。ゲーム事業やライブストリーミング事業の推移に応じて売上原価の支払手数料等の費用が増加した一方で、前連結会計年度中の無形資産の減少に伴い、減価償却費が減少しました。また、スポーツ事業や旧オートモーティブ事業に関する費用が減少しました。
その他の収益・費用(純額)は、5,635百万円(前連結会計年度は47,695百万円の損失)となりました。当連結会計年度においては、その他の収益に、タクシー配車アプリ等に関する事業の吸収分割に起因する移転損益2,045百万円やSHOWROOM株式会社の当社保有株式の一部譲渡に伴う子会社株式売却益7,889百万円等、その他の費用に、ゲーム事業におけるソフトウェアの減損損失3,233百万円や、事業所エリアに関する使用権資産についての減損損失をはじめ、オフィス戦略変更に伴う一過性の損失2,086百万円を計上しております。一方、前連結会計年度においては、その他の費用に、減損損失を計51,165百万円計上しておりました。
以上の結果、当社グループの売上収益は136,971百万円(前連結会計年度比12.8%増)、営業利益は22,495百万円(前連結会計年度は45,676百万円の損失)、税引前当期利益は31,259百万円(前連結会計年度は40,235百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する当期利益は25,630百万円(前連結会計年度は49,166百万円の損失)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度よりセグメント区分を変更しており、セグメント別の業績の比較・分析は、変更後のセグメント区分に組み替えて行っております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報 (1) 報告セグメントの概要」をご参照ください。
(ゲーム事業)
ゲーム事業の売上収益は91,307百万円(前連結会計年度比8.9%増)、セグメント利益は18,869百万円(同32.6%増)となりました。
当連結会計年度は、多くの既存のタイトルが堅調に推移するとともに、前連結会計年度以降に国内外で配信を開始したタイトルの貢献も加わり、ユーザ消費額は前連結会計年度比で増加しました。費用面では、減価償却費等が前連結会計年度比で減少し、前連結会計年度比で増収増益となりました。
(スポーツ事業)
スポーツ事業の売上収益は12,821百万円(前連結会計年度比36.5%減)、セグメント損失は3,589百万円(前年同期は1,203百万円の利益)となりました。
2020年シーズンのプロ野球の公式戦は、2020年6月19日から無観客での開幕となり、その後は、観客数の上限を段階的に緩和しながらの試合実施となりました。2021年シーズンは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が継続しておりますが、3月下旬に開幕いたしました。
(ライブストリーミング事業)
ライブストリーミング事業の売上収益は24,211百万円(前連結会計年度比164.9%増)、セグメント利益は5,191百万円(前年同期は1,356百万円の損失)となりました。
前連結会計年度以前より、ライブストリーミングの領域では、成長に向けた投資を継続的に行ってまいりましたが、「Pococha(ポコチャ)」を中心に好調に推移しております。
なお、2020年6月30日を期日としたSHOWROOM株式会社の当社保有株式の一部譲渡により、同社は当社の持分法適用関連会社となり、第2四半期連結会計期間より同社の業績はセグメント別の業績には含んでおりません。
(ヘルスケア事業)
ヘルスケア事業の売上収益は2,099百万円(前連結会計年度比17.5%増)、セグメント損失は1,194百万円(前年同期は1,559百万円の損失)となりました。
「MYCODE(マイコード)」「kencom(ケンコム)」「歩いておトク」等、ヘルスケアサービスの分野における既存の提供サービスの利用は堅調に推移した一方で、ヘルスケア型保険をはじめ、将来に向けた先行投資を行いました。
(新規事業・その他)
新規事業・その他の売上収益は6,826百万円(前連結会計年度比2.0%増)、セグメント損失は162百万円(前年同期は8,901百万円の損失)となりました。
当区分には、中長期での事業ポートフォリオの強化を目指した各種取り組み、及び、EC事業におけるサービスを含んでおります。なお、前連結会計年度には、旧オートモーティブ事業における積極的な投資を含んでおります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ23,765百万円増加し、97,301百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は29,967百万円(前連結会計年度は12,946百万円の収入)となりました。主な収入要因は、税引前当期利益31,259百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は8,640百万円(前連結会計年度は8,706百万円の支出)となりました。主な支出要因は、無形資産の取得5,836百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は6,614百万円(前連結会計年度は32,154百万円の支出)となりました。主な収入要因は、借入れによる収入20,000百万円であり、主な支出要因は自己株式の取得のための支出5,577百万円であります。
④ 生産、受注及び販売の実績
(生産実績)
生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。
(受注状況)
受注生産を行っておりませんので、受注状況に関する記載はしておりません。
(販売実績)
当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前連結会計年度比
増減率(%)
ゲーム事業91,3078.9
スポーツ事業12,821△36.5
ライブストリーミング事業24,211164.9
ヘルスケア事業2,09917.5
新規事業・その他6,8262.0
調整額△294-
合計136,97112.8

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上収益)
当連結会計年度の売上収益は136,971百万円(前連結会計年度比12.8%増)となりました。スポーツ事業では新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受け、前連結会計年度比で減収となりましたが、ライブストリーミング事業やゲーム事業で増収となりました。
(営業利益)
売上原価は、前連結会計年度比5.9%増の62,040百万円、販売費及び一般管理費は、同4.4%減の58,070百万円となり、合計では、前連結会計年度比で概ね横ばいで推移しました。ゲーム事業やライブストリーミング事業の推移に応じて売上原価の支払手数料等の費用が増加した一方で、前連結会計年度中の無形資産の減少に伴い、減価償却費が減少しました。また、スポーツ事業や旧オートモーティブ事業に関する費用が減少しました。
その他の収益・費用(純額)は、5,635百万円(前連結会計年度は47,695百万円の損失)となりました。当連結会計年度においては、その他の収益に、タクシー配車アプリ等に関する事業の吸収分割に起因する移転損益2,045百万円やSHOWROOM株式会社の当社保有株式の一部譲渡に伴う子会社株式売却益7,889百万円等、その他の費用に、ゲーム事業におけるソフトウェアの減損損失3,233百万円や、事業所エリアに関する使用権資産についての減損損失をはじめ、オフィス戦略変更に伴う一過性の損失2,086百万円を計上しております。一方、前連結会計年度においては、その他の費用に、減損損失を計51,165百万円計上しておりました。
以上の結果、営業利益は22,495百万円(前連結会計年度は45,676百万円の損失)となりました。
(税引前当期利益)
金融収益は、受取配当金の増加等により、5,625百万円(前連結会計年度比110.9%増)となりました。金融費用は、為替差損の減少等により、137百万円(同75.9%減)となりました。また、持分法で会計処理している関連会社の純利益(純損失)に対する持分は、3,275百万円(同2.0%減)となりました。
以上の結果、税引前当期利益は、31,259百万円(前連結会計年度は40,235百万円の損失)となりました。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
当期利益は26,354百万円(前連結会計年度は49,847百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する当期利益は25,630百万円(前連結会計年度は49,166百万円の損失)となりました。
なお、資本性金融商品への投資による利得等を計上した結果、当期包括利益合計は51,538百万円(前期包括利益合計は△36,718百万円)となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、上記「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
資金需要及び資金調達につきましては、当社グループは、事業の競争力を維持・強化することによる持続的な成長を実現するために、恒常的に設備投資を必要としております。また、事業規模の拡大と収益源の多様化を進めるために、新サービスないし新規事業に取り組んでいく考えであります。これらの資金需要は手元資金で賄うことを基本とし、必要に応じて資金調達を実施いたします。
当社は、当連結会計年度において資金の借入を行っております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 21. 財務活動に係る負債の変動」及び「24. 金融商品」に記載のとおりであります。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑤ 経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。