四半期報告書-第24期第2四半期(令和3年4月1日-令和3年6月30日)

【提出】
2021/08/13 11:24
【資料】
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【項目】
43項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間におけるわが国の経済状況は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた緊急事態宣言の再発令やその期間延長により、景気の下押し圧力が高まりました。一方、65歳以上対象のワクチン接種は開始より順調にその数を伸ばし、6月からは職域接種も開始されるなど、新型コロナウイルスの対策は進捗していますが、未だ感染収束の見通しは立っておらず、先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループを取り巻く事業環境におきましては、新型コロナウイルス感染対策を契機としたテレワークの浸透が、新たな市場を形成すると共に、既存の対面ビジネスのあり方を変えつつあります。シェアリングエコノミー分野においても、新型コロナウイルスの影響を受けてはいるものの、2030年度には最大約14兆円にまで市場が拡大すると予測されています。当社においては、かつてひとつの事業部でありカーブアウトオプション制度にて分社化してきたEDGE株式会社が、4月には1.5億円超の資金調達を実施するなど、いち早く市場ニーズに対応する複数の企業を立ち上げ、キャピタルゲインを目指すスタートアップスタジオとしての取り組み成果が現れております。
このような背景のもと、当社は、引き続き成長が期待されるシェアリングエコノミー分野およびオンライン事業分野に注力し、様々なサービスの開発や起業・事業支援をするとともに、ソーシャルメディアサービス事業のノウハウを展開し、ビジネス領域の更なる拡充と優位性の確保に努めてまいりました。
2021年4月には、「株式会社WECOOK Japan」を設立し、クラウドキッチン事業へ進出いたしました。また6月には、「株式会社GENIC LAB」を完全子会社化し、SNSマーケティング領域におけるいっそうの競争力強化に努めております。
当第2四半期連結累計期間の売上高は、インキュベーション事業で保有している営業投資有価証券の売却は行わなかったため、前第2四半期連結累計期間に比べて大幅に減少いたしましたが、ソーシャルメディアサービス事業のランニング売上については、微減で着地しております。また、インキュベーション事業においては、引き続き投資フェーズであることから外注費が増加いたしました。
この結果、売上高は900,057千円(前年同期比41.1%減)、営業損失は201,703千円(前年同期439,278千円の利益)、経常損失は、197,635千円(前年同期439,037千円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失は、36,054千円(前年同期440,131千円の利益)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(ソーシャルメディアサービス事業)
①ソーシャルメディア領域
<コミュニティパッケージ、企業向けブログ、活性化サービス>Facebook、Twitter、LINE@、Instagram、ブログなどソーシャルメディア活用の企画提案やシステム構築・運営、多店舗向けのブログシステムの提供、グループウェア、クラウド型グループウェアを提供
②マーケティング支援領域
<ソーシャルメディアマーケティング、Webマーケティング>ソーシャルメディアやブログなどを活用したマーケティングのコンサル業務、Webサイトの構築・運営
③その他領域
動画面接スカウトサービスのオンライン就活、ウェルビーイング、コーチング
当第2四半期連結累計期間は、新型コロナウイルス感染症の影響により、政府より「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言」が再発令され営業活動が制限される中、主にTwitterやFacebookなどのソーシャルメディアを活用したプロモーションの代行業務及びコンサルティング売上を安定的に計上いたしました。また、SNSマーケティング企業の「株式会社GENIC LAB」の全株式を取得し、完全子会社化いたしました。ガイアックスが持つ「ロジカルなデータ分析と戦略設計」にGENIC LABが持つ「感覚的に人々に刺さるクリエイティブ制作」という武器を加えることでSNSマーケティング領域での更なる事業拡大を目指します。
システム運用においては、AWSクラウド構築・運用の「Cloud Sun」において新たに災害復旧用の「DR環境構築・運用サポート」をリリースし、安定的な収益基盤の強化に努めてまいりました。営業費用は、外部リソースを積極的に取り入れたことにより外注費が増加いたしました。この結果、売上高は716,609千円(前年同期比7.5%減)、セグメント利益は156,310千円(前年同期比19.0%減)となりました。
(インキュベーション事業)
インキュベーション事業は、グループ外における投資育成支援(グループ外インキュベーション)とグループ内で創設される新規事業(グループ内インキュベーション)で構成されております。
グループ外インキュベーションにおきましては、投資先企業の株式を保有し、事業育成・成長支援などのハンズオン支援を行っております。
グループ内インキュベーションにおきましては、地域体験マッチングサービス「TABICA」、海外在住の日本人が案内する「LOCOTABI」、オンライン配信サービスなどを提供しております。
当第2四半期連結累計期間においては、保有している営業投資有価証券の売却はありませんでした。そのため売上高及びセグメント利益については、前第2四半期連結累計期間に比べて大幅に減少しております。また、各サービスにおいては引き続き投資フェーズである中、依然として新型コロナウイルス感染症の影響により営業自粛が続いており、Nagatacho GRiDの運営は厳しい状況となっております。一方、このような環境の中、スタートアップスタジオでは、東北初の産官学連携山形県立米沢東高等学校の高校生に向けて起業ゼミを開始しました。また、コロナ禍において、急速な成長を続けるフードデリバリー市場に着目し、フードデリバリー先進国、韓国にて最大手である「WECOOK」を運営する株式会社シンプルプロジェクトカンパニーとの合弁会社、株式会社WECOOK Japanを設立しました。
この結果、売上高は187,575千円(前年同期比75.4%減)、セグメント利益は△201,146千円(前年同期393,310千円の利益)となりました。
(2)財政状態に関する説明
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて12.8%減少し、2,110,640千円となりました。これは、主に現金及び預金が155,625千円、営業投資有価証券が132,957千円減少したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて11.9%増加し、269,715千円となりました。これは、主に建物及び構築物(純額)が16,856千円、敷金保証金が7,040千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて10.5%減少し、2,380,356千円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて18.0%減少し、353,595千円となりました。これは、主に流動負債のその他に含まれる前受金が41,530千円、流動負債のその他に含まれる未払金が13,673千円減少したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて17.9%減少し、367,729千円となりました。これは、主に繰延税金負債が53,873千円、長期借入金が26,126千円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて17.9%減少し、721,324千円となりました。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて6.9%減少し、1,659,031千円となりました。これは、主にその他有価証券評価差額金が106,560千円、利益剰余金が親会社株主に帰属する四半期純損失により36,054千円減少したことによるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ155,625千円減少し、640,489千円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果減少した資金は、189,067千円(前年同期は416,987千円の収入)となりました。この主な減少要因は、税金等調整前四半期純損失40,014千円、営業投資有価証券の増加額12,923千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果増加した資金は、32,344千円(前年同期は134,017千円の支出)となりました。この主な増加要因は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入81,449千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は、1,968千円(前年同期は34,618千円の支出)となりました。この主な減少要因は長期借入金の返済による支出31,368千円、増加要因は非支配株主からの払込みによる収入29,400千円によるものであります。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。