四半期報告書-第23期第3四半期(令和2年10月1日-令和2年12月31日)
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴う日本政府の緊急事態宣言、休業要請、学校閉鎖、Social Distancing、リモートワーク等により、全国規模で社会・経済活動が大きく停滞いたしました。5月末の緊急事態宣言解除以降も新型コロナウイルス感染症の拡大は収束せず、7月下旬から8月にかけて第二波、11月に入って第三波が到来しております。また、世界全体で新型コロナウイルス感染症が拡大する中において、2020年12月のアメリカ合衆国大統選挙の結果2021年1月に新大統領が誕生し、同月においてヨーロッパではイギリスがEUを離脱する等、我が国および世界における今後の社会生活・経済活動の回復は、依然として不透明・不確実な状態が続いています。
一方、WithコロナからPostコロナ社会への移行が進む今後の数年間には、従来のデジタル・トランスフォーメーションの流れを、今般の新型コロナ禍が加速する形で、企業における働き方、人材育成のあり方や、大学・大学院等を始めとする学校運営において、以下に例示するような大規模な変革が予想されます。
✓学校教育におけるオンライン化、デジタル化
✓企業の人材育成における集合研修からオンライン研修への移行
✓画一的な階層型研修から個人のキャリアパスにカスタマイズした人材育成への移行
✓リモートワーク、JOB型雇用の普及に伴う社員の専門性を磨く教育の普及
✓企業のDXを担うデジタル人材や、ITと経営の両方に精通する人材ニーズの増加
✓不透明・不確実な状況下でリーダーシップと問題解決力を発揮する人材ニーズの増加
✓働き方や雇用形態の多様化に伴う社会人の学び直し、リカレント教育ニーズの増加
✓コロナ禍で大きなダメージを受けた業種・職種から、コロナ禍で事業機会が拡大した業種・職種への転職に必要とされるスキル、知識、素養の習得ニーズの増加
これらの変化は、1998年の創業以来、一貫してオンライン教育とグローバル人材育成に軸足を置き、1歳から企業経営者に至る全ての年齢層を対象に教育プログラムを提供してきた当社にとって、非常に大きな成長機会をもたらすと考えます。
また、当社が過去20数年間蓄積してきたノウハウ(オンライン教育における学習プラットフォーム、10,000時間超のコンテンツ・ライブラリー、オンライン講座・研修の設計・開発・運営ノウハウ、グローバル人材育成の為の各種カリキュラム・プログラム体系など)は、上述した大規模な変革の実現を支援し、大きな価値を提供すると考えております。
当社グループは、今年度及び次の数年間において、これらの成長機会を確実に獲得する為の投資を継続し、中期的な観点からの事業拡大と企業価値の最大化を着実に進めてまいります。
(第1四半期の状況)
縮小運営を政府から要請されたバイリンガルプリスクールや、集合型IT研修が主体であった子会社等、一部の事業部門がコロナ禍の影響を受けて減収となりましたが、BBT大学・大学院・法人研修・インターナショナルスクール等の主要事業部門の大半は、コロナ禍の影響を殆ど受ける事なく堅調な受注、事業運営を行いました。
(第2四半期の状況)
第1四半期にコロナ禍の影響を受けた部門も含むグループ全体の受注増、増収基調が顕著となりました。その結果、上半期通算では、第1四半期で発生した負の影響を補って余りある増収を確保する事ができました。
(第3四半期の状況)
第2四半期までに当社グループはDX化を推進し、リカレント教育事業部門では原則全社リモートワークに移行することができました。事業面においてもコロナ禍におけるサービス提供体制整備と法人顧客ニーズの深掘り、オンラインによる人材育成担当者向け無料セミナーの定期開催など、新規顧客獲得の諸施策により、当第3四半期においても引き続き前年同期比で増収となりました。
一方で、コロナ禍による変革期の到来をチャンスと捉え、リカレント教育事業における機能の強化のためのシステム投資、プラットフォームサービス事業におけるキャンパスの改装や開校のための設備投資を積極的に実施した結果、先行費用が増加し、短期的に収益性が減少しております。
以上のことから、当第3四半期連結累計期間における売上高は第3四半期累計期間としては過去最高の4,273百万円(前年同四半期比3.4%増)、営業利益は161百万円(同7.8%減)、経常利益は168百万円(同15.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は50百万円(同43.1%減)となりました。
(経営成績のポイント)
✓売上高は第3四半期累計期間として過去最高、当第3四半期(10月~12月)では第2四半期に及ばなかったものの、第3四半期の売上高として過去最高を更新し、プラットフォーム事業は当第3四半期累計期間で黒字回復いたしました。
✓オンラインで運営するBBT大学経営学部、BBT大学大学院は、2020年の春期入学者、秋期入学者の合計が学部・大学院合わせて271名となり、前年の204名と比較して大幅に増加いたしました。2021年春期入学希望者においても当第3四半期末時点の出願者の合計数が前年同期比約20%増で推移しております。豪州のBOND大学と共同運営するBOND-BBT MBAプログラムにおいても、2020年9月期入学者が過去5年で最多の40名となり、2021年1月期の入学者数も38名と高水準になりました。
✓法人に対する研修・人材育成サービスは、集合研修からオンライン研修への需要シフトにより新規案件が増加しており、当第3四半期累計期間期において新たに45社と取引を開始いたしました。また、DX推進やリモートワーク化に対応したカリキュラムの新設等により既存顧客の深掘りが進んでおります。
✓インターナショナルスクール(AJIS、SH)は、2020年3月以降、速やかにオンライン授業へ切り替え、6月末までは初等部以上の生徒を対象に通学を停止し、100%オンライン教育に切替えました。現在も新型コロナウイルス感染防止対策を実施しながら、大きな支障なく運営しております。先行投資としてAJIS光が丘キャンパスの改修工事を実施し、約23百万円の一時費用を計上したものの、前年と同水準の利益を確保しております。
✓1歳から5歳を対象とするバイリンガルプリスクール(AJB)は、政府・都の緊急事態宣言に応えて運営規模を縮小した影響で、2020年4月~5月の期間は約44百万円程度の減収、約56百万円程度の営業減益となりました。しかしながら、6月1日以降は通常運営を再開した結果、売上は前年と同水準まで回復しており、利益面でも前年並みに推移しています。
✓2020年4月に9拠点目となる「AJB中野キャンパス」を開校、更に10拠点目となる「AJB下目黒キャンパス」の来春開設のための設備投資を行い、2拠点で合計約92百万円の先行費用を投下しました。下目黒キャンパスの生徒募集活動はコロナ禍の影響を受ける事なく計画通りに進行しています。
セグメント区分別の状況につきましては以下のとおりであります。
① リカレント教育
リカレント教育事業の売上高は第3四半期累計期間として過去最高の2,247百万円(前年同四半期比5.0%増)となり、セグメント利益は128百万円(同31.4%増)となりました。
BBT大学経営学部の2020年度の入学者は春期、秋期ともに前年を上回り、秋期においては、過去最高水準となる50名(前年同期比56.2%増)が入学しました。また在学生へのサポートを強化した結果、休退学率が過去平均値から半減いたしました。
BBT大学大学院は、2020年夏に厚生労働省の教育訓練給付金の支給対象プログラムに指定され、2020年度の春期入学者88名(前年同期比66.0%増)、秋期入学者48名(前期比29.7%増)と大幅に増加いたしました。
また、コロナ禍でオンライン教育が再認識されたことにより、BBT大学の2021年春期の総合型選抜(旧AO)入試出願者が過去5年の平均出願数から約5倍に増加するなど、2021年春期の募集活動においても、前年同時期を大幅に上回って推移しております。
現在、With/Postコロナ時代に備え、DX、問題解決力、リーダーシップ、人材管理、IT等の領域においてカリキュラムの改訂、強化を進めており、2021年5月にはBBT大学院において「DXマネジメント人材養成講座」を新規開講いたします。
BOND-BBT MBAプログラムにおいても2020年9月期は過去5年間で最多の40名が入学し、2021年1月期の入学者数も38名と高水準になりました。
またオープンカレッジ系講座においても、With/Postコロナ時代に対応する新たなプログラムを開始するなどの強化を行っております。問題解決力トレーニングプログラムでは、2020年6月にスポーツジムに通う感覚で自宅のオンライン環境下でビジネススキルを鍛える「BBTナイトGym」を、2020年7月には日常の身近な経営トピックを題材に、毎日10分でビジネスに役立つ力をつける「BBTルーティン」を開始いたしました。「BBTルーティン」は複数企業の社員研修メニューに採用され、2021年1月に1,500名超まで受講者数を伸ばしております。これらのサブスクリプション・サービスの受講生からBBT大学、大学院や他のオープンカレッジ系プログラムへの出願が増加傾向にあります。「BBTナイトGym」は、文部科学省の日本型教育海外展開事業「EDU-Portニッポン」において、「コロナ禍における学びの継続に関する独自の取組事例」に採用されております。
リーダーシップ・アクションプログラムでは、コロナ禍においてリモートワークで成果を出す完全オンラインのチームビルディング研修「Good Team Building Program」及び「リモート時代に役立つリーダーシップ映像講義シリーズ」の2プログラムを2020年8月に、2020年12月に「リモートワーク時代の心身マネジメント映像講座シリーズ」を開講いたしました。
法人向け教育サービスにおいては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で集合型の研修が実施出来ず、第1四半期において研修プログラムのリスケジュールや実施方法を見直す既存顧客も一部見受けられましたが、その大半が上半期中のスケジュール調整等に留まりました。一方で従来集合型の新入社員研修や階層別研修を行ってきた企業から、当社が創業以来磨き上げてきた遠隔教育のノウハウに対する需要が高まり、新規顧客からの引き合いが増加いたしました。その結果、当第3四半期累計期間の法人研修の受注総額は前年比110%超となり、新たに45社と取引を開始いたしました。
また、顧客企業の社員一人一人の専門性を磨くために、個人別に最適化したカリキュラムをオーダーメイドで提供する「BBTパーソナライズ」を2020年5月に開始しました。本プログラムは100社以上のトライアル申し込みを経た2021年1月の開講時における受講者数は100名を超えており、好調に滑り出しております。今後はAI技術を活用し、個人別カリキュラムを効率的に作成できる仕組みを作り、さらなる拡販を目指します。
約3,000名の経営人材を輩出している「大前経営塾」では、With/Postコロナ時代に求められる構想力、リーダーシップ、高く広範な経営の視座、深い思考力等の習得・強化のニーズが急速に高まった結果、年2回(4月、10月)いずれの開講期も過去最高水準となる100名超の受講生が参加いたしました。
2019年7月に当社グループに加わったITマネジメント領域の教育に特化した㈱ITプレナーズジャパン・アジアパシフィック(以下「ITPJ」という。)は、従来、売上高の約95%を集合研修で獲得していました。第1四半期は、コロナ禍により多くの顧客企業が集合研修の実施を見送ったため、月次売上が前年同月比で半減以上となりました。しかしながら、当社のオンライン教育のノウハウを活用し、上半期中に全ての研修プログラムをオンラインへ切り替えた結果、第2四半期以降の月次売上は順調に回復基調をたどり、当第3四半期(10月~12月)では前年同期と同水準の売上高となりました。現在、コロナ禍で一層注目度が高まっているアジャイル型経営、Chief Digital Officerに求められる素養の習得等の領域において、新プログラムを準備している最中です。
② プラットフォームサービス
プラットフォームサービス事業の売上高は1,908百万円(前年同四半期比1.6%増)、セグメント利益は14百万円(同83.2%減)となり、第1四半期のビハインドを取り返し、黒字回復いたしました。
日本国内で5校目の国際バカロレア(IB)の全教育プログラムの認定校である「アオバジャパン・インターナショナルスクール(以下「AJIS」という。)」では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止のため、2020年2月末から6月末までの間、初等部以上の生徒を対象に通学を停止し、100%オンライン教育に切替えました。
3年前より教室(集合型)と遠隔(オンライン型)をブレンドした教育に取り組んできたノウハウを活用し、業績面・教育面の双方においてコロナ禍の影響を全く受ける事なく運営し、2020年6月度のスクールイヤーを終了いたしました。
AJIS高等部門においては、コロナ禍により例年どおりの卒業式が挙行できないなか、卒業生と教員がVRソフト「Minecraft」で“手作り”した「バーチャルキャンパス」において「バーチャル卒業式」が行われ、例年夏期休暇期間中に実施するサマースクールについても「バーチャルキャンパス」を活用し実施されました。
また、AJIS光が丘キャンパスでは、夏季休暇期間において、総額約180百万円の設備投資を実施し、校舎1階と体育館を全面改装いたしました。その結果、一時費用として23百万円を計上いたしました。来年夏に第2段の校舎改装(2階以上部分)を実施し、学習環境の向上と1割超の定員増を実現する計画です。
新スクールイヤー(2020年8月開始~2021年7月終了)は、前年比47名増の生徒数565で開始いたしました。
バイリンガル幼児教育を展開する「アオバジャパン・バイリンガルプリスクール(以下「AJB」という。)」では、2020年4月に当社グループとして9拠点目となる「AJB中野キャンパス」を開校いたしました。更に、10拠点目となる「AJB下目黒キャンパス」の来春開設に向けた校舎設置の為の設備投資を行い、2拠点合わせ約92百万円の先行費用を投下いたしました。
一方、1~5歳を対象に通学を伴うAJBの既存キャンパスは、政府の緊急事態宣言に伴う縮小運営の要請に2020年2月末~5月末迄の期間応じたため、同期間において3割程度の減収となりましたが、2020年6月1日以降は通常運営を再開し、月次売上も前年並みに回復いたしました。
ケンブリッジ大学国際教育機構認定校である「ムサシインターナショナルスクール・トウキョウ※」(以下「MIST」という。)は、2020年5月、同機構から初等プログラム「Cambrige Primary」の認定校として承認されました。これにより、MISTは、同機構が認定する初等・中等・高等学校課程の全プログラムの認定校となりました(国内で4校目)。新スクールイヤー(2020年8月開始、2021年7月終了)においては、生徒数123名でスタートいたしました。当社グループが資本参加した2019年5月と比較して生徒数は約1.6倍に増加し、第2四半期累計期間までの営業損益が黒字化するなどの改善効果が確認されました。
なお、2021年1月8日に東京都に対し緊急事態宣言が発令されましたが、オンライン授業や分散登校等の新型コロナウイルス感染防止対策を行って開校しており、現在のところ大きな影響は出ておりません。また、2021年1月13日にAJB三鷹キャンパスが当社グループで7校目となる国際バカロレア(IB)初等教育プログラム(PYP)認定校となりました。当社グループは、今後も引き続き文部科学省が推進する国内のIB認定校を200校に増加する目標に貢献して参る方針です。
※ Little Angels学園株式会社は2021年1月1日付で株式会社Musashi International Educationに商号を変更し、「リトルエンジェルス・インターナショナルスクール(LAIS)」は「ムサシインターナショナルスクール・トウキョウ(MIST)」に名称を変更いたしました。
(2) 財政状態の分析
(資産)
当第3四半期連結会計期間末の流動資産につきましては、前連結会計年度末に比べ643百万円増加し、2,518百万円となりました。主な要因は、売掛金が20百万円減少したものの、現金及び預金が614百万円増加したことによるものであります。固定資産につきましては、前連結会計年度末に比べ25百万円増加し、6,016百万円となりました。主な要因は、無形固定資産が66百万円減少したものの、建物及び構築物等の増加により有形固定資産が100百万円増加したことによるものであります。
これらの結果、総資産は前連結会計年度末に比べ669百万円増加し、8,535百万円となりました。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末の負債につきましては、前連結会計年度末に比べ785百万円増加し、4,078百万円となりました。主な要因は、前受金が258百万円、長期借入金が246百万円、未払法人税等65百万円、資産除去債務53百万円、短期借入金47百万円、未払費用29百万円及び1年内返済予定の長期借入金23百万円が増加したことによるものであります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末の純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ116百万円減少し、4,457百万円となりました。主な要因は、剰余金の配当による株主資本152百万円の減少が、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上50百万円を上回ったことによるものであります。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財務状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事実上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
該当事項はありません。
(1) 経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴う日本政府の緊急事態宣言、休業要請、学校閉鎖、Social Distancing、リモートワーク等により、全国規模で社会・経済活動が大きく停滞いたしました。5月末の緊急事態宣言解除以降も新型コロナウイルス感染症の拡大は収束せず、7月下旬から8月にかけて第二波、11月に入って第三波が到来しております。また、世界全体で新型コロナウイルス感染症が拡大する中において、2020年12月のアメリカ合衆国大統選挙の結果2021年1月に新大統領が誕生し、同月においてヨーロッパではイギリスがEUを離脱する等、我が国および世界における今後の社会生活・経済活動の回復は、依然として不透明・不確実な状態が続いています。
一方、WithコロナからPostコロナ社会への移行が進む今後の数年間には、従来のデジタル・トランスフォーメーションの流れを、今般の新型コロナ禍が加速する形で、企業における働き方、人材育成のあり方や、大学・大学院等を始めとする学校運営において、以下に例示するような大規模な変革が予想されます。
✓学校教育におけるオンライン化、デジタル化
✓企業の人材育成における集合研修からオンライン研修への移行
✓画一的な階層型研修から個人のキャリアパスにカスタマイズした人材育成への移行
✓リモートワーク、JOB型雇用の普及に伴う社員の専門性を磨く教育の普及
✓企業のDXを担うデジタル人材や、ITと経営の両方に精通する人材ニーズの増加
✓不透明・不確実な状況下でリーダーシップと問題解決力を発揮する人材ニーズの増加
✓働き方や雇用形態の多様化に伴う社会人の学び直し、リカレント教育ニーズの増加
✓コロナ禍で大きなダメージを受けた業種・職種から、コロナ禍で事業機会が拡大した業種・職種への転職に必要とされるスキル、知識、素養の習得ニーズの増加
これらの変化は、1998年の創業以来、一貫してオンライン教育とグローバル人材育成に軸足を置き、1歳から企業経営者に至る全ての年齢層を対象に教育プログラムを提供してきた当社にとって、非常に大きな成長機会をもたらすと考えます。
また、当社が過去20数年間蓄積してきたノウハウ(オンライン教育における学習プラットフォーム、10,000時間超のコンテンツ・ライブラリー、オンライン講座・研修の設計・開発・運営ノウハウ、グローバル人材育成の為の各種カリキュラム・プログラム体系など)は、上述した大規模な変革の実現を支援し、大きな価値を提供すると考えております。
当社グループは、今年度及び次の数年間において、これらの成長機会を確実に獲得する為の投資を継続し、中期的な観点からの事業拡大と企業価値の最大化を着実に進めてまいります。
(第1四半期の状況)
縮小運営を政府から要請されたバイリンガルプリスクールや、集合型IT研修が主体であった子会社等、一部の事業部門がコロナ禍の影響を受けて減収となりましたが、BBT大学・大学院・法人研修・インターナショナルスクール等の主要事業部門の大半は、コロナ禍の影響を殆ど受ける事なく堅調な受注、事業運営を行いました。
(第2四半期の状況)
第1四半期にコロナ禍の影響を受けた部門も含むグループ全体の受注増、増収基調が顕著となりました。その結果、上半期通算では、第1四半期で発生した負の影響を補って余りある増収を確保する事ができました。
(第3四半期の状況)
第2四半期までに当社グループはDX化を推進し、リカレント教育事業部門では原則全社リモートワークに移行することができました。事業面においてもコロナ禍におけるサービス提供体制整備と法人顧客ニーズの深掘り、オンラインによる人材育成担当者向け無料セミナーの定期開催など、新規顧客獲得の諸施策により、当第3四半期においても引き続き前年同期比で増収となりました。
一方で、コロナ禍による変革期の到来をチャンスと捉え、リカレント教育事業における機能の強化のためのシステム投資、プラットフォームサービス事業におけるキャンパスの改装や開校のための設備投資を積極的に実施した結果、先行費用が増加し、短期的に収益性が減少しております。
以上のことから、当第3四半期連結累計期間における売上高は第3四半期累計期間としては過去最高の4,273百万円(前年同四半期比3.4%増)、営業利益は161百万円(同7.8%減)、経常利益は168百万円(同15.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は50百万円(同43.1%減)となりました。
(経営成績のポイント)
✓売上高は第3四半期累計期間として過去最高、当第3四半期(10月~12月)では第2四半期に及ばなかったものの、第3四半期の売上高として過去最高を更新し、プラットフォーム事業は当第3四半期累計期間で黒字回復いたしました。
✓オンラインで運営するBBT大学経営学部、BBT大学大学院は、2020年の春期入学者、秋期入学者の合計が学部・大学院合わせて271名となり、前年の204名と比較して大幅に増加いたしました。2021年春期入学希望者においても当第3四半期末時点の出願者の合計数が前年同期比約20%増で推移しております。豪州のBOND大学と共同運営するBOND-BBT MBAプログラムにおいても、2020年9月期入学者が過去5年で最多の40名となり、2021年1月期の入学者数も38名と高水準になりました。
✓法人に対する研修・人材育成サービスは、集合研修からオンライン研修への需要シフトにより新規案件が増加しており、当第3四半期累計期間期において新たに45社と取引を開始いたしました。また、DX推進やリモートワーク化に対応したカリキュラムの新設等により既存顧客の深掘りが進んでおります。
✓インターナショナルスクール(AJIS、SH)は、2020年3月以降、速やかにオンライン授業へ切り替え、6月末までは初等部以上の生徒を対象に通学を停止し、100%オンライン教育に切替えました。現在も新型コロナウイルス感染防止対策を実施しながら、大きな支障なく運営しております。先行投資としてAJIS光が丘キャンパスの改修工事を実施し、約23百万円の一時費用を計上したものの、前年と同水準の利益を確保しております。
✓1歳から5歳を対象とするバイリンガルプリスクール(AJB)は、政府・都の緊急事態宣言に応えて運営規模を縮小した影響で、2020年4月~5月の期間は約44百万円程度の減収、約56百万円程度の営業減益となりました。しかしながら、6月1日以降は通常運営を再開した結果、売上は前年と同水準まで回復しており、利益面でも前年並みに推移しています。
✓2020年4月に9拠点目となる「AJB中野キャンパス」を開校、更に10拠点目となる「AJB下目黒キャンパス」の来春開設のための設備投資を行い、2拠点で合計約92百万円の先行費用を投下しました。下目黒キャンパスの生徒募集活動はコロナ禍の影響を受ける事なく計画通りに進行しています。
セグメント区分別の状況につきましては以下のとおりであります。
① リカレント教育
リカレント教育事業の売上高は第3四半期累計期間として過去最高の2,247百万円(前年同四半期比5.0%増)となり、セグメント利益は128百万円(同31.4%増)となりました。
BBT大学経営学部の2020年度の入学者は春期、秋期ともに前年を上回り、秋期においては、過去最高水準となる50名(前年同期比56.2%増)が入学しました。また在学生へのサポートを強化した結果、休退学率が過去平均値から半減いたしました。
BBT大学大学院は、2020年夏に厚生労働省の教育訓練給付金の支給対象プログラムに指定され、2020年度の春期入学者88名(前年同期比66.0%増)、秋期入学者48名(前期比29.7%増)と大幅に増加いたしました。
また、コロナ禍でオンライン教育が再認識されたことにより、BBT大学の2021年春期の総合型選抜(旧AO)入試出願者が過去5年の平均出願数から約5倍に増加するなど、2021年春期の募集活動においても、前年同時期を大幅に上回って推移しております。
現在、With/Postコロナ時代に備え、DX、問題解決力、リーダーシップ、人材管理、IT等の領域においてカリキュラムの改訂、強化を進めており、2021年5月にはBBT大学院において「DXマネジメント人材養成講座」を新規開講いたします。
BOND-BBT MBAプログラムにおいても2020年9月期は過去5年間で最多の40名が入学し、2021年1月期の入学者数も38名と高水準になりました。
またオープンカレッジ系講座においても、With/Postコロナ時代に対応する新たなプログラムを開始するなどの強化を行っております。問題解決力トレーニングプログラムでは、2020年6月にスポーツジムに通う感覚で自宅のオンライン環境下でビジネススキルを鍛える「BBTナイトGym」を、2020年7月には日常の身近な経営トピックを題材に、毎日10分でビジネスに役立つ力をつける「BBTルーティン」を開始いたしました。「BBTルーティン」は複数企業の社員研修メニューに採用され、2021年1月に1,500名超まで受講者数を伸ばしております。これらのサブスクリプション・サービスの受講生からBBT大学、大学院や他のオープンカレッジ系プログラムへの出願が増加傾向にあります。「BBTナイトGym」は、文部科学省の日本型教育海外展開事業「EDU-Portニッポン」において、「コロナ禍における学びの継続に関する独自の取組事例」に採用されております。
リーダーシップ・アクションプログラムでは、コロナ禍においてリモートワークで成果を出す完全オンラインのチームビルディング研修「Good Team Building Program」及び「リモート時代に役立つリーダーシップ映像講義シリーズ」の2プログラムを2020年8月に、2020年12月に「リモートワーク時代の心身マネジメント映像講座シリーズ」を開講いたしました。
法人向け教育サービスにおいては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で集合型の研修が実施出来ず、第1四半期において研修プログラムのリスケジュールや実施方法を見直す既存顧客も一部見受けられましたが、その大半が上半期中のスケジュール調整等に留まりました。一方で従来集合型の新入社員研修や階層別研修を行ってきた企業から、当社が創業以来磨き上げてきた遠隔教育のノウハウに対する需要が高まり、新規顧客からの引き合いが増加いたしました。その結果、当第3四半期累計期間の法人研修の受注総額は前年比110%超となり、新たに45社と取引を開始いたしました。
また、顧客企業の社員一人一人の専門性を磨くために、個人別に最適化したカリキュラムをオーダーメイドで提供する「BBTパーソナライズ」を2020年5月に開始しました。本プログラムは100社以上のトライアル申し込みを経た2021年1月の開講時における受講者数は100名を超えており、好調に滑り出しております。今後はAI技術を活用し、個人別カリキュラムを効率的に作成できる仕組みを作り、さらなる拡販を目指します。
約3,000名の経営人材を輩出している「大前経営塾」では、With/Postコロナ時代に求められる構想力、リーダーシップ、高く広範な経営の視座、深い思考力等の習得・強化のニーズが急速に高まった結果、年2回(4月、10月)いずれの開講期も過去最高水準となる100名超の受講生が参加いたしました。
2019年7月に当社グループに加わったITマネジメント領域の教育に特化した㈱ITプレナーズジャパン・アジアパシフィック(以下「ITPJ」という。)は、従来、売上高の約95%を集合研修で獲得していました。第1四半期は、コロナ禍により多くの顧客企業が集合研修の実施を見送ったため、月次売上が前年同月比で半減以上となりました。しかしながら、当社のオンライン教育のノウハウを活用し、上半期中に全ての研修プログラムをオンラインへ切り替えた結果、第2四半期以降の月次売上は順調に回復基調をたどり、当第3四半期(10月~12月)では前年同期と同水準の売上高となりました。現在、コロナ禍で一層注目度が高まっているアジャイル型経営、Chief Digital Officerに求められる素養の習得等の領域において、新プログラムを準備している最中です。
② プラットフォームサービス
プラットフォームサービス事業の売上高は1,908百万円(前年同四半期比1.6%増)、セグメント利益は14百万円(同83.2%減)となり、第1四半期のビハインドを取り返し、黒字回復いたしました。
日本国内で5校目の国際バカロレア(IB)の全教育プログラムの認定校である「アオバジャパン・インターナショナルスクール(以下「AJIS」という。)」では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止のため、2020年2月末から6月末までの間、初等部以上の生徒を対象に通学を停止し、100%オンライン教育に切替えました。
3年前より教室(集合型)と遠隔(オンライン型)をブレンドした教育に取り組んできたノウハウを活用し、業績面・教育面の双方においてコロナ禍の影響を全く受ける事なく運営し、2020年6月度のスクールイヤーを終了いたしました。
AJIS高等部門においては、コロナ禍により例年どおりの卒業式が挙行できないなか、卒業生と教員がVRソフト「Minecraft」で“手作り”した「バーチャルキャンパス」において「バーチャル卒業式」が行われ、例年夏期休暇期間中に実施するサマースクールについても「バーチャルキャンパス」を活用し実施されました。
また、AJIS光が丘キャンパスでは、夏季休暇期間において、総額約180百万円の設備投資を実施し、校舎1階と体育館を全面改装いたしました。その結果、一時費用として23百万円を計上いたしました。来年夏に第2段の校舎改装(2階以上部分)を実施し、学習環境の向上と1割超の定員増を実現する計画です。
新スクールイヤー(2020年8月開始~2021年7月終了)は、前年比47名増の生徒数565で開始いたしました。
バイリンガル幼児教育を展開する「アオバジャパン・バイリンガルプリスクール(以下「AJB」という。)」では、2020年4月に当社グループとして9拠点目となる「AJB中野キャンパス」を開校いたしました。更に、10拠点目となる「AJB下目黒キャンパス」の来春開設に向けた校舎設置の為の設備投資を行い、2拠点合わせ約92百万円の先行費用を投下いたしました。
一方、1~5歳を対象に通学を伴うAJBの既存キャンパスは、政府の緊急事態宣言に伴う縮小運営の要請に2020年2月末~5月末迄の期間応じたため、同期間において3割程度の減収となりましたが、2020年6月1日以降は通常運営を再開し、月次売上も前年並みに回復いたしました。
ケンブリッジ大学国際教育機構認定校である「ムサシインターナショナルスクール・トウキョウ※」(以下「MIST」という。)は、2020年5月、同機構から初等プログラム「Cambrige Primary」の認定校として承認されました。これにより、MISTは、同機構が認定する初等・中等・高等学校課程の全プログラムの認定校となりました(国内で4校目)。新スクールイヤー(2020年8月開始、2021年7月終了)においては、生徒数123名でスタートいたしました。当社グループが資本参加した2019年5月と比較して生徒数は約1.6倍に増加し、第2四半期累計期間までの営業損益が黒字化するなどの改善効果が確認されました。
なお、2021年1月8日に東京都に対し緊急事態宣言が発令されましたが、オンライン授業や分散登校等の新型コロナウイルス感染防止対策を行って開校しており、現在のところ大きな影響は出ておりません。また、2021年1月13日にAJB三鷹キャンパスが当社グループで7校目となる国際バカロレア(IB)初等教育プログラム(PYP)認定校となりました。当社グループは、今後も引き続き文部科学省が推進する国内のIB認定校を200校に増加する目標に貢献して参る方針です。
※ Little Angels学園株式会社は2021年1月1日付で株式会社Musashi International Educationに商号を変更し、「リトルエンジェルス・インターナショナルスクール(LAIS)」は「ムサシインターナショナルスクール・トウキョウ(MIST)」に名称を変更いたしました。
(2) 財政状態の分析
(資産)
当第3四半期連結会計期間末の流動資産につきましては、前連結会計年度末に比べ643百万円増加し、2,518百万円となりました。主な要因は、売掛金が20百万円減少したものの、現金及び預金が614百万円増加したことによるものであります。固定資産につきましては、前連結会計年度末に比べ25百万円増加し、6,016百万円となりました。主な要因は、無形固定資産が66百万円減少したものの、建物及び構築物等の増加により有形固定資産が100百万円増加したことによるものであります。
これらの結果、総資産は前連結会計年度末に比べ669百万円増加し、8,535百万円となりました。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末の負債につきましては、前連結会計年度末に比べ785百万円増加し、4,078百万円となりました。主な要因は、前受金が258百万円、長期借入金が246百万円、未払法人税等65百万円、資産除去債務53百万円、短期借入金47百万円、未払費用29百万円及び1年内返済予定の長期借入金23百万円が増加したことによるものであります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末の純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ116百万円減少し、4,457百万円となりました。主な要因は、剰余金の配当による株主資本152百万円の減少が、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上50百万円を上回ったことによるものであります。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財務状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事実上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
該当事項はありません。