有価証券報告書-第23期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴い、2020年4月に日本政府から一度目の緊急事態宣言が発令され、休業要請、学校閉鎖、Social Distancing、リモートワーク等により、全国規模で社会・経済活動が大きく停滞いたしました。5月末に緊急事態宣言は解除されたものの、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大は収束せず、2021年1月に再び発令されるに至りました。2度目の緊急事態宣言は2021年3月迄に解除されましたが、感染者数は下げ止まっておらず、収束の目途が立たないまま現在に至っております。また、世界全体で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が拡大する中において、2020年開催予定だった東京オリンピックは延期となり、アメリカでは2021年1月にバイデン新大統領が誕生し、同月のヨーロッパではイギリスがEUを離脱する等、我が国及び世界における今後の社会生活・経済活動の回復は、依然として不透明・不確実な状態が続いており、ワクチン接種の普及による新型コロナ禍の収束が待たれます。
一方、WithコロナからPostコロナ社会への移行が進む今後の数年間には、従来のデジタル・トランスフォーメーションの流れを、今般の新型コロナ禍が加速する形で、企業における働き方、人材育成のあり方や、大学・大学院等を始めとする学校運営において、以下に例示するような大規模な変革が起こりつつあります。
✓学校教育におけるオンライン化、デジタル化
✓企業の人材育成における集合研修からオンライン研修への移行
✓画一的な人材育成から個人のキャリアパスにカスタマイズした人材育成への移行
✓リモートワーク、JOB型雇用の普及に伴う社員の専門性を磨く教育の普及
✓企業のDXを担うデジタル人材や、ITと経営の両方に精通する人材ニーズの増加
✓不透明・不確実な状況下でリーダーシップと問題解決力を発揮する人材ニーズの増加
✓働き方や雇用形態の多様化に伴う社会人の学び直し、リカレント教育ニーズの増加
✓コロナ禍で大きなダメージを受けた業種・職種から、コロナ禍で事業機会が拡大した業種・職種への転職に必要とされるスキル、知識、素養の習得ニーズの増加
これらの変化は、1998年の創業以来、一貫してオンライン教育とグローバル人材育成に軸足を置き、1歳から企業経営者に至る全ての年齢層を対象に教育プログラムを提供してきた当社にとって、非常に大きな成長機会であると考えます。
また、当社が過去20数年間蓄積してきたノウハウ(オンライン教育における学習プラットフォーム、10,000時間超のコンテンツ・ライブラリィ、オンライン講座・研修の設計・開発・運営ノウハウ、グローバル人材育成の為の各種カリキュラム・プログラム体系など)は、上述した大規模な変革の実現を支援し、大きな価値を提供すると考えております。
当社グループは、今年度において、これらの成長機会を確実に獲得する為の投資を実施いたしました。また、今後数年間においても投資を継続し、中期的な観点からの事業拡大と企業価値の最大化を着実に進めてまいります。
(経営成績のポイント)
✓売上高は、コロナ禍による緊急事態宣言等の影響により、第1四半期において前年同期と比較して減少してスタートしましたが、企業研修のオンライン化ニーズを取り込み、インターナショナルスクールでは授業のオンライン化が円滑に対応できたことにより第2四半期から増加傾向が続き、通期として10期連続で過去最高を更新いたしました。
✓オンラインで運営するBBT大学経営学部、BBT大学大学院は、2020年の春期入学者、秋期入学者の合計が学部・大学院合わせて271名となり、前年の204名と比較して大幅に増加いたしました。2021年春期においては166名が入学いたしました。豪州のBOND大学と共同運営するBOND-BBT MBAプログラムにおいても、2020年9月期入学者が過去5年で最多の40名となり、2021年1月期の入学者数も38名と高水準を維持しております。
✓法人に対する研修・人材育成サービスは、集合研修からオンライン研修への需要シフト、個人別のオーダーメイドメニューやDX推進カリキュラムの新設等により新規案件が増加し、2021年3月期において新たに58社と取引を開始いたしました。
✓インターナショナルスクール(AJIS、SH)は、2020年3月以降、速やかにオンライン授業へ切り替え、6月末までは幼稚部以上の生徒を対象に通学を停止し、100%オンライン教育に切替えました。新型コロナウイルス感染防止対策を実施し、大きな支障なく運営することができました。先行投資としてAJIS光が丘キャンパスの改修工事を実施し、約23百万円の一時費用を計上したものの、前年と同水準の利益を確保しております。
✓1歳から6歳を対象とするバイリンガルプリスクール(AJB)は、政府・都の緊急事態宣言に応えて運営規模を縮小した影響で、2020年4月~5月の期間は減収、減益でしたが、6月1日以降は通常運営を再開し、通期で前年並みの売上、利益水準を確保いたしました。
✓2020年4月に9拠点目となる「AJB中野キャンパス」を開校、更に10拠点目となる「AJB下目黒キャンパス」の2021年4月開校のための設備投資を行い、2拠点で合計約128百万円の先行費用を投下しました。
✓AJIS、AJB、SHそれぞれの運営会社を合併する組織再編を行い、運営の効率化及び教育システムの共有化を進めました。
一方で、コロナ禍による変革期の到来をチャンスと捉え、リカレント教育事業における機能強化のためのシステム投資、プラットフォームサービス事業におけるキャンパスの改装や開校のための設備投資を積極的に実施した結果、先行費用が増加し、短期的に収益性が減少いたしました。
以上のことから、当連結累計年度における売上高は過去最高の5,888百万円(前年同期比5.1%増)、営業利益は200百万円(同25.1%増)、経常利益は200百万円(同7.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は100百万円(同128.5%増)となりました。
セグメント区分別の状況につきましては以下のとおりであります。
① リカレント教育
リカレント教育事業の売上高は連結累計年度として過去最高の3,036百万円(前年同期比4.5%増)、セグメント利益は97百万円(同103.7%増)となりました。BBT大学経営学部の2020年度の入学者は春期、秋期合計135名(前年同期比18.4%増)が入学し、2021年度春期も90名(前年同期比5.9%増)が入学いたしました。これは、コロナ禍でオンライン教育が再認識されたことや在学生と連携した広報活動が功奏し、2021年春期の専業学生の出願数が過去3年間で最多の46名(前年同期比64.3%増)となったことなどが要因です。また在学生へのサポートを一層強化した結果、休退学率が過去平均値から半減いたしました。
BBT大学大学院は、2020年夏に厚生労働省の教育訓練給付金の支給対象プログラムに指定され、2020年度の入学者は春期、秋期合計136名(前年同期比56.3%増)と大幅に増加いたしました。2021年度春期は2020年度に及ばないものの76名(前年同期比13.6%減)と高水準の入学者数となりました。
With/Postコロナ時代に備え、DX、問題解決力、リーダーシップ、人材管理、IT等の領域においてカリキュラムの改訂、強化を進め、2021年5月にはBBT大学院において「DXマネジメント人材養成講座」を新規開講いたしました。
BOND-BBT MBAプログラムにおいては2020年9月期に過去5年間で最多の40名が入学し、2021年1月期は38名が入学、2021年5月期についても高水準の入学者数でした。
また、当社ではアスリートの価値を最大限に高め、その価値を社会へ還元するプラットフォーム「アスリートオープンイノベーション構想」の実現を目指す、一般社団法人APOLO PROJECTの人材育成プログラム「A-MAP」の教育コンテンツ開発及び運営を受託しております。第1期生にサッカー、ラグビー、バスケットボール、大相撲、テニス界で活躍してきたアスリート等が2021年1月より受講を開始いたしました。
オープンカレッジ系講座においても、With/Postコロナ時代に対応する新たなプログラムを開始するなどの強化を行っております。問題解決力トレーニングプログラムでは、2020年6月にスポーツジムに通う感覚で自宅のオンライン環境下でビジネススキルを鍛える「BBTナイトGym」を開始いたしました。また、日常の身近な経営トピックを題材に、毎日10分でビジネスに役立つ力をつける「BBTルーティン」を2019年7月から提供しておりますが、同プログラムは複数企業の社員研修メニューに採用され、2021年1月に1,500名超まで受講者数を伸ばしております。これらのサブスクリプション・サービスの受講生からBBT大学、大学院や他のオープンカレッジ系プログラムへの出願が増加傾向にあります。「BBTナイトGym」は、文部科学省の日本型教育海外展開事業「EDU-Portニッポン」において、「コロナ禍における学びの継続に関する独自の取組事例」に採用されております。
リーダーシップ・アクションプログラムでは、コロナ禍においてリモートワークで成果を出す完全オンラインのチームビルディング研修「Good Team Building Program」及び「リモート時代に役立つリーダーシップ映像講義シリーズ」の2プログラムを2020年8月に、2020年12月に「リモートワーク時代の心身マネジメント映像講座シリーズ」を開講いたしました。
法人向け教育サービスにおいては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で集合型の研修が実施出来ず、第1四半期において研修プログラムのリスケジュールや実施方法を見直す既存顧客も一部見受けられましたが、その大半が上半期中のスケジュール調整等に留まりました。一方で従来集合型の新入社員研修や階層別研修を行ってきた企業から、当社が創業以来磨き上げてきた遠隔教育のノウハウに対する需要が高まり、新規顧客からの引き合いが増加いたしました。その結果、当連結累計年度の法人研修の受注総額は前年比115%超となり、新たに58社と取引を開始いたしました。
また、顧客企業の社員一人一人の専門性を磨くために、個人別に最適化したカリキュラムをオーダーメイドで提供する「BBTパーソナライズ」を2020年5月に開始しました。本プログラムは2021年1月の開講時における受講者数が100名を超えて好調に滑り出しました。導入した企業からの評価も高く、今後はAI技術を活用し、個人別カリキュラムを効率的に作成できる仕組みを作り、さらなる拡販を目指します。2021年4月からの新年度に向けては、企業の新入社員や若手社員、管理職といった階層へのオンライン集合研修ニーズに応える新サービスの開発を進めております。
約3,000名の経営人材を輩出している「大前経営塾」では、With/Postコロナ時代に求められる構想力、リーダーシップ、高く広範な経営の視座、深い思考力等の習得・強化のニーズが急速に高まった結果、年2回(4月、10月)いずれの開講期も過去最高水準となる100名超の受講生が参加し、2021年4月開講期においても170名の参加が決定いたしました。
2019年7月に当社グループに加わったITマネジメント領域の教育に特化した㈱ITプレナーズジャパン・アジアパシフィック(以下「ITPJ」という。)は、従来、売上高の約95%が集合研修の実施によるものですが、第1四半期は、コロナ禍により多くの顧客企業が集合研修の実施を見送ったため、月次売上が前年同月比で半減いたしました。しかしながら、当社のオンライン教育のノウハウを活用し、上半期中に全ての研修プログラムをオンラインへ切り替えた結果、第2四半期以降の月次売上は順調に回復基調をたどり、第3四半期以降は前年同月並みに推移しました。現在、コロナ禍で一層注目度が高まっているアジャイル型経営、Chief Digital Officerに求められる素養の習得等の領域において、新プログラムを準備しており、今後の当社グループ業績への貢献が期待されます。
なお、当事業セグメントにおいては、Postコロナ時代に向けた多様な働き方に対応するため、2021年3月より全従業員を対象に原則リモートワークとする制度を採用、その一環として、麹町オフィスの2フロアのうち、1階部分に大規模な改装を実施、同年5月に2階部分を全て解約いたしました。
② プラットフォームサービス
プラットフォームサービス事業の売上高は2,660百万円(前年同期比5.3%増)、セグメント利益は39百万円(同62.5%減)となり、第1四半期のビハインドを取り返し、黒字回復いたしました。
日本国内で5校目の国際バカロレア(IB)の全教育プログラムの認定校である「アオバジャパン・インターナショナルスクール」(以下「AJIS」という。)では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止のため、2020年2月末から6月末までの間、初等部以上の生徒を対象に通学を停止し、100%オンライン教育に切替えました。
3年前より教室(集合型)と遠隔(オンライン型)をブレンドした教育に取り組んできたノウハウを活用し、業績面・教育面の双方においてコロナ禍の影響を全く受ける事なく運営し、2020年6月度のスクールイヤーを終了いたしました。
AJIS高等部門においては、コロナ禍により例年どおりの卒業式が挙行できないなか、卒業生と教員がVRソフト「Minecraft」で“手作り”した「バーチャルキャンパス」において「バーチャル卒業式」が行われ、例年夏期休暇期間中に実施するサマースクールについても「バーチャルキャンパス」を活用し実施されました。
また、AJIS光が丘キャンパスでは、夏季休暇期間において、総額約180百万円の設備投資を実施し、校舎1階と体育館を全面改装いたしました。その結果、一時費用として23百万円を計上いたしました。2021年夏に第2段の校舎改装(2階以上部分)を実施し、学習環境の向上と1割超の定員増を実現する計画です。
新スクールイヤー(2020年8月開始~2021年7月終了)は、前年比47名増の生徒数565名で開始いたしました。
バイリンガル幼児教育を展開する「アオバジャパン・バイリンガルプリスクール(以下「AJB」という。)」では、2020年4月に当社グループとして9拠点目となる「AJB中野キャンパス」を開校、更に10拠点目となる「AJB下目黒キャンパス」の2021年4月に開校したため、校舎設置の為の設備投資を行い、2拠点合わせ約128百万円の先行費用を投下いたしました。
一方、1~6歳を対象に通学を伴うAJBの既存キャンパスは、政府の緊急事態宣言に伴う縮小運営の要請に2020年4月初旬~5月末迄の期間応じたため、同期間において3割程度の減収となりましたが、2020年6月1日以降は通常運営を再開し、月次売上も前年並みに推移いたしました。
また、2021年1月13日にAJB三鷹キャンパスが当社グループで7校目となる国際バカロレア(IB)初等教育プログラム(PYP)認定校となりました。当社グループは、今後も引き続き文部科学省が推進する国内のIB認定校を200校に増加する目標に貢献して参る方針です。
さらに、ケンブリッジ大学国際教育機構認定校である「ムサシインターナショナルスクール・トウキョウ※」(以下「MIST」という。)は、2020年5月、同機構から初等プログラム「Cambridge Primary」の認定校として承認されました。これにより、MISTは、国内で4校目となる同機構が認定する初等・中等・高等学校課程の全プログラムの認定校となりました。新スクールイヤー(2020年8月開始、2021年7月終了)においては、生徒数123名でスタートいたしました。当社グループが資本参加した2019年5月と比較して生徒数は約1.6倍に増加し、当連結累計年度において営業損益の黒字化の目途が確認されました。
なお、当事業セグメントにおきまして、インターナショナルスクール運営の効率化と、国際バカロレア(IB)全プログラム認定校による一貫したグローバル人材育成システムの構築を目的に、当社の完全子会社である㈱アオバインターナショナルエデュケイショナルシステムズが、2021 年3月1日を効力発生日として、同社の 100%子会社である現代幼児基礎教育開発㈱及び Summerhill International㈱ を吸収合併しております。
※ Little Angels学園㈱は2021年1月1日付で㈱Musashi International Educationに商号を変更し、「リトルエンジェルス・インターナショナルスクール(LAIS)」は「ムサシインターナショナルスクール・トウキョウ(MIST)」に名称を変更いたしました。
②財政状態に関する分析
(資産)
当連結会計年度末の流動資産につきましては、前連結会計年度末に比べ522百万円増加し、2,397百万円となりました。主な要因は、仕掛品が32百万円減少したものの、現金及び預金が548百万円、売掛金が17百万円増加したことによるものであります。固定資産につきましては、前連結会計年度末に比べ14百万円増加し、6,005百万円となりました。主な要因は、無形固定資産が150百万円減少したものの、投資その他の資産が85百万円及び有形固定資産が79百万円増加したことによるものであります。これらの結果、総資産は前連結会計年度末に比べ536百万円増加し、8,403百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末の負債につきましては、前連結会計年度末に比べ605百万円増加し、3,898百万円となりました。主な要因は、短期借入金が78百万円及び繰延税金負債が36百万円減少したものの、長期借入金が217百万円、前受金が181百万円、未払金が114百万円、未払法人税等が65百万円、資産除去債務が53百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ69百万円減少し、4,504百万円となりました。主な要因は、剰余金の配当152百万円が親会社株主に帰属する当期純利益の計上100百万円を上回ったことによるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ548百万円増加し、当連結会計年度末には1,893百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は869百万円(前年同期比165.1%増)となりました。主な要因は、減価償却費276百万円、前受金の増減額181百万円、のれん償却額103百万円及び税金等調整前当期純利益74百万円が法人税等の支払額71百万円を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は341百万円(同64.9%減)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出288百万円及び無形固定資産の取得による支出58百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は22百万円(同93.3%減)となりました。主な要因は、短期借入金の純減少額78百万円があったものの、長期借入金の純増加額(収入と支出の差額)252百万円が配当金の支払152百万円を上回ったことによるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
各指標の算出は以下の算式を使用しております。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
4.営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。
④生産、受注及び販売の実績
ⅰ 生産実績及び受注実績
当社グループは、遠隔型マネジメント教育及びインターナショナルスクールの運営等を主たる事業としており、提供するサービスの性格上、生産及び受注という形態をとっていないため、記載しておりません。
ⅱ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 相手先別の販売実績は、総販売実績に対し10%以上のものはありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点によるグループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績等
(売上高)
売上高は、過去最高の5,888百万円(前年同月比5.1%増)となりました。主な要因は、企業研修のオンライン化ニーズの取り込みや、インターナショナルスクール(AJIS、SH)の授業のオンライン化を円滑に対応することが出来たためであります。オンラインで運営するBBT大学経営学部、BBT大学大学院は2020年の春期、秋期入学者の合計が学部・大学院を合わせて271名となり、前年の204名と比較して大幅に増加いたしました。また、豪州のBOND大学と共同運営するBOND-BBT MBAプログラムにおいても2020年9月期入学者が過去5年間で最多の40名となりました。バイリンガルプリスクール(AJB)は政府・都の緊急事態宣言に応えて運営規模を縮小した影響で、2020年4月~5月の期間は減収、減益でしたが6月1日以降は通常運営を再開し、通期で前年並みの売上、利益水準を確保いたしました。
(営業費用及び営業利益)
売上原価及び販売費及び一般管理費を合計した営業費用は、前連結会計年度に比べ4.6%増の5,688百万円となりました。プラットフォームサービス事業において、AJIS光が丘キャンパスでは、校舎1階と体育館を全面改装し一時費用として23百万円を計上いたしました。また、2020年4月AJB中野キャンパス、2021年4月AJB下目黒キャンパスを開校した為、費用が新たに発生することになりました。
以上の結果、営業利益は前連結会計年度に比べ25.1%増の200百万円となりました。
(営業外損益及び経常利益)
営業外収益の合計額は、前連結会計年度に比べ54.2%減の20百万円となりました。主な要因は、前期「AJB芝浦キャンパス」の移転に伴う固定資産受贈益23百万円を計上していたためであります。
営業外費用の合計額は、前連結会計年度に比べ6.3%増の21百万円となりました。主な要因は、固定資産処分損及び、貸倒引当金繰入額は減少したものの、支払利息の増加に加え、事務所移転費用を計上したためであります。
以上の結果、経常利益は前連結会計年度に比べ7.7%増の200百万円となりました。
(特別損益及び税金等調整前当期純利益)
特別損失の合計額は、126百万円となりました。主な要因は、事業用資産と遊休資産の帳簿価額を回収可能額まで減額し減損損失を計上したためであります。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ60.2%減の74百万円となりました。
(税金費用、非支配株主に帰属する当期純損失および親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額を合計した税金費用は、税金等調整前当期純利益が前連結会計年度に比べ減益となったため前連結会計年度に比べ105.4%減の△8百万円となりました。
非支配株主に帰属する当期純損失は、2019年7月に新設分割した連結子会社である㈱ABSの非支配株主に帰属する損失△17百万円であります。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ128.5%増の100百万円となりました。
財政状態については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②財政状態に関する分析」に記載しています。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループのキャッシュ・フローの状況の分析については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
・資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要については、リカレント教育事業に関わる講師料、ロイヤリティ、コンテンツ制作費とプラットフォームサービス事業に関わる各インターナショナルスクールの教員人件費、教材費、生徒の送迎費用、給食費、衛生管理費、各事業に関わる広告宣伝費等の販売費及び一般管理費等があります。また、設備資金需要については、リカレント教育事業に関わる「AirCampus®」の機能強化、その他全社に関わる研修施設の維持・修繕とプラットフォームサービス事業に関わる新規拠点開発等があります。
また、当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入、新株式の発行等により資金調達を行っております。運転資金につきましては、営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入しており、有利子負債の調達に頼らない経営を行っております。投資資金につきましては、投資案件に応じて、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存借入金の返済状況等を考慮のうえで、金融機関からの借入や新株式の発行等から、調達手段・規模を適宜判断して実施しております。
加えて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の環境下においても安定的な経常運転資金枠を確保するため、取引金融機関2行と6億円(うち1億円使用)の当座貸越契約を締結し、必要に応じて資金調達を行っております。
自己株式につきましては、事業計画の進捗状況、当社グループの業績見通し、株価動向、財政状態及び金融市場等を総合的に勘案し取得をしていくこととしております。
③ 重要な会計方針及び見積り
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大は経済や企業活動に広範な影響を与える事象であり、当社グループではセグメントごとに一定の仮定に基づいて繰延税金資産の回収可能性やのれんの減損損失等の会計上の見積りを行っております。
リカレント教育事業においては、業種・業態に応じて、集合型企業研修、及び、オンラインと集合を組合わせたブレンド型企業研修の一部中止や延期等が当第1四半期連結会計期間に特に多く発生いたしました。
それ以降は、従来の集合型研修からオンライン研修への切り替えが進み、概ね安定的にオンライン中心の研修受注・提供が進みました。
また、BBT大学経営学部、同経営学研究科、BOND-BBT MBA等の学位を授与するプログラム、及び、問題解決力、リーダーシップ、株式資産形成等を学ぶオープン・カレッジ系講座については、従来から100%オンラインによる運営である為、当連結会計年度においては連結財務諸表に重要な影響はありませんでした。翌連結会計年度においても、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による重要な影響はないものと仮定しております。
プラットフォームサービス事業においては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大により、1~5歳を対象に通学を伴う認可外保育園であるAJBにおいて、政府の緊急事態宣言に伴う全国学校閉鎖及びSocial Distancing等の要請に応じて、2020年2月末以降、2020年5月末まで規模を大幅に縮小した運営を行いました。2020年6月以降は通常運営を再開し、月次売上も前年並みの水準で推移いたしました。翌連結会計年度においても、通期において同様の状況が続くと想定しております。
事業全般において、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の与える影響は不確実かつ不透明な要素が多く、翌連結会計年度の当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴い、2020年4月に日本政府から一度目の緊急事態宣言が発令され、休業要請、学校閉鎖、Social Distancing、リモートワーク等により、全国規模で社会・経済活動が大きく停滞いたしました。5月末に緊急事態宣言は解除されたものの、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大は収束せず、2021年1月に再び発令されるに至りました。2度目の緊急事態宣言は2021年3月迄に解除されましたが、感染者数は下げ止まっておらず、収束の目途が立たないまま現在に至っております。また、世界全体で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が拡大する中において、2020年開催予定だった東京オリンピックは延期となり、アメリカでは2021年1月にバイデン新大統領が誕生し、同月のヨーロッパではイギリスがEUを離脱する等、我が国及び世界における今後の社会生活・経済活動の回復は、依然として不透明・不確実な状態が続いており、ワクチン接種の普及による新型コロナ禍の収束が待たれます。
一方、WithコロナからPostコロナ社会への移行が進む今後の数年間には、従来のデジタル・トランスフォーメーションの流れを、今般の新型コロナ禍が加速する形で、企業における働き方、人材育成のあり方や、大学・大学院等を始めとする学校運営において、以下に例示するような大規模な変革が起こりつつあります。
✓学校教育におけるオンライン化、デジタル化
✓企業の人材育成における集合研修からオンライン研修への移行
✓画一的な人材育成から個人のキャリアパスにカスタマイズした人材育成への移行
✓リモートワーク、JOB型雇用の普及に伴う社員の専門性を磨く教育の普及
✓企業のDXを担うデジタル人材や、ITと経営の両方に精通する人材ニーズの増加
✓不透明・不確実な状況下でリーダーシップと問題解決力を発揮する人材ニーズの増加
✓働き方や雇用形態の多様化に伴う社会人の学び直し、リカレント教育ニーズの増加
✓コロナ禍で大きなダメージを受けた業種・職種から、コロナ禍で事業機会が拡大した業種・職種への転職に必要とされるスキル、知識、素養の習得ニーズの増加
これらの変化は、1998年の創業以来、一貫してオンライン教育とグローバル人材育成に軸足を置き、1歳から企業経営者に至る全ての年齢層を対象に教育プログラムを提供してきた当社にとって、非常に大きな成長機会であると考えます。
また、当社が過去20数年間蓄積してきたノウハウ(オンライン教育における学習プラットフォーム、10,000時間超のコンテンツ・ライブラリィ、オンライン講座・研修の設計・開発・運営ノウハウ、グローバル人材育成の為の各種カリキュラム・プログラム体系など)は、上述した大規模な変革の実現を支援し、大きな価値を提供すると考えております。
当社グループは、今年度において、これらの成長機会を確実に獲得する為の投資を実施いたしました。また、今後数年間においても投資を継続し、中期的な観点からの事業拡大と企業価値の最大化を着実に進めてまいります。
(経営成績のポイント)
✓売上高は、コロナ禍による緊急事態宣言等の影響により、第1四半期において前年同期と比較して減少してスタートしましたが、企業研修のオンライン化ニーズを取り込み、インターナショナルスクールでは授業のオンライン化が円滑に対応できたことにより第2四半期から増加傾向が続き、通期として10期連続で過去最高を更新いたしました。
✓オンラインで運営するBBT大学経営学部、BBT大学大学院は、2020年の春期入学者、秋期入学者の合計が学部・大学院合わせて271名となり、前年の204名と比較して大幅に増加いたしました。2021年春期においては166名が入学いたしました。豪州のBOND大学と共同運営するBOND-BBT MBAプログラムにおいても、2020年9月期入学者が過去5年で最多の40名となり、2021年1月期の入学者数も38名と高水準を維持しております。
✓法人に対する研修・人材育成サービスは、集合研修からオンライン研修への需要シフト、個人別のオーダーメイドメニューやDX推進カリキュラムの新設等により新規案件が増加し、2021年3月期において新たに58社と取引を開始いたしました。
✓インターナショナルスクール(AJIS、SH)は、2020年3月以降、速やかにオンライン授業へ切り替え、6月末までは幼稚部以上の生徒を対象に通学を停止し、100%オンライン教育に切替えました。新型コロナウイルス感染防止対策を実施し、大きな支障なく運営することができました。先行投資としてAJIS光が丘キャンパスの改修工事を実施し、約23百万円の一時費用を計上したものの、前年と同水準の利益を確保しております。
✓1歳から6歳を対象とするバイリンガルプリスクール(AJB)は、政府・都の緊急事態宣言に応えて運営規模を縮小した影響で、2020年4月~5月の期間は減収、減益でしたが、6月1日以降は通常運営を再開し、通期で前年並みの売上、利益水準を確保いたしました。
✓2020年4月に9拠点目となる「AJB中野キャンパス」を開校、更に10拠点目となる「AJB下目黒キャンパス」の2021年4月開校のための設備投資を行い、2拠点で合計約128百万円の先行費用を投下しました。
✓AJIS、AJB、SHそれぞれの運営会社を合併する組織再編を行い、運営の効率化及び教育システムの共有化を進めました。
一方で、コロナ禍による変革期の到来をチャンスと捉え、リカレント教育事業における機能強化のためのシステム投資、プラットフォームサービス事業におけるキャンパスの改装や開校のための設備投資を積極的に実施した結果、先行費用が増加し、短期的に収益性が減少いたしました。
以上のことから、当連結累計年度における売上高は過去最高の5,888百万円(前年同期比5.1%増)、営業利益は200百万円(同25.1%増)、経常利益は200百万円(同7.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は100百万円(同128.5%増)となりました。
セグメント区分別の状況につきましては以下のとおりであります。
① リカレント教育
リカレント教育事業の売上高は連結累計年度として過去最高の3,036百万円(前年同期比4.5%増)、セグメント利益は97百万円(同103.7%増)となりました。BBT大学経営学部の2020年度の入学者は春期、秋期合計135名(前年同期比18.4%増)が入学し、2021年度春期も90名(前年同期比5.9%増)が入学いたしました。これは、コロナ禍でオンライン教育が再認識されたことや在学生と連携した広報活動が功奏し、2021年春期の専業学生の出願数が過去3年間で最多の46名(前年同期比64.3%増)となったことなどが要因です。また在学生へのサポートを一層強化した結果、休退学率が過去平均値から半減いたしました。
BBT大学大学院は、2020年夏に厚生労働省の教育訓練給付金の支給対象プログラムに指定され、2020年度の入学者は春期、秋期合計136名(前年同期比56.3%増)と大幅に増加いたしました。2021年度春期は2020年度に及ばないものの76名(前年同期比13.6%減)と高水準の入学者数となりました。
With/Postコロナ時代に備え、DX、問題解決力、リーダーシップ、人材管理、IT等の領域においてカリキュラムの改訂、強化を進め、2021年5月にはBBT大学院において「DXマネジメント人材養成講座」を新規開講いたしました。
BOND-BBT MBAプログラムにおいては2020年9月期に過去5年間で最多の40名が入学し、2021年1月期は38名が入学、2021年5月期についても高水準の入学者数でした。
また、当社ではアスリートの価値を最大限に高め、その価値を社会へ還元するプラットフォーム「アスリートオープンイノベーション構想」の実現を目指す、一般社団法人APOLO PROJECTの人材育成プログラム「A-MAP」の教育コンテンツ開発及び運営を受託しております。第1期生にサッカー、ラグビー、バスケットボール、大相撲、テニス界で活躍してきたアスリート等が2021年1月より受講を開始いたしました。
オープンカレッジ系講座においても、With/Postコロナ時代に対応する新たなプログラムを開始するなどの強化を行っております。問題解決力トレーニングプログラムでは、2020年6月にスポーツジムに通う感覚で自宅のオンライン環境下でビジネススキルを鍛える「BBTナイトGym」を開始いたしました。また、日常の身近な経営トピックを題材に、毎日10分でビジネスに役立つ力をつける「BBTルーティン」を2019年7月から提供しておりますが、同プログラムは複数企業の社員研修メニューに採用され、2021年1月に1,500名超まで受講者数を伸ばしております。これらのサブスクリプション・サービスの受講生からBBT大学、大学院や他のオープンカレッジ系プログラムへの出願が増加傾向にあります。「BBTナイトGym」は、文部科学省の日本型教育海外展開事業「EDU-Portニッポン」において、「コロナ禍における学びの継続に関する独自の取組事例」に採用されております。
リーダーシップ・アクションプログラムでは、コロナ禍においてリモートワークで成果を出す完全オンラインのチームビルディング研修「Good Team Building Program」及び「リモート時代に役立つリーダーシップ映像講義シリーズ」の2プログラムを2020年8月に、2020年12月に「リモートワーク時代の心身マネジメント映像講座シリーズ」を開講いたしました。
法人向け教育サービスにおいては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で集合型の研修が実施出来ず、第1四半期において研修プログラムのリスケジュールや実施方法を見直す既存顧客も一部見受けられましたが、その大半が上半期中のスケジュール調整等に留まりました。一方で従来集合型の新入社員研修や階層別研修を行ってきた企業から、当社が創業以来磨き上げてきた遠隔教育のノウハウに対する需要が高まり、新規顧客からの引き合いが増加いたしました。その結果、当連結累計年度の法人研修の受注総額は前年比115%超となり、新たに58社と取引を開始いたしました。
また、顧客企業の社員一人一人の専門性を磨くために、個人別に最適化したカリキュラムをオーダーメイドで提供する「BBTパーソナライズ」を2020年5月に開始しました。本プログラムは2021年1月の開講時における受講者数が100名を超えて好調に滑り出しました。導入した企業からの評価も高く、今後はAI技術を活用し、個人別カリキュラムを効率的に作成できる仕組みを作り、さらなる拡販を目指します。2021年4月からの新年度に向けては、企業の新入社員や若手社員、管理職といった階層へのオンライン集合研修ニーズに応える新サービスの開発を進めております。
約3,000名の経営人材を輩出している「大前経営塾」では、With/Postコロナ時代に求められる構想力、リーダーシップ、高く広範な経営の視座、深い思考力等の習得・強化のニーズが急速に高まった結果、年2回(4月、10月)いずれの開講期も過去最高水準となる100名超の受講生が参加し、2021年4月開講期においても170名の参加が決定いたしました。
2019年7月に当社グループに加わったITマネジメント領域の教育に特化した㈱ITプレナーズジャパン・アジアパシフィック(以下「ITPJ」という。)は、従来、売上高の約95%が集合研修の実施によるものですが、第1四半期は、コロナ禍により多くの顧客企業が集合研修の実施を見送ったため、月次売上が前年同月比で半減いたしました。しかしながら、当社のオンライン教育のノウハウを活用し、上半期中に全ての研修プログラムをオンラインへ切り替えた結果、第2四半期以降の月次売上は順調に回復基調をたどり、第3四半期以降は前年同月並みに推移しました。現在、コロナ禍で一層注目度が高まっているアジャイル型経営、Chief Digital Officerに求められる素養の習得等の領域において、新プログラムを準備しており、今後の当社グループ業績への貢献が期待されます。
なお、当事業セグメントにおいては、Postコロナ時代に向けた多様な働き方に対応するため、2021年3月より全従業員を対象に原則リモートワークとする制度を採用、その一環として、麹町オフィスの2フロアのうち、1階部分に大規模な改装を実施、同年5月に2階部分を全て解約いたしました。
② プラットフォームサービス
プラットフォームサービス事業の売上高は2,660百万円(前年同期比5.3%増)、セグメント利益は39百万円(同62.5%減)となり、第1四半期のビハインドを取り返し、黒字回復いたしました。
日本国内で5校目の国際バカロレア(IB)の全教育プログラムの認定校である「アオバジャパン・インターナショナルスクール」(以下「AJIS」という。)では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止のため、2020年2月末から6月末までの間、初等部以上の生徒を対象に通学を停止し、100%オンライン教育に切替えました。
3年前より教室(集合型)と遠隔(オンライン型)をブレンドした教育に取り組んできたノウハウを活用し、業績面・教育面の双方においてコロナ禍の影響を全く受ける事なく運営し、2020年6月度のスクールイヤーを終了いたしました。
AJIS高等部門においては、コロナ禍により例年どおりの卒業式が挙行できないなか、卒業生と教員がVRソフト「Minecraft」で“手作り”した「バーチャルキャンパス」において「バーチャル卒業式」が行われ、例年夏期休暇期間中に実施するサマースクールについても「バーチャルキャンパス」を活用し実施されました。
また、AJIS光が丘キャンパスでは、夏季休暇期間において、総額約180百万円の設備投資を実施し、校舎1階と体育館を全面改装いたしました。その結果、一時費用として23百万円を計上いたしました。2021年夏に第2段の校舎改装(2階以上部分)を実施し、学習環境の向上と1割超の定員増を実現する計画です。
新スクールイヤー(2020年8月開始~2021年7月終了)は、前年比47名増の生徒数565名で開始いたしました。
バイリンガル幼児教育を展開する「アオバジャパン・バイリンガルプリスクール(以下「AJB」という。)」では、2020年4月に当社グループとして9拠点目となる「AJB中野キャンパス」を開校、更に10拠点目となる「AJB下目黒キャンパス」の2021年4月に開校したため、校舎設置の為の設備投資を行い、2拠点合わせ約128百万円の先行費用を投下いたしました。
一方、1~6歳を対象に通学を伴うAJBの既存キャンパスは、政府の緊急事態宣言に伴う縮小運営の要請に2020年4月初旬~5月末迄の期間応じたため、同期間において3割程度の減収となりましたが、2020年6月1日以降は通常運営を再開し、月次売上も前年並みに推移いたしました。
また、2021年1月13日にAJB三鷹キャンパスが当社グループで7校目となる国際バカロレア(IB)初等教育プログラム(PYP)認定校となりました。当社グループは、今後も引き続き文部科学省が推進する国内のIB認定校を200校に増加する目標に貢献して参る方針です。
さらに、ケンブリッジ大学国際教育機構認定校である「ムサシインターナショナルスクール・トウキョウ※」(以下「MIST」という。)は、2020年5月、同機構から初等プログラム「Cambridge Primary」の認定校として承認されました。これにより、MISTは、国内で4校目となる同機構が認定する初等・中等・高等学校課程の全プログラムの認定校となりました。新スクールイヤー(2020年8月開始、2021年7月終了)においては、生徒数123名でスタートいたしました。当社グループが資本参加した2019年5月と比較して生徒数は約1.6倍に増加し、当連結累計年度において営業損益の黒字化の目途が確認されました。
なお、当事業セグメントにおきまして、インターナショナルスクール運営の効率化と、国際バカロレア(IB)全プログラム認定校による一貫したグローバル人材育成システムの構築を目的に、当社の完全子会社である㈱アオバインターナショナルエデュケイショナルシステムズが、2021 年3月1日を効力発生日として、同社の 100%子会社である現代幼児基礎教育開発㈱及び Summerhill International㈱ を吸収合併しております。
※ Little Angels学園㈱は2021年1月1日付で㈱Musashi International Educationに商号を変更し、「リトルエンジェルス・インターナショナルスクール(LAIS)」は「ムサシインターナショナルスクール・トウキョウ(MIST)」に名称を変更いたしました。
②財政状態に関する分析
(資産)
当連結会計年度末の流動資産につきましては、前連結会計年度末に比べ522百万円増加し、2,397百万円となりました。主な要因は、仕掛品が32百万円減少したものの、現金及び預金が548百万円、売掛金が17百万円増加したことによるものであります。固定資産につきましては、前連結会計年度末に比べ14百万円増加し、6,005百万円となりました。主な要因は、無形固定資産が150百万円減少したものの、投資その他の資産が85百万円及び有形固定資産が79百万円増加したことによるものであります。これらの結果、総資産は前連結会計年度末に比べ536百万円増加し、8,403百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末の負債につきましては、前連結会計年度末に比べ605百万円増加し、3,898百万円となりました。主な要因は、短期借入金が78百万円及び繰延税金負債が36百万円減少したものの、長期借入金が217百万円、前受金が181百万円、未払金が114百万円、未払法人税等が65百万円、資産除去債務が53百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ69百万円減少し、4,504百万円となりました。主な要因は、剰余金の配当152百万円が親会社株主に帰属する当期純利益の計上100百万円を上回ったことによるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ548百万円増加し、当連結会計年度末には1,893百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は869百万円(前年同期比165.1%増)となりました。主な要因は、減価償却費276百万円、前受金の増減額181百万円、のれん償却額103百万円及び税金等調整前当期純利益74百万円が法人税等の支払額71百万円を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は341百万円(同64.9%減)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出288百万円及び無形固定資産の取得による支出58百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は22百万円(同93.3%減)となりました。主な要因は、短期借入金の純減少額78百万円があったものの、長期借入金の純増加額(収入と支出の差額)252百万円が配当金の支払152百万円を上回ったことによるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 2020年3月期 | 2021年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 57.7 | 53.4 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 60.3 | 73.7 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 4.5 | 1.9 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 26.2 | 65.7 |
各指標の算出は以下の算式を使用しております。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
4.営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。
④生産、受注及び販売の実績
ⅰ 生産実績及び受注実績
当社グループは、遠隔型マネジメント教育及びインターナショナルスクールの運営等を主たる事業としており、提供するサービスの性格上、生産及び受注という形態をとっていないため、記載しておりません。
ⅱ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| リカレント教育 | (千円) | 3,036,093 | 4.5 |
| プラットフォームサービス | (千円) | 2,660,759 | 5.3 |
| その他 | (千円) | 192,141 | 13.7 |
| 合計 | (千円) | 5,888,994 | 5.1 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 相手先別の販売実績は、総販売実績に対し10%以上のものはありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点によるグループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績等
(売上高)
売上高は、過去最高の5,888百万円(前年同月比5.1%増)となりました。主な要因は、企業研修のオンライン化ニーズの取り込みや、インターナショナルスクール(AJIS、SH)の授業のオンライン化を円滑に対応することが出来たためであります。オンラインで運営するBBT大学経営学部、BBT大学大学院は2020年の春期、秋期入学者の合計が学部・大学院を合わせて271名となり、前年の204名と比較して大幅に増加いたしました。また、豪州のBOND大学と共同運営するBOND-BBT MBAプログラムにおいても2020年9月期入学者が過去5年間で最多の40名となりました。バイリンガルプリスクール(AJB)は政府・都の緊急事態宣言に応えて運営規模を縮小した影響で、2020年4月~5月の期間は減収、減益でしたが6月1日以降は通常運営を再開し、通期で前年並みの売上、利益水準を確保いたしました。
(営業費用及び営業利益)
売上原価及び販売費及び一般管理費を合計した営業費用は、前連結会計年度に比べ4.6%増の5,688百万円となりました。プラットフォームサービス事業において、AJIS光が丘キャンパスでは、校舎1階と体育館を全面改装し一時費用として23百万円を計上いたしました。また、2020年4月AJB中野キャンパス、2021年4月AJB下目黒キャンパスを開校した為、費用が新たに発生することになりました。
以上の結果、営業利益は前連結会計年度に比べ25.1%増の200百万円となりました。
(営業外損益及び経常利益)
営業外収益の合計額は、前連結会計年度に比べ54.2%減の20百万円となりました。主な要因は、前期「AJB芝浦キャンパス」の移転に伴う固定資産受贈益23百万円を計上していたためであります。
営業外費用の合計額は、前連結会計年度に比べ6.3%増の21百万円となりました。主な要因は、固定資産処分損及び、貸倒引当金繰入額は減少したものの、支払利息の増加に加え、事務所移転費用を計上したためであります。
以上の結果、経常利益は前連結会計年度に比べ7.7%増の200百万円となりました。
(特別損益及び税金等調整前当期純利益)
特別損失の合計額は、126百万円となりました。主な要因は、事業用資産と遊休資産の帳簿価額を回収可能額まで減額し減損損失を計上したためであります。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ60.2%減の74百万円となりました。
(税金費用、非支配株主に帰属する当期純損失および親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額を合計した税金費用は、税金等調整前当期純利益が前連結会計年度に比べ減益となったため前連結会計年度に比べ105.4%減の△8百万円となりました。
非支配株主に帰属する当期純損失は、2019年7月に新設分割した連結子会社である㈱ABSの非支配株主に帰属する損失△17百万円であります。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ128.5%増の100百万円となりました。
財政状態については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②財政状態に関する分析」に記載しています。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループのキャッシュ・フローの状況の分析については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
・資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要については、リカレント教育事業に関わる講師料、ロイヤリティ、コンテンツ制作費とプラットフォームサービス事業に関わる各インターナショナルスクールの教員人件費、教材費、生徒の送迎費用、給食費、衛生管理費、各事業に関わる広告宣伝費等の販売費及び一般管理費等があります。また、設備資金需要については、リカレント教育事業に関わる「AirCampus®」の機能強化、その他全社に関わる研修施設の維持・修繕とプラットフォームサービス事業に関わる新規拠点開発等があります。
また、当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入、新株式の発行等により資金調達を行っております。運転資金につきましては、営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入しており、有利子負債の調達に頼らない経営を行っております。投資資金につきましては、投資案件に応じて、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存借入金の返済状況等を考慮のうえで、金融機関からの借入や新株式の発行等から、調達手段・規模を適宜判断して実施しております。
加えて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の環境下においても安定的な経常運転資金枠を確保するため、取引金融機関2行と6億円(うち1億円使用)の当座貸越契約を締結し、必要に応じて資金調達を行っております。
自己株式につきましては、事業計画の進捗状況、当社グループの業績見通し、株価動向、財政状態及び金融市場等を総合的に勘案し取得をしていくこととしております。
③ 重要な会計方針及び見積り
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大は経済や企業活動に広範な影響を与える事象であり、当社グループではセグメントごとに一定の仮定に基づいて繰延税金資産の回収可能性やのれんの減損損失等の会計上の見積りを行っております。
リカレント教育事業においては、業種・業態に応じて、集合型企業研修、及び、オンラインと集合を組合わせたブレンド型企業研修の一部中止や延期等が当第1四半期連結会計期間に特に多く発生いたしました。
それ以降は、従来の集合型研修からオンライン研修への切り替えが進み、概ね安定的にオンライン中心の研修受注・提供が進みました。
また、BBT大学経営学部、同経営学研究科、BOND-BBT MBA等の学位を授与するプログラム、及び、問題解決力、リーダーシップ、株式資産形成等を学ぶオープン・カレッジ系講座については、従来から100%オンラインによる運営である為、当連結会計年度においては連結財務諸表に重要な影響はありませんでした。翌連結会計年度においても、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による重要な影響はないものと仮定しております。
プラットフォームサービス事業においては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大により、1~5歳を対象に通学を伴う認可外保育園であるAJBにおいて、政府の緊急事態宣言に伴う全国学校閉鎖及びSocial Distancing等の要請に応じて、2020年2月末以降、2020年5月末まで規模を大幅に縮小した運営を行いました。2020年6月以降は通常運営を再開し、月次売上も前年並みの水準で推移いたしました。翌連結会計年度においても、通期において同様の状況が続くと想定しております。
事業全般において、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の与える影響は不確実かつ不透明な要素が多く、翌連結会計年度の当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。