有価証券報告書-第21期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米中の通商問題の動向や海外経済の不確実性等により先行き不透明な状況が続きました。また、わが国経済は、雇用・所得環境や企業収益の改善が続き、全体として緩やかな回復基調で推移いたしました。
このような状況のなか、学び直しが必要と考えるあらゆる年齢層に対し生涯にわたるリカレント教育を提供する当社グループは、「世界で活躍するグローバルリーダーの育成」をミッションとして、1歳から、幼小中高、大学、大学院、ビジネスパーソン、起業家、経営者に至るあらゆるセグメントに対して「答えの無い21世紀の社会をブレークスルーする」ための教育・学びを提供する「生涯学習のプラットフォーム」の展開に取り組んでまいりました。
当該年度はグループの更なる持続的成長に必要となる各種施策や布石の準備に取り組んだ一年となりました。当連結会計年度につきましては、売上高の伸長、事業ポートフォリオにおける中期的な観点からのリソースの再配分、それを支えるコスト構造の強化の推進による収益性向上に注力した結果、当連結会計年度における売上高は5,360百万円(前年同期比5.3%増)、営業利益は458百万円(同6.2%増)、経常利益は461百万円(同5.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は239百万円(同0.6%増)となり、売上高は過去最高を8期連続で更新し、営業利益、経常利益も3期連続で過去最高を更新いたしました。
(プラットフォームサービス)
「アオバジャパン・インターナショナルスクール(以下「A-JIS」という。)」では、国際バカロレア(IB)教育プログラム(PYP、MYP、DP)の認定校になって以降、初めてのディプロマ資格プログラム(DP)課程の修了生が卒業し、世界大学ランキング(Times Higher Education Ranking)で世界トップ10以内の大学へ合格者を輩出いたしました。また、本年度スクールイヤー(2018年8月下旬~翌年7月上旬)においては、当社グループがA-JISの運営に参画した2013年度当時の生徒数から倍増するまでに至りました。「A-JIS光が丘キャンパス」においては、こうした生徒数増により収容定員をほぼ充足したことから、今後も生徒の受入れができるよう、2~3年をかけて改装・改修するなどの設備投資を計画しております。
バイリンガル幼児教育を展開する「アオバジャパン・バイリンガルプリスクール(以下「AJB」という。)」では、6拠点目として、2018年4月に「AJB三鷹キャンパス」を開校いたしました。出願者数が当初計画を上回る推移をいたしました結果、在校生数は初年度で100名を超えました。また、開校1年目にして同年9月に国際バカロレア(IB)初等教育プログラム(PYP)候補校となりました。「AJB早稲田キャンパス」においては、2019年1月に国際バカロレア(IB)初等教育プログラム(PYP)の認定を取得いたしました。また、在校生数も堅調に推移し100名を超えました。
これまでの拠点展開とIB教育の導入・普及の取組みにより、各幼児教育拠点からA-JISへの出願率が例年1割強であったものが、今年度は3割を超える出願が見込めるなどグループとしてのシナジーが現れつつあります。これらの拠点がサテライトキャンパスとなり、その進学先がA-JISのキャンパスとなる、ハブ&スポーク方式の成長戦略が成果を出しつつあります。また、当社グループで初めて立地先や校舎物件の選定、内装、教員採用、生徒募集等も含めてゼロから立ち上げた「AJB三鷹キャンパス」が堅調に立上げと運営ができたことを受け、今後は幼児教育拠点の増設を、これまでの各年度1拠点のペースから加速することを計画しております。
なお、A-JISは「平成30年度 国際バカロレアに関する国内推進体制の整備」事業を文部科学省より受託し、「文部科学省IB教育推進コンソーシアム」の運営を開始いたしました。その活動の一環として、10月に「第1回国際バカロレアに関する国内推進体制の整備事業シンポジウム2018」、2019年3月に京都で「第2回国際バカロレアに関する国内推進体制の整備事業シンポジウム2018in京都」を開催し、IB教育に関心のある教育機関、教育者、保護者、学生、自治体関係者等の幅広い方々が参加するなか「IB教育の効果」、「日本の学校へ導入する際のポイント」、「IB教員の養成」等の情報発信と交流の場を設けるなどの活動を実施いたしました。
(マネジメント教育サービス)
当社は設立当初より、サプライチェーンマネジメント、国際会計基準や中国の経済成長をいち早く捉えたグローバルな経営戦略など、経営上特筆すべきことや将来の企業経営者が学ぶべきコンテンツを提供してまいりました。最近では、デジタル・ディスラプション、ブロックチェーン、人工知能(AI)の急速な進歩が、産業・経済構造にどのような影響を与えるのか、あるいは、シンギュラリティの時代を見据えた経営戦略、人材育成戦略などに関するコンテンツを企画・開発し提供しております。
これら最新の経営動向は、日々刻刻と変化しており、現在の社会人が学生時代に習得した知識だけでは対応できません。情報通信技術の進歩が急激な今、あらゆる産業で変革が起こり、その変化に対応するための学び直しが必要であります。企業が競争力を維持しつづけるためには、全国並びに世界の拠点で、あらゆる産業に対し、大規模な人数を対象に、同時に学ぶ機会を提供する必要があります。当社は、こうした学び(リカレント教育)を、当社のオンライン教育システム“AirCampus®”、1万時間以上の教育コンテンツ、及び、1万人以上の卒業生・修了生によって可能としております。また、当社は創業以来20年間、双方向の議論を重要視したオンライン教育システムを提供し続け、オンライン教育のノウハウと延べ10万人以上の受講記録をシステム上に蓄積して参りました。これらの資産は、高い価値を持つ人材育成のビッグデータとなりつつあります。今後、これらのビッグデータは、顧客サービスの向上に有効活用することによって、付加価値の源泉になると考えております。
当社グループは上記経緯のもとリカレント教育の創始者として、2018年4月に組織変更により法人営業の体制強化を行い、企業の人材教育におけるソリューション提供に注力いたしました。当該年度も殆どの大型案件が継続受注できました。さらに、企業経営者との経営課題に対する綿密なディスカッションを踏まえた提案等の営業活動の質向上により、取引高10百万円超の顧客は17社まで増加し、また、当該年度で新規アカウント54社を獲得するなど、BtoB向け取扱高は前期比30%強増加し堅調に推移いたしました。
BtoC向けのリカレント教育サービスにつきましては、社内に専門の部署を設置し、2019年度より本格的なプロモーション、リカレント体験プログラムの提供を行えるよう準備を行いました。体験プログラムでは1万時間以上あるコンテンツの中からその人にあった適切なカリキュラムを提示いたします。そのことにより個々人のキャリアアップのための能力開発を支援することが可能となります。また、ビジネス・ブレークスルー大学(以下、BBT大学という。)経営学部に設置した、21世紀のビジネスに求められる高度な知識や能力の再取得(学び直し)を目的とした働きながら受講できる「履修証明プログラム」(全8プログラムのうち5プログラム)が2018年4月より厚生労働省「専門実践教育訓練指定講座」に指定されました。
講座開講10周年を迎えたBBT大学オープンカレッジ「実践ビジネス英語講座(PEGL)」では、2018年7月の「初級コース」のリニューアルに続き、10月にビジネス・シーンにおける英語での雑談力(スモール・トーク)を鍛える「ビジネス・スモールトークコース」を新たに開講するなど教育サービスの拡充に取り組みました。
一方、BBT大学/大学院/オープンカレッジなどの教育プログラムのうち、個人受講比率の高い一部の教育プログラムが軟調に推移いたしました。BBT大学経営学部並びに大学院は、秋期入学者数は概ね前年同期並みであったものの春期入学者の募集に苦戦いたしました。その対策として教務面での受講生サポートを強化いたしました。その結果、BBT大学経営学部においては、2019年4月の総学生数が増加に転じるなど、回復の兆しが見られます。
(経営コンテンツメディアサービス)
創業時からのサービスである365日24時間経営コンテンツを視聴できる「ビジネス・ブレークスルー チャネル」では、これまでの衛星放送「スカパー!」を通じた配信方式において受信アンテナの設置環境に制限がありサービスを利用できない場合もあったことから、従前の配信方式による視聴環境に依存しないよう2018年12月より「Amazon Fire TV」を活用したインターネットTVに移行し、更なる視聴環境の向上を図りました。これにより同サービスの衛星放送番組配信にかかる映像放出費用を大幅に削減いたしました。
セグメントの業績につきましては、以下のとおりであります。
ⅰ マネジメント教育サービス
マネジメント教育サービス事業の売上高は2,601百万円(前年同期比6.3%減)、セグメント利益は23百万円(同84.8%減)となりました。法人向け教育サービスにおいて、前期に引き続き、大型案件を継続受注できたほか、既存取引先の深耕や新規取引先数が増加するなど堅調に推移したものの、一部の教育プログラムにおいて軟調に推移した結果、減収減益となりました。
ⅱ 経営コンテンツメディアサービス
経営コンテンツメディアサービス事業の売上高は283百万円(前年同期比2.6%減)、セグメント利益は178百万円(同14.9%増)となりました。BBT大学経営学部及びBBT大学大学院等の卒業生及び修了生が卒業または修了後の学びのために継続受講するコンテンツ視聴や有料会員サービス等が軟調に推移した一方で、管理体制を見直した結果、減収増益となりました。
ⅲ プラットフォームサービス
プラットフォームサービス事業の売上高は2,306百万円(前年同期比18.3%増)、セグメント利益は255百万円(同17.7%増)となりました。期首に現代幼児基礎教育開発㈱が「アオバジャパン・バイリンガルプリスクール 三鷹キャンパス」を開設したこと等で、増収増益となりました。
(ご参考1)
・国際バカロレア(IB)
インターナショナルスクールの卒業生に、国際的に認められる大学入学資格を与えるとともに、学生の柔軟な知性の育成と、国際理解教育の促進に資することを目的として1968年に国際バカロレア機構が発足されました。国際バカロレア機構は、スイスのジュネーブに本部を置き、認定校に対する共通カリキュラムの作成や国際バカロレア試験の実施及び国際バカロレア資格の授与などを行っています。
国際バカロレアには、3歳~19歳の子どもの年齢に応じて3つのプログラムがあります。
(1)PYP(Primary Years Programme:初等教育プログラム) 3歳~12歳
(2)MYP(Middle Years Programme:中等教育プログラム) 11歳~16歳
(3)DP(Diploma Programme:ディプロマ資格プログラム) 16歳~19歳
DPの課程を修了し、ディプロマ資格取得のための統一試験に合格することで、国際バカロレア資格を取得することができます。国際バカロレア資格は、国際的に認められている大学入学資格の1つであり、日本においても1979年に「スイス民法典に基づく財団法人である国際バカロレア事務局が授与する国際バカロレア資格を有する者で18歳に達したもの」について、大学入学に関し高等学校を卒業したものと同等以上の学力があると認められる者として指定されています。また、政府の「教育再生実行会議」においてもグローバル人材育成の環境整備のために、国際バカロレア認定校を200校まで大幅な増加を図る旨の提言がなされています。
(ご参考2)
アオバジャパン・バイリンガルプリスクール 三鷹キャンパスは、国際バカロレア(IB)「初等教育プログラム」(PYP)の候補校(※)です。
本校はIBワールドスクール(IB認定校)としての認定に向けた申請段階にあります。このIBワールドスクールとは、「質の高い、チャレンジに満ちた国際教育に信念をもって取り組むことにコミットする」という理念を共有する学校です。アオバジャパン・バイリンガルプリスクール 三鷹キャンパスも、このような教育に取り組むことが、生徒にとって重要なことであると信じています。
※IBの「初等教育プログラム」(PYP)、「中等教育プログラム」(MYP)、「ディプロマ資格プログラム」(DP)の3つのプログラム(及び「IBキャリア関連サーティフィケイト」)を実施することができるのは、国際バカロレア機構に認定された学校のみです。候補校であることは、IBワールドスクールとして認定されることを保証するものではありません。IB及びIBのプログラムの詳細については、ウェブサイト(http://www.ibo.org)をご覧ください。
②財政状態に関する分析
(資産)
当連結会計年度末の流動資産につきましては、前連結会計年度末に比べ126百万円減少し、2,182百万円となりました。主な要因は、売掛金が21百万円増加したものの、現金及び預金が81百万円及び未収消費税等が61百万円減少したことによるものであります。固定資産につきましては、前連結会計年度末に比べ67百万円減少し、5,232百万円となりました。主な要因は、有形固定資産が82百万円増加したものの、のれんの定期償却等で無形固定資産が93百万円及び投資その他の資産が56百万円減少したことによるものであります。
これらの結果、総資産は前連結会計年度末に比べ194百万円減少し、7,414百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末の負債につきましては、前連結会計年度末に比べ217百万円減少し、2,667百万円となりました。主な要因は、未払金が51百万円増加したものの、研修所の建設に係る借入金の返済で短期借入金が100百万円、1年内返済予定の長期借入金が50百万円、長期借入金が50百万円減少したほか、前受金が46百万円及び未払費用が37百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ23百万円増加し、4,746百万円となりました。主な要因は、株主資本が剰余金の配当142百万円及び自己株式の取得77百万円により減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上239百万円によって増加したことによるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ81百万円減少し、当連結会計年度末には1,612百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は688百万円(前年同期比7.8%増)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益464百万円、減価償却費251百万円及び未払又は未収消費税等の増減額143百万円による収入が、法人税等の支払額165百万円による支出を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は349百万円(同62.0%減)となりました。主な要因は、研修所の建設による有形固定資産の取得による支出309百万円、無形固定資産の取得による支出34百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は420百万円(前年同期は453百万円の獲得)となりました。主な要因は、研修所の建設に係る短期借入金の借換え及び返済による支出100百万円並びに長期借入金の返済による支出100百万円、前期の配当金の支払額142百万円、自己株式の取得による支出77百万円によるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
各指標の算出は以下の算式を使用しております。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・ガバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
4.営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。
④生産、受注及び販売の実績
ⅰ 生産実績及び受注実績
当社グループは、遠隔型マネジメント教育及びインターナショナルスクールの運営等を主たる事業としており、提供するサービスの性格上、生産及び受注という形態をとっていないため、記載しておりません。
ⅱ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 相手先別の販売実績は、総販売実績に対し10%以上のものはありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点によるグループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたって、連結決算日現在における財政状態並びに報告期間における経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える見積り及び判断を行う必要があります。当社グループでは、過去の実績や状況等を総合的に判断したうえで、合理的と考えられる見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、特に以下の会計方針が、報告期間における連結財務諸表の作成において使用される重要な見積りであるとともに、判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
ⅰ たな卸資産
たな卸資産の会計方針は、以下のとおりであります。
通常の販売目的で保有するたな卸資産
評価基準は原価法(収益性の低下による簿価切下げの方法)によっております。
仕掛品 番組制作仕掛品・コンテンツ制作品…個別法
コンテンツの二次利用による制作品…先入先出法
なお、当社グループは、コンテンツを利用した事業活動を行っており、コンテンツ制作費については、原則として全額費用化することとしておりますが、一部のコンテンツについては資産計上を行っております。
ⅱ 貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等の個別債権については個別に回収可能性等を勘案し、回収不能見込額を計上しております。将来、顧客の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
ⅲ 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の回収可能性を十分に検討し、回収可能な額を計上しておりますが、繰延税金資産の全部又は一部を将来実現できないと判断した場合には、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上いたします。
ⅳ のれん
当社グループは、のれんについて、その効果の発現する期間を見積り、20年間で定額償却しております。また、その資産性について子会社の業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初想定した収益等が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、当該連結会計年度においてのれんの減損処理を行う可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
ⅰ 当連結会計年度の経営成績等
(売上高)
売上高は、前連結会計年度に比べ5.3%増の5,360百万円となりました。主な要因は、プラットフォームサービス事業において「アオバジャパン・インターナショナルスクール(以下「A-JIS」という。)」の生徒数が順調に拡大したことに加え、期首に開校した「アオバジャパン・バイリンガルプリスクール 三鷹キャンパス」(東京都三鷹市)の好調な滑り出しが業績に寄与したことで、同事業の売上高が前連結会計年度を大きく上回る2,306百万円(前年同期比18.3%増)となったためであります。また、マネジメント教育サービス事業及び経営コンテンツメディアサービス事業(以下「遠隔教育事業」という。)においては、一部の教育プログラムが軟調に推移し個人向け売上高が1,508百万円(前年同期比13.3%減)となったものの、リカレント教育へのニーズが高まるなか、主力商品の法人向け販売が伸長した結果、既存取引先の深耕や新規案件の獲得などにより法人向け売上高が1,566百万円(同10.4%増)と好調に推移し、全体としては3,074百万円(同2.7%減)と微減に留まりました。
(営業費用及び営業利益)
売上原価及び販売費及び一般管理費を合計した営業費用は、前連結会計年度に比べ5.2%増の4,902百万円となりました。プラットフォームサービス事業において幼児教育拠点の拡大(10~15箇所)の一環として前述の拠点の本格稼働に伴い幼児園の運営費が増加したことなどの費用増加要因に対して、遠隔教育事業を中心に、継続的な全社規模での教育プログラムの点検、生産性の向上、コスト構造の見直し等を実施し、収益性の改善を図った結果、営業費用は前連結会計年度に比べ売上高の増加率と同等に留まりました。
以上の結果、営業利益は前連結会計年度に比べ6.2%増の458百万円となりました。
(営業外損益及び経常利益)
営業外収益の合計額は、前連結会計年度に比べ6.0%増の17百万円となりました。主な要因は、前連結会計年度に比べインターナショナルスクールに通う学生のご父兄からの寄付金収入が減少したものの、非連結子会社からの業務受託料等が増加したためであります。
営業外費用の合計額は、前連結会計年度に比べ50.3%増の14百万円となりました。主な要因は、前連結会計年度に比べ事業創出を後押しするために出資を行うスタートアップ起業家支援プロジェクト、「背中をポンと押すファンド(SPOF)」銘柄の投資有価証券評価損及びソフトウェア等の固定資産除却損が増加したためであります。
以上の結果、経常利益は前連結会計年度に比べ5.2%増の461百万円となりました。
(特別損益及び税金等調整前当期純利益)
特別利益は、当連結会計年度にA-JISのスクールバスの処分に伴う固定資産売却益3百万円であります。
特別損失は、当連結会計年度の計上はありませんでした。なお、前連結会計年度の特別損失は、保有資産の再評価による減損損失45百万円であります。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ18.5%増の464百万円となりました。
(税金費用及び親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額を合計した税金費用は、税金等調整前当期純利益が前連結会計年度に比べ増益となったため前連結会計年度に比べ46.0%増の225百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ0.6%増の239百万円となりました。
ⅱ 経営成績に重要な影響を与える要因
(事業環境要因)
当社グループの経営に影響を与える大きな要因として、IT動向、教育動向等があります。
IT動向につきましては、当社グループの遠隔教育事業がコンピューター及びインターネット技術に密接に関連していることから、エデュテック・IoT等の市場拡大に顕著なように教育業界、IT業界だけにとどまらずあらゆる産業分野と競合するかたちで、コンピューター及びインターネットの普及・技術動向、法的規制や関連するシステム及びセキュリティ技術等の技術革新の著しい変化に対応する必要があると認識しております。人生100年時代や第4次産業革命を背景にリカレント教育が社会人を中心に高まり、企業における人材育成と費用対効果の高い効率的な研修が求められるなか、テクノロジーの進化に伴い、当社グループが強みとするeラーニングと集合型を組み合わせたブレンド型研修へのニーズを着実にとらえ、企業の多様なニーズに対応した人材開発ソリューションを提供してまいります。
また、当社グループは事業規模の拡大と利益増大を伴う成長を維持・発展するために、人員の確保と育成の充実を目的に、人事関連活動の強化に努めております。また、こうしたITシステムへの依存度の増大に伴い、技術不正や故障、天災やヒューマンエラー、情報漏洩や技術流出等のリスクを最小限に抑えるため、企業統治・業務執行体制を高度化してまいります。
教育動向につきましては、当社グループが教育事業を行っていることから、国及び自治体の教育政策と密接に関係があります。前述のBBT大学が特区内での開学が要件であるほか、文部科学省による国際バカロレア(IB)の普及・拡大政策、厚生労働省の教育訓練給付金制度、文部科学省や自治体の入園・就学支援助成金制度等の動向によっては追い風にも逆風にもなりえます。従い、これら公的教育政策の動向を見極めつつ、公的支援政策の有無に左右されない事業体質にすべく、先駆的な教育の追求による教育品質の向上を目指してまいります。また、経済社会のグローバル化や労働力としてAIやロボットの活用領域が深まることが予測されるなか、より付加価値の高い領域で個人の能力を高め発揮するためにも幅広い年齢層が働きながら学び直す機会、特に英語による多国籍でのコミュニケーションによる機会が求められております。こうした動向の変化に対し、エデュテック・IoT等の活用を通じて教育の生産性向上並びに社会人、企業が求めるリカレント教育の充実に取り組んでまいります。
(収益変動要因)
当社グループでは、過去に実施した企業買収等による「のれん」や展開する拠点に係る「土地」、「建物」等を資産として計上しており、各事業の収益性が著しく低下した場合、これらの資産について減損会計の適用に伴う損失処理の発生によって当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、各事業並びに各拠点いずれも当初期待した成果が実現されており、現時点では業績に与える影響はほとんどありません。
ⅲ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要については、遠隔教育事業に関わる講師料、ロイヤリティ、コンテンツ制作費とプラットフォームサービス事業に関わる各インターナショナルスクールの教員人件費、教材費、生徒の送迎費用、給食費、衛生管理費、各事業に関わる広告宣伝費等の販売費及び一般管理費等があります。また、設備資金需要については、遠隔教育事業に関わる“AirCampus®”の機能強化、その他全社に関わる研修施設の維持・修繕とプラットフォームサービス事業に関わる新規拠点開発等があります。
また、当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入、新株式の発行等により資金調達を行っております。運転資金につきましては、営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入しており、有利子負債の調達に頼らない経営を行っております。投資資金につきましては、投資案件に応じて、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存借入金の返済状況等を考慮のうえで、金融機関からの借入や新株式の発行等から、調達手段・規模を適宜判断して実施しております。
自己株式につきましては、事業計画の進捗状況、当社グループの業績見通し、株価動向、財政状態及び金融市場等を総合的に勘案し取得をしていくこととしております。
ⅳ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、グループ全体でのシナジーを追求し、1歳から大学、大学院、社会人に至るまでのグローバルリーダー育成教育の世界標準として、「生涯教育プラットフォーム」の更なる発展、充実を目指しております。その方針のもと、プラットフォームサービス事業の強化と共に、コア事業であるマネジメント教育サービス事業の拡大に法人営業の強化を戦略テーマとして邁進し、各事業の継続的な拡大を通じて新しい付加価値を創出し、企業価値を向上させてまいります。
経営指標としては主に「売上高」及び「営業利益」をグループ全体の成長を示す経営指標と位置づけております。これらの経営指標について、売上高は8期連続で、営業利益は3期連続で過去最高を更新し、来年度は先行投資年度として保守的な業績を見込んでいるものの、中長期的には更なる成長を見込んでおります。
以上により、当社グループの業績は概ね順調に推移していると認識しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米中の通商問題の動向や海外経済の不確実性等により先行き不透明な状況が続きました。また、わが国経済は、雇用・所得環境や企業収益の改善が続き、全体として緩やかな回復基調で推移いたしました。
このような状況のなか、学び直しが必要と考えるあらゆる年齢層に対し生涯にわたるリカレント教育を提供する当社グループは、「世界で活躍するグローバルリーダーの育成」をミッションとして、1歳から、幼小中高、大学、大学院、ビジネスパーソン、起業家、経営者に至るあらゆるセグメントに対して「答えの無い21世紀の社会をブレークスルーする」ための教育・学びを提供する「生涯学習のプラットフォーム」の展開に取り組んでまいりました。
当該年度はグループの更なる持続的成長に必要となる各種施策や布石の準備に取り組んだ一年となりました。当連結会計年度につきましては、売上高の伸長、事業ポートフォリオにおける中期的な観点からのリソースの再配分、それを支えるコスト構造の強化の推進による収益性向上に注力した結果、当連結会計年度における売上高は5,360百万円(前年同期比5.3%増)、営業利益は458百万円(同6.2%増)、経常利益は461百万円(同5.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は239百万円(同0.6%増)となり、売上高は過去最高を8期連続で更新し、営業利益、経常利益も3期連続で過去最高を更新いたしました。
(プラットフォームサービス)
「アオバジャパン・インターナショナルスクール(以下「A-JIS」という。)」では、国際バカロレア(IB)教育プログラム(PYP、MYP、DP)の認定校になって以降、初めてのディプロマ資格プログラム(DP)課程の修了生が卒業し、世界大学ランキング(Times Higher Education Ranking)で世界トップ10以内の大学へ合格者を輩出いたしました。また、本年度スクールイヤー(2018年8月下旬~翌年7月上旬)においては、当社グループがA-JISの運営に参画した2013年度当時の生徒数から倍増するまでに至りました。「A-JIS光が丘キャンパス」においては、こうした生徒数増により収容定員をほぼ充足したことから、今後も生徒の受入れができるよう、2~3年をかけて改装・改修するなどの設備投資を計画しております。
バイリンガル幼児教育を展開する「アオバジャパン・バイリンガルプリスクール(以下「AJB」という。)」では、6拠点目として、2018年4月に「AJB三鷹キャンパス」を開校いたしました。出願者数が当初計画を上回る推移をいたしました結果、在校生数は初年度で100名を超えました。また、開校1年目にして同年9月に国際バカロレア(IB)初等教育プログラム(PYP)候補校となりました。「AJB早稲田キャンパス」においては、2019年1月に国際バカロレア(IB)初等教育プログラム(PYP)の認定を取得いたしました。また、在校生数も堅調に推移し100名を超えました。
これまでの拠点展開とIB教育の導入・普及の取組みにより、各幼児教育拠点からA-JISへの出願率が例年1割強であったものが、今年度は3割を超える出願が見込めるなどグループとしてのシナジーが現れつつあります。これらの拠点がサテライトキャンパスとなり、その進学先がA-JISのキャンパスとなる、ハブ&スポーク方式の成長戦略が成果を出しつつあります。また、当社グループで初めて立地先や校舎物件の選定、内装、教員採用、生徒募集等も含めてゼロから立ち上げた「AJB三鷹キャンパス」が堅調に立上げと運営ができたことを受け、今後は幼児教育拠点の増設を、これまでの各年度1拠点のペースから加速することを計画しております。
なお、A-JISは「平成30年度 国際バカロレアに関する国内推進体制の整備」事業を文部科学省より受託し、「文部科学省IB教育推進コンソーシアム」の運営を開始いたしました。その活動の一環として、10月に「第1回国際バカロレアに関する国内推進体制の整備事業シンポジウム2018」、2019年3月に京都で「第2回国際バカロレアに関する国内推進体制の整備事業シンポジウム2018in京都」を開催し、IB教育に関心のある教育機関、教育者、保護者、学生、自治体関係者等の幅広い方々が参加するなか「IB教育の効果」、「日本の学校へ導入する際のポイント」、「IB教員の養成」等の情報発信と交流の場を設けるなどの活動を実施いたしました。
(マネジメント教育サービス)
当社は設立当初より、サプライチェーンマネジメント、国際会計基準や中国の経済成長をいち早く捉えたグローバルな経営戦略など、経営上特筆すべきことや将来の企業経営者が学ぶべきコンテンツを提供してまいりました。最近では、デジタル・ディスラプション、ブロックチェーン、人工知能(AI)の急速な進歩が、産業・経済構造にどのような影響を与えるのか、あるいは、シンギュラリティの時代を見据えた経営戦略、人材育成戦略などに関するコンテンツを企画・開発し提供しております。
これら最新の経営動向は、日々刻刻と変化しており、現在の社会人が学生時代に習得した知識だけでは対応できません。情報通信技術の進歩が急激な今、あらゆる産業で変革が起こり、その変化に対応するための学び直しが必要であります。企業が競争力を維持しつづけるためには、全国並びに世界の拠点で、あらゆる産業に対し、大規模な人数を対象に、同時に学ぶ機会を提供する必要があります。当社は、こうした学び(リカレント教育)を、当社のオンライン教育システム“AirCampus®”、1万時間以上の教育コンテンツ、及び、1万人以上の卒業生・修了生によって可能としております。また、当社は創業以来20年間、双方向の議論を重要視したオンライン教育システムを提供し続け、オンライン教育のノウハウと延べ10万人以上の受講記録をシステム上に蓄積して参りました。これらの資産は、高い価値を持つ人材育成のビッグデータとなりつつあります。今後、これらのビッグデータは、顧客サービスの向上に有効活用することによって、付加価値の源泉になると考えております。
当社グループは上記経緯のもとリカレント教育の創始者として、2018年4月に組織変更により法人営業の体制強化を行い、企業の人材教育におけるソリューション提供に注力いたしました。当該年度も殆どの大型案件が継続受注できました。さらに、企業経営者との経営課題に対する綿密なディスカッションを踏まえた提案等の営業活動の質向上により、取引高10百万円超の顧客は17社まで増加し、また、当該年度で新規アカウント54社を獲得するなど、BtoB向け取扱高は前期比30%強増加し堅調に推移いたしました。
BtoC向けのリカレント教育サービスにつきましては、社内に専門の部署を設置し、2019年度より本格的なプロモーション、リカレント体験プログラムの提供を行えるよう準備を行いました。体験プログラムでは1万時間以上あるコンテンツの中からその人にあった適切なカリキュラムを提示いたします。そのことにより個々人のキャリアアップのための能力開発を支援することが可能となります。また、ビジネス・ブレークスルー大学(以下、BBT大学という。)経営学部に設置した、21世紀のビジネスに求められる高度な知識や能力の再取得(学び直し)を目的とした働きながら受講できる「履修証明プログラム」(全8プログラムのうち5プログラム)が2018年4月より厚生労働省「専門実践教育訓練指定講座」に指定されました。
講座開講10周年を迎えたBBT大学オープンカレッジ「実践ビジネス英語講座(PEGL)」では、2018年7月の「初級コース」のリニューアルに続き、10月にビジネス・シーンにおける英語での雑談力(スモール・トーク)を鍛える「ビジネス・スモールトークコース」を新たに開講するなど教育サービスの拡充に取り組みました。
一方、BBT大学/大学院/オープンカレッジなどの教育プログラムのうち、個人受講比率の高い一部の教育プログラムが軟調に推移いたしました。BBT大学経営学部並びに大学院は、秋期入学者数は概ね前年同期並みであったものの春期入学者の募集に苦戦いたしました。その対策として教務面での受講生サポートを強化いたしました。その結果、BBT大学経営学部においては、2019年4月の総学生数が増加に転じるなど、回復の兆しが見られます。
(経営コンテンツメディアサービス)
創業時からのサービスである365日24時間経営コンテンツを視聴できる「ビジネス・ブレークスルー チャネル」では、これまでの衛星放送「スカパー!」を通じた配信方式において受信アンテナの設置環境に制限がありサービスを利用できない場合もあったことから、従前の配信方式による視聴環境に依存しないよう2018年12月より「Amazon Fire TV」を活用したインターネットTVに移行し、更なる視聴環境の向上を図りました。これにより同サービスの衛星放送番組配信にかかる映像放出費用を大幅に削減いたしました。
セグメントの業績につきましては、以下のとおりであります。
ⅰ マネジメント教育サービス
マネジメント教育サービス事業の売上高は2,601百万円(前年同期比6.3%減)、セグメント利益は23百万円(同84.8%減)となりました。法人向け教育サービスにおいて、前期に引き続き、大型案件を継続受注できたほか、既存取引先の深耕や新規取引先数が増加するなど堅調に推移したものの、一部の教育プログラムにおいて軟調に推移した結果、減収減益となりました。
ⅱ 経営コンテンツメディアサービス
経営コンテンツメディアサービス事業の売上高は283百万円(前年同期比2.6%減)、セグメント利益は178百万円(同14.9%増)となりました。BBT大学経営学部及びBBT大学大学院等の卒業生及び修了生が卒業または修了後の学びのために継続受講するコンテンツ視聴や有料会員サービス等が軟調に推移した一方で、管理体制を見直した結果、減収増益となりました。
ⅲ プラットフォームサービス
プラットフォームサービス事業の売上高は2,306百万円(前年同期比18.3%増)、セグメント利益は255百万円(同17.7%増)となりました。期首に現代幼児基礎教育開発㈱が「アオバジャパン・バイリンガルプリスクール 三鷹キャンパス」を開設したこと等で、増収増益となりました。
(ご参考1)
・国際バカロレア(IB)
インターナショナルスクールの卒業生に、国際的に認められる大学入学資格を与えるとともに、学生の柔軟な知性の育成と、国際理解教育の促進に資することを目的として1968年に国際バカロレア機構が発足されました。国際バカロレア機構は、スイスのジュネーブに本部を置き、認定校に対する共通カリキュラムの作成や国際バカロレア試験の実施及び国際バカロレア資格の授与などを行っています。
国際バカロレアには、3歳~19歳の子どもの年齢に応じて3つのプログラムがあります。
(1)PYP(Primary Years Programme:初等教育プログラム) 3歳~12歳
(2)MYP(Middle Years Programme:中等教育プログラム) 11歳~16歳
(3)DP(Diploma Programme:ディプロマ資格プログラム) 16歳~19歳
DPの課程を修了し、ディプロマ資格取得のための統一試験に合格することで、国際バカロレア資格を取得することができます。国際バカロレア資格は、国際的に認められている大学入学資格の1つであり、日本においても1979年に「スイス民法典に基づく財団法人である国際バカロレア事務局が授与する国際バカロレア資格を有する者で18歳に達したもの」について、大学入学に関し高等学校を卒業したものと同等以上の学力があると認められる者として指定されています。また、政府の「教育再生実行会議」においてもグローバル人材育成の環境整備のために、国際バカロレア認定校を200校まで大幅な増加を図る旨の提言がなされています。
(ご参考2)
アオバジャパン・バイリンガルプリスクール 三鷹キャンパスは、国際バカロレア(IB)「初等教育プログラム」(PYP)の候補校(※)です。
本校はIBワールドスクール(IB認定校)としての認定に向けた申請段階にあります。このIBワールドスクールとは、「質の高い、チャレンジに満ちた国際教育に信念をもって取り組むことにコミットする」という理念を共有する学校です。アオバジャパン・バイリンガルプリスクール 三鷹キャンパスも、このような教育に取り組むことが、生徒にとって重要なことであると信じています。
※IBの「初等教育プログラム」(PYP)、「中等教育プログラム」(MYP)、「ディプロマ資格プログラム」(DP)の3つのプログラム(及び「IBキャリア関連サーティフィケイト」)を実施することができるのは、国際バカロレア機構に認定された学校のみです。候補校であることは、IBワールドスクールとして認定されることを保証するものではありません。IB及びIBのプログラムの詳細については、ウェブサイト(http://www.ibo.org)をご覧ください。
②財政状態に関する分析
(資産)
当連結会計年度末の流動資産につきましては、前連結会計年度末に比べ126百万円減少し、2,182百万円となりました。主な要因は、売掛金が21百万円増加したものの、現金及び預金が81百万円及び未収消費税等が61百万円減少したことによるものであります。固定資産につきましては、前連結会計年度末に比べ67百万円減少し、5,232百万円となりました。主な要因は、有形固定資産が82百万円増加したものの、のれんの定期償却等で無形固定資産が93百万円及び投資その他の資産が56百万円減少したことによるものであります。
これらの結果、総資産は前連結会計年度末に比べ194百万円減少し、7,414百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末の負債につきましては、前連結会計年度末に比べ217百万円減少し、2,667百万円となりました。主な要因は、未払金が51百万円増加したものの、研修所の建設に係る借入金の返済で短期借入金が100百万円、1年内返済予定の長期借入金が50百万円、長期借入金が50百万円減少したほか、前受金が46百万円及び未払費用が37百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ23百万円増加し、4,746百万円となりました。主な要因は、株主資本が剰余金の配当142百万円及び自己株式の取得77百万円により減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上239百万円によって増加したことによるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ81百万円減少し、当連結会計年度末には1,612百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は688百万円(前年同期比7.8%増)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益464百万円、減価償却費251百万円及び未払又は未収消費税等の増減額143百万円による収入が、法人税等の支払額165百万円による支出を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は349百万円(同62.0%減)となりました。主な要因は、研修所の建設による有形固定資産の取得による支出309百万円、無形固定資産の取得による支出34百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は420百万円(前年同期は453百万円の獲得)となりました。主な要因は、研修所の建設に係る短期借入金の借換え及び返済による支出100百万円並びに長期借入金の返済による支出100百万円、前期の配当金の支払額142百万円、自己株式の取得による支出77百万円によるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 2018年3月期 | 2019年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 62.1 | 64.0 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 89.7 | 72.6 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 1.8 | 1.3 |
| インタレスト・ガバレッジ・レシオ(倍) | 154.2 | 150.9 |
各指標の算出は以下の算式を使用しております。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・ガバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
4.営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。
④生産、受注及び販売の実績
ⅰ 生産実績及び受注実績
当社グループは、遠隔型マネジメント教育及びインターナショナルスクールの運営等を主たる事業としており、提供するサービスの性格上、生産及び受注という形態をとっていないため、記載しておりません。
ⅱ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| マネジメント教育サービス | (千円) | 2,582,526 | △6.2 |
| 経営コンテンツメディアサービス | (千円) | 275,734 | △2.3 |
| プラットフォームサービス | (千円) | 2,306,521 | 18.3 |
| その他 | (千円) | 195,872 | 85.3 |
| 合計 | (千円) | 5,360,654 | 5.3 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 相手先別の販売実績は、総販売実績に対し10%以上のものはありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点によるグループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたって、連結決算日現在における財政状態並びに報告期間における経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える見積り及び判断を行う必要があります。当社グループでは、過去の実績や状況等を総合的に判断したうえで、合理的と考えられる見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、特に以下の会計方針が、報告期間における連結財務諸表の作成において使用される重要な見積りであるとともに、判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
ⅰ たな卸資産
たな卸資産の会計方針は、以下のとおりであります。
通常の販売目的で保有するたな卸資産
評価基準は原価法(収益性の低下による簿価切下げの方法)によっております。
仕掛品 番組制作仕掛品・コンテンツ制作品…個別法
コンテンツの二次利用による制作品…先入先出法
なお、当社グループは、コンテンツを利用した事業活動を行っており、コンテンツ制作費については、原則として全額費用化することとしておりますが、一部のコンテンツについては資産計上を行っております。
ⅱ 貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等の個別債権については個別に回収可能性等を勘案し、回収不能見込額を計上しております。将来、顧客の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
ⅲ 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の回収可能性を十分に検討し、回収可能な額を計上しておりますが、繰延税金資産の全部又は一部を将来実現できないと判断した場合には、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上いたします。
ⅳ のれん
当社グループは、のれんについて、その効果の発現する期間を見積り、20年間で定額償却しております。また、その資産性について子会社の業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初想定した収益等が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、当該連結会計年度においてのれんの減損処理を行う可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
ⅰ 当連結会計年度の経営成績等
(売上高)
売上高は、前連結会計年度に比べ5.3%増の5,360百万円となりました。主な要因は、プラットフォームサービス事業において「アオバジャパン・インターナショナルスクール(以下「A-JIS」という。)」の生徒数が順調に拡大したことに加え、期首に開校した「アオバジャパン・バイリンガルプリスクール 三鷹キャンパス」(東京都三鷹市)の好調な滑り出しが業績に寄与したことで、同事業の売上高が前連結会計年度を大きく上回る2,306百万円(前年同期比18.3%増)となったためであります。また、マネジメント教育サービス事業及び経営コンテンツメディアサービス事業(以下「遠隔教育事業」という。)においては、一部の教育プログラムが軟調に推移し個人向け売上高が1,508百万円(前年同期比13.3%減)となったものの、リカレント教育へのニーズが高まるなか、主力商品の法人向け販売が伸長した結果、既存取引先の深耕や新規案件の獲得などにより法人向け売上高が1,566百万円(同10.4%増)と好調に推移し、全体としては3,074百万円(同2.7%減)と微減に留まりました。
(営業費用及び営業利益)
売上原価及び販売費及び一般管理費を合計した営業費用は、前連結会計年度に比べ5.2%増の4,902百万円となりました。プラットフォームサービス事業において幼児教育拠点の拡大(10~15箇所)の一環として前述の拠点の本格稼働に伴い幼児園の運営費が増加したことなどの費用増加要因に対して、遠隔教育事業を中心に、継続的な全社規模での教育プログラムの点検、生産性の向上、コスト構造の見直し等を実施し、収益性の改善を図った結果、営業費用は前連結会計年度に比べ売上高の増加率と同等に留まりました。
以上の結果、営業利益は前連結会計年度に比べ6.2%増の458百万円となりました。
(営業外損益及び経常利益)
営業外収益の合計額は、前連結会計年度に比べ6.0%増の17百万円となりました。主な要因は、前連結会計年度に比べインターナショナルスクールに通う学生のご父兄からの寄付金収入が減少したものの、非連結子会社からの業務受託料等が増加したためであります。
営業外費用の合計額は、前連結会計年度に比べ50.3%増の14百万円となりました。主な要因は、前連結会計年度に比べ事業創出を後押しするために出資を行うスタートアップ起業家支援プロジェクト、「背中をポンと押すファンド(SPOF)」銘柄の投資有価証券評価損及びソフトウェア等の固定資産除却損が増加したためであります。
以上の結果、経常利益は前連結会計年度に比べ5.2%増の461百万円となりました。
(特別損益及び税金等調整前当期純利益)
特別利益は、当連結会計年度にA-JISのスクールバスの処分に伴う固定資産売却益3百万円であります。
特別損失は、当連結会計年度の計上はありませんでした。なお、前連結会計年度の特別損失は、保有資産の再評価による減損損失45百万円であります。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ18.5%増の464百万円となりました。
(税金費用及び親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額を合計した税金費用は、税金等調整前当期純利益が前連結会計年度に比べ増益となったため前連結会計年度に比べ46.0%増の225百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ0.6%増の239百万円となりました。
ⅱ 経営成績に重要な影響を与える要因
(事業環境要因)
当社グループの経営に影響を与える大きな要因として、IT動向、教育動向等があります。
IT動向につきましては、当社グループの遠隔教育事業がコンピューター及びインターネット技術に密接に関連していることから、エデュテック・IoT等の市場拡大に顕著なように教育業界、IT業界だけにとどまらずあらゆる産業分野と競合するかたちで、コンピューター及びインターネットの普及・技術動向、法的規制や関連するシステム及びセキュリティ技術等の技術革新の著しい変化に対応する必要があると認識しております。人生100年時代や第4次産業革命を背景にリカレント教育が社会人を中心に高まり、企業における人材育成と費用対効果の高い効率的な研修が求められるなか、テクノロジーの進化に伴い、当社グループが強みとするeラーニングと集合型を組み合わせたブレンド型研修へのニーズを着実にとらえ、企業の多様なニーズに対応した人材開発ソリューションを提供してまいります。
また、当社グループは事業規模の拡大と利益増大を伴う成長を維持・発展するために、人員の確保と育成の充実を目的に、人事関連活動の強化に努めております。また、こうしたITシステムへの依存度の増大に伴い、技術不正や故障、天災やヒューマンエラー、情報漏洩や技術流出等のリスクを最小限に抑えるため、企業統治・業務執行体制を高度化してまいります。
教育動向につきましては、当社グループが教育事業を行っていることから、国及び自治体の教育政策と密接に関係があります。前述のBBT大学が特区内での開学が要件であるほか、文部科学省による国際バカロレア(IB)の普及・拡大政策、厚生労働省の教育訓練給付金制度、文部科学省や自治体の入園・就学支援助成金制度等の動向によっては追い風にも逆風にもなりえます。従い、これら公的教育政策の動向を見極めつつ、公的支援政策の有無に左右されない事業体質にすべく、先駆的な教育の追求による教育品質の向上を目指してまいります。また、経済社会のグローバル化や労働力としてAIやロボットの活用領域が深まることが予測されるなか、より付加価値の高い領域で個人の能力を高め発揮するためにも幅広い年齢層が働きながら学び直す機会、特に英語による多国籍でのコミュニケーションによる機会が求められております。こうした動向の変化に対し、エデュテック・IoT等の活用を通じて教育の生産性向上並びに社会人、企業が求めるリカレント教育の充実に取り組んでまいります。
(収益変動要因)
当社グループでは、過去に実施した企業買収等による「のれん」や展開する拠点に係る「土地」、「建物」等を資産として計上しており、各事業の収益性が著しく低下した場合、これらの資産について減損会計の適用に伴う損失処理の発生によって当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、各事業並びに各拠点いずれも当初期待した成果が実現されており、現時点では業績に与える影響はほとんどありません。
ⅲ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要については、遠隔教育事業に関わる講師料、ロイヤリティ、コンテンツ制作費とプラットフォームサービス事業に関わる各インターナショナルスクールの教員人件費、教材費、生徒の送迎費用、給食費、衛生管理費、各事業に関わる広告宣伝費等の販売費及び一般管理費等があります。また、設備資金需要については、遠隔教育事業に関わる“AirCampus®”の機能強化、その他全社に関わる研修施設の維持・修繕とプラットフォームサービス事業に関わる新規拠点開発等があります。
また、当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入、新株式の発行等により資金調達を行っております。運転資金につきましては、営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入しており、有利子負債の調達に頼らない経営を行っております。投資資金につきましては、投資案件に応じて、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存借入金の返済状況等を考慮のうえで、金融機関からの借入や新株式の発行等から、調達手段・規模を適宜判断して実施しております。
自己株式につきましては、事業計画の進捗状況、当社グループの業績見通し、株価動向、財政状態及び金融市場等を総合的に勘案し取得をしていくこととしております。
ⅳ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、グループ全体でのシナジーを追求し、1歳から大学、大学院、社会人に至るまでのグローバルリーダー育成教育の世界標準として、「生涯教育プラットフォーム」の更なる発展、充実を目指しております。その方針のもと、プラットフォームサービス事業の強化と共に、コア事業であるマネジメント教育サービス事業の拡大に法人営業の強化を戦略テーマとして邁進し、各事業の継続的な拡大を通じて新しい付加価値を創出し、企業価値を向上させてまいります。
経営指標としては主に「売上高」及び「営業利益」をグループ全体の成長を示す経営指標と位置づけております。これらの経営指標について、売上高は8期連続で、営業利益は3期連続で過去最高を更新し、来年度は先行投資年度として保守的な業績を見込んでいるものの、中長期的には更なる成長を見込んでおります。
以上により、当社グループの業績は概ね順調に推移していると認識しております。