有価証券報告書-第20期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、アジアの新興国等の経済動向や地政学的リスク、欧米の政策動向など海外の政治・経済の不確実性が高まるなか不透明な状況で推移いたしました。また、わが国経済は、海外経済の不確実性など先行き不透明感を残しているものの、企業収益や雇用情勢の改善などを背景に緩やかな回復基調で推移いたしました。
文部科学省より設置認可されたビジネス・ブレークスルー大学(以下「BBT大学」という。)大学院では、春期・秋期において本科生168名が入学いたしました。同大学院は法人企業を対象に、アントレプレナー(起業家)のスキルとクリエイティブなマインドを持ち、企業内のアセットや人材を活用して新規事業を創生できる人材の養成を目的に「IDP-社内起業家養成プログラム(Intrapreneur Development Program)」を平成29年4月に開講いたしました。
BBT大学経営学部では、春・秋期において本科生153名が入学いたしました。平成29年4月には、リカレント教育の一環として、21世紀のビジネスに求められる高度な知識や能力の再取得(=学び直し)を目的に、働きながら受講できる「履修証明プログラム」(全8プログラム)を設置いたしました。本プログラムは、大学等における社会人や企業等のニーズに応じた実践的・専門的なプログラムとして評価され、平成29年12月に文部科学省「職業実践力育成プログラム」(BP)に認定されました。うち5プログラムについては、平成30年4月付で厚生労働省「専門実践教育訓練指定講座」にも指定されました。
BBT大学オープンカレッジを含む個人向けの各教育プログラムにつきましては、主力商品の大幅な改定に伴い、当該商品の販売を一時停止した講座があったことなどから、一部の教育プログラムが軟調に推移いたしました。一方、法人向け教育サービスにつきましては、法人営業の体制を強化するなか、既存取引先の深耕や新規案件の獲得などが堅調に推移いたしました。
また、日本のスポーツ産業を活性する人材の育成を目指し「スポーツビジネス実践講座(SAP)」を平成29年4月に開講いたしました。平成29年7月には、地方創生・産業立国推進への取組みの一環として、グローバルに通用する観光地の開発及び経営を担う人材の育成を目的に、「次世代観光を創発する「Tourism Leaders School」」を㈱JTBコミュニケーションデザインと共同開発し開講いたしました。オーストラリアのボンド大学と提携するBond-BBT MBAプログラムでは、日本語・英語の両言語で履修する従来のコースに加え、平成30年1月開講期より、修了に必要な科目を英語のみで履修する「ALL ENGLISHコース」を設置いたしました。平成30年3月には、「新 問題解決必須スキルコース」、「戦略的思考トレーニング」を大幅に改定し販売を再開いたしました。
連結子会社が運営し、日本国内で5校目の国際バカロレア(IB)の全教育プログラムの認定校である「アオバジャパン・インターナショナルスクール」では、同スクールの教育内容や学習環境の向上への取組み等の認知が進んだ結果、生徒数が増加し本年度スクールイヤー(平成29年8月下旬~翌年7月上旬)は、生徒数454名(前期:436名)で開始いたしました。
また、昨年中に開設した「アオバジャパン・バイリンガルプリスクール」の2拠点(芝浦キャンパス、早稲田キャンパス)の業績が期首より寄与いたしました。7番目となる幼児教育の拠点を平成30年4月に開設(東京都三鷹市)すべく、施設の改修や人員採用など幼児教育拠点の拡充に向けた準備を進めました。国際バカロレア(IB)PYPの認定候補校である「サマーヒルインターナショナルスクール」、「アオバジャパン・バイリンガルプリスクール 早稲田キャンパス」では教育カリキュラムや教員研修を強化しつつ運営の安定化に継続して取り組みました。
更に、全社規模で教育プログラムの点検、生産性の向上、コスト構造の見直し等を実施し、収益性の大幅な改善を図りました。
なお、第4四半期において保有資産の再評価による特別損失39百万円を計上いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は5,090百万円(前年同期比3.4%増)、営業利益は431百万円(同28.1%増)、経常利益は438百万円(同26.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は237百万円(同4.9%増)となり、売上高は過去最高を7期連続で更新し、営業利益、経常利益も2期連続で過去最高を更新いたしました。
セグメントの業績につきましては、以下のとおりであります。
ⅰ マネジメント教育サービス
マネジメント教育サービス事業の売上高は2,776百万円(前年同期比4.7%減)、セグメント利益は157百万円(同48.3%増)となりました。法人向け教育サービスにおいて、前期に引き続き、大型案件を継続受注できたほか、既存取引先の深耕や新規取引先数が増加するなどB2Bの事業は堅調に推移したものの、B2Cの教育プログラムが軟調に推移いたしました。一方で、前述した収益性の改善を進めた結果、減収増益となりました。
ⅱ 経営コンテンツメディアサービス
経営コンテンツメディアサービス事業の売上高は291百万円(前年同期比2.1%減)、セグメント利益は155百万円(同17.5%増)となりました。BBT大学及びBBT大学大学院等の卒業生及び修了生が増加し、卒業生らが卒業または修了後の学びのために継続受講したコンテンツ視聴や有料会員サービスの提供が順調だったものの、一部視聴サービスにおいて軟調に推移した一方で、コスト構造の改善を進めた結果、減収増益となりました。
ⅲ プラットフォームサービス
プラットフォームサービス事業の売上高は1,949百万円(前年同期比15.8%増)、セグメント利益は217百万円(同40.4%増)となりました。昨年中に新規開設した「アオバジャパン・バイリンガルプリスクール 芝浦キャンパス」及び「アオバジャパン・バイリンガルプリスクール 早稲田キャンパス」を運営する現代幼児基礎教育開発㈱の業績が、両校の本格稼働に伴い期首から寄与したため、増収増益となりました。
(ご参考1)
・国際バカロレア(IB)
インターナショナルスクールの卒業生に、国際的に認められる大学入学資格を与え、大学進学へのルートを確保するとともに、学生の柔軟な知性の育成と、国際理解教育の促進に資することを目的として1968年に国際バカロレア機構が発足されました。国際バカロレア機構は、スイスのジュネーブに本部を置き、認定校に対する共通カリキュラムの作成や国際バカロレア試験の実施及び国際バカロレア資格の授与などを行っています。
国際バカロレアには、3歳~19歳の子どもの年齢に応じて3つのプログラムがあります。
(1)PYP(Primary Years Programme:初等教育プログラム) 3歳~12歳
(2)MYP(Middle Years Programme:中等教育プログラム) 11歳~16歳
(3)DP(Diploma Programme:ディプロマ資格プログラム) 16歳~19歳
DPの課程を修了し、ディプロマ資格取得のための統一試験に合格することで、国際バカロレア資格を取得することができます。国際バカロレア資格は、国際的に認められている大学入学資格の1つであり、日本においても昭和54年に「スイス民法典に基づく財団法人である国際バカロレア事務局が授与する国際バカロレア資格を有する者で18歳に達したもの」について、大学入学に関し高等学校を卒業したものと同等以上の学力があると認められる者として指定されています。
また、政府の「教育再生実行会議」においてもグローバル人材育成の環境整備のために、国際バカロレア認定校を200校まで大幅な増加を図る旨の提言がなされています。
(ご参考2)
アオバジャパン・バイリンガルプリスクール 早稲田キャンパスは、国際バカロレア(IB)「初等教育プログラム」(PYP)の候補校(※)です。
アオバジャパン・バイリンガルプリスクール 早稲田キャンパスはIBワールドスクール(IB認定校)としての認定に向けた申請段階にあります。このIBワールドスクールとは、「質の高い、チャレンジに満ちた国際教育に信念をもって取り組むことにコミットする」という理念を共有する学校です。アオバジャパン・バイリンガルプリスクール 早稲田キャンパスも、このような教育に取り組むことが、生徒にとって重要なことであると信じています。
※IBの「初等教育プログラム」(PYP)、「中等教育プログラム」(MYP)、「ディプロマ資格プログラム」(DP)の3つのプログラム(及び「IBキャリア関連サーティフィケイト」)を実施することができるのは、国際バカロレア機構に認定された学校のみです。候補校であることは、IBワールドスクールとして認定されることを保証するものではありません。IB及びIBのプログラムの詳細については、ウェブサイト(http://www.ibo.org)をご覧ください。
②財政状態に関する分析
当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ、776百万円増加し、7,608百万円となりました。増加した主な要因は、研修所増築等によって有形固定資産が659百万円増加したことによるものであります。負債につきましては、前連結会計年度末に比べ680百万円増加し、2,885百万円となりました。増加した主な要因は、研修所の増築のための短期借入金が695百万円増加したことによるものであります。純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ95百万円増加し、4,723百万円となりました。主な要因は、株主資本が剰余金の配当142百万円により減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上237百万円によって増加したことによるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ172百万円増加し、当連結会計年度末には1,693百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は638百万円(前年同期比133.2%増)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益392百万円、減価償却費231百万円による収入が、法人税等の支払額124百万円による支出を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は919百万円(同209.7%増)となりました。主な要因は、研修施設の増築等の有形固定資産の取得による支出795百万円、社内業務システムの開発等の無形固定資産の取得による支出45百万円、研修施設増築に伴う温泉利用料として長期前払費用の取得による支出40百万円及び研修施設増築に伴う温泉供給等に係る差入保証金の差入による支出30百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は453百万円(同2,015.2%増)となりました。主な要因は、研修施設の増築のための短期借入れによる収入720百万円が、前期の配当金の支払額141百万円及び研修施設を新設した際の長期借入金の返済による支出100百万円を上回ったことによるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
各指標の算出は以下の算式を使用しております。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・ガバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
4.営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。
④生産、受注及び販売の状況
ⅰ 生産実績及び受注状況
当社グループは、遠隔型マネジメント教育及びインターナショナルスクールの運営等を主たる事業としており、提供するサービスの性格上、生産及び受注という形態をとっていないため、記載しておりません。
ⅱ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 相手先別の販売実績は、総販売実績に対し10%以上のものはありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点によるグループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたって、連結決算日現在における財政状態並びに報告期間における経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える見積り及び判断を行う必要があります。当社グループでは、過去の実績や状況等を総合的に判断したうえで、合理的と考えられる見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、特に以下の会計方針が、報告期間における連結財務諸表の作成において使用される重要な見積りであるとともに、判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
ⅰ たな卸資産
たな卸資産の会計方針は、以下のとおりであります。
通常の販売目的で保有するたな卸資産
評価基準は原価法(収益性の低下による簿価切下げの方法)によっております。
・ 仕掛品 番組制作仕掛品・コンテンツ制作品…個別法
コンテンツの二次利用による制作品…先入先出法
・ 貯蔵品 先入先出法
なお、当社グループは、コンテンツを利用した事業活動を行っており、コンテンツ制作費については、原則として全額費用化することとしておりますが、一部のコンテンツについては資産計上を行っております。
ⅱ 貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等の個別債権については個別に回収可能性等を勘案し、回収不能見込額を計上しております。将来、顧客の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
ⅲ 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の回収可能性を十分に検討し、回収可能な額を計上しておりますが、繰延税金資産の全部又は一部を将来実現できないと判断した場合には、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上いたします。
ⅳ のれん
当社グループは、のれんについて、その効果の発現する期間を見積り、20年間で均等償却しております。また、その資産性について子会社の業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初想定した収益等が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、当該連結会計年度においてのれんの減損処理を行う可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
ⅰ 当連結会計年度の経営成績等
(売上高)
売上高は、前連結会計年度に比べ3.4%増の5,090百万円となりました。主な要因は、プラットフォームサービス事業において昨年中に新設した2拠点の「アオバジャパン・バイリンガルプリスクール」の業績が本格稼働に伴い期首から寄与したことで、同事業の売上高が前連結会計年度を大きく上回ったためであります。また、マネジメント教育サービス事業及び経営コンテンツメディアサービス事業(以下「遠隔教育事業」という。)においても、主力商品の大幅な改定に伴い、当該商品の販売を一時停止したことなどにより個人向け売上高が1,741百万円(前年同期比12.2%減)と軟調に推移したものの、法人営業の体制を強化するなか既存取引先の深耕や新規案件の獲得などにより法人向け売上高が1,418百万円(同11.9%増)と好調に推移したことも増収に貢献いたしました。
(営業費用及び営業利益)
売上原価及び販売費及び一般管理費を合計した営業費用は、前連結会計年度に比べ1.6%増の4,658百万円となりました。プラットフォームサービス事業において前述2拠点の本格稼働に伴い幼児園の運営費が増加したこと、また幼児教育拠点の拡大(10~15箇所)の一環として「アオバジャパン・バイリンガルプリスクール 三鷹キャンパス」(東京都三鷹市)の新設準備費用が発生したことなどの費用増加要因に対して、遠隔教育事業を中心に、全社規模で教育プログラムの点検、生産性の向上、コスト構造の見直し等を実施し、収益性の大幅な改善を図った結果、営業費用は前連結会計年度に比べ微増に留まりました。
以上の結果、営業利益は前連結会計年度に比べ28.1%増の431百万円となりました。
(営業外損益及び経常利益)
営業外収益の合計額は、前連結会計年度に比べ62.9%減の16百万円となりました。主な要因は、前連結会計年度にインターナショナルスクールに通う学生の父母会より学校施設の寄贈を受けたためであります。
営業外費用の合計額は、前連結会計年度に比べ71.8%減の9百万円となりました。主な要因は、前連結会計年度に発生した東証マザーズから東証一部へ市場変更したことに伴う上場関連費用及び平成27年に実施した新株式の発行等による資金調達に係った株式交付費償却が発生したためであります。
以上の結果、経常利益は前連結会計年度に比べ26.4%増の438百万円となりました。
(特別損益及び税金等調整前当期純利益)
特別利益は、当連結会計年度の計上はありませんでした。なお、前連結会計年度の特別利益の主な要因は、保養所施設の処分に伴う固定資産売却益39百万円であります。
特別損失の合計額は、前連結会計年度に比べ7.1%増の45百万円となりました。主な要因は、前連結会計年度に保有資産の再評価による減損損失42百万円を計上し、当連結会計年度にその関連資産の再評価による減損損失45百万円を計上したためであります。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ12.9%増の392百万円となりました。
(税金費用及び親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額を合計した税金費用は、税金等調整前当期純利益が前連結会計年度に比べ増益となったため前連結会計年度に比べ27.9%増の154百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ4.9%増の237百万円となりました。
ⅱ 経営成績に重要な影響を与える要因
(事業環境要因)
当社グループの経営に影響を与える大きな要因として、IT動向、教育動向等があります。
IT動向につきましては、当社グループの遠隔教育事業がコンピューター及びインターネット技術に密接に関連していることから、エデュテック・IoT等の市場拡大に顕著なように教育業界、IT業界だけにとどまらずあらゆる産業分野と競合するかたちで、コンピューター及びインターネットの普及/技術動向・法的規制や関連するシステムやセキュリティ技術等の技術革新の著しい変化に対応する必要があると認識しております。企業における人材育成と費用対効果の高い効率的な研修が求められるなか、テクノロジーの進化に伴い、当社グループが強みとするeラーニングと集合型を組み合わせたブレンド型研修へのニーズを着実にとらえ、企業の多様なニーズに対応した人材開発ソリューションを提供してまいります。
また、当社グループは事業規模の拡大と利益増大を伴う成長を維持・発展するために、人員の確保と育成の充実を目的に、人事関連活動の強化に努めております。また、こうしたITシステムへの依存度の増大に伴い、技術不正や故障、天災やヒューマンエラー、情報漏洩や技術流出等のリスクを最小限に抑えるため、企業統治・業務執行体制を高度化してまいります。
教育動向につきましては、当社グループが教育事業を行っていることから、国及び自治体の教育政策と密接に関係があります。前述のBBT大学が特区内での開学が要件であるほか、文部科学省による国際バカロレア(IB)の普及・拡大政策、厚生労働省の教育訓練給付金制度、文部科学省や自治体の入園・就学支援助成金制度等の動向によっては追い風にも逆風にもなりえます。従い、これら公的教育政策の動向を見極めつつ、公的支援政策の有無に左右されにない事業体質にすべく、先駆的な教育の追求による教育品質の向上を目指してまいります。また、経済社会のグローバル化や労働力としてAIやロボットの活用領域が深まることが予測されるなか、より付加価値の高い領域で個人の能力を高め発揮するためにも幅広い年齢層が働きながら学び直す機会、特に英語による多国籍でのコミュニケーションによる機会が求められております。こうした動向の変化に対し、エデュテック・IoT等の活用を通じて教育の生産性向上並びに社会人、企業が求めるリカレント教育の充実に取り組んでまいります。
(収益変動要因)
当社グループでは、過去に実施した企業買収等による「のれん」や展開する拠点に係る「土地」、「建物」等を資産として計上しており、各事業の収益性が著しく低下した場合、これらの資産について減損会計の適用に伴う損失処理の発生によって当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、各事業並びに各拠点いずれも当初期待した成果が実現されており、現時点では業績に与える影響はほとんどありません。
ⅲ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要については、遠隔教育事業に関わる講師料、ロイヤリティ、コンテンツ制作費とプラットフォームサービス事業に関わる各インターナショナルスクールの教員人件費、教材費、生徒の送迎費用、給食費、衛生管理費、各事業に関わる広告宣伝費等の販売費及び一般管理費等があります。また、設備資金需要については、遠隔教育事業に関わる「AirCampus®」の機能強化、その他全社に関わる研修施設の維持・修繕とプラットフォームサービス事業に関わる新規拠点開発等があります。
また、当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入、新株式の発行等により資金調達を行っております。運転資金につきましては、営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入しており、有利子負債の調達に頼らない経営を行っております。投資資金につきましては、投資案件に応じて、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存借入金の返済状況等を考慮のうえで、金融機関からの借入や新株式の発行等から、調達手段・規模を適宜判断して実施しております。
自己株式につきましては、事業計画の進捗状況、当社グループの業績見通し、株価動向、財政状態及び金融市場等を総合的に勘案し取得をしていくこととしております。
ⅳ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、グループ全体でのシナジーを追求し、1歳から大学、大学院、社会人に至るまでのグローバルリーダー育成教育の世界標準として、「生涯教育プラットフォーム」の更なる発展、充実を目指しております。その方針のもと、プラットフォームサービス事業の強化と共に、コア事業であるマネジメント教育サービス事業の拡大に法人営業の強化を戦略テーマとして邁進し、各事業の継続的な拡大を通じて新しい付加価値を創出し、企業価値を向上してまいります。
経営指標としては主に「売上高」及び「営業利益」をグループ全体の成長を示す経営指標と位置づけております。これらの経営指標について、売上高は7期連続で、営業利益は2期連続で過去最高を更新し、来年度も更なる更新を見込んでおります。
以上により、当社グループの業績は概ね順調に推移していると認識しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、アジアの新興国等の経済動向や地政学的リスク、欧米の政策動向など海外の政治・経済の不確実性が高まるなか不透明な状況で推移いたしました。また、わが国経済は、海外経済の不確実性など先行き不透明感を残しているものの、企業収益や雇用情勢の改善などを背景に緩やかな回復基調で推移いたしました。
文部科学省より設置認可されたビジネス・ブレークスルー大学(以下「BBT大学」という。)大学院では、春期・秋期において本科生168名が入学いたしました。同大学院は法人企業を対象に、アントレプレナー(起業家)のスキルとクリエイティブなマインドを持ち、企業内のアセットや人材を活用して新規事業を創生できる人材の養成を目的に「IDP-社内起業家養成プログラム(Intrapreneur Development Program)」を平成29年4月に開講いたしました。
BBT大学経営学部では、春・秋期において本科生153名が入学いたしました。平成29年4月には、リカレント教育の一環として、21世紀のビジネスに求められる高度な知識や能力の再取得(=学び直し)を目的に、働きながら受講できる「履修証明プログラム」(全8プログラム)を設置いたしました。本プログラムは、大学等における社会人や企業等のニーズに応じた実践的・専門的なプログラムとして評価され、平成29年12月に文部科学省「職業実践力育成プログラム」(BP)に認定されました。うち5プログラムについては、平成30年4月付で厚生労働省「専門実践教育訓練指定講座」にも指定されました。
BBT大学オープンカレッジを含む個人向けの各教育プログラムにつきましては、主力商品の大幅な改定に伴い、当該商品の販売を一時停止した講座があったことなどから、一部の教育プログラムが軟調に推移いたしました。一方、法人向け教育サービスにつきましては、法人営業の体制を強化するなか、既存取引先の深耕や新規案件の獲得などが堅調に推移いたしました。
また、日本のスポーツ産業を活性する人材の育成を目指し「スポーツビジネス実践講座(SAP)」を平成29年4月に開講いたしました。平成29年7月には、地方創生・産業立国推進への取組みの一環として、グローバルに通用する観光地の開発及び経営を担う人材の育成を目的に、「次世代観光を創発する「Tourism Leaders School」」を㈱JTBコミュニケーションデザインと共同開発し開講いたしました。オーストラリアのボンド大学と提携するBond-BBT MBAプログラムでは、日本語・英語の両言語で履修する従来のコースに加え、平成30年1月開講期より、修了に必要な科目を英語のみで履修する「ALL ENGLISHコース」を設置いたしました。平成30年3月には、「新 問題解決必須スキルコース」、「戦略的思考トレーニング」を大幅に改定し販売を再開いたしました。
連結子会社が運営し、日本国内で5校目の国際バカロレア(IB)の全教育プログラムの認定校である「アオバジャパン・インターナショナルスクール」では、同スクールの教育内容や学習環境の向上への取組み等の認知が進んだ結果、生徒数が増加し本年度スクールイヤー(平成29年8月下旬~翌年7月上旬)は、生徒数454名(前期:436名)で開始いたしました。
また、昨年中に開設した「アオバジャパン・バイリンガルプリスクール」の2拠点(芝浦キャンパス、早稲田キャンパス)の業績が期首より寄与いたしました。7番目となる幼児教育の拠点を平成30年4月に開設(東京都三鷹市)すべく、施設の改修や人員採用など幼児教育拠点の拡充に向けた準備を進めました。国際バカロレア(IB)PYPの認定候補校である「サマーヒルインターナショナルスクール」、「アオバジャパン・バイリンガルプリスクール 早稲田キャンパス」では教育カリキュラムや教員研修を強化しつつ運営の安定化に継続して取り組みました。
更に、全社規模で教育プログラムの点検、生産性の向上、コスト構造の見直し等を実施し、収益性の大幅な改善を図りました。
なお、第4四半期において保有資産の再評価による特別損失39百万円を計上いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は5,090百万円(前年同期比3.4%増)、営業利益は431百万円(同28.1%増)、経常利益は438百万円(同26.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は237百万円(同4.9%増)となり、売上高は過去最高を7期連続で更新し、営業利益、経常利益も2期連続で過去最高を更新いたしました。
セグメントの業績につきましては、以下のとおりであります。
ⅰ マネジメント教育サービス
マネジメント教育サービス事業の売上高は2,776百万円(前年同期比4.7%減)、セグメント利益は157百万円(同48.3%増)となりました。法人向け教育サービスにおいて、前期に引き続き、大型案件を継続受注できたほか、既存取引先の深耕や新規取引先数が増加するなどB2Bの事業は堅調に推移したものの、B2Cの教育プログラムが軟調に推移いたしました。一方で、前述した収益性の改善を進めた結果、減収増益となりました。
ⅱ 経営コンテンツメディアサービス
経営コンテンツメディアサービス事業の売上高は291百万円(前年同期比2.1%減)、セグメント利益は155百万円(同17.5%増)となりました。BBT大学及びBBT大学大学院等の卒業生及び修了生が増加し、卒業生らが卒業または修了後の学びのために継続受講したコンテンツ視聴や有料会員サービスの提供が順調だったものの、一部視聴サービスにおいて軟調に推移した一方で、コスト構造の改善を進めた結果、減収増益となりました。
ⅲ プラットフォームサービス
プラットフォームサービス事業の売上高は1,949百万円(前年同期比15.8%増)、セグメント利益は217百万円(同40.4%増)となりました。昨年中に新規開設した「アオバジャパン・バイリンガルプリスクール 芝浦キャンパス」及び「アオバジャパン・バイリンガルプリスクール 早稲田キャンパス」を運営する現代幼児基礎教育開発㈱の業績が、両校の本格稼働に伴い期首から寄与したため、増収増益となりました。
(ご参考1)
・国際バカロレア(IB)
インターナショナルスクールの卒業生に、国際的に認められる大学入学資格を与え、大学進学へのルートを確保するとともに、学生の柔軟な知性の育成と、国際理解教育の促進に資することを目的として1968年に国際バカロレア機構が発足されました。国際バカロレア機構は、スイスのジュネーブに本部を置き、認定校に対する共通カリキュラムの作成や国際バカロレア試験の実施及び国際バカロレア資格の授与などを行っています。
国際バカロレアには、3歳~19歳の子どもの年齢に応じて3つのプログラムがあります。
(1)PYP(Primary Years Programme:初等教育プログラム) 3歳~12歳
(2)MYP(Middle Years Programme:中等教育プログラム) 11歳~16歳
(3)DP(Diploma Programme:ディプロマ資格プログラム) 16歳~19歳
DPの課程を修了し、ディプロマ資格取得のための統一試験に合格することで、国際バカロレア資格を取得することができます。国際バカロレア資格は、国際的に認められている大学入学資格の1つであり、日本においても昭和54年に「スイス民法典に基づく財団法人である国際バカロレア事務局が授与する国際バカロレア資格を有する者で18歳に達したもの」について、大学入学に関し高等学校を卒業したものと同等以上の学力があると認められる者として指定されています。
また、政府の「教育再生実行会議」においてもグローバル人材育成の環境整備のために、国際バカロレア認定校を200校まで大幅な増加を図る旨の提言がなされています。
(ご参考2)
アオバジャパン・バイリンガルプリスクール 早稲田キャンパスは、国際バカロレア(IB)「初等教育プログラム」(PYP)の候補校(※)です。
アオバジャパン・バイリンガルプリスクール 早稲田キャンパスはIBワールドスクール(IB認定校)としての認定に向けた申請段階にあります。このIBワールドスクールとは、「質の高い、チャレンジに満ちた国際教育に信念をもって取り組むことにコミットする」という理念を共有する学校です。アオバジャパン・バイリンガルプリスクール 早稲田キャンパスも、このような教育に取り組むことが、生徒にとって重要なことであると信じています。
※IBの「初等教育プログラム」(PYP)、「中等教育プログラム」(MYP)、「ディプロマ資格プログラム」(DP)の3つのプログラム(及び「IBキャリア関連サーティフィケイト」)を実施することができるのは、国際バカロレア機構に認定された学校のみです。候補校であることは、IBワールドスクールとして認定されることを保証するものではありません。IB及びIBのプログラムの詳細については、ウェブサイト(http://www.ibo.org)をご覧ください。
②財政状態に関する分析
当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ、776百万円増加し、7,608百万円となりました。増加した主な要因は、研修所増築等によって有形固定資産が659百万円増加したことによるものであります。負債につきましては、前連結会計年度末に比べ680百万円増加し、2,885百万円となりました。増加した主な要因は、研修所の増築のための短期借入金が695百万円増加したことによるものであります。純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ95百万円増加し、4,723百万円となりました。主な要因は、株主資本が剰余金の配当142百万円により減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上237百万円によって増加したことによるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ172百万円増加し、当連結会計年度末には1,693百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は638百万円(前年同期比133.2%増)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益392百万円、減価償却費231百万円による収入が、法人税等の支払額124百万円による支出を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は919百万円(同209.7%増)となりました。主な要因は、研修施設の増築等の有形固定資産の取得による支出795百万円、社内業務システムの開発等の無形固定資産の取得による支出45百万円、研修施設増築に伴う温泉利用料として長期前払費用の取得による支出40百万円及び研修施設増築に伴う温泉供給等に係る差入保証金の差入による支出30百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は453百万円(同2,015.2%増)となりました。主な要因は、研修施設の増築のための短期借入れによる収入720百万円が、前期の配当金の支払額141百万円及び研修施設を新設した際の長期借入金の返済による支出100百万円を上回ったことによるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 平成29年3月期 | 平成30年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 67.7 | 62.1 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 87.4 | 89.7 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 1.9 | 1.8 |
| インタレスト・ガバレッジ・レシオ(倍) | 142.9 | 154.2 |
各指標の算出は以下の算式を使用しております。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・ガバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
4.営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。
④生産、受注及び販売の状況
ⅰ 生産実績及び受注状況
当社グループは、遠隔型マネジメント教育及びインターナショナルスクールの運営等を主たる事業としており、提供するサービスの性格上、生産及び受注という形態をとっていないため、記載しておりません。
ⅱ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| マネジメント教育サービス | (千円) | 2,753,123 | △4.7 |
| 経営コンテンツメディアサービス | (千円) | 282,258 | 0.5 |
| プラットフォームサービス | (千円) | 1,949,192 | 15.8 |
| その他 | (千円) | 105,722 | 57.9 |
| 合計 | (千円) | 5,090,297 | 3.4 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 相手先別の販売実績は、総販売実績に対し10%以上のものはありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点によるグループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたって、連結決算日現在における財政状態並びに報告期間における経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える見積り及び判断を行う必要があります。当社グループでは、過去の実績や状況等を総合的に判断したうえで、合理的と考えられる見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、特に以下の会計方針が、報告期間における連結財務諸表の作成において使用される重要な見積りであるとともに、判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
ⅰ たな卸資産
たな卸資産の会計方針は、以下のとおりであります。
通常の販売目的で保有するたな卸資産
評価基準は原価法(収益性の低下による簿価切下げの方法)によっております。
・ 仕掛品 番組制作仕掛品・コンテンツ制作品…個別法
コンテンツの二次利用による制作品…先入先出法
・ 貯蔵品 先入先出法
なお、当社グループは、コンテンツを利用した事業活動を行っており、コンテンツ制作費については、原則として全額費用化することとしておりますが、一部のコンテンツについては資産計上を行っております。
ⅱ 貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等の個別債権については個別に回収可能性等を勘案し、回収不能見込額を計上しております。将来、顧客の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
ⅲ 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の回収可能性を十分に検討し、回収可能な額を計上しておりますが、繰延税金資産の全部又は一部を将来実現できないと判断した場合には、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上いたします。
ⅳ のれん
当社グループは、のれんについて、その効果の発現する期間を見積り、20年間で均等償却しております。また、その資産性について子会社の業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初想定した収益等が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、当該連結会計年度においてのれんの減損処理を行う可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
ⅰ 当連結会計年度の経営成績等
(売上高)
売上高は、前連結会計年度に比べ3.4%増の5,090百万円となりました。主な要因は、プラットフォームサービス事業において昨年中に新設した2拠点の「アオバジャパン・バイリンガルプリスクール」の業績が本格稼働に伴い期首から寄与したことで、同事業の売上高が前連結会計年度を大きく上回ったためであります。また、マネジメント教育サービス事業及び経営コンテンツメディアサービス事業(以下「遠隔教育事業」という。)においても、主力商品の大幅な改定に伴い、当該商品の販売を一時停止したことなどにより個人向け売上高が1,741百万円(前年同期比12.2%減)と軟調に推移したものの、法人営業の体制を強化するなか既存取引先の深耕や新規案件の獲得などにより法人向け売上高が1,418百万円(同11.9%増)と好調に推移したことも増収に貢献いたしました。
(営業費用及び営業利益)
売上原価及び販売費及び一般管理費を合計した営業費用は、前連結会計年度に比べ1.6%増の4,658百万円となりました。プラットフォームサービス事業において前述2拠点の本格稼働に伴い幼児園の運営費が増加したこと、また幼児教育拠点の拡大(10~15箇所)の一環として「アオバジャパン・バイリンガルプリスクール 三鷹キャンパス」(東京都三鷹市)の新設準備費用が発生したことなどの費用増加要因に対して、遠隔教育事業を中心に、全社規模で教育プログラムの点検、生産性の向上、コスト構造の見直し等を実施し、収益性の大幅な改善を図った結果、営業費用は前連結会計年度に比べ微増に留まりました。
以上の結果、営業利益は前連結会計年度に比べ28.1%増の431百万円となりました。
(営業外損益及び経常利益)
営業外収益の合計額は、前連結会計年度に比べ62.9%減の16百万円となりました。主な要因は、前連結会計年度にインターナショナルスクールに通う学生の父母会より学校施設の寄贈を受けたためであります。
営業外費用の合計額は、前連結会計年度に比べ71.8%減の9百万円となりました。主な要因は、前連結会計年度に発生した東証マザーズから東証一部へ市場変更したことに伴う上場関連費用及び平成27年に実施した新株式の発行等による資金調達に係った株式交付費償却が発生したためであります。
以上の結果、経常利益は前連結会計年度に比べ26.4%増の438百万円となりました。
(特別損益及び税金等調整前当期純利益)
特別利益は、当連結会計年度の計上はありませんでした。なお、前連結会計年度の特別利益の主な要因は、保養所施設の処分に伴う固定資産売却益39百万円であります。
特別損失の合計額は、前連結会計年度に比べ7.1%増の45百万円となりました。主な要因は、前連結会計年度に保有資産の再評価による減損損失42百万円を計上し、当連結会計年度にその関連資産の再評価による減損損失45百万円を計上したためであります。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ12.9%増の392百万円となりました。
(税金費用及び親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額を合計した税金費用は、税金等調整前当期純利益が前連結会計年度に比べ増益となったため前連結会計年度に比べ27.9%増の154百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ4.9%増の237百万円となりました。
ⅱ 経営成績に重要な影響を与える要因
(事業環境要因)
当社グループの経営に影響を与える大きな要因として、IT動向、教育動向等があります。
IT動向につきましては、当社グループの遠隔教育事業がコンピューター及びインターネット技術に密接に関連していることから、エデュテック・IoT等の市場拡大に顕著なように教育業界、IT業界だけにとどまらずあらゆる産業分野と競合するかたちで、コンピューター及びインターネットの普及/技術動向・法的規制や関連するシステムやセキュリティ技術等の技術革新の著しい変化に対応する必要があると認識しております。企業における人材育成と費用対効果の高い効率的な研修が求められるなか、テクノロジーの進化に伴い、当社グループが強みとするeラーニングと集合型を組み合わせたブレンド型研修へのニーズを着実にとらえ、企業の多様なニーズに対応した人材開発ソリューションを提供してまいります。
また、当社グループは事業規模の拡大と利益増大を伴う成長を維持・発展するために、人員の確保と育成の充実を目的に、人事関連活動の強化に努めております。また、こうしたITシステムへの依存度の増大に伴い、技術不正や故障、天災やヒューマンエラー、情報漏洩や技術流出等のリスクを最小限に抑えるため、企業統治・業務執行体制を高度化してまいります。
教育動向につきましては、当社グループが教育事業を行っていることから、国及び自治体の教育政策と密接に関係があります。前述のBBT大学が特区内での開学が要件であるほか、文部科学省による国際バカロレア(IB)の普及・拡大政策、厚生労働省の教育訓練給付金制度、文部科学省や自治体の入園・就学支援助成金制度等の動向によっては追い風にも逆風にもなりえます。従い、これら公的教育政策の動向を見極めつつ、公的支援政策の有無に左右されにない事業体質にすべく、先駆的な教育の追求による教育品質の向上を目指してまいります。また、経済社会のグローバル化や労働力としてAIやロボットの活用領域が深まることが予測されるなか、より付加価値の高い領域で個人の能力を高め発揮するためにも幅広い年齢層が働きながら学び直す機会、特に英語による多国籍でのコミュニケーションによる機会が求められております。こうした動向の変化に対し、エデュテック・IoT等の活用を通じて教育の生産性向上並びに社会人、企業が求めるリカレント教育の充実に取り組んでまいります。
(収益変動要因)
当社グループでは、過去に実施した企業買収等による「のれん」や展開する拠点に係る「土地」、「建物」等を資産として計上しており、各事業の収益性が著しく低下した場合、これらの資産について減損会計の適用に伴う損失処理の発生によって当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、各事業並びに各拠点いずれも当初期待した成果が実現されており、現時点では業績に与える影響はほとんどありません。
ⅲ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要については、遠隔教育事業に関わる講師料、ロイヤリティ、コンテンツ制作費とプラットフォームサービス事業に関わる各インターナショナルスクールの教員人件費、教材費、生徒の送迎費用、給食費、衛生管理費、各事業に関わる広告宣伝費等の販売費及び一般管理費等があります。また、設備資金需要については、遠隔教育事業に関わる「AirCampus®」の機能強化、その他全社に関わる研修施設の維持・修繕とプラットフォームサービス事業に関わる新規拠点開発等があります。
また、当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入、新株式の発行等により資金調達を行っております。運転資金につきましては、営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入しており、有利子負債の調達に頼らない経営を行っております。投資資金につきましては、投資案件に応じて、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存借入金の返済状況等を考慮のうえで、金融機関からの借入や新株式の発行等から、調達手段・規模を適宜判断して実施しております。
自己株式につきましては、事業計画の進捗状況、当社グループの業績見通し、株価動向、財政状態及び金融市場等を総合的に勘案し取得をしていくこととしております。
ⅳ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、グループ全体でのシナジーを追求し、1歳から大学、大学院、社会人に至るまでのグローバルリーダー育成教育の世界標準として、「生涯教育プラットフォーム」の更なる発展、充実を目指しております。その方針のもと、プラットフォームサービス事業の強化と共に、コア事業であるマネジメント教育サービス事業の拡大に法人営業の強化を戦略テーマとして邁進し、各事業の継続的な拡大を通じて新しい付加価値を創出し、企業価値を向上してまいります。
経営指標としては主に「売上高」及び「営業利益」をグループ全体の成長を示す経営指標と位置づけております。これらの経営指標について、売上高は7期連続で、営業利益は2期連続で過去最高を更新し、来年度も更なる更新を見込んでおります。
以上により、当社グループの業績は概ね順調に推移していると認識しております。