有価証券報告書-第51期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用および所得環境の改善、経済政策への期待等から、景気は回復基調で推移いたしました。一方、中東情勢の悪化、中国経済低迷、米国の政策動向などから、円安の長期化、原材料・エネルギー価格の高騰等の先行き不透明な状況は継続しております。
当社が属する情報通信業界におきましては、事務負担軽減による生産性向上、労働力不足への対応や技術の進歩によるAI投資の拡大が見込まれ、今後、設備投資の更なる拡大が期待されます。
このような事業環境におきまして、当社グループは、「事業計画及び成長可能性に関する事項」として2025年3月期から2027年3月期を対象とした3ケ年の中期経営計画の策定を行い、以下に掲げる3つの中期目標と、その目標実現のための5つの施策を策定のうえ、その実行に邁進し、2026年1月には、サイブリッジ合同会社との資本業務提携ならびに第三者割当による新株式の発行を実施し、約6億円の資本の増強を行っております。
≪中期目標≫ ◇事業規模の拡大と収益性の向上
◇継続的な成長を実現する事業モデルの確立
◇企業価値の向上と株主還元
≪実施施策≫ ○事業規模拡大に向けた資金調達と積極的な事業投資
○適切な組織再編とガバナンス
○事業推進力の強化
○M&A及び企業提携の推進
○会社環境の改善
以上の施策の実施といたしまして、当連結会計年度におきましては管理部門組織の見直し、金融機関からの運用資金の調達などを実施いたしました。さらに、上記に記載いたしましたとおり、サイブリッジ合同会社と資本業務提携を締結のうえ、第三者割当による新株発行による増資も実施しております。
また、M&A及び企業提携の推進として新たに1社の子会社化を行いましたが、資本業務提携契約の締結を契機として計画の点検・見直しを行った結果、株式会社エンジニアファーム、株式会社バニヤンズ、株式会社TENJIN SYSTEM CONSULTINGの連結子会社3社につきましては、当初予定していた通りのシナジーが期待できないとの結論に達し、2026年3月31日をもって保有する各社の全株式を売却することといたしました。
以上の結果、当連結会計年度におきましては、当連結会計期間における連結子会社の増加の影響などもあり、売上高は731,630千円(前年同期比13.2%増)と増収となりました。他方、利益面におきましては、計画していた受注や製品販売が想定通り進まず、売上原価に占める労務費の割合が増加したこと、また、のれん償却費の負担発生などにより、営業損失は175,278千円(前連結会計年度は営業損失70,802千円)となりました。経常損失につきましては、新株発行費用の負担増などもあり195,503千円(前連結会計年度は経常損失69,393千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は、減損損失の計上や貸倒引当金繰入などもあり259,464千円 (前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失36,568千円)となりました。
b.財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産の残高は1,001,773千円となり、前連結会計年度末に比べ387,379千円増加いたしました。この主な要因は、以下のとおりとなります。
流動資産の残高は932,216千円となり、前連結会計年度末に比べ495,041千円増加いたしました。これは主に、増資
による現金及び預金544,918千円の増加、連結除外による受取手形、売掛金及び契約資産の48,388千円の減少などに
よります。
固定資産の残高は69,557千円となり、前連結会計年度末に比べ107,662千円の減少となりました。これは主にのれんにおける償却と減損損失の計上による減少88,935千円、ソフトウエアの減損損失計上14,900千円と減価償却による11,671千円の減少などによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債の残高は370,743千円となり、前連結会計年度末に比べ64,457千円増加いたしました。この主な要因は、以下のとおりとなります。
流動負債の残高は127,966千円となり、前連結会計年度末に比べ10,334千円増加いたしました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金10,008千円、流動負債のその他に含まれる預り金27,352千円の増加、買掛金の減少20,848千円などによるものです。
固定負債の残高は242,776千円となり、前連結会計年度末に比べ54,122千円増加いたしました。これは主に、長期借入金28,886千円、退職給付に係る負債22,214千円の増加などによるものです。
(純資産)
純資産の残高は631,029千円となり、前連結会計年度末に比べ322,922千円増加しました。これは主に、増資に伴う資本金299,995千円並びに資本剰余金299,995千円の増加、利益剰余金の減少259,464千円、連結除外に伴う非支配株主持分の減少23,971千円などによるものです。
この結果、自己資本比率は63.0%(前連結会計年度末46.2%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、営業活動により94,488千円減少、投資活動により12,466千円減少し、財務活動により651,873千円増加しました。その結果、当連結会計年度末の資金の残高は前連結会計年度末から544,918千円増加し、820,358千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動により、資金は94,488千円減少(前連結会計年度は7,531千円減少)しました。これは主に、税金等調整前当期純損失270,013千円および関係会社株式売却益88,996千円の計上、減損損失92,917千円の計上、貸倒引当金の増加67,004千円、売上債権の減少26,840千円、株式交付費24,045千円、退職給付に係る負債の増加22,214千円などによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動により、資金は12,466千円減少(前連結会計年度は17,691千円減少)しました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出15,780千円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金は、651,873千円増加(前連結会計年度は66,824千円減少)しました。これは主に、株式発行による収入599,991千円、借入による収入60,836千円、借入金の返済による支出8,946千円などによるものです。
セグメント別の業績は次のとおりです。
[ITソリューション]
当連結会計年度におきましては、既存顧客への深耕による受注増、前連結会計年度より取り組み始めた既存サービ
スの売上向上施策、当社の重要戦略の一つであるM&Aの推進を進めてまいりました。これらの対応の他、前連結会
計年度の途中から子会社化した株式会社エンジニアファーム(2024年7月)、株式会社バニヤンズ(2025年1月)の
年間での売上高を取り込んだこともあり、当連結会計年度は増収となりました。他方、株式会社バニヤンズにおける大型案件の失注に伴い、労務費などの売上原価の割合が増加し、収益性は悪化いたしました。その結果、当連結会計年度における売上高は614,117千円(前年同期比14.8%増)、セグメント利益は53,912千円(前年同期比56.5%減)となりました。
[BPO・サービス]
BPO(業務アウトソーシング)及び決済代行等の各種サービスにつきましては、当初計画したソフトウェア販売は
不調でしたが、決済サービスに関する新規契約の獲得などにより、当連結会計年度における売上高は117,513千円(前
年同期比5.7%増)となりました。他方、自社利用のソフトウェアの償却費負担や労務費負担の増加などもあり、セグ
メント利益は12,418千円(前年同期比17.6%減)となりました
③生産、受注及び販売の実績
当社グループの事業は、提供するサービスの性質上生産・受注実績の記載に馴染まない為、記載を省略しております。
売上実績
当連結会計年度における売上の実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| 事業区分 | 第50期 (2025年3月期) | 第51期 (2026年3月期) (当連結会計年度) | 前連結会計年度差 及び増減比 | |||
| 金額 | 構成比 | 金額 | 構成比 | 金額 | 増減率 | |
| ITソリューション | 千円 534,846 | % 82.8 | 千円 614,117 | % 83.9 | 千円 79,271 | % 14.8 |
| BPO・サービス | 111,211 | 17.2 | 117,513 | 16.1 | 6,301 | 5.7 |
| 合 計 | 646,058 | 100.0 | 731,630 | 100.0 | 85,572 | 13.2 |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の売上の実績及び当該売上実績の総売上実績に対する割合は
次のとおりであります。なお、当該割合が100分の10未満の記載は省略しております。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 沖電気工業株式会社 | 91,330 | 14.1 | 111,663 | 15.2 |
| 株式会社アイオス | 71,856 | 11.1 | 75,392 | 10.3 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討事項は次のとおりであります。なお、文中における将来事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、重要な会計方針に基づき見積り及び判断を行っており、実際の結果は、見積りによる不確実性のために異なる可能性があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しているとおりです。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の分析
(売上高)
ITソリューションのセグメントにおいては、前連結会計年度は年度の途中から連結に取り込んだ株式会社エンジニアファームおよび株式会社バニヤンズの2社が年間での連結取り込みとなったことに加え、株式会社TENJIN SYSTEM CONSULTINGについても4月以降連結対象となったため、売上高は増加いたしました。保守を含めた既存事業は安定的に継続しており、これまでと同様な顧客から同程度の受注を獲得することができた一方で、株式会社バニヤンズにおいて予定していた大型案件の失注があり、予定していた売上を確保することはできませんでした。また、BPO・サービスのセグメントにおいては、個人消費の回復の影響等もあり、決済代行事業で売上が伸長しましたが、計画していた顧客契約が進まず、計画とおりの売上高の確保には至りませんでした。合計で売上高は731,630千円(前年比13.2%増)となり増収となりました。
(売上原価及び売上総利益)
ITソリューションのセグメントでは、開発商品の外注費の増加や人件費の増加の他、売上高同様、株式会社エンジニアファームおよび株式会社バニヤンズ、株式会社TENJIN SYSTEM CONSULTINGの連結対象会社の増加などがあり売上原価は上昇しました。BPO・サービスのセグメントにおきましても、体制強化による人件費の増加が、契約内容等の見直しによる原価改善を上回り、売上原価は増加しました。そのことにより売上原価率が90.9%(前年は78.5%)と大きく上昇し、売上総利益は66,330千円(前年比△52.1%)の結果となりました。
(販売費及び一般管理費及び営業損失)
様々な経費削減に注力してきましたが、のれんの償却、人件費上昇、通信費の増加などもあり販売費及び一般管理費は241,609千円(前年比15.5%増)となり、営業損失は175,278千円(前年は営業損失70,802千円)となりました。
(営業外損益及び経常損失)
採用に伴う助成金収入や子会社で発生した消費税差額、株式配当の増配等の影響で営業外収益は4,624千円となりましたが、新株発行に伴う費用24,045千円をはじめとする営業外費用24,848千円の計上により、経常損失は195,503千円(前年は経常損失69,393千円)となりました。
(特別損益及び税金等調整前当期純損失)
連結除外に伴う関係会社株式売却益88,996千円の特別利益の計上と、のれんやソフトウエアの減損損失の計上92,917千円、貸倒引当金繰入額67,008千円の特別損失の計上により、税金等調整前当期純損失270,013千円を計上いたしました。
(親会社株主に帰属する当期純損失)
法人税、住民税及び事業税2,483千円、法人税等調整額6,390千円を計上し、親会社株主に帰属する当期純損失は259,464千円(前年は親会社株主に帰属する当期純損失36,568千円)となりました。
財政状態の分析
当連結会計年度末の財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、営業活動により94,488千円減少、投資活動により12,466千円減少、財務活動により651,873千円増加しました。その結果、当連結会計年度末の資金の残高は、前連結会計年度末から544,918千円増加し、820,358千円となりました。早期に業績回復を果たし、フリーキャッシュフローを生み出すことが課題となります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動により、資金は94,488千円減少(前連結会計年度は7,531千円減少)しました。これは主に、税金等調整前当期純損失を270,013千円、関係会社株式売却益88,996千円および減損損失92,917千円をそれぞれ計上したこと、貸倒引当金の増加67,004千円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動により、資金は12,466千円減少(前連結会計年度は17,691千円減少)しました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出15,780千円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金は、株式発行による収入599,991千円、借入による収入60,836千円等による資金の増加と、借入金返済による8,946千円の減少があり、651,873千円増加(前連結会計年度は66,824千円減少)しました。