有価証券報告書-第17期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/27 10:40
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97項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループを取り巻く情報通信分野は、通信機器のモバイル化、サービスの多様化、通信の大容量化など、急速な構造変化が進行しております。
総務省では、2020年頃の実用化を目指している第5世代移動通信システム(5G)や、あらゆる「モノ」がネットワークにつながるIoTといった新たな電波利用ニーズの拡大に向けた研究・開発・利用環境の整備等の取り組みを進めており、新たな技術を活用したビジネスへの期待が高まっております。
また、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けたセキュリティ対策につきましては、複雑化するサイバー攻撃などの脅威がますます高まっていることから、脅威に対する対策、脆弱性に対するセキュリティ技術・サービス等についても注目されております。
一方、最近の動向としては楽天が総務大臣から携帯電話キャリア(MNO)として認可を受けたことが話題を集めており、情報通信分野は活況が続いております。
こうした状況の下、当社グループの活躍の場はさらに広がるものと期待して、以下のとおり事業を展開してまいりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、3,113,411千円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、1,495,142千円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、1,618,269千円となりました。
なお、当連結会計年度が連結初年度となるため、前期比は記載しておりません。
b.経営成績
[通信システム・ソリューション]
通信事業者の大規模ネットワークで利用される通信システムのライセンス販売、SI、周辺アプリケーション、及びネットワークセキュリティ・コンサルティングサービスを提供。
・NTT東西などが運営している加入電話網(PSTN)を 2025 年頃にはIP 網へ完全に移行される方針を示しており、NGN(次世代ネットワーク)のオープン化に伴うソフトウェアSBC(*1)の機能のカスタマイズ開発や商用導入に伴うライセンス販売の案件を獲得。また、ネットワークの仮想化の進展に伴い、ソフトウェアSBCへのニーズも拡大、フル・ソフトウェア対応している当社SBCによるマイグレーションが進行。
・複数の大手電気通信事業者において、通信サービス差別化のために新しいサービスを展開する動きが拡大しており、法人向けに提供するサービスの新たなサービスメニューとして「クラウドPBXサービス」が追加されることになり、当社製品であるNX-C1000が採用された。
・コールセンターでは様々な応対チャネル(電話、Eメール、チャット、LINEなど)の対応データを統合するオムニチャネル化が進展しており、CTI基盤とSMSの連携などの機能追加に関する開発案件を獲得。
・2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、サイバー攻撃の手法が高度化、広範化されることが予想されており、その脅威に対する通信インフラのセキュリティ強化に向けた関連案件が増加。EPC/VoLTE/SIP等のセキュリティコンサルティングを継続的に受注。
・Webの脆弱性の問題を解決するため、OSレベル/アプリレベルのセキュリティの強化、システムの脆弱性を解消するための案件を獲得。
・特殊なサーバー技術を使った秘匿性の高い通話システム開発案件に当社SBCが導入され、追加開発に関する契約を受注。今後の市場の拡大も見込まれる。
・IPネットワークの拡大に伴い監視ニーズも増加しており、セキュリティ上の脅威の検知及び問題発生時の解析機能をもつ「ネットワークフォレンジック製品NX-C6500」の大型案件も獲得。
以上の結果、通信システム・ソリューション分野における売上高は1,127,969千円となりました。
[エンタープライズ・ソリューション]
通信事業者以外の企業や官公庁に向けて、通信システムのライセンス販売、SI、周辺アプリケーション、及びクラウド/BPO(*2)サービスを提供。
・音声認識サービス「U³COGNI(ユーキューブ コグニ)」の販売を開始。「U³COGNI(ユーキューブ コグニ)」は月額での音声認識BPOサービスで、通話や会議による音声データをテキスト化するもの。これにより顧客は初期費用を大幅に抑えた音声認識システムの導入が可能となり、社内コンプライアンスの向上と業務効率化を通じた全社的な「働き方改革」の実現に取り組むSMBC日興証券株式会社にも本格導入された。その他コンタクトセンターをはじめとした広範囲の業界を対象に拡販を行っていく。
・エンタープライズ向け VoIP 製品・ソリューションを「VOICEMARK (ヴォイスマーク)」のブランド名称で新たに統合・体系化。顧客に対し製品・ソリューションをトータルで提案することで、今後の販売増を期待。
・日本アバイア株式会社とソフトウェア再販売契約を締結し、具体的な案件も獲得。コンタクトセンターはもとより、問い合わせ窓口を持つ金融、損保などのコンタクトセンターを保有する大手企業を中心に、VoIPソリューションを販売拡大していく計画。
・コールセンターにおいて、回線コストの低減を図るとともに、IP接続の脆弱性の問題も解決するIP直収化が進んでおり、ソフトウェアSBC NX-B5000 for Enterprise を複数納入し、今後も継続的な売上獲得を見込む。「NX-B5000 for Enterprise」は、ジェネシス・ジャパン株式会社の全てのコンタクトセンター・ソリューションでもIP電話接続を実現し、同社の「テクノロジー・パートナー」としても認定された。
・当社IP-PBX NX-C1000 for Enterpriseの大手自動車ディーラーなど企業向け導入が引続き進む。「働き方改革」を目的として、Skype for Businessなどユニファイドコミュニケーションとの連携が可能なIP電話への移行が加速している。
・既存の無線システムでは無線基地局から電波が届かない大規模商業施設や地下鉄等のエリアにおいてもLTE網経由で連携できるIP無線を開発していたが、本製品の機能強化が進み、全国の地方自治体や官公庁への幅広い提案が始まった。無線システムを利用している業種への拡販を推進する。
・事業再生支援を行っていた株式会社neix(以下「neix社」という。)より事業譲受した子会社(株式会社NextGenビジネスソリューションズ)の製品では、VOIPゲートウェイの大型商談を受注し納入。その他、IVR(自動音声応答システム)に音声認識機能を搭載したソリューション「VOTEX-IVR」を受注し納入し、同ソリューションは引き合いも堅調で今後も大幅な売上拡大を狙う。
・MVNOを目指す動きが広がってきており、MVNEとして、システム運用・評価業務を受注。今後も海外ベンダーなどとも連携してMVNEとしての実績を増やしていく計画。
以上の結果、エンタープライズ・ソリューション分野の売上高は824,123千円となりました。
[保守サポート・サービス]
通信システム・ソリューションで培ったパートナーシップの強化により、通信事業者及びエンタープライズ向けに全国24時間・365日対応の保守サポート業務を提供。
・保守契約の更新及び新規案件については、ほぼ計画通りに売上が推移。
・サービス・メニューの充実・強化とともに、引き続きコストの効率化・機能追加を推進。
以上の結果、保守サポート・サービス分野の売上高は916,281千円となりました。
以上3分野の取り組みの結果、当連結会計年度における当社グループの業績につきましては、大手移動通信事業者向けにセキュリティ診断案件の増加並びに、トラフィックの増加やクラウドPBXの多機能化への対応による自社ソフトウェア製品の販売増加、事業再生支援を行っていたneix社より事業譲受した通話録音製品や音声応答装置の機器販売の増加、VOICEMARK製品が着実に市場での知名度を上げつつ販路が拡大したこと、さらには、音声認識BPOサービスが好調なスタートを切ったこと等により売上高は2,868,374千円となりました。
損益面につきましては、中部営業所の開設等今後の事業拡大を見込んだ人員及び外注費増加並びに、自社ソフトウェア開発に係る償却費の増加等による固定費が増加したことにより売上総利益は1,260,261千円、営業利益は131,561千円、経常利益は128,972千円、親会社株主に帰属する当期純利益は75,189千円となりました。
受注面におきましては、継続保守契約の更改など順調に積み上がり、セキュリティ診断案件や機器販売の受注を獲得したこと等により、受注残高は932,089千円となりました。
なお、当連結会計年度が連結初年度となるため、前期比は記載しておりません。
売上高2,868,374千円
売上総利益1,260,261千円
営業利益131,561千円
親会社株主に帰属する当期純利益75,189千円
受注残高932,089千円

(*1)ソフトウェアSBC(セッション・ボーダー・コントローラー)
SBCはIP電話システムで利用されるゲートウェイ装置で、異装置間でのSIP信号の差分吸収やインターネット上でのセキュリティ確保等、SIPを利用したサービス提供時の課題を解決する装置です。当社グループのソフトウェアSBCは、SBCの機能を汎用サーバ上で提供するソフトウェア製品でありながら、他社アプライアンス製品と同等のパフォーマンスを実現しています。
(*2)BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)
自社の業務プロセスを外部企業に委託すること。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、738,794千円となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
a.営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動により獲得した資金は138,614千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益128,572千円、減価償却費336,113千円、のれん償却額22,004千円等による収入と、売上債権の増加252,977千円、たな卸資産の増加63,211千円、法人税等の支払額44,917千円等の支出によるものであります。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動により使用した資金は473,714千円となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出307,157千円、事業譲受による支出140,000千円によるものであります。
c.財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動により獲得した資金は337,467千円となりました。これは主に、長期借入れによる収入600,000千円、長期借入金の返済による支出263,291千円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは、通信技術に関するソリューション提供を事業とする単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
a.生産実績
当社グループは、ソフトウェアの開発・販売を主たる事業としており、生産という概念は薄く、かつ受注形態が多岐にわたり生産実績の把握が困難であるため、生産実績の記載を省略しております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績を事業区分別に示すと、次のとおりであります。
事業区分の名称受注高
(千円)
前年同期比
(%)
受注残高
(千円)
前年同期比
(%)
通信システム・ソリューション1,158,298-72,128-
エンタープライズ・ソリューション936,023-122,305-
保守サポート・サービス860,560-737,654-
合計2,954,881-932,089-

(注)1 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
2 当連結会計年度は、連結初年度にあたるため前連結会計年度との比較分析は行っておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績を事業区分別に示すと、次のとおりであります。
事業区分の名称当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比(%)
通信システム・ソリューション(千円)1,127,969-
エンタープライズ・ソリューション(千円)824,123-
保守サポート・サービス(千円)916,281-
合計(千円)2,868,374-

(注)1 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
2 当連結会計年度において主要な販売先に該当する社数が2社ありますが、販売先と秘密保持契約を締結しているため、主要な販売先及び当該販売実績については、その社名、金額及び割合の公表は控えさせていただきます。
3 当連結会計年度は、連結初年度にあたるため前連結会計年度との比較分析は行っておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における財政状態及び報告期間における経営成績に影響を与える見積り・予測を必要としております。当社は、過去の実績や状況を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき、継続してこの見積り・予測の評価を実施しておりますが、不確実性が伴うため、当初の見積り・予測数値と実際の数値に乖離が生じる可能性があります。
当社グループでは特に以下の会計方針を重要と認識しており、連結財務諸表作成において必要となる見積り・予測に影響を与える可能性があると考えております。
a.市場販売目的ソフトウェアの減価償却方法
市場販売目的のソフトウェアについては、見込販売金額に基づく償却額と残存見込販売有効期間(3年)に基づく均等償却額とのいずれか大きい金額を計上する方法により減価償却金額を算出しております。
販売実績金額又は将来の販売見込金額が当初見込と比べて大きく乖離した場合、追加の費用計上が必要となる場合があります。
b.繰延税金資産
当社グループの連結財務諸表に計上されている資産及び負債の金額と課税所得計算上の資産及び負債の金額との間に生じる一時差異に係る税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率を使用して、繰延税金資産を計上しております。将来の税金の回収可能予想額は、当社グループの将来の課税所得の見込額に基づき算出されておりますが、将来の課税見込額の変動により、繰延税金資産が変動する可能性があります。
c.のれんの減損
のれんの償却方法については、投資効果の及ぶ期間にわたり、定額法により償却しております。なお、のれんの対象事業の収益性が低下し、減損の必要性を認識した場合には、のれんの減損処理を行う可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
Ⅰ 財政状態
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、3,113,411千円となりました。流動資産は、2,142,174千円となり、主な内訳は、現金及び預金が738,794千円、売掛金が1,136,063千円、製品が56,139千円、原材料及び貯蔵品が83,461千円であります。
固定資産は、971,237千円となり、主な内訳は、ソフトウエア資産が711,502千円、差入保証金が66,529千円であります。
(負債)
当連結会計年度末における負債の総額は、1,495,142千円となりました。流動負債は、820,854千円となり、主な内訳は、買掛金が225,732千円、1年内返済予定の長期借入金が305,155千円であります。
固定負債は、674,287千円となり、主な内訳は、長期借入金641,197千円であります。
(純資産)
純資産は1,618,269千円となりました。主な内訳は、資本金523,864千円、資本剰余金が473,864千円、利益剰余金が588,051千円であります。
Ⅱ 経営成績
経営成績の状況に関する分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
Ⅲ キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況に関する分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
Ⅰ ソフトウェア資産の減損損失の可能性について
当社グループは通信システムに関わるソフトウェアを開発しており、現時点で適正と考えられるソフトウェア資産を計上しております。しかしながら今後、事業環境の変化により保有するソフトウェアの収益性が著しく低下し投資額を回収できなくなった場合には、減損損失が発生し当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
Ⅱ プロジェクトの納期変動リスクについて
当社グループでは、プロジェクトごとに売上規模や利益率が異なり、その売上計上時期によって業績が大きく変動します。想定外の仕様の変更など顧客側の都合等により契約上、当初予定されていた期間内に、顧客による検収を受けることができない場合、またシステムの不具合等の要因によりサービスの納品時期がずれ込んだ場合、当社グループの四半期ごとの業績が大きく変動する可能性があります。
c.資本の財源及び資金の流動性
Ⅰ キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの状況に関する分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
Ⅱ 資金需要
当社グループの資金需要は主に大きく分けて運転資金需要と設備資金需要の2つがあります。
運転資金需要のうち主なものは営業活動に必要な運転資金(材料・外注費及び人件費等)、受注獲得のための引合費用等の販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備資金需要としましては、主に通信システムに関わるソフトウエアの開発費(外注費及び人件費等)によるものであります。
Ⅲ 財務政策
当社グループの財務政策は、資産構成や投資内容に最適な資金調達を行うことを基本方針としており、その運転資金及び設備資金について現状では自己資金又は長期を中心とする金融機関からの借入によって対応しております。今後も、調達手段の選択においては、資本コスト、資金調達環境及び条件、自己資本比率、手許流動性の水準などを総合的に勘案し、長期的な企業価値向上に最も資すると考える方法により対応して参ります。
d.経営上の目標の達成状況について
当連結会計年度の業績は、「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」で述べたとおりとなりました。
また、現ステージにおいては事業の成長を持続することが重要であるとの経営判断に基づき、CAGR(年間平均成長率)を重要な指標と位置付けておりますが、当連結会計年度においては15%の成長を達成しております。(連結会計開始初年度につき参考数値となります)

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