訂正有価証券報告書-第26期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により急速な悪化が続いており、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、中国を始めアジア新興国等の経済動向、金融資本市場の変動に加え、米中貿易摩擦や米国政策運営の不透明感の継続など、世界経済の不確実性は高く、国内外の景気の先行きには留意する必要があります。
当社グループの主要顧客が属する製薬業界においては、大型薬剤の特許切れや薬価制度の変更、ジェネリック医薬品の使用促進などに直面し、製薬企業の営業環境は、厳しい状況が続いております。そのため、製薬企業は、新薬の研究開発や営業・適正普及活動において、さらなる生産性向上を求めております。また上市される新薬の中心が、スペシャリティ医薬品になるなかで、製薬企業はスペシャリティ医薬品に合った新たな適正普及支援を必要としております。
なお、当社グループでは、長期化する新型コロナウイルス感染症対策として、リモートワークを実施し、顧客との商談、セミナー等についてもオンラインで実施いたしました。また、製薬企業はMRの医療機関への訪問自粛が続いている背景から、医薬営業支援サービスの各既存サービスのニーズが高まり、受注が増加する要因となりました。
この結果、当連結会計年度においては、売上高5,304百万円(前期比62.3%増)、売上総利益3,712百万円(前期比68.3%増)、営業利益1,510百万円(前期比149.3%増)、経常利益1,506百万円(前期比153.9%増)となりました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は815百万円(前期比82.0%増)となりました。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
a.医薬営業支援サービス
当サービスにおいては、既存サービスの販売体制強化及び販売管理費のコスト削減や効率化等の諸施策などの取り組みを進めるなか、医薬営業支援サービスの売上高は4,816百万円(前期比67.8%増)、営業利益は2,669百万円(前期比80.7%増)となりました。
b.医療コンテンツサービス
当サービスにおいては、医師向け教育コンテンツ「ケアネットDVD」及び「その他」の売上高は193百万円(前期比30.4%増)、医療教育動画サービス「CareNeTV」の売上高は293百万円(前期比17.7%増)となりました。
この結果、医療コンテンツサービスの売上高は487百万円(前期比22.5%増)、営業利益は29百万円(前期比45.6%減)となりました。
また、医師・医療従事者向け医療専門サイト「ケアネット・ドットコム(CareNet.com)」においては、医師会員獲得及び維持を目的に、前期に引き続き積極的に投資を行っております。これにより、当連結会計年度末の医師会員数は18万人となりました。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ2,239百万円増加の5,319百万円となりました。
流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ1,849百万円増加の4,325百万円となりました。これは主に、現金及び預金973百万円、受取手形及び売掛金904百万円の増加によるものであります。
また、固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ389百万円増加の993百万円となりました。これは主に、投資有価証券202百万円、のれん80百万円、ソフトウェア44百万円の増加によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ1,309百万円増加の2,234百万円となりました。
流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ1,299百万円増加の2,209百万円となりました。これは主に、未払法人税等526百万円、未払金262百万円、未払消費税等171百万円、ポイント引当金171百万円、役員賞与引当金122百万円の増加によるものであります。
また、固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べ10百万円増加の24百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ929百万円増加の3,085百万円となりました。これは主に、利益剰余金753百万円、その他有価証券評価差額金167百万円の増加によるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、2,306百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、1,358百万円(前年同期は278百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,386百万円の計上、未払金の増加274百万円、未払消費税等の増加171百万円、ポイント引当金の増加171百万円、役員賞与引当金の増加122百万円、投資有価証券評価損の計上120百万円などによる資金の増加と、売上債権の増加904百万円、法人税等の支払額144百万円などによる資金の減少との差引によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は、332百万円(前年同期は138百万円の支出)となりました。これは主に、事業譲受による支出109百万円、投資有価証券の取得による支出100百万円、無形固定資産の取得による支出85百万円などによる資金の減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は、47百万円(前年同期は307百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額61百万円によるものであります。
④生産、受注及び販売の状況
a.外注実績
当連結会計年度における外注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.医薬営業支援サービスにおける主な外注内容は、医薬営業コンテンツの制作委託であります。
3.医療コンテンツサービスにおける主な外注内容は、インターネットによる動画配信番組及びDVDの制作委託であります。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において入手し得る情報に基づいて判断したものであります。なお、今後の予測しえない経済状況の変化等様々な要因があるため、その結果について当社が保証するものではありません。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき、作成しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、資産、負債並びに収益、費用の金額に影響する見積り、判断及び仮定が必要となり、これらは過去の実績や取引状況、経済等の事象及び状況並びにその他の要因を勘案し、会計基準の範囲内で且つ合理的に算定しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なる可能性があることがあります。
当社グループの重要な会計方針のうち、見積り、判断及び仮定による算定が含まれる重要な項目は以下の通りであります。
固定資産の減損
当社グループの保有する固定資産について、減損の兆候がある場合には、減損の要否を検討しております。この検討は一定の仮定に基づき見積もった将来キャッシュ・フロー等をもとに行っております。対象となる資産又は資産グループの帳簿価額に減損が生じていると判断した場合、その帳簿価額を回収可能価額(正味売却価額と使用価値のいずれか高い方の金額)まで減額し、当該減少額を減損損失として計上します。なお、当連結会計年度末時点で減損の兆候はないと判断しております。
繰延税金資産の回収可能性
当社グループでは繰延税金資産の計上に当たり、策定した経営計画をベースに将来減算(加算)一時差異の解消スケジュールに基づく加減算を加えた将来の課税所得の予測を行っております。その結果、将来の法人税等を減少させる効果が見込まれない繰延税金資産については、回収可能性がないものと判断し、評価制引当額を計上しております。将来の課税所得の予測については、製薬企業からの受注見込、医師会員数の推移予測等に基づき見積を行っております。
貸倒引当金
当社グループで保有する金銭債権について、将来回収不能と見込まれる金額について貸倒引当金を計上しております。将来回収不能と見込まれる金額については、債権金額から債務者の財政状態及び経営成績等をもとに見積った回収見込額を差し引くことにより算定しております。回収可能見込額の見積に当たっては、債務者が営む事業の将来予測等を考慮した一定の仮定に基づき見積を行っております。
なお、当連結会計年度末現在、新型コロナウイルス感染症が引き続き流行しておりますが、上記見積、判断及び仮定に与える影響は限定的であると判断しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、次の3つの視点から経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況を分析しております。
a.成長性の視点:売上高及び成長の鍵となる医師会員数の推移
b.収益性の視点:売上総利益率、販売費及び一般管理費比率及び営業利益率の状況
c.健全性の視点:自己資本比率、流動比率、流動資産比率の水準、及び営業活動によるキャッシュ・フロー及び有利子負債残高の状況
a.成長性
当社グループは、医師会員の協力を得ることにより、製薬会社向けの医薬営業支援サービスを提供し、一方で医師・医療従事者向けの医療コンテンツサービスの提供を行っております。
これらサービス別の売上高と売上構成比の推移の状況及び医師会員数の推移は、次のとおりであります。
当連結会計年度においては、医師会員獲得及び維持を目的に、前期に引き続き積極的に投資をした結果、医師会員は前年同期比17.6%増となり、医薬営業支援サービスの売上高の伸長に繋がっております。
b.収益性
(注)1.売上総利益率は、売上総利益を売上高で除して算出しております。
2.販売費及び一般管理費比率は、販売管理費及び一般管理費を売上高で除して算出しております。
3.営業利益率は、営業利益を売上高で除して、算出しております。
当連結会計年度においては、売上高5,304百万円(前年同期比62.3%増)、売上総利益率は70.0%(前年同期比2.5ポイント改善)、販売費及び一般管理費率は41.5%(前年同期比7.4ポイント改善)となり、営業利益は1,510百万円(前年同期は営業利益605百万円)、営業利益率は28.5%(前年同期比10.0ポイント改善)となりました。
c.健全性
(注)1.流動比率は、流動資産合計額を流動負債合計額で除して算出しております。
2.流動資産比率は、流動資産合計額を総資産額で除して算出しております。
当連結会計年度末時点での現金及び現金同等物残高2,306百万円、自己資本比率57.8%の水準と各指標から健全性を確保していると判断しております。
(資本の財源及び資本の流動性)
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金、設備投資及びM&Aであります。当社グループの資金の源泉は主として、営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入による資金調達によっております。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により急速な悪化が続いており、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、中国を始めアジア新興国等の経済動向、金融資本市場の変動に加え、米中貿易摩擦や米国政策運営の不透明感の継続など、世界経済の不確実性は高く、国内外の景気の先行きには留意する必要があります。
当社グループの主要顧客が属する製薬業界においては、大型薬剤の特許切れや薬価制度の変更、ジェネリック医薬品の使用促進などに直面し、製薬企業の営業環境は、厳しい状況が続いております。そのため、製薬企業は、新薬の研究開発や営業・適正普及活動において、さらなる生産性向上を求めております。また上市される新薬の中心が、スペシャリティ医薬品になるなかで、製薬企業はスペシャリティ医薬品に合った新たな適正普及支援を必要としております。
なお、当社グループでは、長期化する新型コロナウイルス感染症対策として、リモートワークを実施し、顧客との商談、セミナー等についてもオンラインで実施いたしました。また、製薬企業はMRの医療機関への訪問自粛が続いている背景から、医薬営業支援サービスの各既存サービスのニーズが高まり、受注が増加する要因となりました。
この結果、当連結会計年度においては、売上高5,304百万円(前期比62.3%増)、売上総利益3,712百万円(前期比68.3%増)、営業利益1,510百万円(前期比149.3%増)、経常利益1,506百万円(前期比153.9%増)となりました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は815百万円(前期比82.0%増)となりました。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
a.医薬営業支援サービス
当サービスにおいては、既存サービスの販売体制強化及び販売管理費のコスト削減や効率化等の諸施策などの取り組みを進めるなか、医薬営業支援サービスの売上高は4,816百万円(前期比67.8%増)、営業利益は2,669百万円(前期比80.7%増)となりました。
b.医療コンテンツサービス
当サービスにおいては、医師向け教育コンテンツ「ケアネットDVD」及び「その他」の売上高は193百万円(前期比30.4%増)、医療教育動画サービス「CareNeTV」の売上高は293百万円(前期比17.7%増)となりました。
この結果、医療コンテンツサービスの売上高は487百万円(前期比22.5%増)、営業利益は29百万円(前期比45.6%減)となりました。
また、医師・医療従事者向け医療専門サイト「ケアネット・ドットコム(CareNet.com)」においては、医師会員獲得及び維持を目的に、前期に引き続き積極的に投資を行っております。これにより、当連結会計年度末の医師会員数は18万人となりました。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ2,239百万円増加の5,319百万円となりました。
流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ1,849百万円増加の4,325百万円となりました。これは主に、現金及び預金973百万円、受取手形及び売掛金904百万円の増加によるものであります。
また、固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ389百万円増加の993百万円となりました。これは主に、投資有価証券202百万円、のれん80百万円、ソフトウェア44百万円の増加によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ1,309百万円増加の2,234百万円となりました。
流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ1,299百万円増加の2,209百万円となりました。これは主に、未払法人税等526百万円、未払金262百万円、未払消費税等171百万円、ポイント引当金171百万円、役員賞与引当金122百万円の増加によるものであります。
また、固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べ10百万円増加の24百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ929百万円増加の3,085百万円となりました。これは主に、利益剰余金753百万円、その他有価証券評価差額金167百万円の増加によるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、2,306百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、1,358百万円(前年同期は278百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,386百万円の計上、未払金の増加274百万円、未払消費税等の増加171百万円、ポイント引当金の増加171百万円、役員賞与引当金の増加122百万円、投資有価証券評価損の計上120百万円などによる資金の増加と、売上債権の増加904百万円、法人税等の支払額144百万円などによる資金の減少との差引によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は、332百万円(前年同期は138百万円の支出)となりました。これは主に、事業譲受による支出109百万円、投資有価証券の取得による支出100百万円、無形固定資産の取得による支出85百万円などによる資金の減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は、47百万円(前年同期は307百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額61百万円によるものであります。
④生産、受注及び販売の状況
a.外注実績
当連結会計年度における外注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | 前年同期比(%) |
医薬営業支援サービス(千円) | 1,120,822 | +55.7 |
医療コンテンツサービス(千円) | 63,258 | +18.9 |
合計(千円) | 1,184,080 | +53.1 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.医薬営業支援サービスにおける主な外注内容は、医薬営業コンテンツの制作委託であります。
3.医療コンテンツサービスにおける主な外注内容は、インターネットによる動画配信番組及びDVDの制作委託であります。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | |||
受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) | |
医薬営業支援サービス | 5,227,133 | +83.4 | 520,308 | +373.5 |
医療コンテンツサービス | 487,668 | +22.5 | - | - |
合計 | 5,714,802 | +75.9 | 520,308 | +373.5 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | 前年同期比(%) | |
医薬営業支援サービス(千円) | 4,816,704 | +67.8 | |
医療コンテンツサービス(千円) | 487,668 | +22.5 | |
合計(千円) | 5,304,372 | +62.3 |
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | ||
金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
武田薬品工業株式会社 | 480,106 | 14.7 | 452,958 | 8.5 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において入手し得る情報に基づいて判断したものであります。なお、今後の予測しえない経済状況の変化等様々な要因があるため、その結果について当社が保証するものではありません。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき、作成しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、資産、負債並びに収益、費用の金額に影響する見積り、判断及び仮定が必要となり、これらは過去の実績や取引状況、経済等の事象及び状況並びにその他の要因を勘案し、会計基準の範囲内で且つ合理的に算定しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なる可能性があることがあります。
当社グループの重要な会計方針のうち、見積り、判断及び仮定による算定が含まれる重要な項目は以下の通りであります。
固定資産の減損
当社グループの保有する固定資産について、減損の兆候がある場合には、減損の要否を検討しております。この検討は一定の仮定に基づき見積もった将来キャッシュ・フロー等をもとに行っております。対象となる資産又は資産グループの帳簿価額に減損が生じていると判断した場合、その帳簿価額を回収可能価額(正味売却価額と使用価値のいずれか高い方の金額)まで減額し、当該減少額を減損損失として計上します。なお、当連結会計年度末時点で減損の兆候はないと判断しております。
繰延税金資産の回収可能性
当社グループでは繰延税金資産の計上に当たり、策定した経営計画をベースに将来減算(加算)一時差異の解消スケジュールに基づく加減算を加えた将来の課税所得の予測を行っております。その結果、将来の法人税等を減少させる効果が見込まれない繰延税金資産については、回収可能性がないものと判断し、評価制引当額を計上しております。将来の課税所得の予測については、製薬企業からの受注見込、医師会員数の推移予測等に基づき見積を行っております。
貸倒引当金
当社グループで保有する金銭債権について、将来回収不能と見込まれる金額について貸倒引当金を計上しております。将来回収不能と見込まれる金額については、債権金額から債務者の財政状態及び経営成績等をもとに見積った回収見込額を差し引くことにより算定しております。回収可能見込額の見積に当たっては、債務者が営む事業の将来予測等を考慮した一定の仮定に基づき見積を行っております。
なお、当連結会計年度末現在、新型コロナウイルス感染症が引き続き流行しておりますが、上記見積、判断及び仮定に与える影響は限定的であると判断しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、次の3つの視点から経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況を分析しております。
a.成長性の視点:売上高及び成長の鍵となる医師会員数の推移
b.収益性の視点:売上総利益率、販売費及び一般管理費比率及び営業利益率の状況
c.健全性の視点:自己資本比率、流動比率、流動資産比率の水準、及び営業活動によるキャッシュ・フロー及び有利子負債残高の状況
a.成長性
当社グループは、医師会員の協力を得ることにより、製薬会社向けの医薬営業支援サービスを提供し、一方で医師・医療従事者向けの医療コンテンツサービスの提供を行っております。
これらサービス別の売上高と売上構成比の推移の状況及び医師会員数の推移は、次のとおりであります。
回次 | 第22期 | 第23期 | 第24期 | 第25期 | 第26期 | ||||||
決算年月 | 2016年12月 | 2017年12月 | 2018年12月 | 2019年12月 | 2020年12月 | ||||||
売上高 (千円) | 構成比 (%) | 売上高 (千円) | 構成比 (%) | 売上高 (千円) | 構成比 (%) | 売上高 (千円) | 構成比 (%) | 売上高 (千円) | 構成比 (%) | ||
医薬営業支援サービス | 1,819,997 | 82.8 | 2,447,843 | 85.7 | 2,511,870 | 86.5 | 2,870,287 | 87.8 | 4,816,704 | 90.8 | |
医療コンテンツサービス | 376,834 | 17.2 | 407,133 | 14.3 | 390,484 | 13.5 | 398,155 | 12.2 | 487,668 | 9.2 | |
ケアネットDVD他 | 176,347 | 8.1 | 188,045 | 6.6 | 160,872 | 5.6 | 148,700 | 4.6 | 193,976 | 3.7 | |
CareneTV | 200,486 | 9.1 | 219,088 | 7.7 | 229,612 | 7.9 | 249,455 | 7.6 | 293,692 | 5.5 | |
合計 | 2,196,831 | 100.0 | 2,854,977 | 100.0 | 2,902,355 | 100.0 | 3,268,443 | 100.0 | 5,304,372 | 100.0 |
回次 | 第22期 | 第23期 | 第24期 | 第25期 | 第26期 | ||||||
決算年月 | 2016年12月 | 2017年12月 | 2018年12月 | 2019年12月 | 2020年12月 | ||||||
前年同期比(%) | 前年同期比(%) | 前年同期比(%) | 前年同期比(%) | 前年同期比(%) | |||||||
医師会員数(千人) | 132 | +3.5 | 138 | +4.6 | 144 | +4.0 | 153 | +6.4 | 180 | +17.6 |
当連結会計年度においては、医師会員獲得及び維持を目的に、前期に引き続き積極的に投資をした結果、医師会員は前年同期比17.6%増となり、医薬営業支援サービスの売上高の伸長に繋がっております。
b.収益性
回次 | 第22期 | 第23期 | 第24期 | 第25期 | 第26期 | ||||||
決算年月 | 2016年12月 | 2017年12月 | 2018年12月 | 2019年12月 | 2020年12月 | ||||||
前年同期比(%) | 前年同期比(%) | 前年同期比(%) | 前年同期比(%) | 前年同期比(%) | |||||||
売上総利益率(%)(注)1 | 61.6 | △1.0 | 60.3 | △1.4 | 63.0 | +2.7 | 67.5 | +4.5 | 70.0 | +2.5 | |
販売費及び一般管理費比率(%)(注)2 | 52.8 | △1.8 | 46.0 | △6.8 | 46.8 | +0.8 | 48.9 | +2.1 | 41.5 | △7.4 | |
営業利益(千円) | 194,119 | - | 407,870 | - | 469,310 | - | 605,801 | - | 1,510,077 | - | |
営業利益率(%)(注)3 | 8.8 | +0.8 | 14.3 | +5.5 | 16.2 | +1.9 | 18.5 | +2.3 | 28.5 | +10.0 |
(注)1.売上総利益率は、売上総利益を売上高で除して算出しております。
2.販売費及び一般管理費比率は、販売管理費及び一般管理費を売上高で除して算出しております。
3.営業利益率は、営業利益を売上高で除して、算出しております。
当連結会計年度においては、売上高5,304百万円(前年同期比62.3%増)、売上総利益率は70.0%(前年同期比2.5ポイント改善)、販売費及び一般管理費率は41.5%(前年同期比7.4ポイント改善)となり、営業利益は1,510百万円(前年同期は営業利益605百万円)、営業利益率は28.5%(前年同期比10.0ポイント改善)となりました。
c.健全性
回次 | 第22期 | 第23期 | 第24期 | 第25期 | 第26期 | |
決算年月 | 2016年12月 | 2017年12月 | 2018年12月 | 2019年12月 | 2020年12月 | |
総資産額(千円) | 2,029,830 | 2,778,358 | 3,020,804 | 3,079,895 | 5,319,411 | |
純資産額(千円) | 1,528,087 | 1,904,236 | 2,250,497 | 2,155,570 | 3,085,357 | |
自己資本比率(%) | 75.3 | 68.5 | 74.3 | 69.8 | 57.8 | |
現金及び現金同等物(千円) | 1,129,553 | 1,700,485 | 1,502,361 | 1,333,080 | 2,306,402 | |
営業活動によるキャッシュ・フロー(千円) | 339,749 | 689,710 | 205,940 | 278,050 | 1,358,138 | |
流動比率(%)(注)1 | 368.6 | 296.9 | 305.6 | 272.1 | 195.8 | |
流動資産比率(%)(注)2 | 88.3 | 91.9 | 76.4 | 80.4 | 81.3 | |
有利子負債残高(千円) | - | - | - | - | 10,000 |
(注)1.流動比率は、流動資産合計額を流動負債合計額で除して算出しております。
2.流動資産比率は、流動資産合計額を総資産額で除して算出しております。
当連結会計年度末時点での現金及び現金同等物残高2,306百万円、自己資本比率57.8%の水準と各指標から健全性を確保していると判断しております。
(資本の財源及び資本の流動性)
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金、設備投資及びM&Aであります。当社グループの資金の源泉は主として、営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入による資金調達によっております。