有価証券報告書-第41期(2025/04/01-2026/03/31)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費の堅調さに加え、円安を背景としたインバウンド消費の増加、半導体関連需要の回復により、総じて安定的に推移しました。一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や、日中関係の悪化やイラン情勢の緊迫化など、地政学リスクの高まりが先行き不透明感を残しました。
IT業界では、少子化に伴う労働力不足への対応や生産性向上を目的に、DX推進の動きが加速しましたが、地政学リスクに起因する原油高や物価上昇、人件費の高騰により、企業のIT投資に対する慎重姿勢が継続しました。加えて、為替変動による調達コストの増加や、先行き不透明感を背景に、企業の中長期的な投資判断は慎重な傾向が続きました。
2024年7月以降、株式会社WEEL(WEEL社)、デジタルトランスコミュニケーションズ株式会社(DTC社)、株式会社メロン(メロン社)がグループに加わり、当社グループの連結子会社は3社となりました。WEEL社は生成AIを活用した受託開発・コンサルティングやAIエージェント開発に特化し、メロン社は時系列解析技術や大規模言語モデルを活用したAI・ソフトウエア開発を展開、DTC社はEDI/EAIを基軸とした業務インフラソリューションを提供しています。これにより、データ連携・AI・業務インフラ領域における事業基盤が強化され、グループ全体でのシナジー創出と成長戦略の加速を図っています。
これらの事業環境の変化と体制強化を受け、当社グループは2025年3月期より推進していた中期経営計画を見直し、2026年3月期から2028年3月期を対象とした新たな中期経営計画を、2025年5月12日に策定・公表いたしました。
新中期経営計画では、DX化された新しい働き方「DIGITAL WORK」の実現を中核ビジョンに掲げ、「個人と組織がともに成長し続けるDIGITAL WORKの実現」を目指しております。これを達成するため、当社グループは以下の3つの事業戦略を推進しております。
・事業領域の拡大・開拓
・収益安定性の向上
・人的資本経営の推進
また、当連結会計年度より、当社グループは従来のソフトウエア関連事業の単一セグメントから、事業セグメントを以下の3区分に再編しております。
・ソフトウエア事業
・システムインテグレーション事業
・AI関連事業
なお、当社は中期経営計画における財務方針の見直しにより、従来のDOE3.5%水準から、総還元性向100%(フルペイアウト)を基本とし、DOE3.5%~5.0%水準を目安に、自己株式取得も含めた機動的な株主還元を行います。また、2026年3月期の剰余金の配当は、1株当たり35円(普通配当26円+記念配当9円)となります。
詳細は、2026年4月16日公表の「中期経営計画における財務方針の変更および2026年3月期剰余金の配当に関するお知らせ」をご参照ください。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産残高は、前連結会計年度末に比べ857百万円増加して7,036百万円となりました。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ609百万円増加して2,012百万円となりました。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ248百万円増加して5,024百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高4,322百万円(前年同期比65.8%増)、営業利益276百万円(前年同期比15.9%減)、経常利益324百万円(前年同期比9.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益156百万円(前年同期比41.8%減)となりました。
各事業セグメントの状況は次のとおりであります。
ソフトウエア事業
クラウド型データ連携プラットフォーム「ACMS Cloud」を2025年11月28日より提供開始しました。これにあわせて、市場展開を加速するため、当社の最新戦略や製品情報を販売代理店と共有し、セミナーの実施や営業資料の整備などを通じて営業活動を支援し、販路拡大を進めています。また、ワークマネジメントプラットフォーム「Placul(プラカル)」のカスタマーサクセス業務に特化した新エディション「Placul - CustomerSuccess Edition(カスタマーサクセス・エディション)」を2025年10月17日より提供開始いたしました。これにより、顧客企業のカスタマーサクセス部門における業務効率化と顧客体験の向上を支援し、Placulの利用領域をさらに拡大してまいります。
また、当社は中期経営計画において人的資本経営を重要施策に掲げ、環境整備を進めてきた結果、こうした取り組みが評価され、D&I AWARD 2025「ベストワークプレイス」「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」に認定されました。さらに、ワンキャリア就活クチコミアワード2026 特別部門理系学生が選んだランキングGOLDランク・同アワードエリア部門関東ランキングBRONZEランクに選出されました。
これらを背景に、当連結会計年度のソフトウエア事業の売上高は2,426百万円(前年同期比4.0%減)となりました。なお、リカーリング売上比率は83.3%、リカーリング内のサブスクリプション売上比率は49.1%となりました。サブスクリプション売上は堅調に推移しており、当連結会計年度のMRR(Monthly Recurring Revenue:月次経常収益)は89百万円となっております。
当社は安定収益基盤の構築に向け、売り切り型からサブスクリプション型への移行を進めており、2026年3月期をもって新規の売り切り販売を終了しております。これにより、移行期は成長率が一時的に鈍化する可能性がありますが、継続収益の積み上げにより将来的には安定した持続的成長を実現していきます。
システムインテグレーション事業
システムインテグレーション事業では、DTC社がEDI/EAIを基軸とした業務インフラ構築を推進しており、ACMS Cloudの構築体制においてもグループ内のシナジーを実現するために引き続き協力体制を強化しております。また、DTC社単体においても、受注活動及び案件対応力の強化を通じて、安定的な事業運営に取り組みました。
さらに、EDI環境をフルパッケージで提供する「トラコ」が「ITトレンド年間ランキング」のEDI部門で第1位を獲得するなど、市場における認知度向上が進んでいます。加えて、新卒を対象とした採用活動を継続して推進しており、専門人材の獲得を目指すとともに外注依存の軽減による内製化比率の向上を通じて、将来的な利益率の改善につながる体制づくりを進めております。
これらを背景に、当連結会計年度のシステムインテグレーション事業の売上高は1,328百万円となりました。なお、システムインテグレーション事業につきましては、当連結会計年度より新たに報告セグメントとして設定したため、前連結会計年度との比較はしておりません。
AI関連事業
AI関連事業では、メロン社のプロダクトである需要予測サービス『KISS』が「生成AI業務変革カオスマップ」に紹介されるなど、市場から一定の評価を受けています。また、WEEL社も「生成AIサミットVol.7」などに出展することで、AI技術の実用化と市場展開を推進いたしました。
これらの販売促進活動を通じて、複数の企業から具体的な引き合いや相談が寄せられており、今後の受注や事業拡大に向けた有望な商談機会を創出しております。また、今後も高まることが予想されるAI需要を背景とした事業成長のために、AI人材・データサイエンティスト・データコンサルタント等の専門人材の採用活動も積極的に進めており、技術力と受託開発体制のさらなる強化を図っております。
これらを背景に、当連結会計年度のAI関連事業の売上高は567百万円(前年同期比607.3%増)となりました。
売上高は、ソフトウエア事業において売り切り型からサブスクリプション移行を進めたことに加え、当期はサブスクリプションの大型案件が少なく規模が縮小したこと、さらに子会社において売上計上基準を調整したことも影響し、業績予想を下回る結果となりました。
一方、のれん償却費の継続的な計上はあるものの、コスト管理を徹底し、適正なコストコントロールの実施により、営業利益及びEBITDAは業績予想と概ね同等の水準となりました。
今後の課題といたしましては、ACMS Cloudの安定稼働及び販売強化、グループ各社のシナジー創出による売上・利益の拡大、並びにAI関連事業における受注基盤の確立と認識しております。中期経営計画のもと、「事業領域の拡大・開拓」「収益安定性の向上」「人的資本経営の推進」の3つの柱を推進してまいります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、4,112百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は462百万円(前連結会計年度の得られた資金は103百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益280百万円、売上債権の減少190百万円、受取利息及び受取配当金45百万円、仕入債務の減少178百万円、未払金の減少11百万円、前受金の増加251百万円、減価償却費88百万円、のれん償却費95百万円、法人税等の支払107百万円、現金及び現金同等物の期末残高の増加284百万円等があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により得られた資金は82百万円(前連結会計年度の使用した資金は261百万円)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出15百万円、子会社株式の取得による収入91百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は261百万円(前連結会計年度の使用した資金は162百万円)となりました。これは主に、配当金の支払額162百万円、長期借入金の返済による支出102百万円があったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループの事業内容は、ソフトウエア製品の開発、販売及び保守、システムインテグレーション並びにAI関連サービスの提供であり、有形物の製造を行っていないことから、生産実績は記載しておりません。
b.受注実績
当社グループは、主にソフトウエア製品の開発、販売及び保守、システムインテグレーション並びにAI関連サービスの提供を行っております。受注残高の金額的重要性が乏しいため、受注実績の記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(注)当連結会計年度の株式会社日立システムズに対する販売実績は、総販売高の100分の10未満のため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。なお、連結財務諸表に重要な影響を及ぼす会計上の見積りはありません。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末の資産残高は、前連結会計年度末に比べ857百万円増加して7,036百万円となりました。主な内訳は、現金及び預金の増加323百万円、売掛金の増加232百万円、のれんの増加295百万円、投資有価証券の減少232百万円、繰延税金資産の増加21百万円であります。
(負債の部)
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ609百万円増加して2,012百万円となりました。主な内訳は、買掛金の増加46百万円、未払金の増加59百万円、未払法人税等の増加29百万円、前受金の増加280百万円、賞与引当金の増加29百万円、1年以内返済予定の長期借入金の増加69百万円、長期借入金の増加135百万円、リース債務の減少13百万円、繰延税金負債の減少56百万円であります。
(純資産の部)
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ248百万円増加して5,024百万円となりました。主な内訳は、資本剰余金の増加53百万円、その他有価証券評価差額金の減少88百万円、非支配株主持分の増加211百万円であります。なお、自己資本比率は68.4%となりました。
b.経営成績等の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、次のとおりであります。
売上高は4,322百万円(前年同期比65.8%増)となりました。2025年4月1日よりDTC社及びメロン社が連結の範囲に加わり、システムインテグレーション事業及びAI関連事業の売上が新たに加わったこと、並びに前連結会計年度に中途連結(2024年10月)となったWEEL社の売上が当連結会計年度は通年で寄与したことが主な増加要因であります。一方、ソフトウエア事業においては売り切り型からサブスクリプション型への移行に伴いパッケージ売上が減少し、売上高は前年同期比で減少しました。
売上原価は2,088百万円(前年同期比163.1%増)となりました。DTC社及びメロン社の連結化に伴い、原価率の高いシステムインテグレーション事業及びAI関連事業の原価が加わったことが主な要因であります。この結果、売上総利益は2,233百万円(前年同期比23.2%増)となりましたが、売上総利益率は51.7%となり、前連結会計年度の69.5%から17.9ポイント低下しました。
販売費及び一般管理費は1,956百万円(前年同期比31.9%増)となりました。DTC社及びメロン社の連結化に伴う費用の増加に加え、のれん償却費が95百万円(前年同期19百万円)に増加したことが主な要因であります。
以上の結果、営業利益276百万円(前年同期比15.9%減)、経常利益324百万円(前年同期比9.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益156百万円(前年同期比41.8%減)となりました。
c.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、当連結会計年度末には4,112百万円となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金需要のうち主なものは、売上原価に係るもののほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。運転資金は自己資金を基本としております。なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は348百万円となっておりますが、これは、リース債務及び株式給付信託(J-ESOP)導入に伴う信託E口における金融機関からの借入金並びに連結子会社の金融機関からの借入金であります。
当社グループの第三者に対する保証は、信託E口における借入金に対する債務保証であります。保証した借入金の債務不履行が保証期間内に発生した場合、当社グループが代わりに弁済する義務があり、2026年3月31日現在の債務保証残高は27百万円であります。
d.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、まずソフトウエア事業においては、人件費等の固定費水準が高く、変動費比率が低いことが挙げられます。そのため、売上高が増加した場合の増益額が他の事業形態に比べ大きい一方、売上高が減少した場合の減益額も他の事業形態に比して大きく、利益の変動額が大きい傾向にあります。また、連結子会社の取得に伴うのれんが計上されており、今後数年間にわたりのれん償却費が継続的に計上されることが利益水準に影響を与える要因となっております。
システムインテグレーション事業及びAI関連事業においては、プロジェクトごとに要件や規模が異なり、特にAI関連事業では先端技術領域であるため開発の不確実性も存在します。このような事業特性から、プロジェクトの進捗状況や技術的課題により、計画と実績に乖離が生じる可能性があります。
グループ全体としては、システムインテグレーター等のパートナー(販売代理店等)との間接販売が主体であることにより、販売計画立案時に行政機関等からの秘匿性の高い案件を事前に察知することが困難な場合があり、開示している業績予想との乖離が発生する可能性があります。さらに、AI関連事業のように新規性の高い案件については、売上規模や納期の予測が難しい側面があり、業績の変動要因となる可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費の堅調さに加え、円安を背景としたインバウンド消費の増加、半導体関連需要の回復により、総じて安定的に推移しました。一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や、日中関係の悪化やイラン情勢の緊迫化など、地政学リスクの高まりが先行き不透明感を残しました。
IT業界では、少子化に伴う労働力不足への対応や生産性向上を目的に、DX推進の動きが加速しましたが、地政学リスクに起因する原油高や物価上昇、人件費の高騰により、企業のIT投資に対する慎重姿勢が継続しました。加えて、為替変動による調達コストの増加や、先行き不透明感を背景に、企業の中長期的な投資判断は慎重な傾向が続きました。
2024年7月以降、株式会社WEEL(WEEL社)、デジタルトランスコミュニケーションズ株式会社(DTC社)、株式会社メロン(メロン社)がグループに加わり、当社グループの連結子会社は3社となりました。WEEL社は生成AIを活用した受託開発・コンサルティングやAIエージェント開発に特化し、メロン社は時系列解析技術や大規模言語モデルを活用したAI・ソフトウエア開発を展開、DTC社はEDI/EAIを基軸とした業務インフラソリューションを提供しています。これにより、データ連携・AI・業務インフラ領域における事業基盤が強化され、グループ全体でのシナジー創出と成長戦略の加速を図っています。
これらの事業環境の変化と体制強化を受け、当社グループは2025年3月期より推進していた中期経営計画を見直し、2026年3月期から2028年3月期を対象とした新たな中期経営計画を、2025年5月12日に策定・公表いたしました。
新中期経営計画では、DX化された新しい働き方「DIGITAL WORK」の実現を中核ビジョンに掲げ、「個人と組織がともに成長し続けるDIGITAL WORKの実現」を目指しております。これを達成するため、当社グループは以下の3つの事業戦略を推進しております。
・事業領域の拡大・開拓
・収益安定性の向上
・人的資本経営の推進
また、当連結会計年度より、当社グループは従来のソフトウエア関連事業の単一セグメントから、事業セグメントを以下の3区分に再編しております。
・ソフトウエア事業
・システムインテグレーション事業
・AI関連事業
なお、当社は中期経営計画における財務方針の見直しにより、従来のDOE3.5%水準から、総還元性向100%(フルペイアウト)を基本とし、DOE3.5%~5.0%水準を目安に、自己株式取得も含めた機動的な株主還元を行います。また、2026年3月期の剰余金の配当は、1株当たり35円(普通配当26円+記念配当9円)となります。
詳細は、2026年4月16日公表の「中期経営計画における財務方針の変更および2026年3月期剰余金の配当に関するお知らせ」をご参照ください。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産残高は、前連結会計年度末に比べ857百万円増加して7,036百万円となりました。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ609百万円増加して2,012百万円となりました。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ248百万円増加して5,024百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高4,322百万円(前年同期比65.8%増)、営業利益276百万円(前年同期比15.9%減)、経常利益324百万円(前年同期比9.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益156百万円(前年同期比41.8%減)となりました。
各事業セグメントの状況は次のとおりであります。
ソフトウエア事業
クラウド型データ連携プラットフォーム「ACMS Cloud」を2025年11月28日より提供開始しました。これにあわせて、市場展開を加速するため、当社の最新戦略や製品情報を販売代理店と共有し、セミナーの実施や営業資料の整備などを通じて営業活動を支援し、販路拡大を進めています。また、ワークマネジメントプラットフォーム「Placul(プラカル)」のカスタマーサクセス業務に特化した新エディション「Placul - CustomerSuccess Edition(カスタマーサクセス・エディション)」を2025年10月17日より提供開始いたしました。これにより、顧客企業のカスタマーサクセス部門における業務効率化と顧客体験の向上を支援し、Placulの利用領域をさらに拡大してまいります。
また、当社は中期経営計画において人的資本経営を重要施策に掲げ、環境整備を進めてきた結果、こうした取り組みが評価され、D&I AWARD 2025「ベストワークプレイス」「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」に認定されました。さらに、ワンキャリア就活クチコミアワード2026 特別部門理系学生が選んだランキングGOLDランク・同アワードエリア部門関東ランキングBRONZEランクに選出されました。
これらを背景に、当連結会計年度のソフトウエア事業の売上高は2,426百万円(前年同期比4.0%減)となりました。なお、リカーリング売上比率は83.3%、リカーリング内のサブスクリプション売上比率は49.1%となりました。サブスクリプション売上は堅調に推移しており、当連結会計年度のMRR(Monthly Recurring Revenue:月次経常収益)は89百万円となっております。
当社は安定収益基盤の構築に向け、売り切り型からサブスクリプション型への移行を進めており、2026年3月期をもって新規の売り切り販売を終了しております。これにより、移行期は成長率が一時的に鈍化する可能性がありますが、継続収益の積み上げにより将来的には安定した持続的成長を実現していきます。
システムインテグレーション事業
システムインテグレーション事業では、DTC社がEDI/EAIを基軸とした業務インフラ構築を推進しており、ACMS Cloudの構築体制においてもグループ内のシナジーを実現するために引き続き協力体制を強化しております。また、DTC社単体においても、受注活動及び案件対応力の強化を通じて、安定的な事業運営に取り組みました。
さらに、EDI環境をフルパッケージで提供する「トラコ」が「ITトレンド年間ランキング」のEDI部門で第1位を獲得するなど、市場における認知度向上が進んでいます。加えて、新卒を対象とした採用活動を継続して推進しており、専門人材の獲得を目指すとともに外注依存の軽減による内製化比率の向上を通じて、将来的な利益率の改善につながる体制づくりを進めております。
これらを背景に、当連結会計年度のシステムインテグレーション事業の売上高は1,328百万円となりました。なお、システムインテグレーション事業につきましては、当連結会計年度より新たに報告セグメントとして設定したため、前連結会計年度との比較はしておりません。
AI関連事業
AI関連事業では、メロン社のプロダクトである需要予測サービス『KISS』が「生成AI業務変革カオスマップ」に紹介されるなど、市場から一定の評価を受けています。また、WEEL社も「生成AIサミットVol.7」などに出展することで、AI技術の実用化と市場展開を推進いたしました。
これらの販売促進活動を通じて、複数の企業から具体的な引き合いや相談が寄せられており、今後の受注や事業拡大に向けた有望な商談機会を創出しております。また、今後も高まることが予想されるAI需要を背景とした事業成長のために、AI人材・データサイエンティスト・データコンサルタント等の専門人材の採用活動も積極的に進めており、技術力と受託開発体制のさらなる強化を図っております。
これらを背景に、当連結会計年度のAI関連事業の売上高は567百万円(前年同期比607.3%増)となりました。
売上高は、ソフトウエア事業において売り切り型からサブスクリプション移行を進めたことに加え、当期はサブスクリプションの大型案件が少なく規模が縮小したこと、さらに子会社において売上計上基準を調整したことも影響し、業績予想を下回る結果となりました。
一方、のれん償却費の継続的な計上はあるものの、コスト管理を徹底し、適正なコストコントロールの実施により、営業利益及びEBITDAは業績予想と概ね同等の水準となりました。
今後の課題といたしましては、ACMS Cloudの安定稼働及び販売強化、グループ各社のシナジー創出による売上・利益の拡大、並びにAI関連事業における受注基盤の確立と認識しております。中期経営計画のもと、「事業領域の拡大・開拓」「収益安定性の向上」「人的資本経営の推進」の3つの柱を推進してまいります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、4,112百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は462百万円(前連結会計年度の得られた資金は103百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益280百万円、売上債権の減少190百万円、受取利息及び受取配当金45百万円、仕入債務の減少178百万円、未払金の減少11百万円、前受金の増加251百万円、減価償却費88百万円、のれん償却費95百万円、法人税等の支払107百万円、現金及び現金同等物の期末残高の増加284百万円等があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により得られた資金は82百万円(前連結会計年度の使用した資金は261百万円)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出15百万円、子会社株式の取得による収入91百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は261百万円(前連結会計年度の使用した資金は162百万円)となりました。これは主に、配当金の支払額162百万円、長期借入金の返済による支出102百万円があったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループの事業内容は、ソフトウエア製品の開発、販売及び保守、システムインテグレーション並びにAI関連サービスの提供であり、有形物の製造を行っていないことから、生産実績は記載しておりません。
b.受注実績
当社グループは、主にソフトウエア製品の開発、販売及び保守、システムインテグレーション並びにAI関連サービスの提供を行っております。受注残高の金額的重要性が乏しいため、受注実績の記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
| 区分の名称 | 金額(千円) | 前期比(%) |
| ソフトウエア事業 | 2,492,810 | 98.7 |
| システムインテグレーション事業 | 1,335,446 | - |
| AI関連事業 | 638,278 | 795.0 |
| 小計 | 4,466,535 | 171.3 |
| セグメント間の相殺消去 | △144,170 | - |
| 合計 | 4,322,364 | 165.8 |
(注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
| 富士通株式会社 | 343,887 | 13.2 | 605,589 | 14.0 |
| 株式会社日立システムズ | 283,589 | 10.9 | - | - |
(注)当連結会計年度の株式会社日立システムズに対する販売実績は、総販売高の100分の10未満のため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。なお、連結財務諸表に重要な影響を及ぼす会計上の見積りはありません。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末の資産残高は、前連結会計年度末に比べ857百万円増加して7,036百万円となりました。主な内訳は、現金及び預金の増加323百万円、売掛金の増加232百万円、のれんの増加295百万円、投資有価証券の減少232百万円、繰延税金資産の増加21百万円であります。
(負債の部)
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ609百万円増加して2,012百万円となりました。主な内訳は、買掛金の増加46百万円、未払金の増加59百万円、未払法人税等の増加29百万円、前受金の増加280百万円、賞与引当金の増加29百万円、1年以内返済予定の長期借入金の増加69百万円、長期借入金の増加135百万円、リース債務の減少13百万円、繰延税金負債の減少56百万円であります。
(純資産の部)
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ248百万円増加して5,024百万円となりました。主な内訳は、資本剰余金の増加53百万円、その他有価証券評価差額金の減少88百万円、非支配株主持分の増加211百万円であります。なお、自己資本比率は68.4%となりました。
b.経営成績等の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、次のとおりであります。
売上高は4,322百万円(前年同期比65.8%増)となりました。2025年4月1日よりDTC社及びメロン社が連結の範囲に加わり、システムインテグレーション事業及びAI関連事業の売上が新たに加わったこと、並びに前連結会計年度に中途連結(2024年10月)となったWEEL社の売上が当連結会計年度は通年で寄与したことが主な増加要因であります。一方、ソフトウエア事業においては売り切り型からサブスクリプション型への移行に伴いパッケージ売上が減少し、売上高は前年同期比で減少しました。
売上原価は2,088百万円(前年同期比163.1%増)となりました。DTC社及びメロン社の連結化に伴い、原価率の高いシステムインテグレーション事業及びAI関連事業の原価が加わったことが主な要因であります。この結果、売上総利益は2,233百万円(前年同期比23.2%増)となりましたが、売上総利益率は51.7%となり、前連結会計年度の69.5%から17.9ポイント低下しました。
販売費及び一般管理費は1,956百万円(前年同期比31.9%増)となりました。DTC社及びメロン社の連結化に伴う費用の増加に加え、のれん償却費が95百万円(前年同期19百万円)に増加したことが主な要因であります。
以上の結果、営業利益276百万円(前年同期比15.9%減)、経常利益324百万円(前年同期比9.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益156百万円(前年同期比41.8%減)となりました。
c.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、当連結会計年度末には4,112百万円となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金需要のうち主なものは、売上原価に係るもののほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。運転資金は自己資金を基本としております。なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は348百万円となっておりますが、これは、リース債務及び株式給付信託(J-ESOP)導入に伴う信託E口における金融機関からの借入金並びに連結子会社の金融機関からの借入金であります。
当社グループの第三者に対する保証は、信託E口における借入金に対する債務保証であります。保証した借入金の債務不履行が保証期間内に発生した場合、当社グループが代わりに弁済する義務があり、2026年3月31日現在の債務保証残高は27百万円であります。
d.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、まずソフトウエア事業においては、人件費等の固定費水準が高く、変動費比率が低いことが挙げられます。そのため、売上高が増加した場合の増益額が他の事業形態に比べ大きい一方、売上高が減少した場合の減益額も他の事業形態に比して大きく、利益の変動額が大きい傾向にあります。また、連結子会社の取得に伴うのれんが計上されており、今後数年間にわたりのれん償却費が継続的に計上されることが利益水準に影響を与える要因となっております。
システムインテグレーション事業及びAI関連事業においては、プロジェクトごとに要件や規模が異なり、特にAI関連事業では先端技術領域であるため開発の不確実性も存在します。このような事業特性から、プロジェクトの進捗状況や技術的課題により、計画と実績に乖離が生じる可能性があります。
グループ全体としては、システムインテグレーター等のパートナー(販売代理店等)との間接販売が主体であることにより、販売計画立案時に行政機関等からの秘匿性の高い案件を事前に察知することが困難な場合があり、開示している業績予想との乖離が発生する可能性があります。さらに、AI関連事業のように新規性の高い案件については、売上規模や納期の予測が難しい側面があり、業績の変動要因となる可能性があります。