有価証券報告書-第92期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
1 経営の基本方針
当金庫は中小企業や中小企業組合に寄り添い、深い対話を通じて様々な課題やニーズを把握する事業性評価を起点として、景気に左右されない金融スタンス等の特性を最大限に活かしたソリューションを的確に提供する「経営支援総合金融サービス事業」を展開しています。
当金庫は取引先中小企業の悩みや課題に対する支援を重点分野とし、以下のA~DゾーンそれぞれにKPIを設定してその進捗状況を管理しています。
A)借入負担が重く資金繰りに不安がある、B)債務超過や赤字等、財務・収支上の課題を有している、C)リスクの伴う海外展開や新事業進出の計画がある、D)創業間もなく資金調達に不安がある等の悩みや課題を有している中小企業に対して、踏み込んだファイナンス支援、伴走型の経営改善支援、M&Aや事業承継支援等、抜本的な課題解決に繋がるソリューションを提供することにより、地域経済を支える中小企業の企業価値向上に貢献してまいります。
ミドルリスクゾーンへの取組強化と並行して、的確な事業性評価の実施、モニタリングを通じた予兆・実態把握の高度化、伴走支援型の経営改善サポートの強化等による信用リスクの低減化及びリスク・リターン管理の強化等を通じた信用リスク管理の高度化に取り組んでいきます。あわせて、未来志向の構造改革を着実に進めることにより、適切な人員体制や経費構造を確立し、持続可能な成長を目指します。
2 経営戦略
当金庫は、中期経営計画にあたる「商工中金経営改革プログラム」(計画期間:2018年4月~2022年3月)を策定しています。
これは、危機対応業務にかかる不正行為事案等に対する反省を踏まえ、真に地域や中小企業に貢献するビジネスモデルの策定やガバナンス体制の強化を目的として、2018年5月22日に主務省に提出した「ビジネスモデル等に係る業務改善計画」の実行計画です。
中期経営計画に基づいて、ビジネスモデルの確立に向けて着実に歩みを進めていくため、当金庫では、中期経営計画の主要な施策等について、目標となる指標(KPI)を設定し、その進捗を管理しています。

3 経営環境
当連結会計年度のわが国経済をみますと、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、年度前半に急激に悪化した後、後半は持ち直しの動きがみられましたが、飲食や旅行関連などの対面型サービスセクターを中心に依然として厳しい状況にあります。
個人消費は、年度当初の緊急事態宣言により、対面サービスを伴う分野を中心に大きく減少した後、持ち直しの動きを挟んで、年度末には再び感染症拡大を受け弱含みました。設備投資は、年度前半の減少後、生産活動の回復を受け、年度後半には製造業を中心に持ち直しの動きがみられました。輸出は、世界的な経済活動の停滞を受け、年度当初は減少しましたが、年度後半は経済の回復が進んだ中国向けを中心に増加に転じました。
中小企業の景況感をみますと、当金庫の「商工中金景況調査」では、6月調査で景況判断指数は大きく落ち込みましたが、9月調査以降は持ち直し、景況感に下げ止まりの動きがみられました。一方、「中小企業設備投資動向調査」をみますと、景気の先行き不透明感が増す中、設備投資には慎重な姿勢が続きました。
金融面につきましては、日本銀行が「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する中、国内金利は短期金利、長期金利ともに低位で推移しました。円の対ドル相場は、米国の強力な金融緩和実施に伴って、緩やかなドル安円高傾向が続いた後、米国の長期金利上昇を受け、年度末にかけて1ドル110円台まで円安が進みました。日経平均株価は、海外株価の上昇等を背景に30年ぶりに一時30,000円台を回復するなど、堅調に推移しました。
4 対処すべき課題
長期金利が低位で推移する中、当金庫をはじめとする国内金融機関の収益には下押し圧力がかかっており、その中でも安定的な収益を確保していくためには、中期経営計画の基礎となる取引先中小企業との対話を通じた課題・ニーズの共有及び踏み込んだ支援に伴う付加価値の高いソリューションの提供を一層加速化させていく必要があります。そのため、取引先中小企業から課題や悩みを相談していただけるリレーションの構築、課題や悩みの背景や本質を理解するための事業性評価力の強化、課題解決に繋がるソリューション提供の高度化を着実に進めてまいります。
当金庫の貸出先の大部分は外部環境の影響を受けやすい中小企業であり、人手不足等の構造的問題に加えて、新型コロナウイルス感染症の影響で業績悪化を強いられています。従って、引き続き取引先中小企業の資金繰り支援に万全を期してまいります。特に当面は、新型コロナウイルス感染症の影響の大きさに鑑み、危機対応業務の指定金融機関として、2020年8月より取り扱いを開始いたしました資本性劣後ローンを含めて、制度を的確に運用しつつ、影響を受けられた中小企業の皆さまに懇切・丁寧かつ個別の実情に応じた迅速な対応を行ってまいります。
加えて、借入金の急激な増加、新常態におけるビジネスモデルや商流の変化、業界再編への適応等、中小企業の課題やニーズは一層多様化しており、伴走型の支援体制の強化や予兆管理の高度化を進めることにより、これまで以上に適切な対処法のアドバイスやソリューションの提供を行っていく必要があります。財務・収支上の課題を有し、事業再生や経営改善を必要とするに至った取引先中小企業に対しては、地域の金融機関と協調し、当金庫の特性を活かしたソリューションも活用しながら、中長期的な目線を持って地域経済を支える中小企業の経営改善等をサポートしてまいります。
これらの取組みを持続的なものとするため、未来志向の業務改革と徹底した経費削減に努めてまいります。WEBやスマートフォンアプリ等の非対面チャネルを効果的に活用し、顧客利便性を確保しながら、店舗の統合や店舗機能の縮小等による店舗運営コストの低減を図りつつ、持続可能な調達方法の確立に取り組んでまいります。また、情報のデジタル化や高度化により取引先中小企業の本業支援への取組みを強化しつつ、ペーパーレス化やシステム化により、事務の集中化や効率化を図ることで、取引先中小企業との対話に充てる時間を増やしてまいります。
また、引き続き、ビジネスモデルを支える屋台骨としてのコンプライアンス意識の定着化や内部管理態勢の強化に取り組むとともに、職員の能力を最大限に発揮できる人事制度の構築、ダイバーシティの推進やインクルージョンの浸透にも取り組み、中期経営計画で目指すビジネスモデルの確立に向けて邁進してまいります。
当金庫は中小企業や中小企業組合に寄り添い、深い対話を通じて様々な課題やニーズを把握する事業性評価を起点として、景気に左右されない金融スタンス等の特性を最大限に活かしたソリューションを的確に提供する「経営支援総合金融サービス事業」を展開しています。
当金庫は取引先中小企業の悩みや課題に対する支援を重点分野とし、以下のA~DゾーンそれぞれにKPIを設定してその進捗状況を管理しています。
A)借入負担が重く資金繰りに不安がある、B)債務超過や赤字等、財務・収支上の課題を有している、C)リスクの伴う海外展開や新事業進出の計画がある、D)創業間もなく資金調達に不安がある等の悩みや課題を有している中小企業に対して、踏み込んだファイナンス支援、伴走型の経営改善支援、M&Aや事業承継支援等、抜本的な課題解決に繋がるソリューションを提供することにより、地域経済を支える中小企業の企業価値向上に貢献してまいります。
ミドルリスクゾーンへの取組強化と並行して、的確な事業性評価の実施、モニタリングを通じた予兆・実態把握の高度化、伴走支援型の経営改善サポートの強化等による信用リスクの低減化及びリスク・リターン管理の強化等を通じた信用リスク管理の高度化に取り組んでいきます。あわせて、未来志向の構造改革を着実に進めることにより、適切な人員体制や経費構造を確立し、持続可能な成長を目指します。
2 経営戦略
当金庫は、中期経営計画にあたる「商工中金経営改革プログラム」(計画期間:2018年4月~2022年3月)を策定しています。
これは、危機対応業務にかかる不正行為事案等に対する反省を踏まえ、真に地域や中小企業に貢献するビジネスモデルの策定やガバナンス体制の強化を目的として、2018年5月22日に主務省に提出した「ビジネスモデル等に係る業務改善計画」の実行計画です。
中期経営計画に基づいて、ビジネスモデルの確立に向けて着実に歩みを進めていくため、当金庫では、中期経営計画の主要な施策等について、目標となる指標(KPI)を設定し、その進捗を管理しています。

3 経営環境
当連結会計年度のわが国経済をみますと、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、年度前半に急激に悪化した後、後半は持ち直しの動きがみられましたが、飲食や旅行関連などの対面型サービスセクターを中心に依然として厳しい状況にあります。
個人消費は、年度当初の緊急事態宣言により、対面サービスを伴う分野を中心に大きく減少した後、持ち直しの動きを挟んで、年度末には再び感染症拡大を受け弱含みました。設備投資は、年度前半の減少後、生産活動の回復を受け、年度後半には製造業を中心に持ち直しの動きがみられました。輸出は、世界的な経済活動の停滞を受け、年度当初は減少しましたが、年度後半は経済の回復が進んだ中国向けを中心に増加に転じました。
中小企業の景況感をみますと、当金庫の「商工中金景況調査」では、6月調査で景況判断指数は大きく落ち込みましたが、9月調査以降は持ち直し、景況感に下げ止まりの動きがみられました。一方、「中小企業設備投資動向調査」をみますと、景気の先行き不透明感が増す中、設備投資には慎重な姿勢が続きました。
金融面につきましては、日本銀行が「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する中、国内金利は短期金利、長期金利ともに低位で推移しました。円の対ドル相場は、米国の強力な金融緩和実施に伴って、緩やかなドル安円高傾向が続いた後、米国の長期金利上昇を受け、年度末にかけて1ドル110円台まで円安が進みました。日経平均株価は、海外株価の上昇等を背景に30年ぶりに一時30,000円台を回復するなど、堅調に推移しました。
4 対処すべき課題
長期金利が低位で推移する中、当金庫をはじめとする国内金融機関の収益には下押し圧力がかかっており、その中でも安定的な収益を確保していくためには、中期経営計画の基礎となる取引先中小企業との対話を通じた課題・ニーズの共有及び踏み込んだ支援に伴う付加価値の高いソリューションの提供を一層加速化させていく必要があります。そのため、取引先中小企業から課題や悩みを相談していただけるリレーションの構築、課題や悩みの背景や本質を理解するための事業性評価力の強化、課題解決に繋がるソリューション提供の高度化を着実に進めてまいります。
当金庫の貸出先の大部分は外部環境の影響を受けやすい中小企業であり、人手不足等の構造的問題に加えて、新型コロナウイルス感染症の影響で業績悪化を強いられています。従って、引き続き取引先中小企業の資金繰り支援に万全を期してまいります。特に当面は、新型コロナウイルス感染症の影響の大きさに鑑み、危機対応業務の指定金融機関として、2020年8月より取り扱いを開始いたしました資本性劣後ローンを含めて、制度を的確に運用しつつ、影響を受けられた中小企業の皆さまに懇切・丁寧かつ個別の実情に応じた迅速な対応を行ってまいります。
加えて、借入金の急激な増加、新常態におけるビジネスモデルや商流の変化、業界再編への適応等、中小企業の課題やニーズは一層多様化しており、伴走型の支援体制の強化や予兆管理の高度化を進めることにより、これまで以上に適切な対処法のアドバイスやソリューションの提供を行っていく必要があります。財務・収支上の課題を有し、事業再生や経営改善を必要とするに至った取引先中小企業に対しては、地域の金融機関と協調し、当金庫の特性を活かしたソリューションも活用しながら、中長期的な目線を持って地域経済を支える中小企業の経営改善等をサポートしてまいります。
これらの取組みを持続的なものとするため、未来志向の業務改革と徹底した経費削減に努めてまいります。WEBやスマートフォンアプリ等の非対面チャネルを効果的に活用し、顧客利便性を確保しながら、店舗の統合や店舗機能の縮小等による店舗運営コストの低減を図りつつ、持続可能な調達方法の確立に取り組んでまいります。また、情報のデジタル化や高度化により取引先中小企業の本業支援への取組みを強化しつつ、ペーパーレス化やシステム化により、事務の集中化や効率化を図ることで、取引先中小企業との対話に充てる時間を増やしてまいります。
また、引き続き、ビジネスモデルを支える屋台骨としてのコンプライアンス意識の定着化や内部管理態勢の強化に取り組むとともに、職員の能力を最大限に発揮できる人事制度の構築、ダイバーシティの推進やインクルージョンの浸透にも取り組み、中期経営計画で目指すビジネスモデルの確立に向けて邁進してまいります。