有価証券報告書-第95期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/24 15:53
【資料】
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【項目】
163項目
当金庫グループ(以下、本項目においては「当金庫」という。)の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当金庫が判断したものであります。
1 経営の基本方針
人口減少や環境問題など社会的な課題を意識した経営の重要性が近年益々高まっております。当金庫としても新たな時代に相応しい組織風土・企業文化を形成し、改めて私たちの存在意義や大切にすべき考え方を共有するために、全役職員がその策定に参画し、2022年3月に企業理念の見直しを行いました。さらに、将来にわたり共通の価値観として組織に根付かせることを徹底すべく、2023年6月に定款へ規定しております。
企業理念が当金庫の全役職員に浸透し、ステークホルダーからの信頼と共感が得られるよう取組みを継続していくことで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
○企業理念

2 経営環境
2023年度のわが国経済をみますと、おおむね緩やかな回復が続いたものの、期末にかけてやや弱含みの推移となりました。
個人消費は、コロナ禍からの反動需要が一巡するなかで物価上昇が購買力を削ぎ、持ち直しの動きに足踏みがみられました。設備投資は、人手不足を背景とした企業の合理化・省力化投資を中心に持ち直しました。財の輸出は中国を中心とした海外経済の減速を受け、横ばい程度の推移となりました。生産は、大手自動車メーカーの生産・出荷停止から年度末にかけて弱含みの推移となりました。
こうした中で中小企業の景況感をみますと、商工中金のお取引先を対象とした「商工中金景況調査」では、供給制約の緩和やインバウンドの回復などを背景に2023年中は好転が続いたのち、2024年に入り自動車の減産や能登半島地震などの影響から悪化に転じました。
金融面では、2023年に日本銀行が長期金利の上限の目途を引き上げたのち、2024年3月の金融政策決定会合において、これまでの「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の枠組みおよびマイナス金利政策の修正を決定しました。ただし、緩和的な金融環境は継続するとの姿勢を示したことで、長期金利の上昇は限定的なものにとどまりました。円の対ドル相場は円安方向に推移し、150円を超える円安水準となりました。日経平均株価は1990年以来の最高値を更新し、一時4万円台に達しました。
3 対処すべき課題と経営戦略
<中期経営計画(2022~2024年度)の基本方針>2022年度から2024年度までの3年間を計画期間とする中期経営計画では、中長期的に中小企業が直面する多種多様な経営課題を踏まえ、「商工中金経営改革プログラム」で培ったビジネスモデルを強化し、より踏み込んだ企業支援に取り組むことで、変化につよい企業経営をともに実現していくと同時に、商工中金自身の持続可能なビジネスモデルの実現を目指してまいります。
<中期経営計画に基づく主要な施策>(1)サービスのシフト
中小企業が抱える経営課題が多様化・複雑化する中、更にニーズが高まっていく、情報サービス、人財サービス、高度金融サービスという3つの分野に注力し、課題解決に向けて取り組むお取引先に対して様々な経営リソースを提供してまいります。
情報サービスは、財務診断やESG診断、DX・ITサーベイ、従業員の幸福度を可視化する幸せデザインサーベイ、CO2排出量可視化サービスといったツールを活用してお取引先と課題を共有する診断サービスと、共有した課題の解決に向けた計画策定や実行支援を行うコンサルティング・本業支援の取組みを強化してまいります。なお、2023年10月に、海外5拠点目となる「ハノイ駐在員事務所(ベトナム)」を開設しております。ベトナム国内での体制を強化し、既進出および新規進出を検討中の中小企業の皆さまを、資金面や情報提供面を通じて、より一層サポートしてまいります。
人財サービスは、課題解決に取り組むにあたって必要となる、お取引先を内部から支える経営人材、専門人材の確保に貢献するべく、提携先とのビジネスマッチングや、当金庫の専門的な人的リソースを活用した人材提供に取り組んでまいります。
高度金融サービスは、複雑化・高度化する経営課題に対応し、大型の資金調達や適切なリスクコントロールを実現するストラクチャードファイナンス等への取組みを強化してまいります。また、政策投資株の取得およびメザニンファイナンス等を含む投資業務の取組みを強化し、財務内容が大きく毀損したお取引先の財務健全化ニーズや、事業承継等における株式引受けニーズに対応してまいります。なお、2023年8月に、投資専門子会社である商工中金キャピタル株式会社を設立しております。事業再生や事業承継・成長資金調達等のニーズに対し、資本性資金の供給とハンズオン支援を通じて、お客さまの企業価値向上に貢献してまいります。

(2)差別化分野の確立
経済危機や災害時のセーフティネット機能の発揮、日々の資金繰り支援、事業性評価に基づく本業支援に加え、お取引先のライフステージごとの経営課題に着目し、S:「スタートアップ支援」、E:「サステナブル経営支援」、T:「事業再生支援」の3つの領域を「差別化分野」として取組みを強化してまいります。
「スタートアップ支援」は、イノベーションを促進し地域活性化を図るうえで社会的にも重要な機能であり、スタートアップ特有の課題を踏まえた一気通貫のサポートに取り組んでまいります。
「サステナブル経営支援」については、気候変動リスクへの対応に取り組むお取引先への支援や、従業員エンゲージメントの向上に取り組むお取引先、災害対策等を進めるお取引先、ガバナンスを強化しようとするお取引先等への支援を推進してまいります。
「事業再生支援」は、専門性向上と対応力の底上げにより、財務や収支に課題を抱えるお取引先の経営改善・再生に向けた取組みを強化してまいります。

(3)当金庫自身の企業変革
パーパス・ミッションを基軸として、多くの新しいチャレンジを育むべく、「Well-being・D&I」、「お客さま本位の業務運営」、「デジタルトランスフォーメーション」の3つの主要なテーマに基づき、企業体質や組織風土改革を進めてまいります。

<商工中金法の改正>第211回通常国会において、「中小企業信用保険法及び株式会社商工組合中央金庫法の一部を改正する法律」が2023年6月13日に成立しました。同法では、政府保有株式の全部処分を実施し、商工中金のサービスの「範囲」の一部を銀行と同様となるよう見直す一方で、株主資格制限や特別準備金の維持、危機対応業務の責務化等、必要な各種措置は維持するものとされております。商工中金の使命は、今後も変わりません。中小企業と中小企業組合の企業価値向上に向けた取組みを強化するとともに、その取組みを通じた地域活性化への貢献に取り組んでまいります。
<その他の取組み>上記の取組みを持続的なものとするため、未来志向の業務改革と合理化に努めてまいります。前年度の試行を経て2024年4月に全店稼働を開始いたしました法人・個人事業主さま向けポータルサイト「商工中金Bizリンク」や個人のお客さま向けスマートフォンアプリ「商工中金ダイレクト」等の非対面チャネルを効果的に活用し、顧客利便性を確保しながら、店舗機能の本部集中化等による店舗運営コストの低減と持続可能な調達方法の確立に取り組んでまいります。
引き続き、ビジネスモデルを支える屋台骨としてのコンプライアンス意識の定着化や内部管理態勢の強化に取り組むとともに、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進にも取り組み、持続可能なビジネスモデルの実現に向けて邁進してまいります。
<目標とする経営指標(単体)>
経営指標2024年度目標
業務粗利益1,270億円程度
業務純益500億円程度
経常利益230億円程度
純利益160億円程度
OHR(経費率=経費/業務粗利益)60%程度

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